TS‼︎
TS‼︎‼︎
TSである‼︎‼︎‼︎‼︎
俺は前世で男だった‼︎
そして今では女となって生きていた‼︎
そして‼︎ 気がついた時には醜いポークビッツをおっ勃てた、素っ裸の豚みたいな糞親父にのし掛かられていたのだ‼︎‼︎
「ハアーハァー……ロリマ○コォー……ツルツルスベスベのロリ○ンコォー……‼︎‼︎」
危険‼︎ まさにレイプ 5秒前‼︎
前世の記憶が芽生えたこの瞬間‼︎ 神はなんと鬼畜なのだ‼︎
ホーリーシット‼︎ 抵抗しようにもロリどころかペドに片足突っ込んでる5歳児幼女はあまりに無力‼︎
もはやここまで‼︎ そう諦めた時‼︎
ドガンっ‼︎ と何かがぶち壊される音‼︎
「Freeze‼︎ とっととその子から離れな豚野郎‼︎」
開け放たれたドアから飛び込んできたのは鋭い眼光の美女‼︎
手に持つのは妖しく黒光りするスミスアンドウェッソン‼︎
当然‼︎ 紫紺の制服に身を包んだ彼女は警察官だった‼︎
「ブッブヒー⁉︎ 何故此処が⁉︎」
「うるせぇ‼︎ 死ね‼︎」
「ブゲェッ⁉︎」
問答無用の膝蹴りが豚の顔面に抉り込む‼︎
吹き飛ぶ豚‼︎ ポークビッツ丸出しでカエルの死体のように痙攣‼︎
「性犯罪者は糞だ‼︎ この世のありとあらゆる全ての汚物以下の糞だ‼︎ 糞‼︎ 糞‼︎ 糞‼︎」
「オベッ⁉︎ アギャッ⁉︎ グベェッ⁉︎」
「SHIT‼︎ 」の怒鳴り声と共に警官から繰り出される圧倒的な暴力‼︎ 拳銃の底でぶん殴る‼︎ 技術もへったくれもないただの殴打‼︎ 肘打ち‼︎ 踏み潰し‼︎ 抉るような蹴り技‼︎
怒りを込めた暴力は這いつくばった豚野郎の股間を潰し‼︎ 目玉を潰し‼︎ 胸骨をへし折った‼︎
鬼畜‼︎ その女‼︎ あまりに鬼畜‼︎
かの女警官はきっと性犯罪に思う事があったのだろう‼︎
行きすぎた凶行は応援の警官が駆けつけるまで繰り返される‼︎
俺は豚が肉塊に精肉される作業をそれまでずっと眺めていた‼︎
暴力‼︎
圧倒的な暴力‼︎
女の身で大の男をボコボコにする圧倒的な暴力‼︎
涙目で俺を抱きしめて無事を喜ぶ両親の胸の中‼︎
俺の脳髄にあの光景がなんどもリフレインしていた‼︎
やはり暴力‼︎
暴力は全てを解決する‼︎
これが元、男。そして現、女。
ニューヨーク州に生を受け、前世の記憶を復活させた俺こと『剛力 オーガスタ』の原点である‼︎‼︎
転生を自覚した俺の行動は迅速だった。
先ずは徹底的に鍛えることにしたのである。というのもニューヨーク州は治安が悪い。あくまで日本と比べて、という意味でだが普通に治安が悪い。現に誘拐され、レイプされかけたし。
という訳で俺は鍛えた。走り込みや筋トレは当たり前。
徐々に身体が出来上がっていくと同時にパパとママに上目遣いでおねだりおねだり。
その結果、近所のボクシングジムに通うことが決定した。
と言ってもその内容は女子供向けのダイエット向けの緩いメニュー。
とは言え5歳そこそこの幼女が大人顔負けの気迫とテクでミット打ちに励む様は結構な話題になった。
ジュニアスクールに通う頃には成人男性に混じってスパーリングするのが日常となり未来の天才ボクサーとしてテレビなんかに出るようになった。
その辺りから俺は自覚した。
あ、この身体、俗に言う『天才』だわ。と。
10歳。ボクシング以外にも目についた格闘技に手を出し始める。空手、柔道、合気道、ブラジリアン柔術、テコンドー、カポエイラ。
兎にも角にも知っている武術は何でも手を出した。
道場があればすかさず通いつめ、マイナーな武術はユーチューブで型を覚えるためにひたすら視稽古。初見の動きで二、三回繰り返せばマスターしたのでこれが転生チートかと思わず唸る。
あと長らく空き家だったお隣さんにようやく人が入った。
