前の掲示板話から読むのをオススメします。
レポート風の部分の内容は閲覧注意なのじゃ。
誰かの足音が聞こえる。
音は徐々にこちらへ近付いているようで、その音で俺は目が醒める。
目の前には人影。
その人物の声を聞いてやっと誰なのか分かった。
「おはよう、ヒカル」
「先……生……? 流石に不法侵入はマズイっスよ」
目を擦りながらベッドの隣の棚に置いておいた伊達眼鏡を探る。
なんか先生が慌てて弁明するけど寝起きで上手く頭が回らない。
「……あれ? メガネどこだ?」
「――ヒッ!!」
眼鏡を探すためにキョロキョロと見渡していると、誰かの小さな悲鳴が聞こえた。
そして勢いよく床に落ち、まるで何かから遠ざかる様に這って逃げる音が聞こえる。
先生が慌ててその音の主に駆け寄ったところで俺はここが救護騎士団の部室ではないことに気が付いた。
そして近くに置いてある、先ほど先生が顔を覗かせる前に置いておいたであろうコップを手に取る。
コップを文鎮代わりにメモが置かれていて、どうやら俺が飲んでいい奴らしい。
「ズズ――ハァ……。カフェインが身体に染みる……」
ようやく宥め終えたのか、先生の足音がこちらに向かってくる。
俺はまだ半分ほど残ってる飲みかけのコーヒーの入ったマグカップを置いた。
「とりあえず説明してくれ、先生」
「そうだね。まずはそうだな……彼女がなんでキミと目があって怯えたのかからかな。
簡潔に言うと彼女はつい30分前まで凍ってたんだ」
そこから始まる先生の説明。
あの悪魔にある様なツノが生えた生徒はどうやら俺が原因で凍ってたこと。
そして俺と彼女が深夜の3時頃にシャーレオフィスの屋上に突然現れたそうだ。
たまたま夜風を浴びていた先生が何かが背後に落ちた音を聞いて振り向いた時に。
そしてその時の俺の様子がヘイロー含めておかしかった様だ。
「とりあえず救護騎士団の人には明日、ヒカルの荷物を送ってもらう様連絡しておいたから。
彼女の話はヒカルが起きる前に私が聞いておいたからとりあえず続きは部屋を移してからしようか」
「……そうだな」
俺は、未だ俺を見て怯えている彼女を見て先生に提案に賛成する。
移動する際には先生の予測だがヘイローの暴走との事。
色々とストレスの溜まる様な事があった原因の結果……らしい。
「ヘイローが暴走ってあるんだな」
「そんなことがあるかは知らないけど、私はあの時のヒカルを見た時にそう感じたんだ」
こうして案内されたのはゲームでよく見たシャーレの部屋。
乱雑に置かれた多くの書類や色々と書き込まれているホワイトボード。
そんな部屋の寝転がれるほどの幅のあるソファに俺は座る様に促された。
大人しく座ると、もう1人ヒトを呼んでいるらしく少し待ってほしいと頼まれる。
特に急ぐ必要もないので俺は、コーヒーを飲みながらボーッとスレに顔を出していた。
そして先生が読んでいた人物が到着する。
「先生、私に話って?」
息を少し切らしながら入室してくる少女。
白く長い髪と悪魔的な角、殺傷能力のありそうなヘイロー。
「わざわざ呼び出しちゃってごめんね」
「ううん、いいの。ところで……そこの生徒は?」
恋する乙女の様な波動を感じる声色だなぁっと思っていたら急に部屋が冷えた気がする。
ま、まぁ冷房が効きすぎてただけで気の所為だろう。
「ああ、実は彼女に関しての話なんだ。とりあえず……彼女の膝の上に座ってくれるかな?」
「分かったわ」
「――ハァ?(某ウサギ)」
俺に拒否権は無く、少女はオレの膝の上に座ると、その向かいのソファに先生が腰を掛ける。
そして何事も無く先生が話を始めた。
「待て待て待て! 先生? なんで俺の上に座らせるんです?」
「それは……そうでもしないとヒカルは逃げるかもしれないからね。
とりあえず紹介しておくね。
彼女は空崎ヒナ。ゲヘナ学園の風紀委員長だよ。
ヒナ、君が座っている子は
それにイオリだと逃してしまうだろうし、と後に付け加える。
それにしても逃げるとは心外だな。
逃げた事なんて無いぞ俺は。
あったとしてもそれはカイザーコーポレーションからで不可抗力だし。
「そう、それでその西ヒカルさんがどうしたのかしら?」
「そうだね。まずはヒカル、あの時の約束してくれたこと話してくれるかな?」
あの時の約束……それはトリニティにいた時のあのことだろう。
確かに話す約束はしたが……赤の他人がいる場で話していいのだろうか?
