機動戦士ガンダム 翼を広げて   作:キラトマト

26 / 26
#25 ひとつきりの命

 危機を脱したアークエンジェルに下った新たな指令はアラスカ基地への降下。一方、サイ達キラの友人は除隊許可証を得、身柄の解放が伝えられるのだった。しかしその時、フレイが入隊を希望する。それにつられて全員が残り、それを知ったキラも残ることに……。そして迫るザフトの影、第八艦隊が盾となり、アークエンジェルは地球へと降りられるのか……? 

 

「キラ!? なぜ戻ってきたぁ!!」

 

「僕は……僕はアークエンジェルを落とされたくないんです!」

 

 そう言ってキラはブリッジへと向かっていってしまった。

 

「あのバカっ……大気圏突入直前だぞ!?」

 

 直後、グリュックの元に1人の少女がやってくる。

 

「ちょ、軍人さん!? 今キラの声が聞こえたんだけど!!」

 

「なんでここにいるのエレノア!?」

 

「それより! キラは!!」

 

「……戻ってきたよ」

 

「なんで!」

 

 それを聞いたエレノアは戸惑いと悲しみが混じった声色で言った。

 

「知らねぇよ……なんであいつがまた戦場に……」

 

「……そう」

 

「それよりもエレノア、お前キラのこと好きだろ」

 

「えっ……? なんでそれを……」

 

「ばっかあんな態度みてたら誰でもわかるっての」

 

「……何でライバルってわかってるのに……」

 

「ライバル……? もしかして俺にキラ取られるとか思ってる? 生憎だが俺に男色の趣味は無いし、それに俺にはナナバさんがいる」

 

「そ、そうなんだぁ……よかったぁ……」

 

「はぁ……まったく」

 

「あ! ごめんなさい軍人さん!」

 

「え? 何で?」

 

「だって今まで酷い態度とってきたし……」

 

「あ! それよりも君の両親はどうしたんだ?」

 

「えへへ〜、艦から抜け出してきたんだっ! まぁ〜、私さえ生きてたらそのうち会えるし、別にいいでしょ!」

 

 そう喋っているうちに、ストライクはデュエルとの戦闘を開始していた。

 

「ストライクぅぅうううう!!! この傷の礼だぁぁあああ!!」

 

 ビームサーベルで切りかかるも、あっさりと避けられ、そして強烈な蹴りを浴びせられたデュエル。その隙にアークエンジェルの方へと戻ろうとするキラだったが、2機の間にハルバートン提督のメネラオスが射出したシャトルが割り込む。

 

「なっ……」

 

 それを挟んでデュエルはストライクにライフルを向ける。しかしそれはストライクに難なく避けられてしまう。

 

「くそぉ……邪魔なんだよ……」

 

「だ、ダメだそのポッドには……!!」

 

「逃げ出した腰抜け兵がッ!!!」

 

 照準がポッドを捉えた。ストライクは足裏、腰裏、腰裏、背中、エールストライカー全てのスラスターを全開にしてシャトルへと向かう。

 

「やめろぉおおおおお!!!」

 

 ビームの一閃がシャトルを貫いた。悲鳴すら上げられぬまま、避難民達は宙の藻屑となった。

 

「あ……ぁ……ぁあ……」

 

『これ上げる!! これまで守ってくれて、ありがとうっ』

 

 キラの脳内に、アークエンジェルに戻る前に折り紙をくれた、エルという少女の顔が思い起こされる。

 

「あ……ぅ……ぅぁあぅ……あぁああああ!!!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。