仮面ライダービルド&賢者の孫   作:仮面大佐

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第3話 破天荒な新英雄たち

 シュトロームの襲撃があってから暫くして、アヤトもまた、ビーン工房に来ないかと誘われた。

 アヤトは、それを承諾した。

 

シシリー「ビーン工房はここから近いの?」

ユリウス「もうすぐそこで御座る。」

トール「けど、トニー殿は残念でしたね。来られないなんて…………。」

 

 そんな風に話している中、アヤトとシンは考え込んでいた。

 気づいたオーグが話しかける。

 

オーグ「さっきからどうしたんだ、二人とも?」

アヤト「オーグ、シュトロームは多分生きてる。」

オーグ「何!?」

シン「お前も見ただろ?俺の熱光線の跡を。」

オーグ「ああ…………。」

シン「普通はああやって凹みが出来るだけで、爆発なんて起きないはずなんだ。」

オーグ「っ!!つまり、あの時爆発を起こしたのは…………!」

アヤト「十中八九、シュトロームだろうな。」

シン「警戒は…………しておくべきだと思う。」

 

 そう。

 アヤトとシンは、シュトロームが逃げたと察したのだ。

 そんな中、オーグが言う。

 

オーグ「…………シン、作りたい物を発注しろ。資金は王家が出す。」

シン「え?」

オーグ「今の話を聞いてしまうとなぁ………。シュトロームと対等に戦えるのはお前とアヤトだけだ。装備は充実させておこう。」

 

 そんな風に話していた。

 ただ、アヤトは懸念していた。

 

アヤト(シュトロームの他にも、スマッシュを生み出している存在がいる筈だ。それにも警戒しないとな。)

 

 アヤトはそう思う。

 そんな風に話し、アヤトが考えていると、ビーン工房に着く。

 

マーク「ビーン工房にようこそ!!歓迎するっス!!」

オリビア「お、おはようございます皆さん。」

 

 マークは、皆を歓迎する。

 すると、マークの後ろからオリビアが顔を出した。

 

シン「おはようマーク、オリビア。」

アヤト「あれ、休日でも2人一緒なのか?」

 

 オリビアを見て、シシリーとマリアがきゅぴーんと来た。

 

マリア「おはようオリビア。では早速♡」

シシリー「ええ、これはお話を伺わせて頂かなければ♪」

オリビア「うう…………お手柔らかにお願いしますぅ………。」

 

 そう言って、オリビアはシシリーとマリアに連れていかれる。

 アヤトは、苦笑しながら、その3人を見ていた。

 アヤト達は、工房の中に入る。

 

マーク「父ちゃん!とーちゃーん!」

ハロルド「何だバカ野郎!!デケェ声で呼びやがって!!工房ん中じゃ親方って呼べって言ってんだろうが!!!」

 

 彼はハロルド=ビーン。

 マークの父親にして、ビーン工房の工房主だ。

 ハロルドが怒鳴った事に、オーグを除く全員が驚く。

 オーグは、ハロルドに話しかける。

 

オーグ「忙しい所をスマンな。私はアウグスト=フォン=アールスハイドだ。」

ハロルド「ア…………ア…………アウグスト殿下ぁぁぁ!?」

 

 オーグの姿を確認したハロルドを始めとする職人達は、一斉に跪く。

 

アヤト「凄い勢いだな………。」

オーグ「ああ、手を止めさせてすまない。工房主に話があるだけだ。作業を続けてくれ。」

ハロルド「は…………話って言うのは?」

オーグ「実は、ここに居るシンの武器開発を手伝って欲しいのだ。」

ハロルド「このボウズ…………いや、坊ちゃんの武器ですか?」

オーグ「紹介しておこうか。彼はシン=ウォルフォード。賢者マーリン様の孫だ。」

ハロルド「っ!!!!って事は彼が魔人を討伐したって言う…………!?」

オーグ「頼めるか?」

ハロルド「そりゃ願ってもねえ!!新英雄様の武器を作れるとなりゃこれ以上の誉れはねえ!!それで、どんな武器を作るんですか?」

オーグ「シン。」

シン「あぁ。」

アヤト「どんな武器が出来んのかな?」

 