その疑問を安価で解決させ、当たった通りカイザーコーポレーションのことを話す。
「――とまぁボコボコにされたりトリニティでお世話になる前に追い掛けっこしたりがあった訳だ」
「……何で他の人に相談しなかったのかなぁ……はぁ」
いやだって……何でだ?
でも話そうとは思わなかったのは確かではある。
けれどどうして話そうと思わなかったかは自分でも分からない。
「そんな事が……でも先生、それが私のところの生徒とどう関わりがあるのかしら?」
「その事なんだけど、今仮眠室にいるゲヘナ学園の子が話していた事なんだけど、どうやらカイザーコーポレーションに雇われてヒカルをトリニティから拉致しようとしたみたいなんだ。
けれどまぁ、ヒカルのヘイローが暴走して失敗。
運良くヒカルと2人でシャーレの屋上に落ちてきたっていうことがあった」
どうして俺の場所が分かったのか分からないが、とりあえずヘイローの暴走のおかげで助かったのだろう。
ヒナさんはヘイローの暴走についてそんな事があり得るのか懐疑的だったが、俺の今までの体験話を聞いて多少は納得してくれたみたいだった。
「そう、つまり残り1人はここに居たのね。
実は私達の方でも生徒を1人探していたの。
道端で凍っている生徒がいるっていう通報で2人の生徒を保護していて、その2人がもう1人いたって話していたわ。
……面倒くさいけどカイザーコーポレーションをどうしようかしら」
そんな話まで上がり始めた。
先生も乗り気で、2人がカイザーコーポレーションをどう潰すか話し始めるので俺は慌てて止めに入る。
「そ、そろそろエデン条約が締結されるんだろ?
だから、その、それが終わった後でいいんじゃ無いのか?」
すると急にこちらを向いて銃口を突き付けられる。
膝の上に跨るように座られているので、退かす前に撃たれるだろう。
「まだ公表していないはずの情報をどうして知っているのかしら?」
「お、落ち着けって。ちょうどトリニティに滞在していた時にティーパーティーから聞いたんだ。
まだこの場でしか口にしてねぇから安心してくれ」
慌てて弁明するが銃を下ろしてくれない。
仕方ないが撃たれる覚悟で無力化するしか無いだろう。
というか何で先生は止めてくれないんだ?
「オラッ!! 寝ろ!!」
「――えっ?」
無理矢理彼女の体勢を崩し、俺の太腿に頭を置かせる。
そして優しくその頭を撫でた。
すると、やはり疲れていたのか彼女の寝息がすぐに聞こえてきた。
「勝ったな……やはりこの手に限る」
緑髪娘に良くしてやった膝枕だが、彼女曰く寝心地が良いらしい。
一か八かだったが、空崎ヒナというキヴォトスの最強格の1人にも通用してよかった。
「もともと風紀委員長の仕事は結構多かったからね…………」
そう言いながら先生が腕を組みながら、うんうんと頷く。
いやその前に何で止めてくれなかったんだよ。
てかなんか先生から邪な視線を感じるんだが?
