「あのガウ……もしかして……」
「? どうしたんだい?」
「いや……」
しかし、ガウからガルマ・ザビの気配がしたなんていう突拍子もないことを言うわけにもいかず、オペレーターのナナバには少し要領を得ない回答となってしまう。するとブライトから通信が入った。
「ザクが3機、こちらに向かってきている。ガンダムは囮になって奴らを引き付けてくれ。ガンキャノン、タンクは残って待機、コア・ファイターは遊撃に出てくれ」
「了解です。コア・ファイター、出ます!!」
彼は出撃し、アムロと共にシャア部隊に対峙した。
「MSが向こうに向かったということは……」
ホワイトベースのある真反対の方向へと飛んだガンダム。シャアは何かを察知しホワイトベースを見つけた。しかし……。
「モビルスーツの向かった方向に木馬がある。行けるか?」
「向かうさ」
シャアの言葉に疑問すら覚えなかったガルマはガンダムの向かった方向へと舵を取る。イセリナとの約束の為、ホワイトベースを逃す訳にはいかないのだ。
「何だ? 急に敵が反対方向に……」
グリュックが疑問を覚えたその一瞬で、ホワイトベースの主砲、ガンキャノン、タンクの一斉射撃が開始する。
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「シャア!?」
シャアに騙され、撃墜寸前となってしまったガウ。ガルマは最後の力を振り絞り急速旋回、ホワイトベースへと特攻を仕掛ける。
「はっはっは、君は良い親友だったが、君の父親がいけないのだよ」
シャアがガウに通信で伝える。
「ガルマ大佐! 脱出艇でお逃げ下さい!!」
「クソッ! 部下を残して逃げられるものか! それではイセリナに合わせる顔がないではないか!!」
「死んでしまっては元も子もないと言っているんですよ!!」
「しかし!!」
ガルマの部下は力づくで彼を脱出艇に押し込む。
「貴様!! 上官に対して────」
そんな声が、コア・ファイターから聞いていたグリュック。異常な聴力で聞いていたのだが、それが引き金を引く指を鈍らせてしまう。
「出せ!! ここから出せ!!」
脱出艇の窓を力いっぱい叩き続けるガルマ。そして集中砲火を受け続けながらホワイトベースへと突っ込むガウ。
「絶対にガルマ大佐に気付けさせるんじゃないぞ!!」
「奴ら、特攻を仕掛けるつもりか!? ホワイトベース、急速上昇!! 各員! 伏せろ!!」
ガウは惜しくもホワイトベースから離れていき、地面と衝突、大爆発を起こした。
「ホワイトベースは!! ……よかった……。ってあれは!? アムロ!!」
グリュックはそう言うと脱出艇のあるところへ印を放つ。ガンダムが回収した脱出艇の中には……。
脱出艇の中にいたのはザビ家の末弟、ガルマ・ザビであった。彼はホワイトベースに捕虜として捕らえられ、そして彼が死んだと思い込み復讐の念に駆られたイセリナは銃を取る。
次回『イセリナの決意』
慈愛を秘め、駆けろガンダム!