トーマスとボバートという壮年のゲイカップルだ。愛称はトムとボブで、二人とも元米軍。しかも聞くところによるとグリーンベレー出身だとか。
相手が男色家、かつ結構いいお歳の二人に貞操の心配もいらないだろう。と、さっそく二人と仲良くなり少しずつ鍛錬を見てもらっている。
最初は朗らかな笑顔で遊びに付き合う感覚だったが、次第に真剣な表情でトレーニングメニューを組んでくれるようになった。
これからお世話になります。
11歳。初潮が始まる。かなりビビった。だが痛みやダルさも殆どなく、血もあんまし出なかった。いわゆる軽い方なのだろうか? 最近仲の良くなった同級生にそんな話をしたら羨ましがられた。
普通はもっと症状が重いらしい。可愛い女の子がションボリとしている様子は結構胸にくる。
慰めるつもりで優しく頭を撫でて軽くハグをしたら彼女もギュッと抱きしめてきた。
もじもじとした彼女はふと俺の瞳を熱っぽい視線で眺めてくる。どう見ても誘われているので試しにキスをしたら舌を絡めてノってきた。
今世での初体験の相手はブルネットのロリータだった。前世でも今世でも巨乳派の筈なんだけどなー、俺。
さて、格闘技関連の話をするならばボクシングを初めとしたあらゆる格闘技関係の大会に出場して優勝を繰り返した。
年齢や性別の関係で大会なんて縁がないと思ってたが、探せば結構色々あった。まあ日本でもボクシングはU-12とかあるし、空手柔道なんかも小学生でも大会があるから納得ではある。流石にカポエイラの大会は地元ではなかったのが残念。
秋頃にテレビの企画で女子ボクシング界期待の天才児と持て囃され、フェザー級の元男子プロのオッサンと試合する事となる。
結果的には圧勝。1ラウンド持たずに失神KOを奪い、それがアメリカ中に報道されたものだから有名人の仲間入りである。
12歳。女の子の成長は早いというが、この身体の成長は早すぎると思う。身長は既に175を超えている。筋肉量も中々の物なので体重もそれなりにあるのだが、出るとこ出てて締まるとこ締まっている理想のボディーだ。
つっても腹筋は六つに割れてるし、身体も引き締まる。というよりは筋肉でやや膨らんでいる。
パパは「女の子なんだからそこまでしなくても……」と悲しそうだがママは目をハートにして「とっても凛々しいわよ、オルガ」と応援してくれている。ちなみにオルガは俺の愛称ね。オーガスタだから普通はオーガ、もしくはガシーなんかになるんだろうけど、可愛くないからってママンがつけてくれたニックネームだ。
まあ、オレは背中に鬼の顔を背負ったマジモンのオーガ目指して鍛えてるから今よりずっと強く、デカくなるまで鍛えるんだけどな。
だから諦めてくれ、パピー。
お隣さんとの関係も良好で、この頃になると普通に訓練中に罵声が飛んでくるようになった。
ハートマン軍曹よりは優しいが、それでもローティーンの少女には厳し過ぎる。だがそれがいい。お陰で俺の身体は強く強靭。それでいてしなやかでタフな戦士としての理想に近づいて来ている。
……ところで俺は将来どうなるのだろうか。レイプ被害に遭いそうになったのをきっかけに、あくまで自衛の為に鍛えていたのだが。
まあ、弱いよりは強い方がいいだろう。難しいこと考えるのはやーめた。飽きるまで鍛えるのは続ける事とする。
13歳。レイプ再び。未遂だけどね。テレビに出だしてから男に言い寄られることが多くなった。しかもみんな年上。
まあ、俺はタッパデカいし巨乳巨尻とエロい身体してるからな。背伸びしたい盛りのローティーンだし適当に口説けば直ぐヤれると思っているのだろうな。
というわけでめっちゃモテる。男から。全く嬉しくないけどな‼︎
こっちは日本と違って告白というものがないから、なんか最近擦り寄って来るなあ。って感じの男友達が急にハグしたりキスしようとするから困る。
