『ウィィィィィス!!どうもぉジャムでぇす!!』 作:ジャムキンTV
「えぇ!?自分がサンタさんに!?」
「えぇそうです」
季節は暮れ、もうすぐクリスマスという日にポケモンリーグに呼び出されたジャム。いつもの会議室でリーグスタッフ数名とリーグ委員長であるオモダカから「サンタになれ」と伝えられていた。
突然の申し出に驚くジャムのリアクションを無視してオモダカは話を続ける。
「ポケモンリーグでは年間を通して色々としているのは知っていますね?直近ではハロウィンイベントがそれに該当します」
「はえ〜」
「次はクリスマスなのですが、そこで是非貴方にサンタとして参加してほしいのです」
「いつも通りも良いが人気のあるTraiTuberを起用してはどうか」という上からの指示を受けたオモダカは即ジャムに連絡をした。
TraiTube“r”ジャムはかなり知名度がある。上からの指示には「人気のあるTraiTuber」というものがあったがそれに該当している。それだけではなく、既に知り合いであり何度か仕事をしているオモダカとしては“扱い易い”為すぐにこの打ち合わせが決まった。
そんなオモダカの考えを知らないジャムは「はえ〜すっごい大変そう(小並感)」と呑気に考えていた。
「クリスマスイブに複数の街でイベントを開催。そこを順に巡りながら参加していただきます。朝から夜まで動いてもらいますが、貴方なら問題ないでしょう」
「はえ〜」
「そして、クリスマス当日には各地の孤児院や施設を回りプレゼントを配っていただきます」
「はえ〜……ん?」
「こちらも朝から夜まで続きますが、大丈夫でしょう?」
「ん?ん??ん???」
突然の事にジャムの脳内はハテナで埋め尽くされた。ギリギリのバトルで急所を突かれて逆転負けを喫した時でさえ思考は出来ていた。
「二日間、忙しくなりますが私達も全力でバックアップさせていただきます。皆で協力してやり遂げましょう」
「二日間……?」
「えぇ、二日間です。クリスマスはイブと当日で二日間あるでしょう?」
「アッハイ……」
一日働けば良いかと呑気していたジャムもこれには驚いた。扱いが少し雑だなと自覚していたが、荷車を引かされるバンバドロよりも働かされるのではと戦慄していた。疑問を呈そうにもいつもの笑みで圧力を掛けられては肯定するしかない。
「これは人々を支援する為のもの、慈善基金集めです。誰かの為社会の為、愛と感謝の活動です」
「はい」
「貴方の力があれば救いが必要な人々に支援が出来る。なので協力をお願いします。きちんと賃金は支払われるので安心してください」
「……こういうのはノーギャラなのでは?」
「イベントでの収益、運営費から支払われます」
「……はい、分かりました。やれる限りの事はやらせていただきますぅ」
「ウィィィィィス!!どうもぉジャムでぇす!!皆さん、寄付の方をね、えぇありがとうございましたぁ!額の方はねこれ、画面に映ってるかな、映ってると思います。一緒に書かれているQRコードから寄付が出来ますよぉ。なんか、なんかぁ……暖かい!胸の内が暖かいね本当に!」
「イベント会場にもね、えぇ皆さん凄い来てくれてますねぇ!店、出店がね、美味しそうなお店が出ておりますぅ。私もね、後で行ってみたいと……いや時間ないか」
「はい、んじゃぁ次がチャリティーバトルの最後の試合ですぅ!ほんで、最後の相手は……んあ?ファッ!?なんで?なんで?なんで?なんでぇ??なんで君がぁ!?え、委員長から頼まれた?ちょ、近い近い!」
「残念ながらぁ……最後に負けてしまいましたぁ。ここでまさかあの子が来るとは思いませんでしたぁ……いや嫌な予感はしてたんですけどぉ、まさか当たるとは……はい、はい、まぁ久し振りにバトル出来て良かったです」
「それではね、ここで私はサンタさんの代わりに皆さんの所にプレゼントを配りに行きますよぉ!アッアッアッアッ!ンジャ……ンマタノ~ウ!ヤッ!」
「お疲れ様です、今回のクリスマスチャリティーは予想以上に好評でしたよ。テレビでの視聴率は高く、SNSでの評判も良い。募金も歴代1番の額なんだとか。二日間働き詰めで疲れたでしょう?」
「いえいえ、そこまでは……」
「子供達からのお礼の手紙が届いていますので見てあげてください」
12月26日、仕事を終えたジャムは早々にリーグに呼び出されていた。仕事を労うトップに謙虚に返すジャムだが、本人は本心から「そこまで大した事でなかった」と思っていた。
