ISおじさん   作:サンバガラス

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第九話 やっぱ、おじさんより若い一夏君の方が花があるからね

 

次の日、一組はグラウンドに集合していた。この日はISの実習授業があったのだ。クラスメイトは全員、IS用のタイツを着ており、千冬や真耶はジャージを着ていた。

 

「これよりISの基本飛行操縦をやって貰う」

 

『『『はい!!』』』

 

「では、織斑、嶋㟢、オルコット。試しに飛んでみろ」

 

「分かりましたわ!!」

 

「行くぞ!!空!!」

 

セシリアと陽介は少し集中するとISを装着したが、一夏は

 

「よし・・・・あれ?えーーと」

 

「何をしている?熟練したIS操縦者は展開まで、1秒も掛からないぞ」

 

千冬に注意され、一夏は深く集中し、ガンドレットに手を当てて叫んだ。

 

「集中・・・来い!!白式!!」

 

そうして一夏もISを装着した。

 

「よし、飛べ!!」

 

セシリア、陽介は難なく飛べたが、一夏は飛べるには飛べているが、フラフラしており、不安定になっている。

 

『遅いぞ!!スペック上では白式の方が速いぞ!!』

 

遅い一夏に千冬はインカムで注意されていた。

 

「そう言われても・・・自分の前方に角錐を展開させるイメージだったけ?・・・よく分からん」

 

一夏が悩んでいると、セシリアがアドバイスをしてきた。

 

「イメージは所詮イメージですわ。自分がやりやすい方法を模索する方がよろしくてよ。一夏さん」

 

「・・・一夏さん?・・・そうは言っても空を飛ぶ感覚が分からないんだよ。て言うかどうやって空を飛んでいるんだこれ?・・・おじさん何かコツとかありますか?」

 

陽介にそう聞くと、

 

「俺はこのスピードなら、『ナイツinto dreams...』を想像して飛んでいるかな。やはりセガは人生の役に立つ!!」

 

「そ、そうですか・・・」

 

あまり、参考にはならなかった。

 

「その・・・よろしければ放課後に指導して差し上げますわよ。・・・2人きりで・・・」

 

するとインカムから千冬の指示が聞こえた。

 

『織斑、嶋㟢、オルコット。今から急降下、完全停止をやって見せろ』

 

セシリア、陽介は難なく出来たが、一夏は制御が効かず、そのまま地面に激突して大きなクレーターを作ってしまったのだ。当然、千冬から叱られ、クレーターを埋めていたが、こっそり陽介が手伝っていた。そして授業が終わり、一組は食堂に集まっていた。

 

『『『織斑君!!クラス代表決定おめでとう!!!』』』

 

「・・・何で俺がクラス代表に選ばれてるんだ」

 

一組は一夏のクラス代表就任パーティーを開催してたが、一夏は何故自分がクラス代表に選ばれてるんだと思っていた。その疑問に答えたのは陽介であった。

 

「いや、クラスの皆にやり過ぎって注意されちゃったから。辞退したんだよ」

 

「じ、辞退!?」

 

「それにクラス代表がいい歳したおじさんじゃあ何か弱いじゃん。やっぱ、おじさんより若い一夏君の方が華があるからね」

 

「お、おじさん・・・」

 

その発言に何故か、一夏は悲しくなっていた。すると一夏の所に新聞部がやって来たり、写真を撮ったりと色々とあって次の日になった。入学からすでに約2週間が経ち、一夏や歳の離れた陽介もクラスメイトと打ち解けあっていた。

 

「もう直ぐ、クラス対抗戦だね」

 

「そう言えば、2組のクラス代表が変更になったって」

 

「えーと、何とかって言う転校生に変わったんだよね」

 

1組のクラス内では話題は2組の転校生の話になった。

 

「転校生?今の時期にか?おかしなもんだな」

 

陽介はそう言うと、

 

「そうなのよ、おじさん。確か中国から来た子だって」

 

クラスメイトの発言にセシリアが反応した。

 

「成る程、私の存在を今更ながら危ないと感じてからの転入かしら」

 

『『『・・・・』』』』

 

「・・・どんな奴なんだ?」

 

「ちょっと無視しないでくれませんか!?」

 

セシリアはクラスメイトからいじられていた。

 

「でも、専用機を持っているのは1組と4組だけだからね。余裕だと思うよ」

 

その時だった。

 

「その情報古いよ!!」

 

「ん?」

 

声のする方を向くとそこには小柄で、ツインテールの女の子が立っていたのだ。

 

「2組の専用機持ちがクラス代表になったのよ!!そう簡単には優勝出来ないわよ!!」

 

「・・・鈴?やっぱり、鈴だよな!!」

 

一夏がそう呼んだ。どうやら、一夏の知り合いであった。

 

「そうよ!!中国代表候補生凰鈴音!!今日は宣戦布告に来たってわけよ!!」

 

とドヤ顔をしながら、一夏に指を刺していると、後ろから千冬に頭を殴られ、2組に戻って行った。

 

「随分と元気な子がやって来たな」

 

陽介は鈴に対し、そう感じていた。

 


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