まあ、俺もやるけどな。女の子になら。この年で経験人数がそろそろ二桁いきそうだぜ。
話を戻し、レイプ未遂について。馬鹿をやらかしたのは前述の例に出したみたいな感じで、いきなり空気も読まずにハグしてきた地元の大学生。元々顔見知りではあったし、仲も悪くはなかった。なんつーか普通の知り合い?
そんな程度の認識の奴からいきなり熱っぽい口説き文句と共に情熱的なハグをされました。普通にキモい。
頭にきたから肘で顎を撃ち抜いて脳を揺らして金玉蹴り上げてやった。中指立てて「くたばれ粗チン野郎」と罵ってやったのをよく覚えている。
まあ、それを根に持っていたらしく、ナイフやらスタンガンやら持ち出して悪ガキ仲間5人を掻き集め、道場からランニングがてら夜道を走る俺に襲い掛かってきた。
結論から言うと俺は殺人未遂でしょっ引かれそうになった。……金玉潰すと人間ってショック死しかねないんだって? 初めて知ったわ。
パピーが権力持ってる人で良かったわ……愛してるよパピー。
14歳。ギネス記録を色々塗り替えた。これもまたテレビの企画で、最近仲の良くなった報道関係のお姉ちゃん(ブロンドの巨乳。キスが上手くて感じやすい)にあれよあれよと煽てられて色々やらかした。
とりあえず握力とか腕力。短距離やら跳躍なんかの単純な身体能力に始まり、蹴りで何本バット折れるかとか、瓦割り何枚できるかとかetc。
とりあえず40種類近くのギネスレコードに俺の名前を刻んだところで収録時間は終わった。
まあ身体能力関係はまだこれから伸びると思うんだよなあ。身体だってまだ完成してるわけでもないし、相変わらず身長もグングン伸びるし。
お隣の教官二人もまだまだ伸びるって後方腕組してるし。
あとついでに乳も尻もガッツリ育っている。具体的に言うとブラのサイズがIカップになった。しかも最近またキツくなっている。
めんどいから殆どスポブラで過ごしてるけど。
まあママを見てるとウチの家系が巨乳っていうのは分かるんだがそれでも限度がある気がする。
やはり転生チートか? でもあんまり男好きする身体になっても困るんだよなぁ。相変わらず魂は男だし。今後ゆっくり女に変わったりするのか? うーむ、謎だ。
15歳。街行く人にサインを強請られるのが日常と化しているのだから人間どうなるか分かったもんじゃないな。
まあテレビにも引っ張りだこだしユーチューブのチャンネルでトレーニング風景の配信なんかもやってる。
最近はバラエティーとか政治評論系のニュースだとか、難病に苦しむ子供たちのドキュメンタリーのゲストに呼ばれたりだとか、割と何でもありである。
歌手デビューしないかとか話もあったが流石に断った。何でも手を出せばイイってもんじゃないだろうし。
あとはゴシップ記者に付き纏われたりもした。某バラエティー番組で共演した女優と一夜を共にした訳だが、相手に旦那がいましたというオチだ。
こっちはティーンエイジャーだし法的責任を問われても、のらりくらりと躱していく所存だが、まあ世論はそうも行かないわけで。
有名人になり過ぎるのも困ったものだなー。何にもしなくても金が稼げるのと美女が寄って来るのは良いことなんだが……
ついに身長も190にまで達した。馬鹿でかい胸と尻がちょっと不恰好だが全身を鋼鉄の筋肉に覆われた俺の身体は既に完成も目前だ。
お隣のカップルも満足そうな表情で「君を女にしておくのはもったいない‼︎」とお褒め? の言葉も頂いたし。
既にあらゆる格闘技を極めた自負がある。コンバットナイフ程度なら蹴りでへし折れるし、拳銃程度なら指弾で対抗できる。
無敵。だなんて驕るつもりはないが、人体での限界ギリギリまで鍛えられたんじゃないか?
