『ウィィィィィス!!どうもぉジャムでぇす!!』 作:ジャムキンTV
アオイのアカデミー生活は順風満帆であった、アカデミーにはバトルが出来る生徒も教師も大勢いたからだ。強さは千差万別であったが、その中でも最強と呼べるネモと最初に出会えた事はアオイのバトル欲を大きく満たしていた。ネモも同様であり、今までの5割り増しで元気溌剌であった。
「ねぇ、ネモはさ……すっごいバトルしたくない?」
昼食を食堂で食べている時、アオイはネモにそう質問した。
「んん?もっといっぱいバトルしたいよ?」
「いや、バトルの多さじゃなくてバトルの内容の事なんだけれど」
「バトルの内容?」
「全ての地方、全てのジムリーダー、全ての四天王、全てのチャンピオン。その全てが集まってバトルをする……そんな事が出来たらどうする?」
アオイが話した内容、それは世界中の強者達が一堂に会して行われる祭典。名だたるトレーナー達によるただポケモンバトルが行われるだけの大会。
「それは……うん!すっごいバトルが出来るね!色んな凄い人達とバトルが出来るならしたいよ」
「私もしたい。でもそういうのって調整?っていうのが大変なんだろうね。地方によってはリーグから何から成り立ちが違うし、色々と大変だろうね」
「でもそれが出来たら、是非参加したいな……一応チャンピオンクラスだから参加出来るよね?あ、チャンピオンクラスじゃないけど強いトレーナーってそこそこいるからそういう人も参加出来たら更に良くなると思う」
寝ても覚めてもバトルばかり考えている二人は話に花を咲かせていく。通り掛かった男女が「大会で見た時から思ってたけど、マジでヤバ過ぎちゃんだな」「うわ、相変わらず生徒会長はジャンキーが過ぎるだろ」と話しているのにも気付かない程に。
「ん?んん?」
「どうしたの?」
「いや、何か強いトレーナーの気配が……んん?気のせいか?」
「アオイってたまに面白い事言うよね」
「……それネモが言う?」
「?」
キョロキョロと周りを見渡すアオイ。ガラルで鍛え上げられた強者を察知するセンサーに反応があったが、生徒でごった返す食堂で正確に見つける事は叶わず「ちぇっ」と残念な様子で席に着く。
アカデミーは広い、どこに強者が隠れているのか分からない。アオイはネモと一緒にバトル練り歩きの旅をした事があった。校内を練り歩き、強そうな学生や教師にバトルを吹っ掛ける。ネモが階段の昇降で生まれたてのシキジカの様になり、動けなくなった隙に現れた校長達に確保されるまでそれは続いた。これ以降アオイは「行動力をプラスしたネモ」「妖怪バトル狂い」「猛人注意」等と呼ばれる様になった。
しかしそんな二人も生徒達から受け入れられていた。過去にアカデミーに在籍していた某TraiTube“r”が関係していたのだが、二人は知る由もなく、学生生活の傍らのほほんとバトルを楽しんでいた。「アカデミーは全てを受け入れるのです。それはそれは自由な話です」とは校長の言葉。
「ネモってリーグと関係のない強いトレーナーの知り合いいる?バトルしたいんだけど」
「うーん、連絡は取れるけどみんな仕事してたりでなかなか時間が合わないの」
「そっか……それじゃあこれからも校内を探し回るしかないかぁ」
「私もそれ好きだけど、次の日歩けなくて授業欠席する所だったからあまり範囲は広くしないでね」
「車椅子が備品であって良かったね」
「……どこから情報が漏れたのかは知らないけど、お父様とお母様から連絡来て心配掛けちゃった……」
「あの二人強いよなぁ……」
「そうだね」
「お前がやろうとしてる事、協力してもらえば?」
「……お前って言うなし、てか何で知ってるし」
「カマ掛けた!それにちょっと前にお前の手持ちのポケモン達が心配して俺に会いに来たんだよ」
「……」
「あんまり心配掛けんなよ」
「大丈夫。それに今はもう一人じゃないから」
「……」
「照れんな」
「ていうか、何をしようとしてるのか教えろって!」
「うるさっ!今度!今度話すから!」
「全く、お前は何でも一人で溜め込むちゃんだからなぁ。まるでマルノームのたくわえるだぜ」