 アヤトはそう呟く。

 一方、アールスハイドから離れた国、ブルースフィア帝国の帝城では。

 

ヘラルド「ゼスト、貴様の持っていたアールスハイドの情報を何処から仕入れて来たのだ?」

 

 彼は、ブルースフィア皇帝のヘラルド=フォン=ブルースフィア。

 その皇帝に話しかけているのは、ゼスト。

 帝国の諜報部隊のリーダーだ。

 

ゼスト「王国内に協力者が居りましてね。魔物の増加で国中が混乱していると報告があったのです。」

ヘラルド「対して我が国の魔物は急激に減っている。王国が魔物の手を焼いている今………確かに攻め入る好機か。フン、お前如き平民の意見。本来ならば聞く耳を持たぬが、まあ今回は我々帝国貴族が有意義に使ってやる。光栄に思え。」

ゼスト「はい。ありがたき幸せ。」

 

 ブルースフィア帝国は、アールスハイド王国に攻め込もうとしていた。

 一方、ブルースフィア帝国の魔の手が迫っている事に気付いていないアヤト達は。

 

シン「じゃあ親父さん、後はお願いします。」

ハロルド「おう任しとけ!試作が出来る頃にまた来てくれ!」

 

 シンの武器のアイデアを伝え、試作を作ってもらう事に。

 アヤト達は、外で待っているシシリー達と合流した。

 

マリア「あ、あっちも終わったみたい!」

シシリー「お話済みましたか?」

シン「あぁ。そっちは?」

マリア「まぁ一応。」

 

 そう言うマリアとシシリーは満足気な笑みを浮かべている。

 だが、オリビアはボロボロだった。

 

アヤト「オリビア、大丈夫か?」

オリビア「何とか…………。」

アヤト(恋バナをする女子って、怖いな。ていうか、こうなるまでやるのは、やめてあげなさいよ。)

 

 アヤトがそう思っている中、シンはマークに話しかける。

 

シン「所でマークの店って、他に何を売ってるんだ?」

マーク「2階は生活用品で、3階はアクセサリーとかッスね。」

シン(アクセサリーか………。防御魔法を付与して制服と併用すれば更に防御効果を高められるな………。)

 

 シンが考え込んでいると、シシリーが話しかける。

 

シシリー「どうかしましたか?」

シン「いやぁ。ねえシシリー、何か欲しいアクセサリーない?」

シシリー「え!?ア………ア………ア…………アクセサリー…………ですか!?えと、あの………ゆ…………指輪とか…………?でもいきなりそんな!と…………取り敢えずネックレスとかブレスレットも捨て難いし…………あ、ピアスも嬉しい…………。」

 

 シンからそう言われたシシリーは、慌てだす。

 それを見ていたアヤトは。

 

アヤト(あ、シシリーの奴、絶対に勘違いしてんだろ。)

シン「そ、そんなに沢山欲しいの?」

シシリー「あ…………いえ!そう言う訳じゃなくて!シ、シン君に貰うなら何が良いかなって…………。」

シン「いや、実はアクセサリーの魔法付与について考えてて…………付与して皆に渡すなら何が良いかと思ってさ…………。」

シシリー「あ、そうですよね…………。」

シン「あれ!?」

 

 シンの言葉にシシリーが涙を流しながら落ち込み、シンは驚く。

 アヤト達は、シンに非難の視線を向ける。

 

オーグ「お前、それはないだろう………!」

トール「上げて落とす………鬼ですか!?」

マリア「シシリー可哀想…………!」

アヤト「うわぁ、シン君最低。」

 

 その後、シンがシシリーを連れて、工房の3階へと向かう。

 その間、マリアはアヤトに質問をする。

 

