大将に礼を言ってラーメンを後にした。
そうしてふとスマホの時計を見ると23:30…
どうやら9時過ぎてから入店して2時間ほど経っていたらしい
(23:30?嘘だろ…確か今日の終電って22:54だったよな…)
俺は終電が出発して30分以上経ってからその恐ろしい事実に
気づいてしまった。
「やばい…終電逃した…」と
街頭の光と車のライト以外消えている暗闇で光々とする
文明の利器に残酷にも映される画面に目を向けながら、故郷に帰れない不安感に駆られていた。
すると、リョウが
「ねぇジョー終電逃したの?」
「良かったら家で泊まって行きなよ。
泊まるアテなんてどこにもないんでしょ?」と
相変わらずクールな表情で淡々と突拍子もないことを言う。
でもまぁなんというか…
ラーメン奢ってなんていうちゃっかりしてる女から発せられた
遭難した船の上から灯台のある安息地を見つけたときのような気持ちにさせる事を言われたのだから乗らない手はない
しかし…
「いいのか?でも…」と申し訳なさが先行してしまう。
するとリョウは
「いいよ。どうせジョーみたいな人が急に手出すとは思えないし、ラーメンと愚痴聞いてもらった例も兼ねて。あと
色々音楽とかについても喋り足りないから」と
俺が実はヘタレであるのを見透かしているような物言いで
リョウから泊まる許しを得た。
「そうは言うけど、リョウの家泊まらせてもらうって言ったってここから家近いん?」
「家、駅から歩いて数分だから結構近いよ」
「そうか、では有り難く泊まらせて頂くでごわす」
「宜しい、許して進ぜよう」と軽く茶番をし
茶沢通りを昼間きた方向とは逆に進み駅前の線路跡の方面を目指して歩いた。そして駅からしばらく歩いたところにオシャレなライトが並んだ歩道があり、そこを通って行くことになった。
俺はそんな街並みをぐるぐると見渡していて、
その様子を見たリョウが
「そういえばさ、ジョーは下北来る初めてだった?」と
聞いてきたので
「そうだよ。初めて来た街で
初めて財布落として、初めて終電逃して、
初めて女の家に止まる…」と
俺が言うと
「あ〜…それは散々だったね…ご愁傷様…」と
合掌された。
そしてその小洒落た路地を抜けて行くと住宅街に出た。
「家、もうすぐ着くから」と丁寧にも教えてくれた
しばらく歩いて行く大きな家の前でリョウの歩調が止まった
ふと表札を見てみると「YAMADA」と書いてある
「ジョー。我が居城に着いたよ」と
その家と言う名の居城に案内してくれた。
#7へ続く
こんにちは、こんばんは酢味噌ニアンです
しばらく(数日)の間多忙を極めますので次回以降から投稿頻度下がりますが
執筆の方は進めてますので気長にお待ち下さい。