連邦軍、ミデアのマチルダ中尉の支援を得られたホワイトベース。彼らはジオンの制空権を抜ける為、ニューヤーク市内に潜伏した。一方その頃、ジオンのガルマは親友シャアと共に前市長エッシェンバッハの開催する立食パーティーに赴いていた。
「……ジオン軍の総帥たるザビ家の息子に、娘はやれんか……君の父上なら、そう言うだろう」
婚約者、イセリナと共に会場を出ていたガルマ。
「はい……わたくしには、ジオン軍も連邦軍も関係ありません。ガルマ様がガルマ様、お慕い申しております」
「イセリナ……」
ガルマは彼女を胸に引き寄せる。
「たとえ父を裏切ろうとも、わたくしはガルマ様のおそばにおります」
「私も父とジオンを裏切る訳にはいきませんが……」
イセリナは彼の胸を離れ顔を見合わせる。
「大丈夫、もうすぐ連邦の機密情報が手に入りそうなのです。そうすれば
「ガルマ様……」
「それでも無理なら……私もジオンを捨てよう」
「ガルマ様……!」
「……」
(戦場でラブロマンスとは、ガルマらしいよ、お坊ちゃん)
そんな2人を、シャアは冷ややかな目で見つめるのであった。そしてホワイトベースが市内に潜伏しているとの情報を入手したガルマ達ジオン軍は攻撃空母ガウを駆り、攻撃を仕掛けに行くのであった。
###
「……これも全部、コロニー落としの被害だってのかよ……」
市内を低空飛行していたホワイトベース。その中でグリュックは呟いた。
「それも同胞ごと……な」
志願兵として艦に残ったジャンが続ける。
「僕がガンダムで出て囮になって、それでその間に海に抜けるっていうのはどうでしょう?」
そうアムロがブライトに進言するが……。
「いや、陽動作戦に出るのも、突破口を開くのも……」
ブライトが頭を抱えていると突然、前がピカッと感光する。
「照明弾……?」
「今、前に雨天野球場が見えなかったか?」
ブライトの問いにオペレーターが肯定する。
「よし、あそこにホワイトベースを隠せ、入るはずだ」
「どういうこと?」
その提案に操舵手のミライが疑問を漏らす。
「敵から身を隠すため、ホワイトベースの動きを全て停止する。その間に敵の動きを読んで突破口を────」
「ブライトさん! 反対します!」
そんなアムロを無視し、ブライトは命令を下す。
「カイはガンキャノン、リュウ、ハヤトはガンタンク、グリュックはコア・ファイターで待機。まだ我々は民間人を抱えていることを忘れるな」
「……僕だって民間人です」
「各自第一戦闘配備のまま待機、物音一つ立てさせるな」
そして、ジャンと同じく志願兵としてオペレーターの任を担うこととなったナナバが、グリュックのコア・ファイターのモニターに写る。そしてじゅうたん爆撃を開始したガウの擲弾がニューヤーク市内を襲う。
「くっ……これで当たらなきゃ、ラッキーボーイだな……」
「なら当たりませんよリュウさん、俺、運いいですから」
リュウの軽口にグリュックが答える。
「このまま、見つからないといいけど……」
###
一方その頃、パーティー会場では戦場に飛び立ったガルマの元に向かう為、イセリナが個人用の飛行機に乗り込もうとしていた。
「だっ、誰か来てください! お嬢様が!!」
「お離し!! あなたに何がわかるっていうの!」
「お嬢様! 今行くのは死にに行くようなものです!」
「お嬢様! なりません! お父上がお呼びです!」
「お前たち失礼ですよ!!」
「お嬢様!」
「ダメです! わたくしには行くところがあるの! お離し! お離しったら!!」
そうは言うものの、3人の力に敵うはずもなく、彼女は父の元に連れられる。
「ジオンの頭目の息子が、嫁に欲しいとな? ふっ」
葉巻を吹かし、嘲笑する。
「お父様にも、わたくしを自由にする権利は無いはずよ! わたくしには、自分出自分の道を選ぶ権利が────」
「許さん!!」
父が娘をぶったのだ。彼女は倒れ伏し涙をボロボロと流す。
「いいか? ジェット機のキーをイセリナに渡すんじゃない!」
「は、はっ! 旦那様!!」
「うっ……うっ……ガルマ様……」
倒れ、泣きながら想い人の名を口にするイセリナ。果たしてガルマは無事に彼女の元に戻ることが出来るのか────