2人を落ち着かせた後、バシレウスは2人にそこ迄して強くなりたい理由を問う
『お前達はどうして、そんなに強くなりたい?』
「強くならなきゃあ・・・バシレウスを守れない!!、だから私達強くなりたいの……」
バシレウスはミーシャの方にも向き直るが、ミーシャもサーシャと同じ意見だった
2人の意見を聞いたバシレウスは少し悩みはしたが、すぐに答える
『お前達にとって強さとは何だ?』
そう問われる2人は沈黙を続ける
そしてバシレウスが口を開く
『強さとは、誰にも負けない圧倒的な力か?、弱い者を虐げる力か?、それとも誰かを守る為の力か?、はたまた自分が単純に力を追い求めているのか?、余はお前達が何の為に強さを得たいのか知りたいのだ……、確かに先程余を守る為に強くなりたいと言っておったがなぁ、それだけか?あるんじゃないか?他にも、たとえば・・・己の無力さを無くす為とか……』
サーシャとミーシャは目を見開いてハッと驚く
2人の中に、バシレウスを守りたい、それ以外にも己の無力さを無くしたいと言う一心もあったと言う事を言い当てられたからだ
図星をつかれたようで黙り込む
バシレウスは続けて話す
『前にも言ったが、焦る必要は無い、時間ならいくらでもあるんだ、それに今無茶して強くなったところで得るものは無いぞ…』
バシレウスは自分の過去についてサーシャとミーシャに話した
余もかつてはサーシャやミーシャのように、いやそれ以上に力を "求め"・・"焦り"・・・"無茶" した……
光を完全に消し去る為の圧倒的で、誰も手に届かぬ強さが欲しいと
だから余は鍛錬を積み重ねた、しかしいくら鍛錬を積み重ねようと限界がくる、強さの限界が・・・・
だから余は更なる力を欲した、あの時でも、既に光の国を単身で落とす力はあった、それに余を屠ったあのメビウスフェニックスブレイブと言う絆の力が具現化した形態より圧倒的な力を得ていたのだ、なのに余はまた更に力を欲した
そんなある時に、余は自身の闇の力と肉体の強さの限界を超えた強さを得る為に色々な方法で強くなった
しかし、それでもまだ欲した、そしてあの日、余はあの声に導かれ暗黒大樹に手を触れ、圧倒的で今までとは次元が違う程の尋常無い力を得た
力を得た後は、次元が違い過ぎて相手を軽く威圧させるだけで、相手を爆死させる事が出来たり寿命だけを奪ったり等出来た
だが余は力を手にしたと言うのに満足感を得る事は無かった
光の国を攻め落としに行った際も、ウルトラの父とベリアルの力ある者達が余に立ち向かったが
余の力は次元が違った上に、念力だけで対処出来てしまった
しかし、ウルトラの父がある剣を握ると、奴の潜在的力が目覚め、格段に強くなった、それでも余からすれば大した強さでは無かった、そう、この慢心があの傷を生んだ
余はパワーアップを果たしたウルトラの父相手にも一方的には圧倒した、次元が違い過ぎて話にならない程に
しかし、余が慢心しているところをその隙を狙ってウルトラの父は余に傷を付けた
痛みは無かった、しかし屈辱だった、こんな雑魚に傷を付けられる事に、しかし余は不思議と悪い気もしなかった
だからなのか余は、その場から光の国を去る事にした
落とそうと思えば簡単だった、しかしただ落とすだけでは物足りない、味気無いと思い落とさなかった
それに余はそんな誰にも手が届かぬ強さを得たと言うのに、心が晴れる事は無かった
そしてあの日、余は慢心と油断で光となり消滅し、死んだのだ……
しかし、死んだと言うのに悪い気はしなかった、死んでようやく余は満足したのだ、光を知る事でなぁ
光を知る事で満足した、余の心は澄み切った青い空の様に晴れていた
『今現在に至ると言う事だ・・余のように力を得たとしても得るものは無い、心も晴れる事は無い、だから2人はゆっくり時間をかけて強くなって欲しい、余と同じ思いはさせたくないのだ』
バシレウスは儚げに言う
そして、サーシャとミーシャはバシレウスの言葉を聞き、決意ある目で再度強さとは何なのかを答える
「私分かったわ・・強さの意味、それは誰かと協力して失敗を積み重ねていく、そして人を思いやれる優しさ、守れるだけの力では無く、心の優しさも守れる力、それが強さ・・でしょう?」
サーシャが先に答える
続けて、ミーシャも口を開く
「全部サーシャに言われちゃったけど、私も同じ、強さのは人に寄り添い優しく出来ると言うこと何だって……」
『そうだ、人を思いやれるか否か、光を知っているか否か、これだけでも強さの意味は違って来る、どれだけ力が強くなろうと、誰かを思いやれる事が出来ないのなら、それは真の力とは言わん、気付いてくれてありがとう、サーシャ、ミーシャ……』
バシレウスは優しい笑みを浮かべて2人に言った
サーシャとミーシャも満面な笑顔をバシレウスに向ける
バシレウスは2人の笑みを見て、少しだけ、一瞬だけだったが胸がドキッとした
だけど、この胸のドキッの正体をバシレウスが知るのはまだ先の話である