「絶対にしてやらんからな」
「えぇ〜」
悔しがってもやらんからな。
しょうがない、と先生は呟いて何やら落ち着いた曲調の音楽を流す。
そして書類仕事があるからと言って、仕事机の方へ行ってしまった。
なんか少し眠気がするが、マグカップに残っているコーヒーで凌ぐ。
「……先生、なんか面白い本とか無い? ヒナさん起きるまで暇なんだけど」
「そう言うと思って今いくつか本を用意しておいたよ。今運ぶからちょっと待ってね」
先生が本を運んで来てくれる間にモモトークの通知を確認する。
アルちゃん社長から1件、カヨコさんから1件、ムツキから1件、ハルカから1件、ミネ団長から10件、緑髪娘から5件、ユウカから2件、カンナさんから1件……。
便利屋の4人は最近どうしているのかなどの軽い内容だったのでそれに同じく軽く返信する。
ユウカからは何処にいて何をしているのか聞かれたのでちょっと(トリニティに)入院してた事を伝えておいた。
カンナさんからは先生とのデート映画鑑賞の付き添いをした日の襲撃前に逃げろと言う内容が届いていた。
今は無事であることを伝え残るはトリニティ組。
緑髪娘からは最終日に見送ろうと思ったら居なくて驚いたことや、それが拉致されたからと言う情報を知って安否確認のメッセージが届いていた。
それには無事だしシャーレに居ることを伝えて安心するように伝えておく。
最後に1番通知が多く溜まっていたミネ団長。
怪我人なのに急に出歩くとは何事なのかと言うメッセージから、部室の窓が割られていたために拉致されたことを知って直ぐに謝罪していた。
けれど俺の返信がなかったために、何処に捕まっているのかと今にも出撃して俺が捕らえられているであろう場所を殲滅せん勢いのメッセージが送られている。
けれど最新のメッセージにはティーパーティーにて問題が発生してしまったために、無事であるならその返事をして欲しいと言う内容だった。
「なーんか大変なことになってるねぇ……っと、これで全部返信は完了かね」
ちょうどミネ団長のメッセージに返信を終えた時、大量の本を抱えた先生が到着する。
別にそんな量一気に運ばなくても小分けして運べば良いと思ったのだが、運ばれた本の背表紙に書かれているタイトルを見て俺は呆れた。
「ここにもあるのかパンジャンドラム……しかもシリーズ物じゃねーか」
つまり先生は、俺にチグハグな文章を読ませて眠気を誘わせるつもりらしい。
読まないと言う手はあるが、何もしないでボーッとしている方が嫌だし、せっかく運んで来てもらったのもあるためまずは第1巻を手に取った。
まずパラパラと目を通して見るがやはりデタラメな文章だ。
けれどこれはこれでなんか面白く、ついついじっくりと『偉大なるパンジャンドラム』を俺は読み進めるようになっていた。
――2時間後。
時刻はそろそろ11時を指す。
俺は『偉大なるパンジャンドラム』の最終巻を読み終えた。
「……やっぱ文章がデタラメすぎて頭に入らん」
記憶に残っているのは、そのデタラメな文章がただただ可笑しくて面白かったという事だけ。
チラリと先生の方を見ると、真面目に仕事をしている。
新しい本はないか聞こうと思ったが流石に邪魔できないので、以前拠点で確保したタブレットを解析することにした。
解析と言っても、パスワードのロックを解除して中身を覗くだけなのだが……っと、身体の感覚に任せるだけで直ぐに解除できるのは楽だな。
いくつかファイルがあったがそのうちの一つのパスワードロックの掛かったファイルを選ぶ。
「どれどれ……『蘇生薬の有効性試験』ねぇ……」
XXXX.XX.XX Whether:Crowd(28℃ 23hPa)
title:
Efficacy trials and results of resuscitation drugs.
authors:H.K.
abstract:
Administration of test drugs to several animal carcasses, including inside and outside Kivotos, and follow-up.
keywords:
introduction:
To investigate the efficacy of the test resuscitants generated and their range.
materials & methods:
A(
B(
C(
D(
Each live animal should be classified as follows.
