『ウィィィィィス!!どうもぉジャムでぇす!!』   作:ジャムキンTV

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パルデアポケモンリーグ公式TraiTubeライブ配信。
リーグトップによるリーグ公式のライブ配信であり、ジムリーダーや四天王、チャンピオンクラスのトレーナー等も出演。チャンピオンクラスではないがTraiTuberであるジャムも出演。
ポケモンに関したトーク等を予定している。


公式ライブ配信直前

「ジャム氏さぁ……ボクとコラボ、しない?」

「……え?」

 

パルデアポケモンリーグのTraiTube公式ライブ配信の日、関係者が集まり各自の控え室で待機していた。配信の進行等が記載された台本をジャムが読んでいると、共演者であるナンジャモが訪室してきた。挨拶を交わした直後のお誘いに驚き頭が真っ白になるジャム。

 

「まぁ後2時間くらいで配信始まるしさ、今言う事じゃないのは分かってるよ。でも今の内に聞きたかったんだよね。ジャム氏って人気あるし、まだコラボとかしてないけどさ……来てるよね?お誘いがさ?」

 

確かにジャムのスマホロトムには「コラボしませんか?」「一緒に配信しないか?」といった連絡は何件か来ていた。しかしその全てを断っていた。相手の事をそこまで知らないのもあるし、どの様に受ければ良いのか分からずに断ってしまっていた。生来の陰の気がジャムを後一歩の所で踏み止まらせていた。

 

「……うーん、今は……今はちょっとコラボは考えられないかなぁって」

「本番前に突然言われても困るよね……じゃあこれが終わった後、考えてみてよ!コラボしたいなぁってなったらPoketterでDMくれたら良いからさぁ!」

 

そう言うとまるでテッカニンの様な早さで居なくなるナンジャモ。ジャムとしても更なる視聴者獲得の良い機会だが、どうにも乗り気になれない。手持ちの子達とやってきた配信であり、色々と“見せられない事”があるからだ。どこでボロが出るか分からないのだから、他のTraiTuberとコラボ配信するのに気が引けていた。

 

 

 

 

 

「やっばぁ……絶対内心「ガッツキ過ぎワロタ」とか思われてるよ〜!ボクのバカバカバカ!なんでもっと普通に誘えなかったんだよ!」

 

自身の控え室にてナンジャモは自己嫌悪に陥っていた。理由としては「押し掛けてすぐにコラボの誘いをしてしまった」為である。リーグ公式放送がもうすぐ始まる為、各ジムリーダーや四天王が準備を進めている。ジャムが手に持っていた台本から読んでいたのは明白であり、それを見て「早く要件を伝えよう」と即座に誘いを掛けてしまった。

 

「うわぁ……これから配信始まるのに、どんな顔して会えばいいんだよ……」

「ハラバリーバリー」

「うん何言ってるのかは分からないけど、慰めてくれてるのは分かった……まぁ!ここでくよくよしてても仕方ないし!」

 

誘いにはあまり乗ってはくれなかったが「今は〜」という言質は取れた。後は時間を掛けて少しずつコミュニケーションを取りながら誘導していけば良い。そう結論付けたナンジャモはテーブル上に置かれた台本を手に取った。

 

「それにしても……フヒッ、やっぱり実物見ると結構イケメンだったなぁ〜。これコラボしたら「美男美女のトレーナーカップル誕生!?」とか「お似合いな二人の配信!」とか言われちゃうんだろうなぁ〜!いやぁ〜参った参った!」

 

 

 

 

 

「はいそれでは本番1時間前なので読み合わせ始めまぁす!皆さんよろしくお願いしまぁす!」

「「「「「お願いします」」」」」

 

会場の中心にはジムリーダーと四天王、名の知れたトレーナー、そしてディレクターなどの責任者からサポートのスタッフまで集まっていた。

その中にジャムはいた。一度全員と顔合わせをしていたとはいえ、ここまでの大人数でのやり取りとこれからの配信に緊張している様子である。以前のバトル配信で大勢のファンが来ていたとはいえ、直接会話した人数は少なかった。しかし、今回は横並びで複数人の著名人と関わり配信をしていく事に多大な緊張を感じていた。

 

「今回、ジムリーダーの皆さんと四天王の皆さん、それからチャンピオンクラスのトレーナーさん。少なくない人数の方に参加して頂きました。この人数での配信はパルデアでも滅多に無いと、私達も今回の様なイベントはあまりないので、協力して成功する様に頑張っていきましょう」

 

ディレクターの話から始まり、配信の流れや休憩などの話に進んでいった。時折指摘や疑問も上がり適時修正しながらも一連の流れの説明は終わった。

 

「えぇ、この様な流れになっております。まぁあくまで流れなので、皆さん伸び伸びとね、やって頂ければと思います。はい、それではあと10分程で始まりますので、準備の方よろしくお願いします!」

 

スタジオ内の席に向かう一行の最後尾でジャムは一度台本に目を通した後、カメラに映らない場所に置かれたテーブルに台本を置いた。一度深呼吸をすると覚悟を決め、何本もの配線が伸びる暗い舞台裏から光に照らされた舞台に歩みを進めた。


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