いずれお前もこうなるTS転生者   作:まさみゃ〜(柾雅)

30 / 36
本日2話目です。


乙女は形なき神 故に寄り添い続ける死は生ける者の恋人

 

【挿絵表示】

 

 

 タブレットに浮かぶモモトークの通知を見て俺の背筋が冷える。

 未登録の人物からのメッセージではあるが、その文面で誰からなのかは容易に想像がつく。

 慌ててアプリを閉じでソファにソレを放り投げるが、既読がついた事に連鎖して大量の通知音や着信音が部屋に鳴り響いた。

 

「マジで怖いんだけどコイツ……」

 

 自分を抱き、二の腕を摩りながら気分を落ち着かせるがその効果は薄い。

 どうしても彼女に触れられた時の不快感と恐怖感が襲いかかってくるのだ。

 鳥肌が、彼女に触れられた記憶の順序通りに立ち始めとても気分が悪い。

 まるで今もそこにいて、弄られているみたいに。

 

 ひとしきり鳴り響いた通知音がやっと止み、俺は恐る恐る伏せられていた画面を見る。

 心配するようなメッセージや不在着信が多く占める中、最期に嫌な一文が届いていた。

 

『新月の夜、ホーともう1人が貴女を迎えに行きます』

 

 新月の夜は今日から約27時間後。

 まだ此処に潜伏して数日しか経っていないと言うのに彼女は俺の所在を把握している。

 なるべく今日中に対策をしたかったが今夜はそれを行えるような気分では無い。

 先生と離れてからどこか欠落を感がられるようになった。

 安心が欲しい。

 

「……いや、俺は今何を考えていた?」

 

 一瞬過ぎった考えはシャーレへ逃げ込む事。

 しかし、すぐにその考えを破棄する。

 これは俺の問題であり、西ヒカルという人物の因縁である。

 だから先生を巻き込むわけにはいかない。

 そして何より……此処であの人に頼ってしまったら俺は堕ちてしまう自信が、確信があるのだ!!!!

 そしてそれがスレ民にバレて仕舞えばもう……。

 酒の肴になるのは御免である。

 だから俺が、俺だけで西ヒカル(彼女)の因縁を終わらせるべきなのだ。

 

 

 

 

 スレ民の1人が幼馴染ちゃんに食べられた事件までにいくつか対策を用意した。

 1つ目は気休め程度にしかならないだろうがバリケードを作った。

 2つ目は以前ゾンビネズミから採取した肉片からこの拠点にあったもので作ったタンパク質を分解させる薬品を詰めた弾丸の作成。

 そして最後に……いざという時の先生への救援。

 改めて考え直した時、1対多はよっぽどの実力者でなければ不可能である。

 俺はトリニティのツルギや、ミレニアムのネル、ゲヘナのヒナ、アビドスのホシノのような強さは無い。

 そしてウェストンくんだけでは捌ききることも不可能だろう。

 だから、非常に不本意ではあるが最終手段として先生を頼る事にした。

 

「……煙草が欲しくなるねぇ…………」

 

 そういえばスレに共有したあの木箱の中まだ全部を共有していなかった。

 如何してかはまぁ……共有したら余計にアイツらが手頃な位置にいる俺をボロクソに叩いてくる事が見えているからである。

 というのも、動物の死骸以外にも見覚えのあるものが入っていたのだ。

 それでもまぁ、不幸を共有したくなるのは人間の性というもの。

 

「オープンセサミ」

 

 案の定スレは嘔吐の嵐。

 あ、スレ民の1人がft幼馴染ちゃんに喰われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何処だココ」

 

 目が醒めるとそこは、廃墟っぽい雰囲気の部屋。

 覚えているのは確か……ホーとか言う奴とヘイローまでは確認出来なかったがオオカミ耳の少女が急に扉を破って現れて……それ以降の記憶がない。

 

「あ、起きた」

「……マジでどこココ」

 

 目の前には『ヘイローの無い』オオカミ耳の少女が……って待ってこれ、俺は今どう言う状況だ。

 白衣が無い。

 制服じゃ無い。

 銃は……没収されているな。

 手首には薄い布越しに金属特有の冷たさ。

 

「おい、急に黙ってどうした」

「……いんや、何でもない。

 それより君、今暇?

