ウマ娘達のデスゲーム   作:萊轟@前サルン

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1.幕明 F:逃れられないゲーム

ある休日の朝、トウカイテイオーはポケットモンスターVRと記載されたゲームソフトを持って学園内のVRウマレーターが置いてある場所に向かっていた。

 

「発売から3日…ようやく遊べるぞぉ!本来なら発売日当日に遊べてたんだけどね…トレーニングが多すぎて…」

 

テイオーがそんな独り言を呟きながら学園の廊下を歩いていると背後から何者かの気配がした。振り返ってみるとそこには…

 

「おっ、テイオーじゃん!何その手に持ってるゲームは?」

 

ナイスネイチャがいた。ネイチャはテイオーが手に持っているゲームソフトが気になっているようだ。

 

 

「うっしっし、これはね"ポケットモンスターVR"っていうゲームなんだ!」

 

「へぇ〜なんか面白そうじゃん!」

 

ネイチャはゲームに興味津々のようだ。ネイチャから微かに感じる輝かせた瞳を見たテイオーは予備として買っておいたもう一つをネイチャに渡す。

 

「えっ…これは?」

 

「ネイチャもやろうよ!一緒にやった方が楽しいでしょ‼︎」

 

「あはは…確かにね」

 

ネイチャは仕方ないというような感じでテイオーからゲームソフトを受け取るが内心は喜こんでるみたいで証拠として僅かに笑みが溢れていた。

 テイオーとネイチャはそれから少し歩いてVRウマレーターのある場所へ着いた。

 

「うわぁ…皆、プレイしてるんだねぇ」

 

「まぁ発売後初めての休みだからね…」

 

部屋の扉を開けて中を見てみると中には多くのウマ娘達がいた。2人はゲームプレイ中の他のウマ娘を邪魔しないようウマ娘達を上手く避けながら使われていないVRウマレーターのある机に向かって歩いていく。

 

「よし、やるぞぉ‼︎」

 

「よほど楽しみだったんだね」

 

「当たり前!楽しみすぎて昨日は一睡もできなかったよ!」

 

テイオーは早速ゲームソフトが装填されたVRウマレーターを装着し、ゲームをプレイし始める。テイオーに少し遅れてネイチャもVRウマレーターを装着してゲームの世界へと入っていく。

 ゲームの世界へ入るとそこには馴染みのある光景が広がっていた。

 

「ネイチャー‼︎」

 

テイオーがネイチャを大きな声で呼んでいる。ネイチャは自身の左横から聞こえるテイオーの声に反応し、声の方を向く。そこにはデフォルトのコスチュームを少しデコレーションした服装をしたテイオーがいた。

 

「ゲーム入っていきなり大きな声で呼ばれるのは驚くよ…」

 

「ごめん、ごめん……それじゃ2人共無事にゲームに入れた事だし博士のところに最初のポケモンを貰いにいこう!」

 

2人は最初のポケモンを貰うために博士の研究所へと向かう。近くにあったので時間があまりかかる事なく博士の研究所前に着く。

 2人が研究所の扉を開けて中へ入るとそこには当たり前だが博士がいた。

 

「最初のポケモンどれにしようかな……あっ、ネイチャ先に選んでよ!」

 

「私が先⁉︎……ふふっ、分かったよ」

 

ネイチャはテイオーがライバルと主人公の関係を自分達で再現したいというのをにししと微笑む表情から察してふふっと軽く笑いながら三つのモンスターボールの置かれた机の前へ行く。

 

「それじゃ私はナエトルを選ぼうかな…」

 

ネイチャは最初のポケモンとしてナエトルを選んだ。ネイチャが最初のポケモンを選んだのを見てテイオーも残った2つのボールの前へ行きポケモンを選ぼうと手を伸ばす。

 だが、その瞬間静電気みたいなものがテイオーの手に伝わり手に取ろうとしたボールを弾いてしまう。それと共にチャットログにテイオーがイーブイを選んだという博士のセリフが刻まれる。

 

「えっ、ボクはヒバニーを選んだはずなのに……なんでイーブイが?」

 

「テイオー…?どうしたの?」

 

「聞いてよネイチャ!ボク、ヒバニーを選んだんだ…なのに手持ちにはイーブイが……」

 

