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側近たちの反対によって景虎は自制した。
勝算があっても確実とは言えないので当然だが、この時期の景虎にはそれほど説得力が備わって居なかったというのもある。あくまで将来有望であり、年齢としては十分な胆力や洞察力が見え隠れすると言う程度なのだ。
それと同時に父親と祖父が越中で無くなっているのもあるだろう。
理由こそ違うが、一向宗との戦いに越中へ赴き命を落としているのである。側近たちが心配するのも当然であろう。
「それでは弾正様。工兵共をお借りしますぞ」
「実乃がよきように計らえ。飯をそちらで食わせるならばどんな働きをさせても良い」
景虎の打ち出した唯一の内政方針である街道整備。
消極的な者が多い中、いの一番に名乗りを上げただけではなく大いに利用したのが本庄実乃である。彼は普請事業に詳しく虎千代時代に居た栃尾城の再建に関わり、今では城代になっている。この機に彼の本領や、仕えていた栖吉長尾との街道を一気に繋げてしまおうというのだろう。ここまで長い距離を整備するならば、戦闘工兵を借りてしまった方が都合が良いのも確かであった。
「道を通さば銭を戴けるのでしたな。そこから回しても?」
「構わぬ。朝秀に言えば前金を出すように言うておる」
「また、終われば長さと太さに応じて出すようにしておるゆえ、本庄が家の懐と相談せい」
「大熊殿ですか……。承知しました」
実乃は目に見えて嫌そうな顔をした。
彼は普請事業全体の主導者になる事を自認しているが、会計責任者である大熊朝秀とはあまり反りが合わないのだ。そもそも、この時代の武士は金銭を汚い物として扱う者もいるくらいだ。長尾家・上杉家の両方に顔を出して越後の金庫番となっている朝秀から、金周りの相談で何度も顔を会わせ小言を言われるわけで猶更であろう。
「……神五郎が与坂の周囲で治水をしたいと言うておったな。道普請について説明するついでに面倒を見てやれ」
「そういう事でしたら途中で神五の奴に引き継ぎましょう」
何事にも相性はあるもので、武将同士の縁は三角関係だ。
本庄実乃と直江実綱の相性は悪くなく、実綱と朝秀の相性は悪くない。これは実綱が政務系の側近であり、先代当主である晴景と共にあちこちに顔を出しているというのもあるだろう。喧嘩するくらいならば実綱を介して話をしろと言われれば、最初に挨拶だけして後は顔を出さない様にしようという程度の分別が実乃にもあった。
「他になんぞ注意が必要ですかな?」
「私は領地経営に口を挟まぬ。道に金は出すし、工兵も貸そう」
「余った時で田畑を広げようと治水をしようと構わぬ。じゃが道を作らぬ虚偽には滅ぼすまでやる」
「……この本庄美作守、肝に銘じておきますぞ」
景虎はいっそ清々しいまでに内政を丸投げした。
行政に必要ならば資金を出すし、好き勝手をしても咎めない。だが、唯一の政策である街道整備を理由に挙げておきながら虚偽を行い、不正に資金を受給するだけならばお家が絶えるまで殲滅すると言い放ったのである。
なお脳筋揃いの越後勢のこと、本当にやると思わなかったものは多数居た。
とはいえ豪族たちは互いに親戚関係であることも多く、彼らの弁護もあり言い訳的に整備した者はまだ許された。しかし対面的な事すらまったく理解せず、口だけ誤っておけば良いと思った豪族も一人二人は居たのだ。その者たちは完全に攻め滅ぼされたという。
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天分十七年夏。情勢が大きく動いたことで出兵の準備が早まった。
越中の神保家は景虎の宣戦布告に対して戦力を集めようとしたが、椎名家が切り崩して豪族の幾人かを寝返らせたのだ。これに拍車をかけたのが、一向門徒の内部分裂である。
宗教組織は外敵に対して一致団結し死を恐れぬ死兵となる。
