マダツボミの塔に入ったネイチャたちはいきなり衝撃的な光景を目の当たりにする事となる。
それは多種多様な挑み方をするプレイヤーたちがNPCライダーたちに倒されていく光景だ。ここでは消滅しないとわかっていてもトラウマになりそうな光景だ。
「私達は負けませんよ!」
「ターボ達もテイオーに追いつく‼︎」
「私も今回ばかりは活躍しちゃうからね!」
皆の士気は良いようだ。皆の言葉を聞いて安心したネイチャは皆と横一列に並び一斉に変身する。
《SET!!!》
「「変身!!!」」
ARMED MIRACLE SEED!
FAIRY WIND!
ACROBAT!
ATTRACT!
《READY FIGHT‼︎》
上からネイチャ、イクノ、ターボ、タンホイザは自分の持つレイズバックルを使用した。
4人の前にはレベル9の巨大なマダツボミ・ユーマが立ちはだかる。
「ターボが先陣切るぞぉ!!」
ターボは背中に生えた羽を分離させて武器にする。アクロバットツインカッターと呼ぶことにする。
ターボは二つのブーメラン型の武器を巨大マダツボミ・ユーマに投げつける。すると投げたブーメランが敵の体を何回も何回も切り裂き、ターボの元へ返ってくる。
「大ダメージみたいだ‼︎よぉーし、これで決め…」
「決めるのは私がやる‼︎」
ターボが大ダメージを負って怯んでいる敵に必殺技を放とうとしたがタンホイザが敵に突っ込んでいき、必殺技を発動させる。
ATTRACT! STRIKE‼︎
必殺技を発動させたタンホイザは自分の目の前に巨大なハートを生成し、生成した巨大ハートを全身全霊の力を込めてパンチし、敵の方へ飛ばしていく。必殺技を受けた敵はメロメロ状態になると共に巨大ハートに込められていた全身全霊の力のダメージを受けて爆散した。
「攻略完了!……むんっ‼︎」
敵を倒し終わり、戦いが収まったところでターボがタンホイザの元へ早足で歩み寄る。
「ちょっと‼︎ターボが決めたかったのに‼︎」
「えへへへ…ついつい良いとこどりしてしまいましたぁ…」
ターボは決めるところをタンホイザに取られてしまい不満な様子。そんなターボを見たタンホイザがターボに何かを渡す。
「ターボ、これさっきのMVP報酬だよ!これで許してね!」
「…いいの?」
「うん!」
「やったぁ!ターボ新しいレイズバックルゲット‼︎」
ターボはタンホイザから貰ったレイズバックルを喜びながら高くに突き上げる。ターボの貰ったレイズバックルはゴールドシップが持ってたはずのZパワーレイズバックルだった。Zパワーレイズバックルには中央部に何かはめるものがありそうな窪みがあるがそのはめるものは現状なさそうだ。
戦いを終えたネイチャたちは他のワニノコの力を宿したライダー、オンバットの力を宿したライダーの2人と同時に2階へと上がっていく。
2階へ上がるとまた1階と同じように巨大なマダツボミ・ユーマがいたがレベルが12に上がっている。4人とも現在のレベルは10だ。
「ここは私とネイチャさんでいきましょうか」
「了解!」
ネイチャはイクノのフェアリーウィンドハープによる演奏攻撃に合わせて巨大マダツボミ・ユーマに向かっていき、マダツボミ・ユーマのか弱い足元にスラインディングして転ばせる。イクノがその隙をついて武器を用いて必殺技を発動させる。
FAIRY WIN・D!!
TACTICAL SYMPHONY‼︎
くさ・フェアリーとどちらもマダツボミ・ユーマに対してあまり相性は良くなかったが2人の連携でそれを補い見事、2階のマダツボミ・ユーマを倒すことに成功する。
「今回は私がMVPの様ですね……これはバイト(かみつく)レイズバックルですか」
イクノはまた新たなレイズバックルを手に入れた。
こうして2階での戦いを終えた4人が最上階へ行く前に辺りを見回すがそこにテイオーの姿はない。
「テイオーは3階か…もし、倒されてたらまだ1階に…」
「大丈夫だよターボ。テイオーはきっとこの先にいるよ…!」
テイオーがやり直しになってるかどうか心配になるターボに対してネイチャはテイオーが先に最上階にいることを信じ切っている。
ネイチャたちはテイオーの待つであろう最上階へ上がる。するとそこには少し苦戦気味のテイオーとマダツボミ…ではなく巨大ウツドン・ユーマがいた。しかもレベルは21だ。
「レベル21⁉︎レイドバトルだからこんなレベル高いのか」
ネイチャは敵のレベルの高さに驚く。そうこうしているうちに自分たちの元にもレベル7のマダツボミ・ユーマが三体出現するが、3体はこちらに向かってくるのではなく合体し始めた。3体の融合が完全に終わるとネイチャ達の前にはウツドン・ユーマが現れた。
「うわぁ…大きいねぇ」
「ここまできたからには負けるわけにはいかない‼︎」
先程の巨大マダツボミ・ユーマよりさらに大きいウツドン・ユーマをみて驚くタンホイザ。一方のネイチャはここまできたからには負けるわけにはいかないと意気込みはバッチリな様子だ。
「先ほどのレイズバックルを試させていただきます」
いくのはそう言いながらフェアリーウィンドレイズバックルを抜いてそこへさっき手に入れたバイトレイズバックルを装填し、鋭い牙の並んだ口型のパーツを噛む動作のように上とした両方から中央に押し込んでフォームチェンジする。
SET!!
