エロゲの悪役に転生した俺、勃起中はステータス爆上がりのスキルで破滅を回避する。童貞だけど   作:ゼフィガルド

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第5話:スキルの行使と余韻

 

「ウォオオオオオ!!!」

 

 天雅《スライムオナホ》の時は羽が生えた様、と形容したが。今の俺は、まるで風になったかの様だった。思った場所へと跳べる、移動できる。

 では、膂力に関しては心許ないかと言われたら、そんなことは無い。全身に力が滾り、胆力も漲っている。強大な殺気を放つ金色の瞳を睨み返していた。

 

「グゴゴゴゴフギィ!!」

 

 イノシシ型のボス、名前は確か『カリドーン』だったか。ゲーム中では最初に出会うボスだが、その強さに多くのユーザーの心を圧し折って来た迷宮の番人である。

 楽しみを邪魔されて腹が立っているのか、フロアが震える程の咆哮を上げて吶喊して来た。あの巨体はもはや武器だと言っても良い。走るだけで、地震が発生しているかの様だった。ルーカスが踏ん張りながら叫んでいた。

 

「おい、避けろ!」

 

 実際に正しい選択ではあるのだろう。しかし、こんな状況で機敏に動ける人間等、そうはいない。……今の俺なら、可能かもしれないが。

 だが、俺はそんなまだるっこしい手を取るつもりは無かった。腰を落として体幹を安定させ、カリドーン目掛けてぶつかった。

 

「!?」

 

 常識的に考えれば勝負すら成り立たない程の質量差だ。敢え無く、撥ね飛ばされて入り口に戻ると言うのが普通だ。しかし、【勃起無双】のスキルが発動している状態ならば話は別だ。

 

「ウォオオ!!」

「グギギギグゲォ!」

 

 超質量同士がぶつかった衝撃で周囲の大気が震え、周囲の床に亀裂が走る。

 お互いに押し切ろうと足腰に力を籠めれば込める程、自重で沈んでいく。まだだ、この力はまだまだ上に行ける。確信があった。

 

「でぇりゃぁああああああ!!」

「グィイイイイ!?」

「嘘……だろっ!?」

 

 ルーカスが間抜けな声を出す。

 カリドーンの巨体が地面から離れ、俺に持ち上げられた。

 

「オラッァァァァ!!」

 

 壁に向かって全力で放り投げると──。

 

「ブイイイィィ!!」

「ぐぉぉおおお!!」

 

 ──獣と勇者の悲鳴が聞こえた。どうやら巻き込んでしまったらしい。

 

 ダンジョン内の反響が収まった。

 ルーカスは静かになったが、カリドーンはそんなに簡単じゃない。

 ムクリ立ちあがると頭を振ってから、鋭く俺を見据える。金色の瞳が真っ赤に染まる。叫んだ。

 

「διώχνω φυσώντας!」

「(鳴き声。いや、違う!!)」

 

 鳴き声ではなく明確な意思を持つ言語。つまり、魔法……!? 今まで、冒険者達しか使ってこなかったこともあり、油断していた。

 ドンッ! と不可視の何かが俺にぶつかる。背中に衝撃が走り、壁まで飛ばされていたことに気が付いた。

 

「ブモォォォオオオ!!」

 

 不味い……! 鼻面が眼前に迫る……!!

 

 ──時間がゆっくり流れ始めた。

 

 ゲームで言う所のハメコンボに値するのだろう。だが、俺の中に渦巻いていた感情は絶望でも恐怖でもない。愚息だけではなく、まるで全身が生殖器になったかのような感覚に陥るほどの興奮。俺は、女と暴力によって覚醒した。

 

【体力】:10(+100)

【魔力】:00(+100)

【攻撃力】:05(+100)

【防御力】:12(+100)

【俊敏性】:03(+100)

 

 今なら魔法だって使える……!!

 

「焼き豚になりやがれ! הפוך לבשר חזיר בגריל!!」

 

 意図して行動した訳ではない。屹立した股間が、赤熱し、湯気が立ち、灼熱を放った。

 

「焼き尽くせェ!!」

「グゴォオオオオオ!!」

 

 フロア一帯を紅蓮が包み込んでいた。カリドーンの皮膚を溶かし、肉を貫き、骨を焼き尽くす。全てが納まった頃には、ドロップ品が転がっているだけだった。

 興奮も冷めやらぬ。ルーカスと一緒にあの娘も焼き尽くしてしまったんだろうか? どうせ、死に戻るだろうし、別に構わないだろう。暫く、達成感に浸っていると人の気配を感じた。

 

「あ、あの……」

 

 先程の娘だった。どうやって逃げ果せていたかは分からないが、無事だったらしい。大事な場所が見えない様に腕で隠しているようだが、そんな物は嗜虐心を煽る恥じらいでしかない。

 

「ひっ」

 

 興奮はまだ冷めていない。ならば、余興に耽るのも悪くはない。

 女に近付く、押し倒す。相手にする豚の種類が変わるだけだ。俺とエレクが一つになった様な感覚の中で、欲望のままに動こうとしていた。

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