だがそれは外敵と戦う段階であり、普段は勢力争いで寺同士で勢力を争っていた。ここに椎名家は景虎が一向宗……というより浄土真宗に大して隔意が無い事を伝えたことで、坊官たちが武将化できる道が見えたのも大きいだろう。そうなればライバルはむしろ邪魔なのだ。
「いまならば一向宗の邪魔は入らぬ。……定満。諸国の情勢はどうか?」
「はっ。正統なる管領家は古河の管領を自称する伊勢に敗れました」
「また、信濃に攻め入って居た武田は小笠原との戦いが本格化したと」
「つまり我らの背後は安全と言う事だな」
情報分析を担当する宇佐美定満より、諸将の前で報告が述べられた。
上野の山内上杉は川越決戦で後北条に敗北を喫している。越後上杉家を通じて緩やかに関係修復が図られていたことにより、北の守備兵を即座に南へ回して傷が広がらないように奮戦している所だという。とはいえ山内上杉に関してはそう大きな変化はなかったと言えるだろう。
むしろ史実と変化はあったのは信濃方面である。
史実に置いて北信濃の諸将は長尾家に縁があり、親族である晴景の凋落で弱体化していた。そこで東信濃の村上家が信濃北部の高梨家と争って行くのだが、その隙を甲斐の武田家に突かれていた。だが景虎の守護代就任と戦力拡充が史実よりもだいぶ早くなったためにこの介入を警戒、北部への進出を断念したのだ。結果として村上家は余計な戦闘を増やしておらず、隙が伺えなかったことで、武田家は攻略の矛先を史実よりも早く信濃南部へ切り替えたのである。
「実綱、朝信。田畑の刈り取りは?」
「出兵に際し今年は早めに種をまき、早めに刈り取りも済ませております」
「近隣の諸将は夏の間に、揚北衆も秋口には参陣できるかと存じます」
直江神五郎実綱に並んで、越後上杉で内政担当の斎藤下野守朝信が応える。
この頃の越後勢は守護である上杉定実の体調不良もあって、殆どが景虎に直接仕えていた。他にも多くの諸将が居る中、彼が応えているのは……越後に内政ができる武将が少ないからである。実綱が内政の比重が高いのに対し、バランス型で武将としての面が強いため、頑固な揚北衆も彼には強く出れなかったという。
「よろしい。先発で三千、景虎が直卒する兵で神保長織を討つ」
「余の者は越中制圧のためにゆるゆると参れ。場合によっては冬もあちらで過ごすゆえな」
「実乃に後を任せる。この機に越中までの道を通してしまうのじゃ。神保を滅ぼすまでやるぞ」
「はっ!」
この頃の越後は飢饉や水害の問題で、実質的に二十万石ちょっとしかない。
防衛はともかく攻めるための稼働戦力は五千程、雇った常備兵も合わせて六千も居れば良い方だ。そこで常備兵を中心とした三千で攻め込み、寝返りを加えた椎名勢を主力にして戦う事になった。攻め疲れた頃に後続の二千程が到着する算段で、残り千程が春日山城周辺の防備に詰めることになる。
「しかし殿。それだけの戦力で勝ちきれますかな? 途中で神保を取り逃がしてしまうのでは?」
「定満は心配性だな。既に一向宗を半分に割った。孫次郎、教えてやれ」
「はっ。まず罪さえ犯さないのであれば越中への布教を許可しました」
「また一向宗の坊官が武将であるかのように統治することを椎名との協議で認めました」
定満が念のために尋ねるが、これは事前に取り決めた雰囲気造りだ。
既に側近たちの間で情報は共有されているが、みなの前で周知する必要があったからだ。越中における最大の懸念は死を恐れぬ一向宗であり、弾圧令を解除することで、その矛先が和らぎ最後まで戦う気力が無ければ烏合の衆でしかなかった。
ポイントは『全ての寺社に対してではない』ということだ。どこの寺も勢力拡大を狙っているし、特に親鸞様ゆかりの越後への関心が強いと知って、越後への復権を果たせば一向宗内部での功績が高くなる事が伺えたため、その対立を煽ったのである。
「なんと能景様以来の令を解くと……しかし、これならば楽に勝てますな」
「やはり神保を取り逃がすかどうかの勝負。急がねば」
先ほどの兵力問題は、越中にも当てはまっている。