数々の配信や動画を撮ってきたジャムの体力ならば二日程度の活動は問題なかった。それに加え、人々の笑顔や感謝の言葉を受けた事によりジャムの能力は普段の1.5倍にぐーんと上がっていた。
ジャムファンからは「いつもの事だな」「体力バカ」「高耐久高速」と普段通りと言われていたが、ジャムをあまり知らない視聴者からは「これ労働基準超えてるだろ」といった声も上がったのだとか。
「もう既に口座の方には振り込んでおります。リーグを代表して、誠にありがとうございました」
「まぁ自分も楽しかったんで、えぇ、貴重な体験が出来ました」
その後、数分話をするとジャムはリーグを離れた。少しの疲労感と大きな達成感を感じながらリーグを後にするジャムの足取りは軽やかであったが、それを見た四天王チリとアオキは首を横に振って見送った。二人にはこれから先のジャムの運命が見えていた。
今回の一件でリーグ上層部からも好評であった事で他のTraiTuberやポケフルエンサー達の起用が増える事となった。その中でもジャムはこれから先多用される事となってしまうのだが、それを今のジャムは知る由もなかった。
「合唱!あー南無南無、ナンマイダーナンマイダー」
「上から目を付けられましたか、大変ですね」
「本人が有能だからしゃーないですわ。バトルの腕もバカみたいな体力も人の為に動ける所も全部揃ってますから」
「……私も気を付けませんと」
「もうアオキさんは手遅れやと思いますけどね、まぁそれ言ったらチリちゃんもアウトやけど」
【パルデアニュース速報】
パルデアポケモンリーグ主催で行われたクリスマスチャリティーイベント。今年は四天王やジムリーダーだけでなく芸能人やポケフルエンサーも参加する大規模なものとなった。
最近、登録者数が爆発的に伸びているポケモンバトル系TraiTuber“ジャム”の登場は多くの人々を盛り上げ、登場後の番組平均視聴率は23%となった。チャリティーバトルでは数々の名試合が行われ、最後のバトルでは負けてしまったが手に汗握る試合でお茶の間を賑わせた。
二日目には孤児院や児童養護施設などを巡りプレゼントや寄付が行われた。テレポートを多用する事により各地に飛びプレゼントを配る姿はサンタそのものであり、大勢の子供達を笑顔にしていた。
リーグ関係者からは「スポンサーからのウケも良く上層部からは好評であった。年末年始にも起用されるだろう」という話が聞かれた。
ファンからは「ジャムさんは凄い」「クリスマスに仕事って事は恋人はいないな!」「彼はまさに神の使いだ」と好評であった。
◇記事へのコメント(291)
名無し
最後のいる?
○85●12
名無し
【祝報】ジャム、彼女なし
○44●21
名無し
恋人がいない事で好感度が上がる男
○61●18
名無し
いりますねぇ!いりますいります…
○12●45
名無し
これは年末年始も大忙しですわ
○21●8
名無し
ジャムも地上波デビューしたな!これから先もテレビで見てなぁ!?
○22●10
名無し
寄付金歴代一位キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
○34●11
名無し
ジャムのコーナーだけ視聴率高くなってて草
○26●15
名無し
俺はテレビ出てほしくないなぁ、だってテレビ出たらファン増えるからね。これ以上いらないじゃん(笑)
○11●45
名無し
金の卵を産むスワンナはリーグも局も逃したくないよね
○16●8
名無し
普段より喋り方丁寧で草なんよ
○15●19
名無し
変な独占欲持ってる奴がいますねぇ…
○26●4
名無し
【このコメントは削除されました】
名無し
きんもーだよぉ!?
○35●21
名無し
ナンジャモとコラボしろナンジャモとコラボしろナンジャモとコラボしろナンジャモとコラボしろナンジャモとコラボしろナンジャモとコラボしろナンジャモとコラボしろ
○31●78
名無し
最初「素人を地上波に出すな」ってうちの父親が言ってたけど、番組終わったら「こいつはどこで見れる」って言われたwww TraiTubeで見れるって教えたけどやり方分からなくて教えたwwwそれ以来マジでハマってる
○114●19
名無し
時間なかったとはいえ食品レビューしてほしかった!
○23●48
名無し
これでますます知名度上がるなぁ
○17●7
名無し
TraiTuberにハマる親とか嫌だな
○45●22
名無し
コメント消されてる奴いてグラスフィールド生える
○67●29