【第一章完】凸込笑美はツッコまざるを得ない……!   作:阿弥陀乃トンマージ

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8本目(3)ネタ『異文化交流』

「はい、どーも~2年の凸込笑美で~す」

 

「1年のオースティン=アイランドデース!」

 

「同じく1年のエタン=イルダ……」

 

「同じく1年のマリサ=イスラで~す♪」

 

「『セトワラ』、今回はこの四人でお届けします、よろしくお願いしま~す」

 

「よろしくお願いしマース!」

 

「お願いする……」

 

「お願いネ~」

 

 借りた講堂内に大きな拍手が起こる。ひと呼吸おいてから笑美が自らの隣に並ぶ三人に向かって話し出す。

 

「え~と、三人は1年生で留学生っていうことやけれども……どうかな? 日本の生活はどんな感じ?」

 

「どんな感じとはなんデスカ?」

 

「ずいぶんと曖昧な質問だナ……」

 

「どういう答えを求めているのかがさっぱり分からないわネ~」

 

 三人が笑美に対し、一斉に反応する。笑美が戸惑う。

 

「ふ、ふんわりとしたトークを許してくれへんのやな……」

 

「具体的には何を聞きたいのデスカ?」

 

「あ、ああ、日本の生活には慣れたかなって……」

 

「あ~そういうことデスカ……」

 

「そうそう、オースティンは?」

 

「まあまあ良い感じデスネ」

 

「ふんわりとした答えやな! エタンは?」

 

「普通ダ」

 

「なにをもって普通やねん! ……マリサは?」

 

「う~ん、ぼちぼちかナ~」

 

「馴染んでいるともとれる返答やな!」

 

「ア~真面目に答えるとデスネ……」

 

「いや、真面目ちゃうかったんか!」

 

「二人とも何かありマスカ?」

 

 オースティンが二人に問う。

 

「急に仕切り出した! あふれ出るUSA感!」

 

「制服がカワイイですネ~」

 

「お、マリサ、女の子らしいこと言うたね」

 

「……どうだろうカ?」

 

「ん? どないしたん、エタン?」

 

「制服によって半ば強引なまでの画一化を強いられ、個性が抑え込まれてイル……」

 

「あら? 個性の表現は何も服装だけでしか出来ないことではありませんヨ?」

 

「ちょっと待ってくれ二人とも、そもそもとして学校=個性を出す場なのだろうカ? もちろん個性は尊重されてしかるべきなのだけれどモ……」

 

「ディスカッション始まってもうた! ちょ、ちょっと待って!」

 

「……なんデスカ?」

 

「そこまでマジにならんでもええねん、ウチが悪かった……話題変えてええかな?」

 

「……どう思いマス?」

 

「異論はないわネ」

 

「……どうなるか様子を見てみよウ」

 

「だ、そうデース」

 

「ちょっと腹立つ感じやな! ま、まあええわ。日本の文化とかに興味あるの?」

 

「ええ、答えはイエスデース」

 

 オースティンは右手の親指をグッと立てる。

 

「はいでええやろ。やっぱり皆若いし、アニメとかゲームとか?」

 

「ハハハ!」

 

「フ……」

 

「アハハ」

 

 笑美の問いに三人が笑う。

 

「え、何? おかしなこと言うた?」

 

「浅いデスネ……」

 

「あ、浅い……?」

 

「若いからと言ってアニメやゲームに興味あるとは限りありませんヨ?」

 

「そ、そうなんか……じゃ、じゃあ、オースティンは何に興味があるの?」

 

「それはもちろん、サムライデース!」

 

「浅さの極地やないか!」

 

「いつか絶対ニンジャになりたいデース!」

 

「若いを通り越して純粋やんけ! エタンは?」

 

「変にアニメ化されて原作漫画の良さが損なわれることを憂慮している……手当たり次第のアニメ化は考え物ダ……」

 

「深いというか面倒くさいな! マリサはどう?」

 

「そうですネ……お弁当の……」

 

「お、日本のお弁当も結構話題みたいやからね……」

 

「中にあるバランの必要性について研究してみたいですネ~」

 

「浅い深いを突き抜けたところ来たな!」

 

「もしくハ……」

 

「もしくは?」

 

「やっぱりファッションですかネ~」

 

「お、若者のファッションとか?」

 

「どれくらいの距離まで部屋着で外出出来るかの境目を知りたいですネ~」

 

「ホンマに知りたいと思ってる⁉」

 

 オースティンが口を開く。

 

「……これで我々が浅くないということが理解出来たかと思いマス」

 

「君は浅かったけどな」

 

「逆に我々から質問よろしいデスカ?」

 

「お、ええよ、答えられることなら。なんでも聞いてや」

 

 笑美が両手を大きく広げる。

 

「……」

 

「いや、ないんかい!」

 

「ははっ、冗談デース」

 

「ちょいちょい腹立つんよな……」

 

「ではミーから」

 

「はい、オースティン」

 

「日本社会の失われた三十年についてはどう考えてマスカ?」

 

「え?」

 

「オレも良いカ」

 

「は、はい、エタン」

 

「何故日本人はもっとデモを行わないんダ?」

 

「え、えっと……」

 

「アタシも良い?」

 

「あ、はい、マリサ?」

 

「女性の社会進出の遅れについてはどうお考えですカ?」

 

「ことごとく答えられない質問やな!」

 

「答えられないのデスカ?」

 

「スラスラと答えられたらここにはおらん!」

 

「では最後に皆が共通して聞きたいことがあるんですが良いデスカ……」

 

「え、何? まあ、ええけど……」

 

「せーの……」

 

「「「今、心から笑えていますか?」」」

 

「怪しい勧誘みたいになってる! それも答えづらい! もうええわ!」

 

「「「「どうも、ありがとうございました!」」」」

 

 笑美とオースティンとエタンとマリサがステージ中央で揃って頭を下げる。

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