飢饉や水害の問題で二十万石を下回っており、攻めるための戦力は五千も無い。更にその一部が越後勢に協力するのだ、一向宗さえ向かってこなければ楽勝に見えなくも無かった。もちろん篭城されては数の勝負ではなくなるので、何とも言えないのであるが。
とはいえこの辺りの心情は、景虎に転生した女が特に宗教へ思い入れが無いからこそだろう。越後で禁教とされていたことを当然と思っている者や、逆に不満を覚えている者など反応はさまざまであった。だがそれでも、戦いに際して有利となれば、口を挟むほどではなかったようだが。
「いざ、出陣!」
「「おお!」」
こうして越後勢のうち、常備兵を中心に府内付近の兵力が出陣したのである。
戦闘工作兵を途中に置いて、道を広げながら前進。約二千が越中へと向かった。
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と言う訳で始まった越中征伐なのっ。
でも、ここで皆に良い知らせと悪い知らせがありまーす。どっちが良い? まあ悪い方からってのが無難だよね。まあ同じ理由なんだけどさ。
「待ち構えられているだと?」
「はっ。越中勢との合流前を狙われたのかと」
「この先の拓けた場所に、三千ほどが我らの進撃を阻もうと展開しております」
越後勢は二千なのに、三千から囲まれる! ビックリはしませんがピンチなのかな!?
越中の東は椎名さんちなのに、結構ギャンブルだよね。それとも単に、椎名さんがボコボコにされてて、入り放題だったのかな? まあ決着が簡単で楽だからいいけど。
「こっちが全軍を集めたら勝ち目がないから先に出て来たんだろうね」
「宣戦布告は昨年の間にしておりました。当然といえば当然ですな」
「景家、定満。笑い事ではないぞ……まあ笑い出したいのは私もだがな」
ピンチだというのにイズミちゃんもウサミンも一緒になって笑ってる。
それもそのはず。私達は驚くほどの脳筋軍団……じゃなくて精鋭を率いているので、この位の兵力差なら誤差といえなくもない。むしろ千人未満の兵士に奇襲を掛けられて、現地到着まで眠れない方が面倒だったかな。あとはどれだけ被害を出さないか、どんだけ長引かないかの問題だね。
「これで楽に成ったな。集結地点を変えるぞ」
「はい。先んじて富山城に兵を回すように伝えましょう」
「神保長織に逃げられたら面倒だからね。そのまま押し込んじまおう」
なんというかカケラも緊張感が無いけれど、それも当然かな。
敵は時間稼ぎできる狭い場所で待ち構えたんだけど、こちらの数が少ないと知ってあえて引き込んだんだろうね。グルっと囲んで戦えば勝てるって思ったんだと思う。でも、それはこっちがヤる気満々だったら話は変わって来るんだ~。囲んでるって事は、どこも薄いってことだもん。勢いのある相手にはひたすら数で耐えろって多聞宝塔のお爺ちゃんたちも言ってるくらい(同じくらい篭城で耐えろと言うからどっちが良いのか判んないけど)。
「聞いての通りだ豊守、急使に立ってくれるか?」
「拙者も功を稼ぎたいのですが……。そういうことでしたら」
山吉の孫次郎くんの加護はレンジャー系で、足止め効果を受けないんだってさ。
だから色んな地形を走り慣れているし、少し引き返して越中の人たちにお話しにいけば戦っている間に集結地点を変えられると思う。これで援軍が来なくて負けたら間抜けだけど、イズミちゃんたちもノリノリだからそんな事はないと思うのね。
「和泉守。主力を率いて敵右翼を蹂躙せよ。その間、私は残りの敵を抑える」
「そいつは間違っても大将のすることじゃないんですけどねえ? まあいいさ、あたしが一番手柄はもらうよ」
正面から戦っても勝てるとは思う。
でもそれをやったら二千と三千だし犠牲が増えてしまうので、勝ち易い場所で勝利してそうでない場所は守って居れば良いのだ。拓けた場所と言っても足場とかあるしね。一番強いイズミちゃんに全部任せた方が楽なんだなあー。そういう訳で、とっつげき~!
