『ウィィィィィス!!どうもぉジャムでぇす!!』 作:ジャムキンTV
『ウィィィィィス!!どうもぉジャムでぇす!!』
○うわぁもう着いちゃったよ
○はえーよホセ
○1時間!?
○おいおいまだ2時間も経ってないでしょうが
○北2番からピケタウンまで30kmあるんですがそれは…
○ジャムさん速♡
○速スギィ!
○キッショwww
『えぇ、遂にピケタウンに辿り着きましたぁ。時間はぁ9時20分となっておりますぅ。皆さんね、向かう最中はあまり話せなかったのでね、暇だったのではないでしょうか。えぇ、私は野生ポケモンさんが多く居てですねぇ、割とスリリングな体験を出来て、面白かったですねぇ』
○いやなんでやねん
○流石に素手で崖登ったのは可笑しいわ
○お前は人間じゃねぇ!
○遠回りしてたら徒歩でも3時間くらい掛かってたろうな
○どんな山もどんな谷も怖くねぇよなぁ!?
○人間いるやんけって追い掛けようとして速攻諦めてただろポケモン達
○ファーーーwwww
○草
『他の地方にはですねぇ“ロッククライム”っていうポケモンさんの技がありましてぇ、ほんでまぁ名前を見れば分かり、分かりますがぁ……山を登る技なんですわ。んん、んで、まぁこの技がですねぇ……一部の地方でしか広まっていない、地域限定技でして。前にそこの地方に行った時に登り方を覚えていまして、私がね。そのおかげでパルデア地方の山ね、登り易くなって、私はホクホクですわ』
○へぇそんな技があるんすねぇ
○はぁ?
○何言ってだこいつ
○地域限定技ってなんだぁ?
○ガラル地方にもその技は無いな
○ファッ!?
○いや覚えたのお前かーい!
○覚えたというか見様見真似で登っているだけでは??
『で、ですねぇ。私が拾いまくった道具はですねぇ……半分はゴミ、お菓子の袋とかペットボトルとかそこそこありました。皆さん、捨てない様に、捨ててあったら拾ってゴミ箱に、これをお願いしますよ?ほんで、えぇ、道具、道具はですねぇ……んジャカパーン!モンスターボールが八つにハイパーボールが三つ、傷薬と凄い傷薬が二つずつ、後はプラスパワーが二つです。あまり落ちて無かったです』
○あの速さで道具見つけて拾うとか凄くない?
○ジャムさんは化け物じゃけぇ
○あの速度を維持し続けるタフさは実に興味深いねぇ。一度君の身体を解剖させてはくれないかい?謝礼は出そう
○前の物拾いの時より少ないね
○いや1時間でこんだけ拾えてる方が凄いからな
○環境美化に貢献してるwww
○拾いからの転売だけで生活出来る男なだけある
○ゴミ拾いありがとねぇ
『はい……では早速バトルコートの方に、向かってね、行こうかなぁと思いますぅ。えぇ……はい、バトルコートに多くの人がいるのが見えますねぇ!はい、はい、どうも皆さん……えぇ私がそのジャムですはい。あ、ありがとうございますぅ。応援してくれてどうも……はい、はい……』
○いや人が多い!
○1時間ちょいでこんなに人が集まるとは
○そらそうよ
○カモがネギしょってやってきたぜェグヘヘヘヘヘ…
○で、誰とバトルするんだ?
○ワシと闘ろうや?
○俺だよ俺!
○さっさと始めんかい!!
『……うん、なんかくじ引いてから集まったみんなで、皆さんで事前に話し合いとバトルで、決めてたらしいです。配信の為に事前にね、こうしてくれるのは非常に、非常に有難い事ですわほんまにね。で、ここでバトルする方は……』
『ワシや』
○バトルする為にバトルしてて草
○配信者の事を考える視聴者の鑑
○視聴者のみんなー!ありがとーう!フラッシュ!(ひでんわざ)
○!?
○うげぇ!?キー坊やん!?
○チャンピオン!