1.Alive
2.Instant death
3.Partial loss after instant death
4.Damage in three places after instant death
5.Instant death, then damaged to the point of loss of original form
The carcasses are deficient in the same way as in states 2 to 5 respectively.
The carcass is then administered a test drug and the results are recorded.
results:
When administered to B-2•3•4•5 and D, no reaction was observed in any condition.
When administered to A-2•3•4•5 and C, resuscitation was confirmed in a less damaged carcass.
However, the state of the severely damaged carcasses 4 and 5 wriggled for 10 seconds and then stopped moving.
The reanimated animals now move as they did before they were born and stare at their companions and at me.
discussion:
As it is not effective against animals outside Kivotos, but is effective against animals inside Kivotos, it is therefore considered effective against any organism within Kivotos.
It also seemed to retain some sense of pain, and responded to stimulation, albeit somewhat more sluggishly than before birth.
As this experiment was carried out on mice, which can be imported, there are many unknowns, so future experiments using near-human subjects are being considered.
It is not yet known if some of the individuals have started to stare at faces, but the side effects are unlikely to be that significant.
「倫理観が息してねぇ……」
同ファイル内には映像記録や、他の動物(犬、猿、鳥など)を使用した実験の記録が入っている。
平気で生きている動物を手に掛け、必要なら復元不可能なほどまでぐちゃぐちゃにしている所は正直言って頭がイかれてると思う。
音声は流石に流せないが、死が直前まで迫った動物の鳴き叫ぶ顔が瞼の裏にこびりついてしまった。
チラリと俺の膝で眠るヒナ委員長を見る。
スヤスヤと寝息をたてている。
それを眺めてレポートを読んで荒んだ心を癒していると、先生がコンビニにお昼を買いに行ってくると言って部屋を出て行った。
そう言えばもうそろそろお昼時か。
けれどさっき読んだレポートの所為であいにく食欲が湧かない。
「……動けないしお昼はいっか」
「ただいま」
帰ってくるの速!?
先生、さっき出たばかりだったはずだよな……。
「色々と買ってきたけどヒカルは何か食べる?」
「んあ? 俺は今空いてないから気にしなくていいぞ。
と言うか今日は食欲が湧かない」
わざわざ俺の分も買ってくれくれたらしい。
けれど先生は、それでも何か食べておいた方がいいと言っておにぎりを渡してくる。
遠慮して返そうと思ったらもう自分のデスクに戻ってしまい、俺はおにぎりを片手にどうすることもできないでいた。
「ごそごそ……ごそごそ……。
アリスはシャーレのゴミ箱から使用済みの瓶ラムネの包装を見つけた。
アリスは瓶ラムネの包装をゴミ箱に戻した」
……なんか居る。
長い髪の毛を引き摺りながら巨大な何かを背負う少女。
いつのまにかやってきて勝手に先生のゴミ箱を物色していた。
「アリス、そこには回復アイテムは入ってないよ。
それよりもここに来たのは何か用かな?」
「こんにちは、先生。
アリスは勇者としてシャーレに囚われたお姫様を助けに来たのです!」
何を言っているのだろうか。
いや、言ってることは分かるんだが理解が出来ない。
「むむ、ゲヘナの風紀委員長が捕えられています。
やはりファミリアから入手した情報は正しかったようです」
そう言って小動物の形を模したドローンをお供にこちらに近寄ってくる。
ははーん、さては流れ的に俺が悪役だな。
「ほう……よくぞここまで辿り着いた。貴様、名は」
「私はアリス、勇者アリスです!」
ヤベェ、なんか楽しい。
折角だからもう少し彼女のノリに合わせてロールプレイを続けてみた。
「そうか……貴様が今代の勇者か…………。
ならば冥土の土産として俺の名を教えてやろう。
俺は西ヒカル、貴様の行く手を阻む者だ!!」
「西ヒカル……ユウカが前に言っていた……!!」
待ってユウカが前に言っていたって何?
俺の事なんて説明したのか気になるんだが?