「剛毅な物ですな。和泉守なら手勢だけでも用を果たしますものを」
「敵に優秀な将がおらぬ以上は勝つのは当然だ。ならば後を考えただけのことよ」
「ならば重要なのは時間だ。さっさと突破して蹴散らすに限るゆえな」
「ごもっとも」
最近、ウサミンが多聞宝塔のお爺ちゃんとあんま変わらない反応に成って来た。
情報を分析してくれるし、何かあったら注意もしてくれる。でも私がまともなアイデアを出してる間は何も言わないのね。暖かい目で見守る保護者って感じ。何というか軍師というか補佐官みたいな態度だよね。まあ面倒なことを代わってくれるから良いんだけどさ。
「和泉守が動き出しましたな。間もなく彼奴らも動き出すかと」
「弥三郎に防がせよ。敵が崩れるまで保てば良い」
「はっ!」
矢と一緒に爆炎や雷撃の魔法が炸裂した後、戦意旺盛なメンバーが柿崎勢と一緒に突撃して行く。
一方で神保勢も爆炎魔法で打ち返すけど、椎名の引き抜きとか一向宗への対策であまり有名な人がいないのよね。それを向こうの大将が直接指揮してるわけだけど……。まあ人間一人が制御できるわけないじゃない? 私だったら絶対ムリ! なので向こうが混乱するまで守ってれば勝てるんだし、こっちは既に動き出して向こうは今から。基本的に勝負にならないと言って良いんじゃないかな。
とはいえ戦は水物、楽勝で終わるはずが無かったのです。
あ、この戦いは楽勝だったけどね。……その後はとっても面倒なことに成っちゃったんだな。これが。
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戦いには勝ったけど、神保さんを討ち取れるほどじゃなかったのが全ての問題だった。
本当だったら私たちを迎撃してたのも三千じゃなくて、四千とか五千は居た筈だったんだろう。それで向こうは逃げ腰だったみたいね。そんな雰囲気にぜんぜん気が付かないほど馬鹿なはずないもんね。もしかしたら狭い場所で足止めって戦術を否定されて、じゃあ囲んでボコボコにしようって提案してギリギリ何とかなっていたのかもしんない。
「なに、逃げただと?」
「修復中だった富山城のみならず田畑にも火を掛け、西の増山城まで大きく逃走したそうです」
うーん、やっぱり春に攻めてればよかったかな~?
神保さんはこないだの戦いで逃げ出した後、越中の真ん中にある富山城に戻らなかったのね。そのまま籠っててくれたら山吉君が手配した越中勢が攻め込んだはずなんだけど、さっさと見切って逃走するのは流石かもしれない。
あるいは一向宗の人たちの動きが変なので、もしかしたらこっちに合流して一万を越えているとか、思ったのかもしんない。まあそこまで居たら勝負にならないから、サッサと逃げ出す気分も判るかな。とりあえず政治屋さんの香りがしたので要注意だ~。
「ちょっと小突かれただけで尻に帆掛けて逃げだすとは呆れたものだねえ」
「だが和泉守。効率的ではあるぞ。戦いが長引けば我らは引き上げる予定であった」
焼けた富山城は篭城用と言うよりは、支配用で中継拠点らしいのね。
川沿いにある事もあって水害は受けるし、椎名家との戦争で壊れたり直したりして、増築しながら徐々に大きくしてたんだって。そこに私たちが乗り込んで来たら勝てないから逃げちゃったみたいなの。漫画やアニメで偶に見るけど、食料が無ければ帰るしかないしね。数で負けてて、武将であるイズミちゃんたちに勝てないなら、まあ分からないでもないんだ。
「ではいかがされます? このまま引き下がってまた奴が出て来るのを待つと?」
「まさか。神保長織が増山城に籠っておる間に、他の諸城を落とす。篭城は増援があってこそ」
「それと、こちらに付いた一向宗に奴の所業を触れて回らせる。神保は田を焼いたぞ、次はお前たちの食料を奪いに来るぞ、奴を許すなとな」
前世のゲームもそうなんだけどさ、城攻めってあんま好きくないのよね。
自分の戦闘力とか関係ないし、しっかりしたお城だとすっごい時間が掛かるもん。だから封じめるだけ封じ込めて、他を全部貰っちゃいましょう! それと相手が動かないんだから、ついでにプロパガンダ作戦発令しちゃいます!