「よくあるバグじゃない?」

 

「バグなのかな?それならボク、このゲーム再起動するから一回ログアウトするね」

 

テイオーはそう言いながらログアウトしようとするがあるはずのログアウトボタンがない。

 

「えっ…ログアウトボタンがない⁉︎」

 

「えっ、それはどういう…」

 

2人がログアウトボタンがないことに焦りを感じていると突如、謎の光が地面から溢れ出して二人を包み込んだ。2人は眩しさのあまり目を閉じてしまう。

 

「えっ⁉︎何これ?」

 

「テレポートだ……やっぱり何かおかしい」

 

2人は強制的にどこかへとテレポートさせられているようだ。眩しい光が晴れて2人が目を開けるとそこは主人公の家がある最初の町だった。研究所の横あたりだったので2人にとってはあまり動いた感はないが先にゲームを進めていたであろうウマ娘達は突然のテレポートに驚いている様子。

 2人や多くのウマ娘の向かいに立つ服装がプレイヤーのものとは違った女性が皆に向けて話し始める。

 

「ゲームをプレイしている皆さま、ごきげんよう…私はユウミと申します!さて、早速とはなりますがこの度このゲームを用いてUMAネストバトルというものを開催する事になりました‼︎」

 

「UMAネストバトル?」

 

「はい、UMAネストバトルのルールは簡単でこの世界で最強と言われる"チャンピオン"を1番早く倒したプレイヤーの勝ちです……ただし」

 

「ただし…?」

 

「一度でも旅路に現れるNPCや野生の怪人に敗北したものはその場でゲームオーバーとなり2度と復活できなくなります」

 

UMAネストバトルがどういうものなのかを聞いていたテイオーは"2度と復活できない"というワードを聞いてデスゲームを連想して鳥肌を立てる。

 

「ボ、ボクそんなゲームに参加した覚えないよ‼︎…というかバグなんでしょコレ⁉︎」

 

「バグではありません…あと、UMAネストバトルはゲームプレイ中のプレイヤーは全員強制参加となります」

 

テイオーはユウミの言葉を聞くたびに心臓の鼓動が早くなっていくのを感じた。

 

「"チャンピオン"に挑むには強者と呼ばれる8人の"ジムリーダー"と4人の四天王を倒さなければなりません。ですが"チャンピオン"を倒せるのは1名のみ…つまり、誰か1人が"チャンピオン"を倒した時点で他のプレイヤー達は強制ゲームオーバーとなります。ちなみに"チャンピオン"を倒した1名には願いをなんでも叶える権利が与えられます」

 

皆、願いが叶えられるというワードよりゲームの一つの終着点である"チャンピオン"倒すのが1人しかできず、しかも他のプレイヤーに"チャンピオン"を倒されてしまえば終わりである事を知った。

 

「あと、戦うのはポケモンではなくあなた自身です。ポケモンはあなたを"支える力"だけの存在となります」

 

テイオーはユウミの今の言葉をあまり理解できなかったのでどういうことかを頭の中で自分なりに考えていると腰まわりに違和感を感じた。

 なんと腰には中央部に何かがはめられたベルトが巻かれていた。

 

「これでUMAネストバトルの基本チュートリアルは終了となります。UMAネストバトルは5分後の開始を予定しています…それまでは各自でバトルへの備えをしておいてください。……あと、何かわからないことがある場合はメニューのヘルプを通して私にお伝えください」

 

ユウミはそう言ってウマ娘達の前から去っていってしまう。テイオーは冷静を装いながらネイチャを連れて近くの民家へと入った。

 

「てっ、テイオー……どうしよう、1人しか生き残れないみたい」

 

ネイチャは民家の部屋の隅に体育座りをしながらテイオーに弱々しい声でそう言う。

 

「話聞いてたからボクもそれは分かるよ。けどそれが正しいかは分からない…だからこそ皆が一緒に生きて現実に帰る方法を探そうよ!」

 

テイオーはこんなことを考えていてもしょうがないと感じてここで話を変える。

 

「……とりあえず、立ち回り方を考えよう」

 

テイオーはそう言いながらネイチャと共にまずはこのゲームの立ち回り方についてを考えることにするのだった……

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