『ウィィィィィス!!どうもぉジャムでぇす!!』   作:ジャムキンTV

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【速報】主人公、遂に登場【やっとだぜ。】

『ウィィィィィス!!どうもぉジャムでぇす!!』

 

 画面の向こうから声が聞こえる。サングラス(オーバーグラス)を掛けた男性が手を挙げながら笑顔で話をしていた。

 画面に映るのはTraiTuberのジャムさん、ポケモンの知識を凄い持っているとっても強いトレーナー。私が好きなTraiTuberの一人で、いろんな企画をしている。

 

『「いつも勝ってばかりでつまらない」というコメントがありましたァ……いやぁ……』

 

 そんな彼を追い掛け始めて数年、私は彼のおかげでポケモンに関しての知識を得る事が出来た。その後、トレーナーになりたいと思い立った私は親戚を頼る事で相棒となるポケモンと出会った。

 

『ほならね、貴方もバトルしてみろって話でしょ?私はそう言いたい……』

 

 彼の動画や配信を見ながら実力を磨き、将来はジムに挑みチャンピオンになりたいと私はそう考えていた。考えていたのだが……。

 

『アレンジなんて、人の勝手でしょ?』

 

 両親の仕事の都合によって別の地方へ移る事となってしまった。生まれ育った場所から離れ他地方で上手くやっていけるのかと不安を抱いてしまった。

 そんな不安がる私に両親はとんでもない事を告げた。

 

「これから私達はパルデア地方へと向かうんだ。お前が今まで通っていたのはポケモン科のコースだっただろう?向こうにはポケモンについて学べる学校がある。確か……何とかアカデミーで、パルデア最古の学校だったか、そこで今まで通りにポケモンについて学べるだろう。少し前に教員が一新されたって話だが……まぁ評判は良いから問題は無いだろう」

 

 パルデア地方。私が推しているTraiTuberが住んでいる場所に行く、その人が在籍していた学校に通う。話を聞いた私は両親に感謝した。

 彼とバトル出来るかもしれないとワクワクしている反面、私はどこまで彼とバトル出来るのか不安でもあった。

 

『電気タイプ、ジムリーダー、ポケフルエンサー。おい!それってYO!カミツレさんの事じゃんか!アッアッアッアッ!』

「いや、そこはナンジャモでしょ」

 

 手に持った衣類を段ボールに仕舞い込みながら画面の向こうで話す彼にツッコミを入れる。電気タイプのジムリーダーでポケフルエンサーとして活動している人物といえばカミツレさんかナンジャモさんだが、そこは同じ地方出身であるナンジャモさんの名前を出すべきでは?コメント欄は「どうして……?」「ナンジャモは???」「同郷のジムリーダーは!?」「ナンジャモじゃないんジャモ」と加速していた。

 引越しの為の荷造りの最中に始まった配信だが、今回は雑談の様子。前回の記念配信でバトルしていたポケモン達を休ませる為らしい。この後にはオリジナルメニューを作る予定だとか。

 

『あの試合はハッサムにしてやられたという……』

 

 今は前回の配信でのバトルについての振り返りをしている。何十回と行われたバトルの中でジャムさんが完勝したのは3割程、後の6割は数体倒され、1割がギリギリのバトル。今話しているのは本人曰くギリギリのバトルの事で、最終的にハッサムにルカリオのカウンターを当てる事で勝利を手にしていた。

 

「バトルはギリギリだったって本人は言ってるけど、あのバトルは普通にジャムさんの勝ちだったバトルでしょ。あの流れだとどうしてもハッサム側は勝てなかったし」

『んまぁそう、そうね……そこで私のルカリオが倒れずにカウンターを決めてくれたのがね、決めたのが決め手になったと』

 

 あの配信は凄かった、色んなトレーナーが手持ちと全力を出して戦っていた。私の転校がもう少し早ければバトル出来たのにと思わずにはいられない。

 

「──荷造りは終わったぁ?午後にはカイリキー運送が来るから今の内に纏めて……あら?また動画見てるの?」

「動画じゃなくて配信。ポケモンバトルの参考になるから」

「もう、貴方は本当にバトルが好きねぇ」

 

 お母さんが部屋にやってきて荷造りの様子を見にきた。段ボールはもう既に5個も部屋の中心に纏めてあるし、家具の中身も綺麗にしまってある。これで最後だ。

 

「向こうで友達が出来るといいけど」

「貴方こっちでもいっばい友達いたじゃないの、お別れ会なんて開いてくれたし。向こうでもすぐに出来るわよ」

 

 そうだと良いけれど。そう思いながら手を動かしていると最後のダンボールへ残りの荷物を入れ終わった。合計六個の段ボールはかなりの重さだけれど、カイリキー達なら簡単に持っていける。

 

「そういえば、今さっきホップ君とユウリちゃんから連絡があったのよ。引っ越す前にバトルしたいって」

「ん?バトルなら昨日も一昨日もしたけれど、まぁいいや。バトルはいつでもOK」

「パルデアじゃ目が合ってもバトルしちゃダメよ、相手の了承を得てから」

「知ってるぅ、それじゃあホップの家行ってくるね」

「もうすぐお昼だからそれまでに帰ってきてちょうだい」

「はーい!」

 

 ボールを入れたポーチを肩に掛けて家を出る。ご近所さんの二人は私の年上のライバルで親友、凄くポケモンバトルが強くて頼りになる存在。あ、ライバルは他にもいるけれど、二人がダントツでライバル!二人とも私よりも二年早くトレーナーになって、ガラルトーナメントにも出ている。

 この辺りでバトルコートがあるのはホップの家。走っていけばバトルコートにはホップとユウリの二人がいた。

 

「ウイーッス二人とも」

「お!やっときたな!」

「早くやろう」

 

 今日で私達家族はガラル地方を去る、親友達は一ヶ月前くらいからバトルを凄い挑んでくるようになった。元々バトルをする頻度は多かったけれど、引っ越しが近くなってからそれが多くなった。

 ホップは博士見習い、ユウリはチャンピオン。忙しい筈なのに時間を作ってほぼ毎日バトルをしている。いや、流石にポケモンリーグとかに迷惑なのでは?と思ったがダンデさんやソニアさんには「いいからいいから」と言われてしまった。ついでにダンデさんともバトルした。

 

「それじゃあどっちから?」

「さっきバトルして決めてるぜ!最初は俺だ!」

「ホップが勝ったの?」

「いんや、負けた!」

 

 現役チャンプとそのライバル、手持ちにはあの伝説のポケモンまでいるのだから二人の強さは凄い。ダンデさんと合わせてガラルの御三家なんて呼ばれてるくらいだ。いや、御三家中二人が同じ家なんだけれど。

 

「準備はいいな?これが最後のバトルだ!」

「こっちは良いよ」

「私が審判やるよ」

「あんがと」

 

 手にしたボールが震える。この子達もバトルをするのが大好きだから、最後のバトルに気合を入れるホップに影響されてワクワクしている。

 

「それじゃあ!最初はこの子!」

「俺はこいつだ!」

「ええっと……二人ともいいね!」

「「OK!」」

「ホップ対アオイのバトルを始めます!バトル、スタート!!」

 

 ガラルで最後の二連続バトル、両方とも勝ちたいな。

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