Rocket Queen   作:酢味噌ニアン博物館

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第13話 オハヨウ

「ん…眠い…そろそろ起きなきゃ…」

 

私は疲れを癒やす為に仮眠を取っていて

今丁度その仮眠から目覚めたところだ。

 

ベッドから見える窓の外の暗くなった空とそこから差す月明かりに照らされて額に腕を乗せどのくらい寝ていたのかと

眠気で回らない頭で思考を廻らす。

 

「今何時ぐらいだろう…外もう暗くなってるし

6時か7時位かな?」と

 

もう幾度となく見てきた知りに知り尽くした天井に目線を移して

独り言をつぶやいては

 

(そういえば8時位にジョーと電話する約束してたっけ…)と

 

ふと昼間急な打ち合わせの後、ロインで交わした約束を

思い出してスマホのロック画面の時計を見る

 

「げっ…22:36…約束した時間から2時間半も過ぎてる…」

 

と残酷にも約束から2時間半も過ぎた現在の時刻を

画面は映し出した。

 

「やばい、ジョー怒ってるかな…

とりあえず早く電話かけなきゃ」

 

私は急いでロインを開きジョーのアイコンをタップして

音声通話のボタンを押した

 

「プルルルル…プルルルル…」

 

月明かりと暗闇が広がっている私の自室に電子音が

スマホから鳴り響く。

 

「応答なし…か。もしかして寝てるのかな」

 

その可能性を考慮して再度私はボタンを押した。

そしてまた暗闇に電子音が虚しく鳴り響く。

 

すると途端に電子音が鳴り止み

画面には0:00と表示された。

 

そう、ジョーが通話に出たのだ。

 

リョウ「もしもし、ごめん凄い遅れた…」

 

ジョー「ん〜…?あ〜…リョウか……?」

 

リョウ「そうだよ、寝坊した。ジョー寝てたの?」

 

ジョー

「俺…?いま電話かかってきてから起きたよ。

つか寝坊って言ってたけど今何時くらい…?」

 

リョウ「今?ちょうど22:40になったところ」

 

ジョー

「え、嘘やろ!?ヤベ俺も寝坊した…

起こしてくれてありがとうさっさと起きて

こっちからもかければよかったのに…寝坊してすまんな…」

 

リョウ「大丈夫、私も疲れて寝坊したしお相こだよ」

 

ジョー「そっか、じゃあいいか。それで昼間良いことあったって

何があったの?聞かせてよ」

 

リョウ

「昼間ジョー見送ったあとで、

私のバンドの打ち合わせ急に入っちゃって駅前の大庄水産で

話し合いしてたんだけど、そのときにメンバー経由で

レーベル入らないかってそこのお偉いさんから

誘われてたらしくて、入るかどうか決めてきたんだ」

 

ジョー「なるほどな、それでどうすることにしたん?」

 

リョウ「結論から言うとレーベル入ることにした。」

 

ジョー「ほう、でも何で抜けようとしてたのにレーベルまで入って続けることにしたん?」

 

リョウ

「それなんだけど、そこのプロデューサーが前までやってた

楽曲の方向性を絶賛してくれてて、入ったら試しに最初は好きなようにやってみたら良いって言ってくれるから

路線戻して思う存分やりたい私の音楽ができるし

何より私達の作った曲を世の中に流布させられる機会なんか

滅多に巡ってこないから、そのチャンスを無駄にしたくなかったからまだバンドに留まる事にした」

 

ジョー「おーレーベルから誘い来たんだ!スゲェじゃん」

 

リョウ「ジョーはどう思う?私、選択間違えてないかな」

 

ジョー「いや、それで良いんじゃね?そんなBIGなチャンス無駄にするような事ほどアホなことないだろ?何よりリョウが出した結論だろ?自信持って進んでいって良いんじゃないか?」

 

リョウ「そっか、自信持ってやってみるよ。ありがとジョー」

 

ジョー「でも少し引っ掛かるな…」

 

リョウ「何が?何か変なとこあった?」

 

ジョー「いや、リョウがってわけじゃなくて"試しに"ってワードが引っかかる」

 

リョウ「そうかな?私も人づてで聞いたからアレだけど

別に疑う必要がある感じには思えない。」

 

ジョー「まあ確かに俺の考え過ぎかもしれないな…

とりあえずレーベル加入おめでとう!頑張ってな応援してる」

 

リョウ「ジョーありがとう。できるとこまで進んでみるよ」

 

ジョー「おう、そういや俺も別のレーベルから

誘い来てたんだよね」

 

リョウ「ジョーのとこはどうしたの?入るの?」

 

ジョー「いや、条件がマジでクソだったから蹴ったよ(笑)」

 

リョウ「蹴ったのか(笑)でもなんかジョーのバンドらしいね」

 

ジョー「そうか?俺らなんか物珍しさを瓜にして金巻き上げようっていう連中ばっかり集ってくるからそんなデケェチャンス与えてくれたレーベルに入れるチャンス無駄にすんなよ?」

 

リョウ「絶対チャンス掴んでみせるよ。」

 

ジョー「そっかそっか、もうちょい俺らは

アングラの影に潜んでるよ」

 

リョウ「うん、先にステージの光の中で待ってる」

 

私はジョーにチャンス掴んで先にステージの上で待ってると

誓った。するとジョーから突然なんの脈略もなく

 

ジョー「あ、そうだ。マジで何も関係ないことなんだけどさ

なぁリョウ、来週あたり飯食べたり観光にでも行かない?」

 

リョウ「良いけど、どこ行く?」

 

ジョー「鎌倉とか?」

 

リョウ「いいね、決まりだね」

 

ジョー「おっけ、再来週あたり予定空けとくわ。細かい日程は

後で送るね」

 

リョウ「了解、そろそろ風呂入ったりするからまたね」

 

ジョー「おう、またな」と

 

遊びに行く約束をしてこの日の通話を終わらせた。

 

しかし、この時言われたジョーの予感は

数日後見事に当たってしまい

私の選んだ選択は悲惨な結末を迎える。

 

#14へ続く

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