エロゲの悪役に転生した俺、勃起中はステータス爆上がりのスキルで破滅を回避する。童貞だけど   作:ゼフィガルド

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第2話:初ダンジョンと試み

「ギーッ!!」

 

 ゴブリンが雄叫びを上げた。俺は慌てて殴り倒すが、既に時遅し。

 周りには同胞を助けに来たゴブリンや漁夫の利を狙おうとしたコボルトがゾロゾロと駆けつけて来た。そっと股間に手を伸ばした。

 

「今こそ、無双の発動時!」

 

 が、生憎。俺はケモナーでも無ければ異種姦性癖がある訳でもない。無理矢理勃たせようとして潜り込ませた手を上下に動かしてみたが、勃たない!!

 

「ギーッ!」

「ぐわぁああああああ!!!」

 

 数で囲まれてあっと言う間にボコボコにされてしまった。あえなく、俺は入り口まで叩き出された。周囲から失笑の声が聞こえてくる中、執事だけが心配そうな顔をしてくれていた。

 

「エレク様。大丈夫ですか?」

「クソッ!」

 

 何故、自家発電をしようとしたのに能力を発揮できなかったのか? 正しいかどうかは兎も角として、俺の中に一つの仮説が浮かんだ。

 エレクは性欲猿である。メイドとしてやって来た女性にも手を出していたし、ヤって来たことは数知れず。

 

「(刺激慣れしていて、自分じゃ勃たせられないんじゃないか?)」

 

 だとしたら由々しき問題だ。スキルが無ければ、ただのデブでしかない。

 周囲を見渡す。冒険者相手の商売の中には売春もある。娼婦を同伴させれば、ひょっとして行けるのではないかと思った。

 

「おい。娼婦を買って来ることは出来んか?」

「何をおっしゃいますか。侯爵家の長男ともあろう者が!」

 

 そもそも、体裁的に不可能な話だった。ならば、女性冒険者と手を組むという方法も考えたが望みは薄い。エレクと言う男が犯して来た罪全てに足を引っ張られていた。

 どうすれば良いのか。本当に相手をしてくれるのが魔物位しかいなさそうだ。ならば、美少女型の魔物が居なかったかを考えてみたが、出現するのはいずれもダンジョンの深部の方だった。

 

「(いや、居た!)」

 

 だが、ここで1匹だけ思い当った魔物が居た。美少女ではないが、魔物ならば物の様に扱っても誰からも咎められることは無いだろう。

 

「エレク様?」

「おい、捕縛用の籠を買ってこい。今直ぐにだ。それと、残飯を引き取ってこい」

 

~~

 

 魔物を捕縛する用の籠を提げて、再びダンジョンに潜っていた。ゴブリンやコボルトに見つからない様に慎重に立ち回りながら、俺はお目当ての魔物を見つけていた。

 

「ピギュ?」

 

 球体状の液体生物『スライム』である。仲間を呼ぶだけの知能も無く、最弱と呼ばれている魔物であるだけに、捕縛は容易かった。

 

「暴れるなよ。暴れるなよ」

 

 機嫌を取る為に、執事に用意させた残飯を差し出した。口も見当たらないと言うのに体内へと消えていく様子は不思議な物だった。

 飯をくれる存在だと認識したのかズリズリと擦り寄って来た。こうしてみると愛嬌すら感じられるが、今は必要なことを手伝って貰うだけだ。

 

「ちょっと借りるぞ」

「ぎゅ?」

 

 ズボンの中に入れて、そして……入れた!! 生暖かい感触が心地良い。何をされたか分からないのか、モゾモゾと動いている。

 

「よし、お前の名前は天雅だ。雅な物だろう?」

「きゅきゅ」

「アォー!!」

 

 気持ち良くなっている最中だったが、残飯の臭いを嗅ぎつけたのか。コボルトが徒党を組んでやって来ていた。だが、今の俺は違っていた。

 

「うぉおお!? 体が!! 軽い!!」

 

 もしやと思い、俺は咄嗟にステータスをオープンした。元来の低ステは変わっていない物の、注目すべきはバフによって加算される数値である。

 

【レベル】:1

【体力】:10(+10)

【魔力】:00(+10)

【攻撃力】:05(+10)

【防御力】:12(+10)

【俊敏性】:03(+10)

【固有スキル】:勃起無双

 

「(こんな物で、此処まで変わるのか!)」

 

 天雅(オナホ)からもたらされた刺激により条件を満たしたことで、体は羽が生えたように軽かった。半勃ち程度で、この強化とは【無双】と呼ばれるだけにある。

 先頭に立っていたコボルトをバターの様に切り裂き、何が起きたか分からずに戸惑っている隙を逃さずに次々と仕留めていく。

 

「オォー!」

 

 残された1匹は仲間の死体に目もくれずに逃げ出した。止めを刺そうと追いかけた所で、不意に体がズシリと重くなった。何事かと思って、ズボンの中を覗き込んでみれば。

 

「みぎゅ」

「そうだよな。食ったモノ、体内に取り入れた物は消化するよな」

 

 幸いにして溶けてなくなる。なんてことは無かったが、消化液の様な物を浴び続けた為か。股間が凄くヒリヒリしていて、無双状態を維持する所じゃなかった。

 猛烈に痒くなって蹲った所、騒ぎを聞いて駆けつけたのかゴブリンとコボルトの団体様がやって来ていた。

 

「ギーッ!!」

「みぎゃー!!」

「あ。ちょっと待って」

 

 薄情なことに天雅は直ぐに逃げ出し、俺は団体様から逃げることも敵わずにボコボコにされて、入り口に戻されていた。

 


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