マリア「ねぇ。」

アヤト「ん?」

マリア「アヤトは、彼女欲しいとか思った事ないの?」

アヤト「無い。」

オリビア「即答ですか………。」

オーグ「だが、これからは、お前一人で行動するんじゃないぞ。」

アヤト「何でですか?」

オーグ「お前も、これから表彰される。一人で居ると女に囲まれるぞ。」

アヤト「あぁ…………。」

ユリウス「しかし、アヤト殿は、魔法を使えぬで御座るよ。」

オーグ「そうだな。シンのゲートの魔法を使えないしな。」

 

 そんな風に話していた。

 そう、アヤトは魔法を使えない。

 だから、ゲートを使っての逃走が不可能だ。

 

アヤト(まあ、どうにかするか。)

 

 アヤトはそう考えていた。

 すると。

 

???「おい、アヤト!」

アヤト「ん?あ。」

 

 アヤトに、1人の女性が話しかける。

 その女性は、アヤトを見つけると、アヤトの方に向かっていく。

 

アヤト「お前!どうしてここに!?」

???「どうしてじゃねえよ!変な所に降ろしやがって!アールスハイドに向かったと思ったから、ここまで来れたんだぞ!」

オーグ「………………おい、アヤト。その者は何者だ?」

アヤト「ああ………………彼女はリュー=コレニスタ。訳あって、俺が助けた奴だよ。」

マリア「訳?」

トール「一体、何があったんですか?」

アヤト「それは………………。」

リュー「いや、私が話す。」

 

 アヤトが訳を説明しようとするが、リューが止めて、説明しだす。

 

リュー「私は、ブルースフィア帝国の平民だ。」

オーグ「帝国か。」

マリア「そんな帝国の平民が、何でアールスハイドに来たのよ?」

リュー「私は、殺人事件の容疑者に仕立て上げられたんだよ。」

ユリウス「何と!?」

 

 リューの言葉に、ユリウスは驚く。

 そう、リューは、帝国の貴族によって、殺人事件の容疑者に仕立て上げられた。

 

アヤト「それで、スマッシュに追われてた所を、俺が助けた訳だ。まあ、その後、面倒な事になったけどな。」

マリア「面倒な事?」

アヤト「ブルースフィア皇帝の前に連れて行かれて、ライダーシステムを寄越せって言われたんだよ。まあ、拒否ったんだけど。」

トール「帝国の皇帝を相手にしてですか!?」

アヤト「俺のライダーシステムを、兵器として使おうとしたからな。」

 

 トールは、帝国の皇帝を相手に、拒否した事を驚いていた。

 オーグは、呆然としていた。

 

オーグ「………………帝国の皇帝に喧嘩を売るなんてな。」

アヤト「売ってないですよ。まあ、その後、コイツを連れて、アールスハイドにまで逃げて、途中でコイツを降ろした感じですよ。」

リュー「何で途中で降ろしたんだよ!」

アヤト「別に良いだろ!帝国の追手が来てなかったんだから。」

 

 そう言って、アヤトとリューは口喧嘩を始める。

 それを見ていたオーグ達は。

 

オーグ「……………ふむ。この2人は、案外相性が良いのかもしれないな。」

トール「そうですね。」

ユリウス「これなら、大丈夫そうでござるな。」

マリア「何よ、このリア充どもが…………!」

 

 オーグ達は、そんな風に話していた。

 すると。

 

???「がぁぁぁぁぁ!!」

アヤト「まさか!?」

 

 そんな叫び声が聞こえてきて、アヤト達は、その方を向く。

 すると、四角い立方体の様な頭部の怪人がいた。

 

アヤト「スマッシュか!」

リュー「マジかよ!」

オーグ「学院で現れたのとは、形状が違うな。」

???「その通り。」

 

 オーグがそう言う中、違う声が聞こえてきて、その声の方を向く。

 そこに居たのは、コブラの様な物を胸につけた男だった。

 

オーグ「何者だ!?」

アヤト「スターク……………!」

スターク「ビンゴ!俺はブラッドスタークだ。」

 

 そう。

 ブラッドスタークだった。

 アヤトは、すぐにビルドドライバーを装備して、ラビットとタンクのフルボトルを振って、装填する。

 

ラビット!タンク!

