次の日、一組はグラウンドに集合していた。この日はISの実習授業があったのだ。クラスメイトは全員、IS用のタイツを着ており、千冬や真耶はジャージを着ていた。
「これよりISの基本飛行操縦をやって貰う」
『『『はい!!』』』
「では、織斑、嶋㟢、オルコット。試しに飛んでみろ」
「分かりましたわ!!」
「行くぞ!!空!!」
セシリアと陽介は少し集中するとISを装着したが、一夏は
「よし・・・・あれ?えーーと」
「何をしている?熟練したIS操縦者は展開まで、1秒も掛からないぞ」
千冬に注意され、一夏は深く集中し、ガンドレットに手を当てて叫んだ。
「集中・・・来い!!白式!!」
そうして一夏もISを装着した。
「よし、飛べ!!」
セシリア、陽介は難なく飛べたが、一夏は飛べるには飛べているが、フラフラしており、不安定になっている。
『遅いぞ!!スペック上では白式の方が速いぞ!!』
遅い一夏に千冬はインカムで注意されていた。
「そう言われても・・・自分の前方に角錐を展開させるイメージだったけ?・・・よく分からん」
一夏が悩んでいると、セシリアがアドバイスをしてきた。
「イメージは所詮イメージですわ。自分がやりやすい方法を模索する方がよろしくてよ。一夏さん」
「・・・一夏さん?・・・そうは言っても空を飛ぶ感覚が分からないんだよ。て言うかどうやって空を飛んでいるんだこれ?・・・おじさん何かコツとかありますか?」
陽介にそう聞くと、
「俺はこのスピードなら、『ナイツinto dreams...』を想像して飛んでいるかな。やはりセガは人生の役に立つ!!」
「そ、そうですか・・・」
あまり、参考にはならなかった。
「その・・・よろしければ放課後に指導して差し上げますわよ。・・・2人きりで・・・」
するとインカムから千冬の指示が聞こえた。
『織斑、嶋㟢、オルコット。今から急降下、完全停止をやって見せろ』
セシリア、陽介は難なく出来たが、一夏は制御が効かず、そのまま地面に激突して大きなクレーターを作ってしまったのだ。当然、千冬から叱られ、クレーターを埋めていたが、こっそり陽介が手伝っていた。そして授業が終わり、一組は食堂に集まっていた。
『『『織斑君!!クラス代表決定おめでとう!!!』』』
「・・・何で俺がクラス代表に選ばれてるんだ」
一組は一夏のクラス代表就任パーティーを開催してたが、一夏は何故自分がクラス代表に選ばれてるんだと思っていた。その疑問に答えたのは陽介であった。
「いや、クラスの皆にやり過ぎって注意されちゃったから。辞退したんだよ」
「じ、辞退!?」
「それにクラス代表がいい歳したおじさんじゃあ何か弱いじゃん。やっぱ、おじさんより若い一夏君の方が華があるからね」
「お、おじさん・・・」
その発言に何故か、一夏は悲しくなっていた。すると一夏の所に新聞部がやって来たり、写真を撮ったりと色々とあって次の日になった。入学からすでに約2週間が経ち、一夏や歳の離れた陽介もクラスメイトと打ち解けあっていた。
「もう直ぐ、クラス対抗戦だね」
「そう言えば、2組のクラス代表が変更になったって」
「えーと、何とかって言う転校生に変わったんだよね」
1組のクラス内では話題は2組の転校生の話になった。
「転校生?今の時期にか?おかしなもんだな」
陽介はそう言うと、
「そうなのよ、おじさん。確か中国から来た子だって」
クラスメイトの発言にセシリアが反応した。
「成る程、私の存在を今更ながら危ないと感じてからの転入かしら」
『『『・・・・』』』』
「・・・どんな奴なんだ?」
「ちょっと無視しないでくれませんか!?」
セシリアはクラスメイトからいじられていた。
「でも、専用機を持っているのは1組と4組だけだからね。余裕だと思うよ」
その時だった。
「その情報古いよ!!」
「ん?」
声のする方を向くとそこには小柄で、ツインテールの女の子が立っていたのだ。
「2組の専用機持ちがクラス代表になったのよ!!そう簡単には優勝出来ないわよ!!」
「・・・鈴?やっぱり、鈴だよな!!」
一夏がそう呼んだ。どうやら、一夏の知り合いであった。
「そうよ!!中国代表候補生凰鈴音!!今日は宣戦布告に来たってわけよ!!」
とドヤ顔をしながら、一夏に指を刺していると、後ろから千冬に頭を殴られ、2組に戻って行った。
「随分と元気な子がやって来たな」
陽介は鈴に対し、そう感じていた。