そんな事を考えながら寸劇をしていると、膝枕で寝ていたヒナさんが目を覚ます。
「ん……うるさい……」
「風紀委員長、今からアリスが助けてみせます!」
「……………………貴女も一緒に寝てみない?」
おっとヒナ委員長はどうやら寝ぼけているようだ。
彼女はくるりと身体の向きをアリスの方へ向けて両腕を広げる。
そしておいでとアリスに自分のもとへ来るように言う。
「うっ……あ、アリスは……勇者であるアリスはそのような誘惑になど絶対屈しは……屈したりは……」
そう言いながらもこちらへゆっくり歩み寄ると、とうとう2人は俺の膝を枕にして眠ってしまった。
…………俺の意見は?
先生の方を見ると先生もなんだか困った様子だった。
アリスは悪い子ではないとフォローしてくるが、それは分かってるんよ。
ただ、俺の自由意志は無いようで、有無も言わさずに枕にされている事に対してちょっと言いたいことがあるだけなんだ。
しばらく太腿に感じる増えた重さとともに、俺の太腿を枕に眠る2人を眺める。
顔を認識できない為俺は、アプリを遊んでいた頃の2人の立ち絵を思い出していた。
ただ、その時スレに書き込みを行なっていたが、とうとう睡魔に耐えるのが限界になってしまい、俺は意識を手放してしまった。
誰かの怒声で目が醒める。
どうやら寝てしまっていたらしい。
眼鏡を探そうと辺りを見渡すがすぐにそれが無いことを思い出した。
そして怒声の主がいると思われる方を向くと、先生と横乳がはみ出ている服とカウベルを身に付けた人が先生と何かをやっている。
「……うるさい」
その声でヒナ委員長とアリスも起きてしまった。
嫌な起こされ方で多少不機嫌な雰囲気があるが、それでも朝よりかは丸い印象がある。
そしてやっと意識がハッキリとしたのだろう、言い争いをしている2人の元へ行ってしまった。
アリスの方はと言うと再び俺の太腿で眠ろうとし始めたので、流石にこれ以上寝ると夜眠れなくなるぞと言って止める。
その時ちょうど、トリニティの緑髪娘が入室してきた。
「ひ、ヒカルさん!! 大丈夫ですか!?」
「分からんけど多分大丈夫だ。それよりもわざわざこんな所に来させてすまんな」
チラリと先生たちの方を見て彼女に謝る。
彼女には部屋に置き去りにされていた、1番持ち運びが楽な伊達眼鏡を持ってきてもらった。
他のも持って来れるとは言ってくれたが、流石にバッグには色々と詰め込んでいるから危ないんだよね。
だから1番安全な眼鏡を頼んだ。
「本当にこれだけでよかったのでしょうか……?」
「すまんがバッグは中の物の一部が危ないからな。流石に1人で運ばせるわけにはいかないんだ」
「それなら致し方ありませんね……。
……ところでその、私に何か……?」
彼女の視線が向けられているであろう方向を見る。
そこにはアリスが緑髪娘の事をジーッと見ていた。
「友好タイプの天使が現れた。アリスは仲間にしようか悩んでいる」
「え、えっと……」
「あー……コイツはミレニアムの――」
俺は2人のお互いの紹介を代わりにする。
軽い紹介をしてやると、2人は瞬く間に馴染み、楽しそうに会話をし始める。
「先生、ちょっとお時間よろし――ヒカル!! あなた、いったい何処に行って!!」
「まぁまぁユウカちゃん、落ち着いて。アリスちゃんは先生の所に遊びに行っていたみたいね」
今にも胸ぐらを掴んできそうな勢いで駆け寄ってくるユウカを白い人が抑える。
この人がいなかったら多分胸ぐらを掴まれて頭シェイクされるところだったな……助かった……。
「えっと……」
「そういえば記憶が無いってユウカちゃんが言ってたっけ。
お久しぶりです。生塩ノアです、よろしくお願いしますね」
「どうも、知ってると思うけど俺は西ヒカルだ。
お前が知ってる口調とか諸々違うと思うがヨロシク……ってな、なんだ急に近寄って」