ベストマッチ!

 

 アヤトは、ボルテックレバーを回す。

 すると、エネルギーが生成されていき、アヤトの周辺にスナップライドビルダーが展開され、それぞれのハーフボディが形成される。

 

Are you ready?

 

アヤト「変身!」

 

 アヤトはそう叫び、変身する。

 

鋼のムーンサルト!ラビットタンク!

イェーイ!

 

 ビルド・ラビットタンクフォームへと変身して、ブラッドスタークに挑む。

 アヤトはドリルクラッシャーを持って、スタークに攻撃するが、受け流される。

 

スターク「ほう。やるじゃないか。」

アヤト「うるせぇ!お前、何を企んでいるんだ!」

スターク「おいおい。俺ばっかりじゃなくて、他の連中も気にしたらどうだ?」

アヤト「っ!」

 

 スタークがそう言う中、スクエアスマッシュは、オーグ達の方に向かっていて、リューが抑えていた。

 

リュー「おい!早くスマッシュを倒せよ!」

アヤト「あ、ああ!」

 

 アヤトは、ラビットとタンクのフルボトルを抜いて、忍者とコミックのフルボトルを出して、振り、装填する。

 

忍者!コミック!

ベストマッチ!

 

 アヤトは、ビルドドライバーのボルテックレバーを回す。

 すると、エネルギーが生成されていき、アヤトの周辺にスナップライドビルダーが展開され、それぞれのハーフボディが形成される。

 

Are you ready?

 

アヤト「ビルドアップ!」

 

 それぞれのハーフボディがアヤトに合わさり、フォームチェンジを行う。

 

忍びのエンターテイナー!ニンニンコミック!

イエイィ!

 

 アヤトは、ビルド・ニンニンコミックフォームになり、4コマ忍法刀を構える。

 このニンニンコミックフォームは、変幻自在の忍法に空想を具現化する漫画の力を使える。

 身軽に動いて、忍者の力で手裏剣を放ったり、4コマ忍法刀で斬りつける。

 

オーグ「凄いな………………。」

マリア「もはや、あんまり驚かなくなってきたわね……………。」

トール「ですね。」

ユリウス「そうでござるな。」

オリビア「凄い……………。」

マーク「そうっすね……………。」

 

 オーグ達は、呆然としながら見ていた。

 アヤトは、4コマ忍法刀のボルテックトリガーを一回引く。

 

分身の術!

 

 すると、アヤトが2人に分身して、片方はスマッシュに、もう片方はスタークに向かっていく。

 

オーグ「2人になった!?」

マリア「もうどうなってんのよ…………!?」

マーク「魔法……………何すかね?」

オリビア「分かんない……………。」

トール「もう、逆に落ち着きますね。」

ユリウス「あはははは………………。」

 

 オーグ達は、呆然としたり、苦笑したりしていた。

 アヤトは、4コマ忍法刀のボルテックトリガーを2回引く。

 

火遁の術!

火炎斬り!

 

 アヤトは分身と共に、スマッシュの周囲を高速回転して、スマッシュを戸惑わせ、火炎斬りでスマッシュを斬って、爆発する。

 スマッシュは、緑の炎を出しながら、その場に倒れる。

 アヤトはエンプティボトルを向けて、スマッシュの成分を採取する。

 そんな中、分身のアヤトを倒したスタークは。

 

スターク「倒されたか。ふむ……………ハザードレベル2.5か。まずまずだな。今後の成長に期待して、お前にはこれを渡しておこう。」

 

 スタークはそう言って、ボトルを2本渡す。

 

アヤト「おい、何だこれ。」

スターク「ドクターフルボトルとエナジードリンクのフルボトルだよ。また会おうぜ。チャオ♪」

 

 スタークはそう言って、姿を消す。

 

オーグ「何だったのだ、あいつは…………。」

マリア「それにしても、あいつは何でフルボトルを渡してきたのよ?」

アヤト「そんなの、俺が知りたいさ。」

リュー「まあ、どうにかなったし、大丈夫じゃねぇの?」

 

