『ウィィィィィス!!どうもぉジャムでぇす!!』 作:ジャムキンTV
『地方によってジム巡りに違いがあるのは皆様ご存知の事と思います。例えば、ガラル地方では年に一度の興行としてジム巡りが行われていますね!ガラル地方だけで確認出来ている“ダイマックス現象”を取り扱うジムバトルは迫力があります!ジムチャレンジとジムリーダーとのバトルでは何千何万という観客が観戦に来て、その後のトーナメントはテレビで生中継!ジム巡りをエンタメとして取り扱う地方はあまりないと思います』
○ワイガラル住み、毎年シーズンになると有給取る奴らの尻拭いをしているもよう
○やっぱりガラルがナンバーワン!やっぱりガラルがナンバーワン!
○あれどっかの複合企業が大々的に力入れてるから凄いんだよね
○流石にパルデアであの規模のイベント出来ねぇなww
○えぇ…そんな事やってんの?
○スゲェ!!
○ウチの地方は「やりてぇ奴はいつでも来な!」っていうスタンスでエンタメにするつもりなんて無いのがねぇ…
○ウチの所は島巡りって言ってるわ
『ガラル地方のジム巡りを視察に行った事がありますが、事前に情報を仕入れていたとはいえいざ目の当たりにすると規模の大きさに驚きましたね……』
『おぉ!そういえば数年前にガラルのポケモンリーグに向かったんでしたね!オモダカさんがそこまで言うとは……流石は世界一規模が大きいジム巡りと呼ばれるだけはありますねぇ!』
『……私も同行させ……同行しましたが、四天王制度が無く勝ち残ったチャレンジャー一人とジムリーダー達がトーナメントを開くというのはなかなかな物でした。会場近くの出店も多く色々な料理を堪能出来たのは──』
『──アオキ?』
『観客を想定した作りというのがこちらでは行えないと、理解させられましたね……』
○さっきもそうだけど、トップとアオキって人は何かあるの?
○出たぁっ!トップのインターセプトッ!
○まぁた口挟まれてるよw
○仲がええ様子で
○いやオモダカさんとアオキさんは仲悪くないで
○オモダカさんとアオキさんが出来てるだって!?
○オモ×アオはてぇてぇ
○僕はチリアオが好きです…(半ギレ)
『ワシの産まれたジョウトも挑戦者は不定期やからそんなに観客入って無かったわ。人気やったジムとかアクセスのしやすいジムは観客おったけど、山越えなあかんジムとかは人の入り悪かったな』
『そもそも観客を想定していない地方もありますしねぇ……アローラでしたか?昔、ワタクシ観光に行きましたが、あの地方のジム巡りもとい島巡りは儀式的なものなので興行とは無縁なものでした』
『ん〜私その辺り良く分かんなぁい♡楽しくバトル出来ればいいかなぁって♡ジャムさんは何かありますぅ?♡』
『……うーん。どの地方も、どの地方もね、特色があってええと思いますよ?ほんで、ガラルのジム巡りは興行っていう感じですがぁ、パルデアは別にね、同じ様な事しなくても私はいいと思います。私はトレーナーのレベルを上げられる、質を良くしていける……そんな感じに舵を切っても問題は無いかと』
○コガネ弁からジョウト地方の人かと思ってたけど本当だったか
○ジョウト地方ってどこやねん
○ジョウト?
○チリ様の出身なんだけど?
○アローラって観光地のアローラ?あそこリーグも無いしそういうの無いと思ってた
○アローラは身内で色々やってるから外の人は知らんよな
○ジム巡りは身内だし、ジム無いし、リーグも無い
○いやアローラ最近ポケモンリーグ設立したから!
○うーん、分からないかぁ…
『トレーナーの質、ですか。そうですね……チャンピオンクラス制度はこの地方特有のものなので、それをより活用していければ良いのですが……』
『そこは皆でこれからも話をし、ジムリーダーや四天王、チャンピオンクラスのトレーナーが一団となって行ければ良いかと』
『ポピーもお手伝いしますよ!皆さんの為ならポピーもポピーのポケモンさんもいっぱいバトルします!』
『ほぉ、それは頼もしいわぁ。アオキさんも協力してくれますやろ?んん?』
『……それが仕事なら』
○他の地方に無いもので勝負していくしかないよね
○競うな、持ち味をイカせッッ
○hじゃい!
○アオキさんやる気出して
○やっぱりポピーたそは天使やわ
○hじゃいって何ですか?
○草
○はい!って打ち間違えたんやろ
○打ち間違えたゾ…
『……ん?あぁありがとうございます……えぇそれでは皆様!この後はですねぇ昼休憩に入ります!1時間後の13時より放送を再開しますので、是非再度お越しください!なおこの放送はこのまま継続ライブ配信したままになりますので、お待ちいただいても構いません!コメントを誰か読み上げてくれる、かもしれませんよ!』
○もうそんな時間かぁ
○もうお昼かぁ、もうお昼かぁ!
○腹減った
○飯食ってくる
○事前に準備していた俺勝ち組
○質問読んでくれる!?