 一緒にお喋りしない?

 てかモモトークやってる?」

 

 白衣が無いせいで落ち着かない気分を、テンションで無理やり誤魔化す。

 そういえばあの白衣ってあのエルザのもののはずなのに何故身につけていると落ち着くんだ?

 あんな気色悪い気配の者の持ち物だったはずのアレはなんなんだ?

 

 

「やっほー、ヒカルちゃん」

 

 ヒヤリ、と背筋に嫌な冷たさが走る。

 

「――っ。こ、この格好はどう言うつもりだよ、エルザ」

 

 白い、ミニスカートのウェディングドレス。

 ご丁寧に銃や白衣、伊達眼鏡を没収されてとても落ち着かない。

 それらによる不安や苛立ちを彼女にぶつける。

 だが、彼女は気にも留めずにこちらへ歩み寄ってきた。

 このままでは彼女に呑み込まれてしまう。

 

「可愛いよ、ヒカルちゃん」

 

 そっと冷たい指が俺の頰を撫でた。

 そしてその指は顎の骨をなぞり、首筋、鎖骨まで味わう。

 

「うん、着替えさせた時確認したけどあの男に傷物にされていなくて良かった!」

「…………」

 

 言葉が出ない。

 耳の裏には血液を循環させる為に激しく脈打つ音が響き、四肢が寒く感じ始める。

 どうにかしなければならないというのに、頭の中が真っ白で考えがまとまらなかった。

 

「……ねぇ。キス、して良い?」

 

 顎に指を当てられ、無理矢理顔を合わせさせられる。

 せめての抵抗で俺は絞り出すように断る言葉を放った。

 

 ――バチンッ

 

 右頬に痛みが走る。

 そしてその頬には後から手形を作るようにヒリヒリとした熱。

 

「ヒカルちゃん? 何を言ってるの?」

 

 彼女の声がとても恐ろしい。

 けれど今のビンタで俺は冷静になれた。

 

「クックックッ……クハハハハッ!!」

 

 急に笑い出した俺にやっと彼女が反応してくれた。

 一方俺から離れる様に後退り、俺とエルザの間には乾タクミが間に入ってくる。

 

「そんなに怯えてどうした、お嬢さん(Fräulein)?」

「やっぱりアナタ誰? 確かにヒカルちゃんのはずなのに……混ざってる?

 成り代わられたらあの子特有の雰囲気は無くなるはずだから絶対にアナタはヒカルちゃん。でも今、目の前にいるのはヒカルちゃんじゃない?

 ヒカルちゃんをどこにやったの? いえ、ごめんなさい確かさっき混ざってるって言ってたわね、私。ならヒカルちゃんはそこに居るの?」

 

 虚勢ではあったが思った以上に彼女に効いているようだった。

 ブツブツと彼女は何かを言いながら再び俺に近寄ってくる。

 

「俺が誰かだなんてどーでも良いだろ。俺が俺だと自己で認識している限り俺は俺だよ、お嬢さん(Fräulein)。それ以上でも以下でも無いさ」

 

 作り笑顔は……多分出来ていると思う。

 あとは今、余裕がある様に見せなければ……。

 

「……っ!? 待ってヒカルちゃん、今何をしようとしてるの!?」

 

 何故かエルザは慌てふためき始める。

 と言うかなんか足元が寒いんだけど何が起こって……ってなんで俺中心に霜が!?

 床が結露し始め、さらに音を立てながらその領域をゆっくり広げている。

 え、これってもしかしなくても前に先生が言ってた神秘の暴走ってやつ?