○この間の公式配信に出てたトレーナーじゃん
○最初にチャンピオンクラスとか豪勢だな
『えぇ、私のオフ会イベントにも出ていた方です。それでは、まだ後が控えてるのでサクッとやりましょうか』
『まかしとけ、気持ちようぶちのめしたるわ』
○やっぱり前に配信出てた人か
○この人強いの?
○お、言うねぇwww
○ジャムってチャンピオンクラスじゃねぇんだろ?勝てるの?w
○チャンピオンだぞ強いに決まってるわ
○ジャムさんの視聴者なんだからジャム以下やろ
○チャンピオンの文字見過ぎてこんな字だっけ?ってなった
○どっちもやる気満々だなw
「おーい!頑張れよー!」
「譲ったんだから良いトコ見せてくれよ!」
「ワシはシンオウの考古学者やガラルの広告塔みたいな強いトレーナーになる人間やで?まぁ見ときぃ」
ピケタウンに設置されたバトルコートには二人のトレーナーと審判、その外には無数の観戦者達。純粋なファンやバトルから何かを得たいとやってきたトレーナー、様々な想いを持った人々が集まっていた。
リーグから派遣された審判である男は、コート外の熱気に反したコート内の張り詰めた空気に冷や汗を掻く。委員長がチャンピオンクラスでもないトレーナーの配信に手を貸す事自体異常であると考えて来てみれば、バトル前のこの“きんちょうかん”で全てを察した。
「(あのバトル好きの委員長が贔屓する訳だ。チャンピオンクラスのキイチの事は知っていたが、この男もかなり強い。このレベルのトレーナーがまだパルデアに居たとはな)」
事前に調べておくべきだったなと思いながらも、対面する二人の間に立ち職務を全うすべく声を張り上げる審判。
「私はリーグより派遣された審判である“アンパイア”だ。ルールは3対3のシングルバトル、二人とも準備は良いな?」
「オッケーです」
「いつでもええで、ワシは今メチャクチャ調子がええんや」
「それでは、試合開始ィィッッ!!」
「「「ウオォォォォ!!!!」」」
「いけやっ!コノヨザル!」
「先鋒ぅ!キョジオーン!」
フィールドに現れた2匹のポケモンの登場に更に観客は湧き上がる。育て上げられた2匹に配信のコメント欄では「両方よく育てられている」「対面はコノヨザル有利か?」「なんやこのポケモン!?」「オコリザルに進化が!?」「ウー!ハーッ!」と流れが“かそく”していた。
「初手はこれやっ“ステルスロック”!」
「ッッッ!?サポートコノヨザル!?こっちもステロ!!」
互いに同じ技が選択された。フィールドにぶち撒けられた尖った岩の群れを見て、清掃が大変そうだと誰かが話す声が歓声の中に消えていく。
「ドレインパンチで削るで!」
「てっぺき!」
巨大な岩塩の塊を殴り飛ばすコノヨザル、タイプ一致二倍弱点によって蹌踉めきながらも更に硬度を高めるキョジオーン。
「硬過ぎやろ!ビルドアップ!」
「しおづけ!」
「やっぱ持っとるか」
キョジオーンのステータスアップに呼応する様に攻撃を高めるコノヨザルへ向け、身体から多量の砂を浴びせ掛けダメージを蓄積させにいき少しずつ体力を削ろうとするジャム。
この時点でコノヨザルの技構成は“ステルスロック、ドレインパンチ、ビルドアップ”の3つが絞られ、キョジオーン側は“ステルスロック、てっぺき、しおづけ”とこちらも技を3つ見せている状況。残り一つはどんな技なのかと外野が盛り上がりを見せる。
「ドレインパンチや!!」
「じこさいせい!!」
「うああああああああ!耐久型がああああ
ああ!!ドレパンっ!!!」
最初に最後の札を切ったのはジャム、ドレインパンチで回復されるのを見越しキョジオーン回復をさせる。互いに一進一退な攻防が続いていくが、しおづけの効果によって少しずつ削られていくコノヨザル側が不利であった。
「やっぱ鍛え方がちゃうわな、硬過ぎてわろてまう。ほんなら、ここは一旦退かせてもらうで?」