○NGワード設定しっかりしてるから変な質問は無意味やで(にっこり)
○なんで知ってるんですかねぇ?色々書いて無効されたんやろ?(名推理)
「えぇ……では皆様お食事の方は事前にお伝えしている通りバイキング形式となっています。そして放送も続いていますのでご注意ください」
「ワタシ達の食事の様子や交流の様子を見せる、だったか」
「……別にぼくはどうでもいいけど、それって需要あるの?」
パルデアリーグ公式配信。10時から始まった放送は2時間が経ち休憩となった。しかしそれで放送が止まる事は無く、その様子も放送される。こういった事も一定の需要があり、舞台裏を見たがる視聴者は放送を離れず同時接続者数は1割も減っていなかった。
「えぇ、事前にお伝えしましたが仕込みとは言え舞台裏や合間の状況を見てみたいという方は少なくないですからね。今から食事の方をお持ちしますのでお待ちください。一時間ですが自由に」
「ふーん、ぼくには分からないけど物好きもいるんだなって」
「いやいやいや!オフを見たいっていうファン心理を理解してあげて!てか今マイク切ってるからいいけど、グルーシャ氏もコルサ氏も興味無さ過ぎだから!」
あまり興味が無さそうな二人にツッコミを入れるナンジャモ。参加メンバーは皆放送への参加を承諾しているとはいえ、放送に掛ける想いは皆違っていた。
コルサは元々参加する気は無かったが、交渉に来たのがハッサクだった為了承。
グルーシャはトップの心象等を考えての参加。
という意欲の無い者もいれば。
自身のアカウントの事を考え参加したナンジャモ。
パルデアの事を考え自分に出来る事があれば、と参加したハイダイ。
といった意欲の有る者もいた。
「ふん、キサマの様な俗物的な思考を持つ者には分からんだろうな。芸術というのは何時如何なる時に湧くのか分からんのだぞ。工房以外の場所で湧くとどうなる?すぐに出力する事が出来ないのだ」
「うへぇ〜アバンギャルドがキツいよ〜病むッ!」
ツッコミを入れた事に後悔するナンジャモと憮然とした態度のコルサ。二人の事を視界から外しボーっと視線を漂わせるグルーシャ。何とも言えない空気を醸し出していた。音声は無いが、三人の様子を見た視聴者からは「何してんだこいつら」「ジャモが絡みに行って返り討ちになってるにモンスターボール百個賭ける」「ナンジャモ?グルーシャきゅんに色目使うな!」とコメントがされていた。
「さっきは私に話を合わせてくれてありがとうございます!ジャムさんって、優しいんですね♡」
「いやいやいや、そんな事、ソンナコトナイヨォ……?話を振ってくれたから、話したい事話せたしオッケーです」
「私ジャムさんのファンなんです♡あ、連絡先交換してくれますぅ?」
「いやそれはそのぉ……」
離れた所では自身の視聴者に絡まれるジャム。タジタジな様子を見て「女慣れしてないんやろなぁ」「あのジャムが女に慣れてねぇ訳ないだろ」「学生時代もモテてたって話あったろ」「この女、ジャムの女界隈で下層に堕ちた癖にようやるわ」「あっ……あの子も来た」とコメントが打たれた。
「あのさぁ……貴方前に「ジャムに迷惑掛けるな」って言ってたよね?連絡先の交換だっけ?迷惑そうだから止めたら?」
「はぁ……?あのぉ今私ジャムさんと楽しく喋ってるから、あっち行っててくれないかなぁ?あそこのツンツン頭と様付けおじさんが暇そうだから行ってあげたらぁ?」
「オイ!今ワシの事クヌギダマ言うたか!?」
「いえ、そこまでは言われていませんでしたよ。様付けおじさんとはワタクシの事でしょうか?」
「アッチョミンナアツマルゥ……」
最後のトーナメント参加者が一同に会する状況にジャムファン達が盛り上がる。あのバトルを見た者達が抱える「またバトルしてほしい」という想いは強くジャムの配信やSNSには要望が多数寄せられており、コメント欄にも催促のコメントが流れていた。
コメント欄は「ジャムファン以外」「バトル好き」「ジャムファン」のコメントで混迷を極めていた。
「若い衆が元気な事は良い事だい!オイラが若い頃は……」
「いやそんな事言ってる場合ちゃいますからねハイダイさん、止めなあかんから。おうキー坊!わざわざ会話に入りに行くなや」
「なんやチリヤン!ワシは今機嫌悪いで!」
「だからチリヤンは止めろ言うたやろ!昔のあだ名とか、寒過ぎてポッポ肌やほら見てみいチリちゃんのツルツルお肌が」
「こらこらチリ、貴方までそちら側に回ったら収拾が付かなくなります」
「こんなチリちゃん見た事ないです……」
一人また一人と集まり、騒がしくなる。中心にいるジャムを差し置いて皆自由に話を始めている。これにはコメントは更に盛り上がりお祭り状態と化していた。
その様子を離れた位置から見るトップは止める事なく微笑むのみ。ジムリーダー、四天王、チャンピオンクラストレーナー、皆がコミュニケーションを取り関わりを深める事こそが今回の放送での目的の一つ。
「アオキ、貴方もあの中に入ってきなさい」
「……無茶を仰る」
「アオキ?」
「私は食事を楽しむとします。丁度来ましたから」
複数のスタッフが食事を運んで来るのが見えそちらに目を向けるアオキ。そもそも内気なアオキに仲良くしろと言うのが無茶な事であったと内心思うオモダカ。皆が皆自由に過ごす中、放送は続いていた。