 あ、ちょ、止められな――。

 

 不意打ちで変な薬品を嗅がされて俺の意識は手放された。

 

 

 次に目が醒めると、結露していたはずの床は元に戻っていた。

 

「ふぃ〜大変だったぜ……あ、起きた」

「…………足元寒いんだけど」

 

 ミニスカートタイプのウェディングドレスの所為で先程まで冷えていた箇所から地味に冷気を感じる。

 

「第一声がそれって……やっぱ、かあさまが言ってた通りの人なんだな」

「……なぁ、エルザは何をしようとしてるんだ?」

 

 俺は間違えた選択をした。

 次に彼女から出てくるのは、例えるなら濁流である。

 俺の質問に若干寄り添いつつも、彼女はエルザを信奉している様でドンドンとエルザの話が流れてくるのだ。

 

「あら? とても楽しそうね、タクミ」

「あ、かあさま!」

 

 出たわね。

 相変わらず彼女の纏う空気感が気持ち悪い。

 太ももや脇の下、首筋などに湿った何からじっくり犯す様に這って纏わりついている様な感覚が彼女を見ていると湧き出てくる。

 

「もう、手枷も交換する羽目になったんだから……悪い子」

「そうかい。でもこればかりは俺悪くなくね?」

 

 先ほどと同じく鳥籠のような檻の扉を開け、彼女は俺に近寄ってくる。

 そして人差指で俺の喉から顎まで撫でて――。

 

「――んぷっ!?」

 

 彼女の舌が口の中に。

 突き放そうにも腕は拘束されており、突き飛ばすことができない。

 また、身を捩らせようとしても彼女が腕を腰に回してきていて離れられない。

 俺の逃げる舌を彼女の舌が捕まえて犯してくる。

 息継ぎに一旦口が離れてはくれるが、俺が酸素を補充しようとした頃にはまた口を塞がれる為、どんどん苦しくなってきた。

 

 何度口内を蹂躙されたのだろう。

 オレもかのじょも何をしたいのかわからなくなってきた。

 

 それに、そろそろ いし き  が    t

 

 

 

 大きな爆発音とともに建物が揺れる。

 お陰で彼女は俺から離れてくれた為にやっと新鮮な空気が肺に送りこまれた。

 

「カフッカフッ……ケホッ…………ケホッ…………ハァ……ハァ……」

「タクミちゃんはヒカルちゃんを見てて。私は虫を潰してくるから」

 

 侵入者だろう。

 だがそれよりも、俺としたことが腰が砕けて立てねぇ……!!

 

 

 

 

 

 イかれた城に突入してきたメンバーを紹介するぜ!!

 ・便利屋組4名

 ・セミナー組3名

 ・緑髪娘

 待って何で君来たの緑髪娘!?

 

「……こう言う場面ってゲームで言えば魔王みたいなラスボスキャラが『よくぞここまで辿り着いた……』って言う場面だね、シャーレの先生?

 でも私ならばこう言う」

 

 先生達に向かってエルザは背を向けて歩く。

 そして数歩離れたら今度は振り向き、1つのボタンを取り出した。

 

「『初めまして先生、さようなら』」

 

 その台詞とともに彼女は持っていたボタンを押す。

 閃光が場を白く染め、視界が元に戻るとそこには彼女の姿はなかった。

 代わりに……『死』がそこに居た。

 

 咆哮とともに建物の壁と天井が吹き飛ぶ。

 床はかろうじてヒビが入ったが、おそらく時間が経てば耐えきれずに崩壊するだろう。

 そして俺の入っていた鳥籠のような檻は扉がその衝撃で外れた。

 

『anosrep non atarg……srom tailicnoc!!!!』

 

 発光はしていないはずなのに眩いソレが先生らに大きな口を開けて飛びかかる。

 しかしツムギが咄嗟に放り投げた爆弾が口の中で爆発したようで、狙いが逸れた。

 そして銃撃戦が始まる。

 

「かーさま!!」

 

 タクミちゃんもエルザに加勢するようで俺から離れていく。

 その隙を狙ったのか、すぐ後に緑髪娘が駆け寄ってきた。

 

「おか、ヒカルさん!!」

「や、やっほー、おひさー?」

 

