エロゲの悪役に転生した俺、勃起中はステータス爆上がりのスキルで破滅を回避する。童貞だけど   作:ゼフィガルド

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第13話:剛・直・真・槍

 第1フロアボスの階層を超えると、現れる魔物にも変化が現れる。

 今まではコボルトやゴブリンの様に数で殴って来る雑魚敵が多かったが、この階層から単体で強い個体が出て来る。

 

「ブギギッブギィ!!」

 

 豚の亜人、いわゆる『オーク』なんかは中々に強い。攻撃力は高くないが、HPと防御が高いので長期戦を強いられる。戦闘が長引くと、フロア内を徘徊しているモンスターも乱入してくる。

 

「エレク様! ラッシュ・ガゼルです!」

「事故要員め」

 

 多くのユーザーを入口へと戻して来たこともあり、クソ鹿の名前で呼ばれている。ジンワリとスキルを発動させているお陰もあり、事故もなく順調だ。

 ドロップ品やアイテムを回収しつつ、緊張しすぎない位に雑談なども交えつつ、奥へ奥へと進んでいく。

 

「あの、エレク様は私達に付いてはどれ位、ご存じなんですか? その。『ゲーム』? と言う物である程度知っているんですよね」

「そうだな。俺が知っているのは」

 

 セレン、平民出自の娘。ダンジョンに潜った理由は病気がちな母親を治療する薬を探す為であり、彼女が回復を得手としているのはここら辺が理由だ。

 

「私、一言も喋っていないのに。もしかして、これからどうなるかも?」

「知らん。俺が知っているのは、お前がルーカスと行動した場合だけだ」

 

 もしも、セレンルートに入った場合はルーカスと共にダンジョンを攻略していく中で万能の霊薬『エリクサ』を入手するのだが、手に入れた直後。ルーカスは、倒したはずの毒蛇による魂を蝕む毒により死に戻りが許されない程のダメージを受ける。

 その時、彼女は母親の為に取っていた霊薬を使うかどうかを葛藤する。というシナリオなのだが、滅茶苦茶評判が悪い。

 

「(ユーザーがルーカスを動かしている以上、アイツに肩入れをするのは当然のことなんだが)」

 

 ユーザーの多くからツッコミとして挙げられたのは『助けられた癖に、自分が助けるときは迷うのか』。『回復術士が1人で深層まで行ける訳もないのに、なんで渋るんだ』。『回復をケチる回復術死』等。このせいで彼女は『セレなんとか』さんと揶揄されるようになった。

 勿論、こんなことを言うべきではないし。俺にとってのセレンは、真摯に話を聞いてくれた協力者である。……なのだが。

 

「どうかしました?」

 

 何も知らない彼女は心配そうに尋ねて来る。この気遣いが胸に響く。

 何故なら、俺も彼女の立ち振る舞いを揶揄していたユーザーの一人だったからだ。でなければ、セレなんとかさんなんて呼称が出てくるわけがない。

 

「何でもない。先へ進んで行こう」

「みぎゃ」

 

 股間に張り付いている天雅に餌を与えながら、時折股間の治療もして貰いつつ。俺達は階層を進んでいく。

 

~~

 

 オークやラッシュ・ガゼルを退けながら辿り着いた先。暫く、長い通路が続いた後に広大なフロアが待ち構えている。望遠鏡で確認しようにも、不思議な靄が掛かって覗くことは出来なかった。

 

「セレン。早速、試してみるぞ」

「わ、分かりました。天雅君越しで良いんですよね?」

「みぎゅ!」

 

 ハラリと外套を脱ぐと表れたのは『あるく』と名前が書かれたスクール水着。彼女の手がズボンの中に入り、天雅に触れた。

 

「オッ」

 

 彼女がスクール水着になった時点で既にスキルのバフ値は上がっていたが、他人にして貰うのは全く感じが違う。刺激と言うのは、感触的な物だけではなく視覚的な物だけでもないらしい。

 嗅覚、聴覚までもガンガン揺さぶられる。ずっとこうされていたいと思いつつも、果ててしまっては発動が終わってしまう。このお預け感は酷過ぎる。全ての目的を放り出して、放出したい欲求に駆られながら言葉を吐き出した。

 

「ステータス。オープン」

 

【レベル】:13

【体力】:60(+100)

【魔力】:00(+100)

【攻撃力】:30(+100)

【防御力】:42(+100)

【俊敏性】:05(+100)

 

「後は。段取り通り、ですよね?」

「あぁ、絶対に始末してくる」

 

 帰還用の巻物(スクロール)を耐火布で覆い、懐に仕舞う。天雅とバッグを預け、歩を進める。フロア内では第2のボス『ケリュアー』が女性冒険者を相手に盛っていた。

 

「うあっ、あっ。やめっ、見ないで……」

 

 カリドーン程の体躯ではないが、巨大な鹿の化け物であるケリュアーの交尾は何処か現実感の様な物があった。

前回の様に突飛に見た訳ではなく、準備を踏まえた上だとしても。性欲の全てが暴力へと置換されたような感覚に気が狂いそうになる。

 

「剥製にしてやらぁ!」

 

 フロアの入り口と出口が閉ざされる。凄まじい速度で動き回るが、コイツの対策については考えるまでもない。既に俺の全身は焼けるように熱かった。

 

「εκπυρσοκροτώ!!」

 

 空間のあちらこちらで爆発が起きる。如何に機動力が高くても絨毯爆撃をすれば当たるだろうと考えていたが、ケリュアーの速度と危機感地能力は想像の遥か上を行っていた。

 爆撃を避け、縦横無尽に飛び回りながら、突進と後ろ脚で蹴り上げて来る。【勃起無双】越しでも若干体力が削られるのだから、本来ならば相当に苦戦する相手なのだろう。

 

「あっ、ぐ。もうダメだ」

 

 意識が朦朧としてきた。全身が破裂しそうなほどに加熱している。今、思えばエレクが【勃起無双】を使ってヒロインを拉致、強姦するのは合理的な行動だったのだ。そうしなければ、自分の能力で自死しかねないのだから。

 

「ピャンッ!!」

 

 視界の中にある物がゆっくりと見えた。俺の姿を見て驚愕の声を上げる、名前を思い出せないヒロイン。そして、尻をこちらに向けながらトドメの後ろ脚蹴りを放とうとして来るケリュアー。だが、俺の心に思い浮かんだのは悔しさでも怒りでもなかった。

 先程、ケリュアーの交尾は現実的だと言った。青銅の蹄から伸びた脚は華奢で美しく、額から伸びた雄々しい2本の金角はブロンドヘアーの様に見えた。何よりも、こちらに向けた尻の形は整っていた。キュッと締まった肛門が実にセクシーだった。

 

「堪らねぇ!!」

「ビャッ!」

 

 ズボンがズルリと脱げ落ちた。ガッシリと胴体を固定して、ケリュアーの体内をぶん殴る一撃を入れた。周囲から上がった悲鳴が誰の物だったかは分からないが、ひたすらにぶん殴った。

 

「マ”ッ!」

 

 取り付いた俺を剥がそうと暴れ回るが意味が無い。何故なら、今の俺は欲望を解き放つまで微動だにしないからだ。

 

「食らえ! 俺の一撃!!」

 

 正しく、全身全霊だった。ボゴボゴと体が膨れ上がり、ケリュアーは破裂した。同時に俺の意識も遠のいて行く。転がって来た目玉から憎悪を始めとした色々な物が籠った視線を向けられたが、俺は気持ちよく死に戻った。

 

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