Rocket Queen   作:酢味噌ニアン博物館

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ライブのあと終電を逃した俺はリョウの家に止めてもらうことになって彼女の家まで行くことになった。


第8話 Girl gone bad(前編)

下北の駅前の線路あとからオシャレな道を通り抜けた俺達は

ある一軒の大きな邸宅に着いた。

するとリョウが

 

「ようこそ我が居城へ」と

 

その足を止めた先にあるデカイ彼女の家に招かれた。

 

そしてそのデカイ家の玄関からいざお邪魔しようとすると

玄関の奥の方から

 

「リョウちゃんおかえりなさい〜」と

 

リョウの母親と父親らしき人が玄関まで来て

 

リョウ「あ、お母さんただいま。ちょっと今日友達泊まっていくから」

 

母「あら、リョウちゃんお友達連れてくるなんて珍しいわね。」

 

ジョー「あ、お宅の娘さんにお世話になっております、

北条です」

 

と挨拶をし、リョウがお母さんに俺が泊まることになってしまった事情を説明する

 

リョウ「ジョー実は終電逃しちゃったみたいでさ」

 

父「それは大変だったね…良かったら北条くんもゆっくりして行ってね」

 

ジョー「すいません、ありがとうございます…」と

 

快く迎え入れてくれた上に

 

 

母「二人とも外寒かったでしょ、後でお風呂入っちゃいな」

 

父「ジョーくん着替えは来客用の貸してあげるからね」

 

ジョー「ホントですか!?ありがとうございます!」

 

と来客用の寝巻きまでも貸してもらえることになった。

 

ただ荷物が多いので一旦リョウの部屋にギターとエフェクターボードと衣装ケース一式を置かせてもらい、風呂の湯船が沸くまでしばらくやることが無さそうだったので、ボーッと知らない天井を見ているとリョウが

 

リョウ「ジョー先にお風呂使っていいよ。私は後で入るから」

 

ジョー「それでは行かせていだだきやす…!」

 

リョウ「宜しい、行って参れ」

 

 

と言うので先に風呂に行かせてもらうことにした。

 

頭から浴びるお湯は、

ライブ終わりの疲労が溜まり冬場の寒さで冷えた体を

暖かく包んでくれた。

 

ふとそんな風に湯の温かさに包まれながら

今日のライブの光景を思い出しては

まるでエサを食べたときに反芻を繰り返してエサを消化する

牛のようにガラにもなく思い出し笑いをしながら

その脳裏に焼き付いてしまった光景を咀嚼する。

 

ただ、そんな傍から見ると気持ち悪い上に薄気味悪い

おかしなことをしてリョウやご両親たちにこれ以上迷惑かけるのも申し訳なかったので素早くタオルで体を拭き上げ

貸してもらっている寝間着に着換え、

自分の荷物のおいてある2階のリョウの部屋へ戻る。

 

ジョー「ごめん待たせた、風呂貸してくれてありがとう。外寒かったからホント助かったよ」

 

 

リョウ「ん、じゃあ私風呂行ってくるね。なんか暇だったらそこにあるCDとレコード掛けてていいよ。それかギターでも弾いて待ってて」

 

 

ジョー「ありがとう!恩に着るよ」

 

 

リョウ「そのくらい大丈夫、気にしないで使っていいよ」

「それじゃ行ってくる」

 

ジョー「おう、いってら」

 

 

とリョウが風呂に行っている間に

本棚一杯にある、まるでレコードショップのようなCDの壁から

俺の好きな洋楽のバンドの曲を探す。

 

「Never MindかAppetite for distractionが良いな…それか

1984。」

 

この量のCDの中からそれらのアルバムを見つけるなんて

至難の業であった。

 

ジョー「1984 …1984…どこだ…?あった!」

 

なんとかして一番好きなアルバムである1984をあの数多とあるCDの中から

見つけ出し早速ぱっと見高そうなオーディオ機器で1984のアルバムをかけてみる。

 

するとシンセ独特の音からなる雰囲気で始まる1曲目と

BPM128のポップな曲たちが、リョウの洒落たセンスのある部屋を

包み始めた…

 

(後編につづく)

 




こんにちは、こんばんは酢味噌ニアンです
1週間くらいリアルが多忙でして、
しばらく投稿してなかったので
またボチボチRocket Queenの連載を再開していきます

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