 しばらく顔を合わせていなかった為に少し気まずい。

 それもあって彼女は少しだけジッと俺を見た後に手枷を外そうと試みた。

 けれど開かない。

 それもそのはずで、鍵はエルザが所持しているから。

 

「あ、ダメ!!」

 

 手枷を外そうとしている途中で緑髪娘は、そう叫ぶと慌てて俺の目の前に駆け出す。

 そして持ち歩いていた謎のトランクを、スイッチを押して何かを展開した。

 瞬間、たった今現れたソレに甲高い音が鳴り響く。

 

「はぁあ!?」

 

 いやデッッッッカッッッッ!?

 大きな盾と形容するべきなソレは、銃身が付いているところから自身が銃であることを主張している。

 というか銃ってよりもはや砲台だよこれ。だって銃座あるし。

 

 銃弾が飛び交う中、エルザは自分を中心に竜巻を発生させたりして被弾を抑えたりしている。

 けれどソレに集中していたからだろう、先生のある一手が彼女に迫っていた。

 

「ワカモ、鍵をお願い」

「ええ、喜んで!」

 

 エルザに気取られぬよう近くまで来ていた先生が呟く。

 すると先生の陰からいつのまにか居たワカモが飛び出す。

 そして竜巻が消えて再び発生するまでの僅かな隙間で侵入して、彼女は先生の指示通り俺を拘束する枷の鍵を盗んできた。

 

「似合ってるね、ヒカル」

「だ、黙れ! こっちは着慣れてなくて恥ずいんだよ!!」

 

 先生がそんなことを言うから思わず叫んでしまった。

 すると、いつのまにか先生の首にナイフが迫っていた。

 しかしその刃は届くことはなく、ワカモに阻まれる。

 

『ワた尸ノHiかルちlyaン!!!!』

「かあさまのヒカルさんを返せ!!」

 

 先生はアロナとワカモが絶対に守り抜いてくれると信じているのだろう。

 こんな状況でもエルザと戦う生徒達に指示を送っている。

 というか、俺が解放されてから攻勢に出ようとしているようだ。

 

「ユウカ、しばらくエルザを引きつけて。

 ツムギはその間に爆弾でエルザの動きをハルカの正面へ誘導、アルは可能ならエルザの頭近くに飛んだ爆弾を撃ち抜いて――」

 

 絶え間なく先生は彼女達に指示を送る。

 というかちゃっかり先生に抱き寄せられてないかこれ?

 こんな状況なのにどうしてか、俺は先生の顔を知りたいと思ってしまった。

 きちんと目や鼻、口などのパーツの位置は認識出来ているはずだというのに、分からない。

 先生が今どんな顔で戦っているのか。

 冷や汗をかいてる?

 それとも冷静に淡々と?

 ありえないと思うけど、笑ってる?

 声色で何となくは分かるけれど、やっぱり表情が分からないというのはとても……不安である。

 

「――ヒカル?」

「……へ?」

 

 先生の呼ぶ声で俺は我にかえる。

 気付けば先生の懐の中で、先生の顔が近くにある。

 そして俺の手は……先生の顔立ちを把握しようと両手で彼の顔を撫でていた。

 

「あ、ちがっ、す、すまん先生。と、というかさっさと腰に回してる手を離してくれ」

「いや、まだ危ないから大人しくしてなさい」

 

 そう言って先生は俺の頭を優しく撫でると指揮に戻る。

 子供扱いされて少々癪だが、どこか心地良い。

 ……狐のお面から嫌な気配を感じるのは気のせいだろう。

 

『Ah……Ah…………rutigrem……………………』

 

 エルザの周囲に浮かんでいたユニットが浮力を失い崩れ落ち始める。

 後光のように背中に浮かんでいたヘイローも消滅し、排出された彼女も元の姿。

 乾タクミは戦意を喪失したのかエルザの元へ駆け出し、俺と先生は警戒しながら床に眠る彼女に近付いた。

 

「かあさま……かあさま……!!」

 

 今までの事があるが、不思議と彼女を許せるような気がしている。

 理由はわからないけれど、多分先生が近くにいるからだろうか?