「民草は生きる為に何でもしますよ? あたしらが帰ったらまた受け入れるんじゃないです?」
「それは越中の中央に誰も居なければの話だな。椎名に領地を明け渡すが、富山は暫く確保する」
「斎藤下野守。聞いての通りだ、富山城を修復し道を作り次第に椎名の軍勢を入れろ。足りない兵は後追いで来る揚北衆に任せる」
「はっ!」
神保さんちの残り戦力は西南部の増山城に逃げ込んでる。
どうもそこが越中で一番凄い城らしいのよね。なのでそこを無視して他を攻め落としちゃえって話。出て来れば決戦すれば良いし、出て来なければ越中の皆に領地を上げちゃうのです。でもそれには越中を任せると言った椎名さんがど真ん中である富山城に居ないと駄目なのよね。
幸いにもというか、今回は二段構えで食料を用意している。
本庄のおじさんが街道を作りながら準備しているので、ゆっくりと揚北衆が越中の中央へ増援に来るはずだ。神保さんってば、越後勢が全力で来てると思ってるんだけど、私たちはあと二段階の変身を残してるってわけ!
「他には?」
「加賀の尾山坊に使者を出せ。その手引きで一向宗と全面的に和睦する」
「越後での正式な布教許可のみならず、必要ならば朝倉との和睦をこちらで斡旋もする」
「また能登畠山にも使者を送り、神保の後背を絶つのだ」
と言う訳で神保さんと戦うんじゃなくて、援助する人たちを何とかしましょー。
誰からも援軍が来ない、何処にも逃げ場がない! そんな状況まで追い込んでバッキバッキに心を折ってからまた来ればいいのよね。
「浄土の教えを説くことは許すが、国の柱とするわけではないことに注意せよ」
「他の宗教・宗派であろうと、同じように扱うとしたまでである」
「罪なくば親鸞のみならず全ての教えを許す。蒙古と共にあった景教・回教であろうとな」
「景虎が許さぬのは罪である。宗派・門徒の内の罪であろうとも、領内であらば許さぬことを見知りおけ」
越後では菩提寺である林泉寺と禅宗の教えを貴ぶのは同じだよー。
あくまで宗教は平等に扱う事、一向宗である浄土真宗の教えを差別しないとしただけね。もちろん寺を建てるために資金提供する事くらいは構わないし、寺を立てる為の土地程度ならば寄進しても構わないんだけど、特に優遇する訳ではないというのが重要な点なの。
「此度の出兵でどうにもならぬのであれば、次回で倒せば良い」
「よって必要なのは次回への布石。そしてその時は確実に神保長織を包囲する」
「増山に籠る前に一向宗を使って道を塞ぐ。我らが去れば味方に戻ると思うて居る奴も引き抜いておく」
「なるほど。戦わずに逃げた上、『自分たちの食い物』を奪った神保、来れば勝てる長尾。どっちにつくかって話かい」
何というか、この時代って『いくぞー!』って移動して勝つか負けるかばっかなのよね。
でも、戦争ってそういうものばっかりじゃないじゃない? それに現在進行形で困ってるお百姓さんが居て、神保さんが悪い事をしているならば、次は話が変わってくると思うの。だから椎名の軍勢を富山に移動させるし、私たちは援軍を残して帰る感じです。
と言う訳で来年も再来年も!『私達の戦いは、始まったばかりだ!』なーんて♪ あ、ネタなので、ここで終わるわけじゃないからね!
と言う訳で越中攻めは中途半端に終わりました。
二千で三千に勝てるのは良いのですが、相手が弱かったからで……。
そんな状況なら逃げるのも当然ですよね(史実でも逃走してる)。
ちなみに状況が同じなので大抵歴史は似てきます。
魔法が有ろうがなかろうが、関東での戦いは殆ど同じで越後と和解した分だけ少し余裕ある程度。
逆に信濃方面が結構変わって居て、村上が越後を警戒したせいで隙が無く
武田家はここで負ける運命を見越して、史実よりも早く南に行ってます。