 そんなこんなで、スタークの騒動が終わった。

 それから数日後、遂に叙勲式が始まる。

 王城の控え室にて、アヤトとシンは待っていた。

 

アヤト「いよいよか………。」

シン「緊張するな…………。」

アヤト「シン。」

シン「何だよ?」

アヤト「もう、なる様になれだよ。ヘマをしなければ大丈夫だ。」

シン「お前、何でそんなに緊張してないんだよ………。」

 

 シンは、アヤトに恨みがましい視線を向ける。

 アヤトは、シンの視線を気にしていない。

 すると、係員が入ってくる。

 

係員「ウォルフォード殿、イーウェル殿。お待たせしました。」

アヤト「分かりました。」

シン「いよいよだな………。」

 

 二人は、扉の前に案内される。

 扉が開かれると、声がする。

 

儀仗官「救国の勇者!新たなる英雄!!シン=ウォルフォード様とアヤト=アーレント様!ご到着!!」

 

 その声と共に、周囲の人が拍手をする。

 その数は沢山だった。

 

シン(マ、マジかよ………!?)

アヤト(すっげぇな。人が一杯だ……。)

 

 シンとアヤトは前に進む。

 一番奥には、ディセウムが居て、二人は跪く。

 

ディセウム「シン=ウォルフォード、アヤト=アーレント。此度の働き、誠に見事であった。その働きに敬意を表し勲一等に叙する。」

シン「つ………謹んでお受け致します。」

アヤト「謹んでお受け致します。」

 

 シンが緊張気味に言う中、アヤトは比較的冷静に言う。

 二人は、勲一等を叙勲される。

 

ディセウム「見事であった。」

シン「あ、ありがたき幸せ………。」

アヤト「恐悦至極にございます。」

シン(や…………やりづれーよディスおじさん……….!!)

 

 二人の叙勲が終わると、ディセウムは大声で宣言する。

 

ディセウム「皆の者よく聞け!このシン=ウォルフォードは我が友、賢者マーリン=ウォルフォードの孫であり、我にとっても甥の様な存在だ!彼がこの国に居るのは彼の教育の為であり、決して我が国に利を齎す為ではない!!彼を我が国に招く際、賢者殿と約束した事がある!彼を政治利用も軍事利用もしない事だ!!勿論これはアヤト=アーレントも同じ事だ!!その約束が破られた際、英雄の一族はこの地を去る!その事努々忘れるな!!」

シン(約束してくれた事…………本当に言ってくれたんだ………。こう言う所はカッケーな、ディスおじさん。)

アヤト(陛下………ありがとうございます。ライダーシステムは、決して兵器なんかじゃないんです。)

 

 シンとアヤトは、そう思う。

 アヤトは、ディセウムを相手に交渉をしていたのだ。

 ディセウムは、シンとアヤトに向かって笑顔を向ける。

 こうして、叙勲式を終えた。

 だが、パーティーが始まり、アヤトとシンは辟易する。

 アヤトとシンは、色々話を聞かさせたり、女性達からキャッキャされたりもした。

 その後、バルコニーで、2人は疲れた表情を浮かべる。

 

シン「ふぅ………………。」

アヤト「疲れた……………。」

メリダ「お疲れのようだねシン、アヤト。」

アヤト「マーリン様、メリダ様。」

 

 疲れた表情を浮かべる2人に、マーリンとメリダが近寄る。

 

メリダ「私らが傍に居なきゃ、今頃囲んでた女にお持ち帰りされてたんじゃないのかい?」

シン「流石にそれはないよ………………。」

アヤト「想像するだけで怖いわ。」

メリダ「どうだかねぇ、婚期を逃し掛けてる貴族の女相手に逃げ切れるかね?マーリンだって昔……………。」

マーリン「その話は止めんか?シン。明日も学院あるし、そろそろ自宅へ戻った方が良いと思うぞ!」

シン「そうだね、帰って早目に休むよ。」

マーリン「うんうん!それが良いじゃろ!」

アヤト「じゃあメリダ様、さっきの話はまた今度お願いします。」

メリダ「いいよ。」

マーリン「それはよくないじゃろ!?」

 

 アヤトがそう言うと、メリダは了承して、マーリンはそう言う。

 その夜、アヤトはスクエアスマッシュから採取したボトルを、浄化装置に入れる。

 浄化装置が動く中、アヤトは考えていた。

 

アヤト(………………帝国の人間をスマッシュにしているのは、スタークなのは間違いない。ただ、何の目的で?)

