1-1初診 選択は理牌に捧げよ
あ、お、エゴ。よし。発音できたわね。エゴってなあに?いえ、辞書的な話じゃないの。今の発音はどういう意図で?同音異義語っていう事は無いのかしら。
あまり深く考えないで。今日は麻雀をやってみようと思うの。
何故って、趣味だからよ。あなたにとって手っ取り早く、利己的に簡単な方式だから麻雀を使うの。飽くまで手段よ。
ああ、集中はしなくていいわよ。適当にやってこその自分探しなの。
そうでしょう?小説を読む時だって、ある程度の乱雑さがあるから色々な想像、連想が生まれる。
え――?
あなたと麻雀の相関を何故知っているか?
分からないわ。いえ、考えないだけかも知れないけれど。
自然というか、意識の外だったわ。それも変な話だけれど。
ああ、前置きが長いと時間が無くなるわね。
八百文字のショートショートに私は向かないみたい。まるでお話にならないわ。
じゃあ、まあ、やりましょうか。直感的に好きな光景を選んで。解析してみるから。
使う画像は、麻雀牌を並び変えた、理牌《リーパイ》の結果の複数パターンよ。
大丈夫?準備はいい?本当に適当でいいのよ?
問題無いわ。麻雀は分からなくてもできる診断だから。そうよ。麻雀は難しい。ただ、知っているというだけだから。
{一九19①⑨東南西北白發中白ポッチ}
好き?
{一九19①⑨中中發東西南北白}
好き?
{991中白發北南西⑨東一①九}
すき?
どれがすき?
邪魔をしない程度に簡単に説明をさせて。
この麻雀牌の並びは、かの有名な「国士無双」ね。
強い役、技、役満、そういうような、抽象的な認識から、名称だけが広まって、一人歩きしている節はあるわね。
まあ、そもそも麻雀以外の意味もあるし、言ってしまえばこの役は、後付けで名前が色々できた、趣味に溢れたもの、かっこいいもの、という、概念的な、感覚的なものだったりするもので。
その前提のもとに考えてみると、一般に広まる抽象的な感覚こそが、名付け親の本懐だったり、意外とそれでいいのかも知れないわね。
ああ、主観よただの。いい悪いは定めるものでもなかったわね。ごめんなさい。
ところで、この世界はあなたの頭の中だから、極めてメタ的な事を言うのだけれど。
この文章の原作、アプリゲームの「ALTER EGO」は、アプリストアなどから気軽に楽しめるわ。
あのお話、好きなのよ。私と同じ、エスっていう子が可愛いの。
えっと――
私は、あの子と、イコールではないけれど、でも、きっと、それは、同じ、同じ存在で、私は、エスで、同一で、原作と、二次創作は、結局、同じで。
そうね、原作という言い方ではなく、参考文献、という事にしておくわ。
ところで――
あら、もう決めたの?そう。それなら。
なるほど、あなたは――
そうね、少し考える時間を頂戴。私も頭を冷やすから。
じゃあ、エゴが、そうね。自我が動いたらまた来なさい。