Rocket Queen   作:酢味噌ニアン博物館

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【おしらせ】
16話の最後の方加筆修正しました。
それでは第17話どうぞお楽しみください



第17話 海風と夜景と君と(前編)

ジョーの友達がいる店で昼食として海鮮丼を食べたあと

鎌倉の街にある観光スポットを一通り散策して

由比ヶ浜で少しだけ休憩していた。

 

そうして海をボーっと眺めているうちに午後の3時半を過ぎたころ私達は次の目的地である江ノ島に行くことにした

 

リョウ「ねぇジョー、そろそろ江ノ島行かない?」

 

ジョー「そうだな、早く行かないと日が暮れるし」

 

リョウ「はじめての江ノ電。楽しみ」

 

私はよくTVでいい感じに映る江ノ電なるものが

どんな感じなのか気になったので少しだけワクワクしていた。

 

ジョー「始発のほうが前の席取りやすいし眺めいいから前行く?」

 

リョウ「そうする。今の時間帯だったら途中の

海沿いのところ景色が綺麗そうだし」

 

ジョー「じゃあ一回鎌倉駅戻るか」

 

私達は由比ヶ浜から江ノ電の始発が出る鎌倉駅の方まで

大通りを通って歩いて戻った。そしてちょうど鎌倉駅に着いて

江ノ電の駅のホームに入ったとき、ちょうど先発の列車が

駅から出発するのが見えた。

 

リョウ「行っちゃった。次のいつ来る?」

 

ジョー「16:06のやつが来るよ」

 

リョウ「とりあえず一番前でこのまま待ってようよ」

 

ジョー「そんなに景色気になる?」

 

リョウ「うん、始めて乗るから。

あと海岸沿いの景色は有名だし」

 

とホームで喋っていると6分発の列車が来て

私達の前で止まった。

 

ジョー「来たみたいだね」

 

リョウ「だね、早く乗ろう?」

 

ジョー「焦るなって、俺たち待ち順の先頭だからリョウの

見たい景色が見れる一番前の席は取られないから大丈夫だって」

 

と言いながら私達は左側にある二人がけの席で

私は窓側、ジョーは通路側の方に座った。

 

しばらくして発車のベルが鳴り扉が閉まる。

そうして私達を乗せたこの列車は古都を離れ走り出した。

 

 

 

 

「次は和田塚、和田塚です」

 

 

 

 

と車内アナウンスが鳴る

 

リョウ「江ノ島までどのくらいかかるかな」

 

ジョー「さぁな。25分位じゃない?多分」

 

リョウ「意外とかかるんだ」

 

ジョー「まぁJRとか小田急みたいに線路幅広くないし

なにしろ通るスペースが狭いからスピード出せないからね」

 

リョウ「へぇ、小田急とかと線路の大きさ違うんだ初耳」

 

ジョー「そうなんだよ。実は違うんだよ。びっくりしたでしょ」

 

 

 

とジョーは30分近い長旅の間、持ち前の知識で

私がつまらなくならないように楽しませてくれていると

それからしばらくして

海がちらほらと見え始めたので

私はそろそろ気になる海岸沿いの景色が来るのではないかなと

待ちわびていた。

 

 

リョウ「ねぇジョー、そろそろ来るかな?海沿いの景色」

 

 

ジョー「もうすぐだね、ほら来た!」

 

 

 

とジョーが言った瞬間、電車と並走する車の向こう側に

雄大に広がる青い太平洋と夕日によって茜色に照らされた空の

美しいコントラストが私の視界いっぱいに広がった。

 

 

 

「すごい綺麗…」

 

 

 

 

私は普段海を見る機会が無い、見られない。

下北沢に暮らしている以上、海とは無縁の暮らしだから。

 

 

普段私の目に映るのは人々の夢、欲望、異国の文化が

入り混じったジャングルの様な街。

 

 

そんな喧騒とした街の中で私の心を落ち着かせるのは

落ち着いた雰囲気のカフェか親友の虹夏の家ぐらいである。

 

 

だがそんな心の拠り所でもこの雄大な景色を見たことによる

感動には到底及ばなかった。

 

 

そしてこの景色が今の私には「何も気負いしなくていい」と

私の不安など、全てかき消してくれるような力さえ感じた。

 

 

 

 

まるでジョーのように_

 

 

 

 

 

リョウ「ねぇジョー、私嬉しいよ」

 

ジョー「何が?」

 

リョウ「今日色んなところ一緒に回って、ジョーと一緒に

この景色を見れたから」

 

ジョー「そっか、リョウが嬉しそうで俺も良かったよ」

 

リョウ「ねぇ、なんかこの景色、ジョーみたいで好き」

 

ジョー「意味分かんない(笑)どういうこと?」

 

リョウ「ん〜、何となく…かな」

 

 

と話してると

いつの間にか、その景色は終わってしまい

そろそろ第二の目的地の江の島に着こうとしている。

 

 

 

リョウ「ジョーそろそろ江ノ島着くみたい」

 

ジョー「お、そろそろか」

 

リョウ「だいぶ日が暮れちゃったね。

日が沈んだら灯台から夜景でも一緒に見よ?」

 

ジョー「いいね、夜になるまでなんか

お土産でも見て時間潰す??」

 

リョウ「そうしようよ、ほら江ノ島ついたよ。」

 

 

 

 

 

そうして、私達は江ノ電を降りて

江ノ電江の島駅の近くを流れる川に沿って島の方へ向かう。

 

しばらくジョーと歩調を揃えて歩いて行くと大きな国道に出た

 

ヤシの木が立ち並ぶその道は昔写真で見たことがある

ロサンゼルスの海辺のようで異国情緒が漂っていた。

 

 

 

リョウ「なんかホントにLAみたいだね」

 

ジョー「そう?アメリカ行ったことないから分からないけど」

 

リョウ「でも、こういう感じの街で育ってたらジョーが80'sの

アメリカンハードロックが好きな理由分かる気がする。」

 

ジョー「たしかにそうなのかもな、俺の周りのそういうの好きなやつ

東京よりは確かに多いかも」

 

リョウ「下北沢とかは洋楽って言っても私達の世代だと

Nirvanaとかオルタナグランジ系聞く人のほうが

圧倒的に多いからね」

 

 

ジョー「リョウもオルタナとかグランジ系が好きなの?」

 

 

リョウ「私もNirvanaも好きだけどイングヴェイとか

Deep purpleとかも結構聴くよ」

 

 

ジョー「なるほどな、つまり俺たちは

古き良き時代の生き残りってわけか」

 

 

リョウ「ふふっ、そうかもね」

 

 

 

と私達はそんなことを話しながら

異国情緒溢れる木々が海風で揺れる橋を渡り

江の島の入り口へたどり着く。

 

#18へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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