『ウィィィィィス!!どうもぉジャムでぇす!!』 作:ジャムキンTV
「貴方が私の相手?」
「……」
「ん?聞いてる?」
「……」
「もしも〜し!」
「……」
「???」
【悲報】ウチ、おしまい。
これから頑張ろうとペパーと誓いを立てたのに初戦でアオイと当たるとか、ありえないんですけどぉぉぉぉ!!!えぇ……相手滅茶苦茶強いんよ、勝てる訳なくない!?
『それじゃ、初戦で負けんなよ』
『ペパーこそ負けないでよ?慰めるの怠いから』
『誰が泣くかボタちゃん』
『ボタちゃん言うな!優勝するし!』
2日目の開会前にもペパーと煽り合って啖呵切ってたのに、これじゃあ即落ち二コマだよ〜;;
「あの、そろそろ始めない?」
「……うん、よろしく」
お互いにボールを手に取る。深呼吸をして意識を切り替える。残ってるトレーナーなんて強い人ばっかりなんだし、勝ち進めばいつか当たるんだ、早かれ遅かれってやつ。
「だから、勝たせてもらうから」
「えぇ……無言だったり意気込んだりで情緒不安定過ぎない?」
手持ちのポケモンはある程度情報を集めてる。勝てる可能性は低いけどペパーと色々策を練ってきた。それをここで活かす!
ペパーの実力なら確実に初戦は突破出来るだろうし、私だけ負けたらまた煽られる。ならここは勝つしかない。ペパーと一緒に初戦を突破するんだ!
「行ってニンフィア!」
「サーナイト頑張って!」
場に出たのはニンフィアとサーナイト、真正面からぶつかったら押し負けてしまう。ならここは初手で“アレ”を使うしかない。ガラルから持って来れたのは3つだけ、何かあった時用にと父親から持たされたそれをここで使う。
「ッ!?それってダイマックスバンド!?」
「やっぱりガラルから来たって事は知ってるよね!でもこれはただのダイマックスバンドじゃないから!」
バンドには特別なカプセルが取り付けられている。ガラル粒子が濃厚なパワースポットでしか出来ないダイマックスを使う為、ガラル粒子を集めてカプセルに閉じ込めた。これはその1つ。
「テラスタルが星々なら、ダイマックスは太陽!ニンフィア!ダイマックス!」
ダイマックスバンドから光が溢れニンフィアを包み込み、体を大きくしていく。観客席から悲鳴やらが聞こえるけど、まぁ仕方ない!こっちの人達は見慣れないだろうしね。
「一気に決めさせてもらうから!」
「……いいね、こういう逆境も面白い」
「ペパーってポケモン博士の息子さんだったんだね」
「……生徒会長様は一学生の事まで知ってるのか?」
「うん、だって君“強い”から」
「は?」
初戦からチャンピオンクラスとぶつかっちまった。あんだけボタンと色々話した手前、ここで負けたら非常に恥ずかしい。しかし、俺はネモやアオイの前じゃバトルなんてしてないし、噂される程に他の生徒とかとバトルもしてない。なのに何故強いと判断したんだ?
「分かるよ、まだちょっと荒いけどトレーナーとしての腕はチャンピオンクラスに入れるくらい。だから調べて君の事を知ったんだ。やっぱり博士から色々ポケモンの事とか教えてもらってるの?」
「……親は関係ねぇ」
「そう、まぁ私はバトル出来れば何でもいいけどね!」
快活に笑うこいつに思わず足が竦んじまった。アカデミーのバトルジャンキー二人組と対面した奴らはみんなこれを感じていたんだろうな。威圧感?気味悪さ?上手く言葉に出来ないが、そういうのを俺は今感じているんだと思う。
「昨日もいっぱいバトルが出来たけど、あんまり強い相手とは出来なかったんだ。でも2日目の1回戦目からこんな相手とバトル出来るなんて、ワクワクとドキドキで堪らない!」
「バトジャンちゃんにそこまで言われるなんて、照れるな」
気が重い、まだバトルが始まってすらいないのに胃が重い。
「でも、これを乗り越えれば更に強くなれるよな」
強くなる、それが目的だ。その為にこの大会に参加したんだ。ならここで一番強い奴とバトルして、経験値にしちまえば最高の収穫になるだろ?
「……いいねいいね!ちゃんと向き合ってくれる人は大好きだよ!」
「それ俺の相方の前では言わないでくれよ?理由は分からんが、何故か怒られそうな気がするからな」
ボタンも今頃バトルしているだろう、あいつなら勝ち進める。なら俺も負ける訳にはいかない。
「始めましょ?いけ!キラフロル!」
「頑張ってくれ!ミガルーサ!」
相性はこっちが有利、でも素早さは負けているし相手の方が格上。攻撃を食らえばひとたまりもない。
「いけるかミガルーサ?」
声を掛ければ振り替えり頷くミガルーサ。負ける気は毛頭無いと互いに思い合っているのが分かる。
頬を張り気合を入れる。
「長期戦は不利だ!強火でサッと終わらせるぞ!」