何というか、近いうちに燃え尽きちまいそうな気がする。
といった感じで悩んでいたところにパピーがこんな話を持ってきた。
「オルガ。日本に留学しないか? パパの知り合いが理事をやっている素晴らしい学校があるんだよ」
ふーん。日本か。
そろそろ本場の日本食が恋しくなってきたし、アリだな。寿司食いたいし。
こんな軽い気持ちで俺の東京都高度育成高等学校への入学が決まった。
「初日から遅刻は不味いよな。んで、俺のクラスはっと」
既に人がいなくなった掲示板の前で、張り出されたクラス表に目を通す。
俺の名前はAクラスに振り分けられていた。
そういやぁ、さっきのリアル男の娘。名前聞くの忘れてたな。まあ別にクラス違くても話をする機会ぐらいあるだろ。
っつーか俺の胸揉んだんだから飯ぐらい集らないと気が済まない。ハリウッド女優も夢中になった俺の身体を服越しとは言え堪能したんだから、それぐらい当然だろう。
そんなナルシストぶった妄想を浮かべながら廊下を歩く。
国営の学校、かつ政府が特に運営に力を入れているというのは本当のことらしく、校舎はピカピカ。設備も整ってみえる。
グラウンドもやけに広かったし、資料によるとちょっと離れたところに運動部用の第二グラウンドまであるらしい。
まさに至れり尽くせりの学校の訳だ。
そんなこんなで教室へ到着……したのはいいんだが、ちょっとヤベエかも。
教室の中から男の話し声がする。しかも内容を聞いた感じ、先生が生徒へ今後の説明をしてるーって感じだ。
遅刻回避かと思いきやギリギリアウトかよチキショー。
舌打ち一つついて、わざわざ後ろ扉のほうまでちょっと遠周り。なるべく音が鳴らないように心掛けて扉を開けた。
「教科は英語を……む。君は剛力か。遅刻だぞ。初日とはいえ感心しないな。早く席に着きなさい」
「ウッス。すいませんっす」
「……目上のものにはキチンと敬語を使うように。社会に生きるものとして出来て当然のマナーだ。弁えなさい」
そこそこ鍛えているであろう厚みのある身体をスーツに押し込んだ三十代ぐらいのオッサンはエリートを育てる学校に相応しく、生真面目そうで、なおかつ口煩かった。
「貴方に会うのが楽しみで夜も眠れなかったのよハニー」と英語でジョークでも飛ばしてやろうかと思ったが、ここで働いている人間なら英語どころかあらゆる言語を覚えていても有り得ない話ではない。普通に説教されちまいそうだ。
適当にペコリと頭を下げて空いている席に……って一番前かよ。
俺のタッパ2メートル近いぜ? 後ろのやつとか黒板見えないんじゃねーか?
