どうしてこうなった
亜人連合本拠地には自然の中にはあまりにも不自然な古代ローマを思わせるコロシアムがあった
整備がされているのかはコロシアム会場にはヒビや汚れが少ない
決闘場のタイルなどは新品とも思えるほど綺麗だった
さて僕はただガウガウと言っていただけだ、ましてや相手を挑発したつもりは微塵たりともない
だが僕の正面の槍を構えた狼人はやる気満々だ
鋭い眼光をこちらに向け、始まりのコングが鳴るのを心待ちにしていた
角笛の鈍い音が木霊する
突風が僕の体を吹き抜けた瞬間セーフリングの一つが起動した
何も見えなかった、
残りは8つ
「ガウガウ!」
再度セーフリングが起動し背後から叫び声が聞こえた
何言ってるのか全くわからん、
「はぁ、だから言ってるだろ、、わかりやすく言えって」
「………」
僕は正面を向きながらハードボイルドに言う
こういうときに弱味をみせるの僕の経験上いけないのだ
舐められるからね、、
「人間が使う言語は嫌いなんだよ」
背後から、さも当然のように狼人は人語をかいする、
いや喋れるんかい!最初からそうしろよ
「認めよう貴様は強い、敬意を払って全力で潰す、」
なんかカッコイイこといってるが僕は弱いんだけど、君の目は節穴なのかな?
ちなみに僕は今、前がみえている、、会場は大きな熱気と族長への声援で満たされていた
仮面は幻想の少世界に偽装している
最初からそうすればよかった
「フンッ!」
骨が外れるような低く鈍い音とともに目の前にいる狼人が変化が現れた
二足歩行から両手を地面につけ、筋肉が盛り上がる、爪と牙が異常発達をとげ
それは禍々しく、そして命を刈り取る死神ノ鎌を彷彿とさせる
明らかにパワーアップしましたよ感だしているが、僕にとっては今もさっきも大した差はない
セーフリングがなければ一撃だし、
見た目は大きい犬といった感じかな?
「安心しろ殺しはしない、」
四足歩行の姿勢から大地を蹴り上げる、その衝撃のみでタイルは剥がれ宙をまった
それは先程よりも二段階ほど速度が上がっていたまるで弾丸のような速度から放たれる必殺の鉤爪
当然回避なんて出来る筈もなく、セーフリングが起動する
残り6つ
「ウォォォォォォオ‼」
空に大きく飛び上がり狼人は咆哮をあげた
瞬間、僕の足元が発光すると同時に火柱が上がった
だがその火柱は僕の身体には当たらない、これはセーフリングの能力ではない
僕が着ている完璧な休暇の能力だ
完璧な休暇は着用者を快適にする宝具、灼熱の砂漠だろうと極寒の雪山だろうと
着用者が快適になるように周囲の温度を調整することができる
一切の防御力はないが気温の変化に対しては滅法強い
だが守っていては勝てないし、セーフリングがなくなれば死んでしまう
僕は右腕に巻きつけていた狗の鎖を起動した
「そんなもので俺がとまるかぁぁぁぁぁあ!!」
狗の鎖が狼人を拘束しようとするが、それは弾丸のような突進であっさり吹き飛ばされる
三度僕のセーフリングが起動する残り5つ
僕の命が減っていくが僕は快適なのでその表情に焦りはない
それが気に触ったのかは知らないがデカ犬が怒号をあげて僕に襲いかかる
まぁだが僕の余裕は崩れることはない
何せ快適なのだから
「はぁはぁ、これでも無傷だと?!」
流石に疲れたのか狼人の動きが止まる、あの形態の負担が大きいのか息が乱れている
「自慢じゃないけど僕はこれまでの人生で一度も傷を負ったことない」
「だから君が何をしても無駄だよ、」
僕のハッタリからデカ犬は動揺を露わにした
それを狗の鎖は見逃さない、足元に巻き付き、狼人を拘束しようとする、
「鬱陶しい!!」
「だが、どうする!守ってばかりでは勝てんぞ!!」
それはそうなんだが、弾き飛ばされた狗の鎖を眺めながら僕は考えた
先程までうるさかった会場は波を打ったかのように静かだった
狼人族長に対しての声援は消え、誰もが固唾をのんで見守っていた
「やれやれ」
僕はニヒルのようにニヤリと口角をあげる
試合開始から数分、初めて動いたであろう僕にデカ犬は身構える
その瞳からは戦意が失われていない、ハッタリは効いてはいるが、降参するほどではないらしい
どうやら切り札を使うしかない、僕とて攻撃手段がないわけではない
だが一回限りの切り札なので余り使いたくないのだ、
もっともそれで死んでは元も子もない
僕は諦めてそれを使うことにした
「君に、本物の魔法を魅せてあげよう」
僕は久しぶりにハードボイルドに言いながら薬指に嵌めている宝具の力を開放した
淡い光が指輪から放たれた瞬間、会場全体を凄まじい重力が支配した