 今までは先生が近くにいない間にエルザと接触していたため、不安でいっぱいだった。

 我ながらチョロいと思うけれど、顔も分からない先生に惹かれていたのだろう。

 

「……ちとすまんな」

 

 エルザの生死を確認する。

 脈はある。

 微かにだが呼吸もしているようだ。

 

「先生、エルザはどうなる?」

「うーん、本来ならヴァルキューレやミレニアムの管轄だろうけど、この子って確か――」

「ああ、すでに戸籍では死んでる」

 

 だから居場所が無い。

 それは彼女が生み出した彼らもそうだ。

 

「……ヒカル、とりあえずみんなシャーレに戻ろうか。それと……君たちも」

 

 

 

 

 騒動の結末としてまずは屍食鬼と称される彼らは地下で生活することとなった。

 これは彼らが追いやられたというわけではなく、自分たちがそう提案したのである。

 もちろん目が醒めたエルザは彼らの提案を受け入れられなかったが、最終的に折れた。

 そしてエルザの処遇としては死亡したというのは誤った情報だったとして戸籍が戻った。

 しかし、今回の騒動の主犯ではある為しばらく停学処置及びミレニアムで収容される事になった。

 あの一件以来、彼女の雰囲気は変わって穏やかなものだったのがやけに印象的だった。

 もう2度と会いたくないという雰囲気はどこにも無く、本当にただの1人の生徒のようだ。

 けれど相変わらずのラブコールはある。

 モモトークの通知は何故か収容されているはずの彼女から毎日必ず「おはよう」と「おやすみ」のメッセージが届いてくるのだ。

 返信が無くても続けているため、根負けして返信すると喜びを表現しているのか嬉しそうなスタンプを返して来た。

 

 

 

 

 

 

 そして時刻はある日の深夜。

 オレは徹夜作業中の先生の背後にいる。

 当番ではあるが、それは昨日まで。

 先生が休む気配がしないので仕方なく、そう仕方なく珈琲を淹れて来た。

 

「ほい、コーヒー」

「ヒカル!? まだ帰ってなかったの!?」

 

 先生は驚く様子を見せるが、それはそれとして珈琲は受け取ってくれる。

 薬を盛られているとか考えてないのだろうか?

 まぁ、今回は盛ってないけど。

 

「別にいいだろ〜。

 ところでそろそろ受ける気にはなったか?」

「ろぼとみー?手術だっけ? 今は健康体だしいいかな」

 

 誘い方が分からない。

 元々男であるが故に、男の人が好きなものは重々把握しているつもりはある。

 しかし、恋仲へ発展させる方法を知らない。

 どうアピールしても彼にはのらりくらりと躱されて、彼女達の気持ちもだいぶ理解できるようになって来た。

 

「そもそも、先生は誰か好きになったこととか無いのか〜?」

「そりゃ先生も子供の頃があったからあるさ」

「え゛、マジ!?」

 

 意外といえば意外。

 というか若かりし頃の先生……会ってみたいな。

 

「まぁ初恋と失恋は同時だったね。だってその人男で彼女持ちだったし」

「余計に気になるんだけど」

 

 まぁ最悪既成事実……は不味いか。

 ベアおばの所も解決してミカとアリウス達も参戦したからヤっちゃったら殺される未来しか見えん。

 あーあ、先生が生徒達でハーレム作ればいいのにねぇ……。

 

「……無理そうだけど」

「何が無理そうなのかな?」

「いんや、何でも。

 とりあえずさっさと明日……というか今日までの仕事終わらせないとユウカが怒鳴り込んでくるぞ、先生」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……せん…せい?」

「ひ、ヒカル……」

 

 目の前にはオレの腰ぐらいの背丈の息を切らした少年がいる。

 確証はないが、雰囲気は先生っぽい。

 だから顔を触って確認をしてみる。

 そして顔に触れてみた感じ、あの人の面影が見えて思わず「先生」と呼んだらどうやら本人らしい。

 おそらく原因は山海経のボク様()だろう。

 それはそれとしてオレはこの状況どうすれば良いのだろうか?