とは言え明らかに俺のせいで進行が遅れてる感があるので、いそいそと席に着く。
……椅子も小ちぇーなぁ。尻の肉がはみ出ちまうんだが。
「さて、全員揃ったところで改めて仕切り直す。私の名前は真嶋智也。教科は英語を主に担当している。君たちAクラスの担任となる。ちなみにこの学校では学年ごとのクラス替えが存在しない。何事もなければ君たちとは三年間の付き合いになることだろう」
えーこのオッサンと三年間かよー。女教師が良かったなー。眼鏡かけてガーターベルトつけたエロい痴女教師とかいねーかなー?
流石にいねーか。ここ国立だし。
「約1時間後に入学式が始まる。その前に君たちへ、この学校についての説明を行う。軽いガイダンスだと思えばいい。では資料を配る。順に回すように」
手早く無駄なく資料を前列の席に配る真嶋センセーからは出来る大人特有のオーラが出ている。クリーニングに出したばっかりのスーツみたいにパリッとした感じの雰囲気だ。
その代わりと言っちゃあなんだが、面白味のある性格には見えない。担任ガチャは失敗したかもな。
「資料を開く様に。では先ず2ページ目、第1項。東京都高度育成高等学校とは……」
欠伸を噛み殺しながら説明を聞き流すも、事前の資料と言ってることは何も変わらない。
要は緊急時を除いて外部との連絡は禁止。
イジメ行為は厳罰。学生寮の決まりごとが云々。
そんでもって最後に高育独自のSシステムについてだ。
「ではこれより学生証を配布する。これは身分証であると同時に学内の施設の利用や商品を購入する際に必要となる。クレジットカードのようなものと考えてもらって結構だ。ただし、ポイントを消費することになるので注意するように」
現金を持たせないで全てポイントという名の電子マネーで管理するわけか。まあ、運営側の管理が楽になるからだろうな。
「この学校内においてこのポイントで買えないものはない。それからポイントは毎月1日に自動で振り込まれる。君たち全員に平等に10万ポイントが支給されている筈だ。確認して欲しい」
10万ポイント。つまり10万円。
その額の大きさに周囲のクラスメートが喜びや驚きの声を上げた。……いや、気持ちは分かるんだが俺にとっちゃ大した金額じゃねーしなあ。
「ふむ。どうやらポイントの支給額に驚いているようだな。この学校では生徒を実力で測る。入学を果たした君たちにはそれだけの価値と可能性がある。自由に使ってくれて構わない。ちなみに卒業後には回収させて貰うので、現金化は出来ないと思ってくれ」
いやー文句言っても仕方ねーのは分かるけど、俺が周りにいる奴らと同じ価値ってどういうことよ?
多分、現時点でも俺の年収って真嶋のオッサンより上だと思うぜ?
あ、でも管理はパピーがやってるから実質無収入って扱いなのか。税金とか扶養控除とかややこしーから全部任せてるしな。
「もし使う必要がないと判断した場合は譲渡しても構わない。また、言うまでもないが脅迫、暴行などによる俗に言うカツアゲ行為などは厳禁だ。非常に重たい処分が降る事を覚えておくように」
おいこらオッサン。今チラッと俺のこと見ただろう。確かにガラは悪いかもしれねーけどそこまで馬鹿じゃねーぞ。
大体やるんだったらバレないようにやるし。金に困ったことねーからやったこと無いけど。
「さて、以上で説明を終える。何か質問等あれば挙手をするように」
オッサンが質問を促すも誰も手をあげない。
まあ無理はない。入学したてでガッチガチに緊張しているティーンズが初対面の厳格そうなオッサンにいきなり質問は? って言われても困るだろ。
後で個別に聞けば済む話だし。あーでも面倒ごとは先に済ませた方がいいか。
「質問、いいっすか?」
「……剛力か。何だ?」
ジロリと俺を睨む真嶋。うーん早速目をつけられちまったかなぁ。
内心でそんな事を考えながら俺は真嶋に質問した。