 

 アヤトは、スタークの目的を考えていた。

 そして、スタークが渡してきたフルボトル2本を見つめる。

 片方はドクターフルボトルで、もう片方は、エナジードリンクのフルボトルだと判明している。

 

アヤト(それに、ストロングスマッシュからハンマーロストフルボトルが出来たり、エナジードリンクというボトルがあったり、どうなってんだ。)

 

 そう考える中、浄化装置が止まる。

 浄化が完了したのだ。

 

アヤト「浄化が完了したか。」

 

 アヤトは、浄化装置の中から、ボトルを取り出す。

 そのボトルは、ゲームフルボトルだった。

 

アヤト「ゲームフルボトル……………。エグゼイドのベストマッチが、何で?」

 

 そう。

 ドクターとゲームは、ベストマッチで仮面ライダーエグゼイドの姿になる。

 アヤトは考えるが、何も思いつかず、気晴らしとして、何かを開発し始める。

 それからしばらくして、リューが部屋に入ってくる。

 

リュー「おい、アヤト。聞いてんのか?」

 

 リューがアヤトに声をかけるが、アヤトは開発に熱中していて、反応しなかった。

 

リュー「おい!とっとと……………!」

アヤト「出来た!」

 

 リューが殴ろうとするが、アヤトはそう叫んで立ち上がる。

 すると、一体のメカのドラゴンが、リューの周囲を飛び回る。

 

リュー「何だよコイツ!?」

アヤト「お前にやるよ。何をするか分からないから、見張り役のペットだ。」

リュー「何が見張り役だよ!それより、シン達が呼んでんぞ。」

アヤト「マジか。じゃあ、お前も行くぞ。」

 

 アヤトはまたビーン工房に来ないかと誘われる。

 その際に、リューも同行する。

 

ハロルド「お!来たな?試作品出来てるぜ!」

 

 ハロルドは、出来上がった剣を見せた。

 

シン「流石本職!仕事が早い!」

ハロルド「当たり前ぇよ!そこの柄のトリガーを押してみな?」

シン「こう?」

 

 シンは、柄に付いてるトリガーを押す。

 すると、刀身が簡単に射出される。

 

アヤト「おお。なるほど。これなら、シン様の付与を刀身だけに出来るな。」

トニー「これは凄いね!僕はビーン工房の新製品開発の現場に立ち会ったんだね!」

シン「何言ってんだよトニー。元はお前のアイデアだろ?」

トニー「あ、あはは。」

 

 トニーは、試作の剣に感動していて、オーグはその剣を見つめていた。

 その後3階のアクセサリーショップでアクセサリーを購入して、女性陣と合流する。

 

マリア「用事終わった?」

アヤト「あぁ。」

シン「これお土産。待たせたお土産。」

アリス「え!何何!?」

シン「皆の分のアクセサリーだ。」

シシリー「っ!」

シン「後で防御魔法の付与して渡すから。」

リン「あぁ、前に言ってた。」

オリビア「けど、皆の分って事は………。」

 

 オリビアが、何か気になるのかそう言う。

 トニー、ユリウス、トール、マークはポーズを取っていた。

 

シン「いや男子は指輪じゃないから………。」

「「「「うっ。」」」」

シン「アヤトとリューにも渡すよ。魔法が使えなくても、魔道具くらいなら使えるだろうし。」

アヤト「助かるよ。」

リュー「サンキュー。」

 

 すると、オーグがシンに話しかける。

 