 

→詳しい話を聞く

 保護(誘拐)する

 

 脳内に変な選択肢が浮かんだ気がする。

 まぁここは一旦、先生から事情を聞くだろjkって事で――。

 

 詳しい話を聞く

→保護(誘拐)する

 

「とりあえずここじゃ何だし場所を移そうか、センセイ?」

「ヒカル……?」

 

 

 

 

 

 

 

 ― ―●― ―

 

 あの日から、尸エルザという少女に捕まったヒカルを助けた日から、彼女の様子がおかしい。

 今までは例えるなら同性のような関係柄のような絡み方が多かった。

 しかし彼女が私の顔を覚えるように撫でて来たあの日から少し距離を感じる。

 普段通りの彼女で普段通りの他愛の無い会話。

 けれどどこか一歩見えない線の後ろに退がっているみたい。

 

「それに……」

 

 あの時彼女の入っていた鳥籠のような檻。

 ヒカル周辺に若干水気を乾拭きしたような痕跡があった。

 それにあの檻の中は少し涼しくもあった。

 おそらく私が来るまでの間に以前遭遇した神秘の暴走と思われる現象があったのだろう。

 

「他の生徒に似たような事象を聞いてみたけど前例がないみたいだなぁ……はぁ……」

 

 エデン条約でのトラブルに、アリウスの生徒達にあった暴走のようなものが見られたがアレとヒカルのは何処かが決定的に違う。

 その肝心の違いが分からないのだけれど。

 

 そしてもう一つ気になるモノができた。

 先ほど触れた神秘の暴走について……というよりここキヴォトスの生徒に見られるヘイローとその神秘についてである。

 黒服達も注目していた彼女達の持つ神秘。

 尸エルザ、彼女もそれについて研究していたようだった。

 

「そして神秘……もといヘイローからの解脱……いや、解放……かな?」

 

 ミレニアムで現在収容されている彼女が話した内容は、私が意識していなかったものだ。

 そして生徒達も当たり前のように自分に備わっているもので、それから解放されようとしている子がいる事自体私は初めて出会ったと言える。

 そして一つの資料を見る。

 そこには私が尸エルザに行った質問とその回答が記録されている。

 それを見ながら少しボーッとしていると、ふとした瞬間に彼女が口にした言葉が聞こえてきた。

 

『私も彼女(ヒカルちゃん)も神秘に混じる何かから逃れたいの』




ブクマ・感想・ここすき・評価・誤字脱字報告、圧倒的感謝……!!

早速言い訳になってしまい申し訳無いのですが、1番の要因は尸エルザにあります
本来彼女はもう少し後にこの事件を起こす予定でした(具体的にはベアおば戦後ぐらい)
しかし何があったのかいつのまにか事件を起こしていました
そしてそのおかげでせっかく考えてたシナリオがパーになったわけですね、はい
そして次にリアルな方の事情で、単に仕事が忙しくてモモトークの再現に時間がかかりました
地の文は実は4月ごろにはだいたい完成してました
本当に申し訳ない……!!

さてここからは今後の予定ですが、一応タイトル回収した?ため本編完結となります
ただ、最後の方の回収や書きたい事が残っているので番外編的な感じで同じく不定期となりますが更新する予定です
そしてその間にR-18以外のif、もしも西ヒカルへの憑依転生が無かった場合のお話も投稿する予定なので見かけた際は気軽に手にとっていただけると幸いです
視点は先生ですが主人公に当たるキャラは別にいますし、そろそろブルアカにこう言うシステムが実装されてもおかしくないよなって言うのを詰め込んでいます

最後に、後書きを長々と書き連ねてしまい申し訳ありません。
ここまでこの小説を手に取って、読んで下さり本当に、大変ありがとうございました!!
ここまで書き続けられたのは皆様のお陰です!!!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。