何故か彼女は無言で近寄ってくる。
そして俺の耳元で囁いた。
「先生とのデート、楽しかったですか?」
先程の自己紹介と比べて一段トーンが落とされた声に背筋が凍った。
そっと肩に手が添えられる。
「ま、待ってくれ。
と、とりあえず落ち着いて話し合おうじゃ無いか。な?」
「ウフフフフ……」
肩の骨がミシリと鳴いた気がする。
肩の肉も掴まれるように窪んでいた。
「ぼ、暴力だけでは世界は平和にはならないぞ生塩ノアァァァァアアアア!!!!!!!!」
名前を呼ぼうとした瞬間、アイアンクローを受けてしまう。
その際、持ち上げられた身体の重さで首に負荷が掛かるし、掴まれている頭も痛い。
先生はどうして止めてくれないのかと思ったらヒナ委員長から解放された先生にユウカが説教をしていた。
「あ、なんかミシミシ鳴ってる! アカンって! これ以上はアカンって!!!!」
そして俺は意識を手放した。
――DEAD END。
「俺はまだ過労死などせん!!!!」
三途の川が見えて、その向こう岸には以前残業諸々でお世話になったクソ上司が笑顔で手を振ってた為思わず吐き捨てる。
それが夢であったことに内心安堵しつつ、どれくらい気を失っていたのかすぐに確認をした。
幸いまだ5分ほどしか経っていない。
他の人達は各々の学校に戻り、先生はトリニティの方に用事があって外出している旨の書き置きを見つける。
「……ならばやる事は1つだよな」
俺はゴミ箱とデスクの中身を漁った。
特に面白いものは入ってなかったが、変形玩具など見つかったので良しとする。
続いてPCを漁る。
スレ民の期待するようなものがあると良いがまずはパスワードを当てなければならない。
少々てこずったが、関連のありそうなワードを絞ったり組み合わせたりしたおかげでなんとか突破。
そして表示されるデスクトップ。
結構整理されている印象はあったが、それ故に右下に配置されたフォルダが不自然だ。
そのフォルダを開くとさらにフォルダが作られており、だいたい5つ目でようやく秘蔵フォルダを発見する。
中身は色々な太さの太腿の画像が綺麗に分けられていた。
また、その肌の色も色々とあり、色→太さと言う順番にフォルダで整理されていた。
それらの画像のいくつかをコピーしてデスクトップに表示させておく。
続いて検索履歴。
色々と専用のウィンドウを作っているらしく、性欲消化用のもの以外は至って普通と言う印象だった。
「肌の露出が多かったり、健康な身体付きの子がいたりするからそりゃ溜まるもんは溜まるよな」
検索履歴に並ぶサイトの名前をザッと流し見する。
引っかかったタイトルは実際に飛んでみて見てみるが、見知ったデザインなものばかりだ。
けれどサイト名が違う所から、やっぱり別の場所なんだなと言う印象を受ける。
「ASMRが多いな……。それにキャラ属性に学生系のが見当たらない……」
一通り見終えてPCをスリープモードにしてその場を離れた。
時刻はまだ18時ぐらい。
タバコがないのは想定外だったが、ゴム風船を見つけたからまぁ良しとする。
先生が21時ぐらいに帰ってくるであろう事を想定して、俺は他の部屋の探索に向かうのであった。
ブクマ・感想・評価・誤字脱字報告ありがとうございます!!!!
こっちの方は(誤字脱字は)多分大丈夫だろうな!!!!(フラグ)
今後もちょっとずつ本編に合流していく予定。
あと投稿間隔が開くときはだいたいシナリオ読み返したりなるべくキャラが崩壊しないようにキャラクターを調べ直してたりしてます。(あとリアルのスケジュール)
今考えてる事
・オリキャラのイラスト完成
・オリキャラのメモロビ作成
多分作ってるとただでさえ不定期更新がさらに生存報告が必要になりそうだな()
2023/04/27:レポートの修正