オーグ「シン、先程の剣だが、軍に採用を進言しようと思うんだが。構わないか?」

シン「え?婆ちゃんが『うん』って言わないんじゃないかな?」

 

メリダ『何だって!?』

 

アヤト「(何か、普通にそう言うのが想像つくな。)シンのバイブレーションソードを?そんな事をしたら、軍事利用になるだろ。」

オーグ「いや、シンのバイブレーションソードではなく、一般兵用として採用したいんだ。改良は必要だが、大量生産すれば、経費を抑えつつ、武装を強化出来る。」

 

 アヤトの質問に対して、オーグはそう答える。

 シンが口を開く。

 

シン「あの剣のアイデアはトニーだから、トニーが良いんなら俺は良いけど。」

アヤト「何でその話になるんだ?」

オーグ「実は、戦争が近いかも知れないんだ。」

シン「え?」

アヤト「戦争?」

オリビア「やっぱり………うちのお客さん達もよくそんな噂をしてます。」

シン「戦争って、何処と?」

オーグ「ブルースフィア帝国だ。」

アヤト「ブルースフィア帝国ねぇ…………。」

 

 それを聞いたアヤトは、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

 以前、ブルースフィア皇帝に喧嘩を売ったことを思い出したからだ。

 

アヤト「それにしても、何でブルースフィア帝国は、アールスハイドを攻めるんだ?」

オーグ「そんな事は向こうに聞いてくれ。帝国では、大規模な出征の準備がされているらしい。」

トニー「もしかしたら、帝国がライダーシステムを狙ってたりね。」

ユーリ「確かに、帝国がアヤト君のライダーシステムを狙っても、おかしくなさそうだしねぇ。」

トール「まあ、帝国の目的は置いておいて、もし戦争が始まって長引けば、自分達学生にも動員が掛かるかも知れませんね………。」

 

 そう、戦争が長引けば、人員不足になり、戦争経験がない学生にも動員がかかる。

 トールの言葉に、周囲の空気が重くなる。

 オーグは、そんな空気を変えようと口を開く。

 

オーグ「ま、まぁ、まだ始まってもいないんだ。気にしても仕方あるまい。特にシンにアヤト。魔人の襲来なら兎も角、戦争にお前達を駆り出す事は絶対にしない。軍事利用になるからな。」

 

 すると、それを聞いたシンとアヤトが口を開く。

 

シン「確かに徴兵されないかも知れないけど、皆に危機が迫ったら俺は戦場に出るよ。」

アヤト「右に同じく。」

「「え?」」

 

 シンとアヤトの宣言に、シシリーとマリアが驚く。

 リューは、やはりという表情を浮かべていた。

 

シン「ここで出会った皆は、掛け替えのない友達だからな。」

シシリー「シン君………。」

アヤト「俺のライダーシステムは、愛と平和の為に使う。ブルースフィアが脅かそうとするのなら、俺は戦う。」

マリア「アヤト…………。」

 

 そうして、シンは皆にアクセサリーを渡す。

 アヤトは、ペンダントを選ぶ。

 一方、ディセウムは、ドミニク、ルーパーを始めとする人たちと集まっていた。

 

ディセウム「そうか、帝国軍が我が国に向けて進軍を始めたか。降り掛かる火の粉は払わなければな。ドミニク。」

ドミニク「はっ!」

ディセウム「全軍に出撃命令を出せ!」

 

 ブルースフィア帝国が動き出し、アールスハイド王国も動きだす。




今回はここまでです。
アヤトのヒロインであるリューが登場しました。
彼女がクローズに変身します。
その為、アンケートは終わります。
別のアンケートを始めようと思います。
それは、賢者の孫の原作キャラは、変身させるかどうかです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
グリス、ローグに関しては、どうしようかなと思っています。
もし、意見がある場合は、リクエストをお願いします。
リクエストは、活動報告で受け付けます。
オリジナルのフルボトルやオリジナルの仮面ライダーについても、考えています。

原作キャラは変身させるかさせないか

  • 変身させる
  • 変身させない
  • 一部は変身させる

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