BITE!
READY FIGHT‼︎
「両腕や胸元に鋭い牙の様なものが生えた…⁉︎武器がないということはこの体が武器だということですね」
上半身にトゲトゲとした装甲を纏ったイクノはウツドン・ユーマの大きな口の中へと突っ込んでいく。
「イクノ⁉︎飲み込まれちゃうぞ‼︎」
イクノがウツドン・ユーマに飲み込まれてしまうと心配したターボだったがウツドン・ユーマが少し苦しみ出したのを見てこれはイクノの作戦なんだと気づく。
イクノは口の中でウツドン・ユーマの無防備な口内で四方八方に何度も何度もタックルしていく。イクノがトゲトゲの装甲を纏って口内で激しく動いている為、ウツドン・ユーマはその痛みに苦しんでいる。だが、苦しみながらも何かを繰り出そうとしている様で外から見たらその準備動作が見えるのだが口内からでは見えないのでイクノに危機が迫っていた。
「イクノ‼︎私が何とかしなきゃ!」
タンホイザはそう言いながらアトラクトレイズバックルの力で相手をメロメロ状態にさせようとしたが同性だった為、出来なかった。更にウツドン・ユーマはタンホイザをつるのムチで攻撃する。
「うわぁぁ‼︎」
レベルの差があるだけにタンホイザは今の攻撃で大きくダメージを受けてしまい地面に叩きつけられて以降、立ち上がれなくなっていた。そしてイクノも他の皆よりも近い距離でヘドロばくだんを受けてしまい変身解除とまではいかないが、もうまともに戦えるくらいの体力はない様だ。
「タンホイザ⁉︎イクノ⁉︎……こうなったら私達でいくよ!ターボ‼︎」
「分かった!」
ネイチャとターボはそれぞれ左側と右側に分かれてウツドン・ユーマに攻め込んでいく。ウツドン・ユーマはつるぎのまいをして攻撃力を2段階上昇させる。
「ん?今の敵の頭の上に浮かび上がった剣の模様はなんだ?まぁいいや!今度こそターボが決めてやる‼︎」
「ターボ!考えなしに一気に決めようとしちゃダメ⁉︎」
ネイチャはターボにそう注意を促すがターボはそれを聞いておらずウツドン・ユーマに突っ込んでいってしまう。ウツドン・ユーマは右側の葉っぱに力を込めてどくづきを繰り出す。
「ターボ危ない‼︎」
どくづきは突っ込んでいる途中で避けることが出来ないターボに向けてまっすぐ向かっていく。
バンッ‼︎
どくづきが命中する音だ……ターボは避けきれなかったのでどくづきを受けたと思った。だが、お腹に違和感がない。恐る恐る目を開けるとターボの前にはネイチャがいた。ネイチャはタスキみたいなものを持ったまま何も言わずに落下していく。そう、どくづきが自分に対して効果抜群のはずのネイチャがターボを庇ったのだ。地面に落ちたネイチャは気を失ってしまうもタスキのおかげで変身状態を保てていた。
「ネイチャぁぁ‼︎」
ターボはネイチャが気を失っているのを見てウツドン・ユーマに対しての怒りが溜まると同時に爆発する。
「ターボ怒った……もう怒ったぞ!!!」
ターボはそう言いながらZパワーレイズバックルをドライバーの空いているもう片方のスロットに装填し、Zパワーレイズバックルの中央部の凹んでいるひし形の模様を押し込んでフォームチェンジする。
SET!
DUAL ON!
IT'S TIME FOR Z!&ACROBAT!
READY FIGHT‼︎
ターボはZパワーレイズバックルの力で下半身にもアクロバットの装甲を纏う。ただ、下半身は上半身より装甲が少し派手だ。
「何だこれ…足が軽くて、力も強くなってる…!まるで全力の時みたいそうだ!この新たなターボの姿をゼンリョクアクロバットフォームと名付ける!!」
ターボは自分でゼンリョクアクロバットフォームという名を付けた。
全力なだけあってターボが背中の羽と羽から生成された武器のどちらも欠けることなくちゃんとある。
「ターボの本気見せてやる!」
ターボはそう言ってZパワーレイズバックルのパーツを2回押し込む。すると固有の待機音声が流れる。
FULL POWER TIME!
ターボは更にレイズバックルのパーツを押し込んで必殺技を発動させる。
ACROBAT Z GRAND VICTORY‼︎
必殺技を発動させたターボはゼンリョクでアクロバットツインカッターをウツドン・ユーマへ投げつけて斬り裂く。その後、相手が怯んだ隙に高くへ飛び上がりそこから急降下してウツドン・ユーマに対してライダーキックを決める。
必殺技を受けた敵は爆発と共に消えていく。爆発した直後のウツドン・ユーマからはターボを祝うかの様ないろんな装飾用のテープや小さい折り紙から降ってきた。
「皆、お疲れ様!」
ターボの頭上にMVPという文字を表示されたままターボ達は強制全回復されると共に塔の外へ転送される。
「ふぅ…なんとか私達はクリアしたけど後はテイオーが……」
「テイオーさんならきっと大丈夫です。ここで待つことにしましょう」
残りはテイオーだけだ。皆は不安を少し抱きながらもテイオーが勝利してここへ戻ってくることを信じて待つのだった……