「ぶっちゃけ、スカート嫌いなんでスラックス欲しいんですけど。それもポイントで買わなきゃいけない感じっすかね?」
まあダメならジャージを履けばいいのかも知れないが。
この緩いんだか厳しいんだか微妙な校則から察するに体育以外はジャージ禁止‼︎ なんて面倒な規則は無いだろうし。
「ふむ。制服については希望者に対し予備として一着分のみだが支給される。また何らかの理由で女子がスラックスを、男子がスカートを希望した場合にも同様だ。入学式の後に職員室に来なさい。支給しよう」
おお。流石は国営。性に関する多様性にも柔軟って感じだな。
一部の男子が「男子がスカートなんて」と失笑しているが、まあ色んな人種がいるのよ、世の中にはね。
「あー、ありがとうございます。んで、もう一つ質問っていうか、お願いなんですけどー。席順、どうにかならないっすかね? ほら、俺ってば無駄にデカいもんですから」
どう言う順番で席を決めてるのかは知らないが俺のタッパで最前列は普通に迷惑だろう。
あと単純に教師の目の前で授業なんか受けたくない。
「……そうだな。両者の合意があった場合のみ席替えを許可しよう。ただし席順を変更した場合、速やかに私に報告すること。他の教職員方にも共有しなければならないからな」
「Thank y……じゃなくて、ありがとーございます。んで、最後になんですけど」
「まだあるのか」
そんなうんざりした様な顔で見ないでくれよオッサン。俺だって目立ちたくてこんなに質問責めしてる訳じゃないんだから。
「さっき先生、ポイントで買えないものは無い〜的なこと言ってたっすよね? 個人的に買いたいものがあるんで大丈夫なのか聞いときたいんすけど?」
俺が気持ち申し訳なさそうな顔でそんな質問をしてみると真嶋の表情がヒクリと動いた。
何だ? 俺、そんな変な質問したか?
「……言ってみなさい」
「あ、はい。あの、椅子が小さいんで一人掛けのソファー買いたいんすよ。で、それに座って授業受けても大丈夫かなーと?」
「は?」
「いや、は? じゃなくてソファーっすよ、ソファー。ご覧の通り、尻が収まりきらないんで、座ってるだけで痛いんすよ、この椅子」
ヒップのサイズだって100は超えているのだ。というか人より筋肉が発達している分、女性特有の脂肪なんかは筋肉に乗っかる形となる訳だから、普通の女よりも飛び出して目立つ。
別にビルダーみたいに絞っている訳でもねーから胸も尻もデカいワケだし。
「ただ、ほら。学校に必要のない物を持ち込んでるーなんて難癖つけられて処分なんかされても笑えないっすから。今のうちに大丈夫かどうか聞いとこーかなーって。んで、どうっすかね?」
俺の説明に真嶋は珍妙な動物を見るような目をした。やがて静かに目頭を指で揉み始めた。
待てや、おいこら。そこまで変なことは聞いてないだろ‼︎
「その件については要相談だな。長くなるだろう。放課後に制服を支給する際に詳しく話を聞こう。いいな?」
「あー。Yessir」
「……剛力。留学生だと言うことは把握しているが畏まった場では極力、日本語で応答するように」
「ウッス」
「先程も言ったが敬語を使いなさい、敬語を……ハァ。質問は以上だな。では諸君、入学式まで自由にしていてくれ。予定時間の5分前には着席しているように」
何ため息ついとんねんオッサン。
つーか日本語なんか殆ど使わない生活していた弊害かちょっとヤバいな。敬語がすんなり出てこねー。
向こうでも基本的に家族の前以外ではスラング混じりの下品な下町言葉で会話してたし。
敬語という概念がそもそも脳内になかった。
先輩とかに目つけられたらブン殴れば解決するだろうけど、センコーはそうもいかねーからなぁ。
そんな事を俺が考えている時だった。
「皆、少しを時間を貰いたいのだが構わないだろうか」
背後から野太い声がした。
そして振り向いた先にはハゲがいた。
TSのキャラってこれであってる?