ようこそTSメスゴリラのいる教室へ   作:薔薇尻浩作

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坂柳のキャラがブレブレだけど初投稿です。
Aクラスのキャラ書き分けてる二次作者様、マジで尊敬してます。


ハイライトと小テスト。放置されるメスゴリラ

 

月日が経つのは早いもんで、あっという間に月末が近づいて来た。

当然、日常を共に過ごして来たクラスメイト達も俺っていう人間が見た目ほど危険じゃーない。っていうのを悟ってくれたらしく、気軽に挨拶される程度には打ち解けた。

特に女子なんかは度々、挨拶代わりに口説き文句もプレゼントしてるワケだし、俺が気安い人間だって分かって来たみてーだ。

もちろんダチだって増えたぜ? 今じゃ数人の生徒とは日常的にお喋りする仲になったのさ。

 

しっかし今考えると、やっぱ水泳の授業がきっかけだったな。つい最近受けた4回目の授業で、俺のタイムはついに17秒を切った。

流石はエリート校で教鞭を取っている体育教師だけあって指導も熱心でいて丁寧。おまけに適切なもんだから俺の不細工な水泳フォームは徐々に矯正されて、タイムもグングン縮まった。

その度に感極まるように騒ぎ立てるセンセーの圧には参っちまうが……まあ、クラスメイトもチヤホヤしてくれるし、その程度なら大目に見るさ。

部活に所属してくれ。って頼まれたのは断ったが……それでも助っ人で大会に出場するよう粘られちまったけど。

 

 

「おう、姐さん。今朝もギリギリだな」

 

「Hello橋本。これでも5時には起きてるんだぜ? 柔軟やってランニングして飯食って筋トレしてシャワー浴びて。って生活なんだからこれでも早い方さ」

 

「うっわぁ……アスリートってみんなそんな生活してるのか?」

 

「さぁな。俺のは軍人仕込みのメニューだし」

 

 

特によく話すようになったのは橋本。初日からそこそこ目立っていた金髪のチャラ男だな。

席が隣という事もあってちょくちょく絡むが、こいつは話上手な点に加えて異様に顔が広いやつだ。

クラス内の人間関係は当然として、他クラスで目立つ人間とも連絡先を交換しているらしい。前にDクラスの有名人についての名前を聞いたのもコイツからだしな。

 

 

「軍人って……姐さん、将来は軍にでも入りたいのか?」

 

「たまたま隣に住んでたのが退役軍人だったから面倒見て貰ってただけだっつうの。将来は……まあ、適当に暴れて適当に稼ぐさ」

 

「暴れるだけで金が稼げるのって本気で凄いよな……」

 

「ぶっちゃけ今でも慎ましく暮らせば働かなくて住む程度の資産は稼いであるんだけどな」

 

 

どうにもコイツと話しているとついつい喋り過ぎちまう。顔も悪くないしノリも良いんだ。ホストにでもなったら屋敷を建てるぐらいには稼げるんじゃないか?

 

 

「凄えよなぁ。姐さんが前に言った通り、ネットで名前を検索したら驚いたぜ。ウィキペディアにも乗ってるし、テレビの切り抜き動画にも、いくつも顔が出てるんだから」

 

「だから言ったろ? 故郷じゃそれなりに顔が売れてるってな」

 

 

 

とは言え、俺も毎日コイツとばかりお喋りしてるってワケでもない。

橋本以外に良く話しをする仲になったのは妖精みたいに可愛らしい有栖。それから俺のイチオシの真澄。葛城や鬼頭なんかとも話をするな。あ、あとは里中もか。第一印象が悪かったせいか、未だにアイツからは怯えられてるけど。

 

 

「そういや、ちょっと前にDクラスの子から聞いたんだけどさ。姐さん、Dの教室に殴り込みに行ったってのは……流石に嘘だよな?」

 

「はぁ? どう考えても嘘だろ。何でダチ迎えに行っただけでカチコミ扱いされなきゃならねーんだよ」

 

「いや、ほら。姐さんは、な? 美人だけど迫力があるっつーか、あり過ぎるから、誤解されちまったんじゃないか? 」

 

Screw you(ふざけたこと吐かすな)

 

 

何でちょっと他クラスにお邪魔しただけで殴り込み扱いされるんだか。以前Dクラスの様子を京介から聞いたあと、やっぱり京介が大袈裟に言ってるだけなんじゃねーの? という疑いもあって一度だけ顔を出したんだ。

いつも京介とは屋上で待ち合わせてから飯を食っているワケだから、ちょいと不意打ち気味にDの教室まで向かいに行ってやった。

 

やけに驚く京介を適当にいなしながらDクラスの様子を観察したが、なるほど確かにAクラスのメンツと比べると顔つきがアホそうでノリの軽そうなヤツが多いイメージだった。

まあ、休憩時間に顔出した割には静かだった気もするが……学級崩壊云々は流石に京介が大袈裟に考えているだけなんじゃねーかな?

あと、AもDも関係なく美女が多くて個人的にはラッキーだ。

 

まあ後から京介に聞いた話では昼食を終えて教室に戻るなり、速攻でクラスメイトに囲まれては俺との関係を根掘り葉掘り質問責めにあったんだと。

要は、アレだ。俺と京介が付き合っているんじゃねーか。って疑われたってワケだろ?

男女2人で行動するだけで恋仲を疑うなんて、いかにも初心なティーンらしい発想じゃねえか。

「散々イジられて本当に大変だったんだよ‼︎」と真っ赤な顔の京介が必死になって抗議して来たもんだから、結局Dクラスに顔を出したのはその一回だけで止めといたんだけどな。

 

 

「まあ、流石に嘘だろーって言うのは俺も察してたけどな。Dクラスっつったら姐さんと一緒にメシ喰ってる親友がいるトコロだよな?」

 

「まあな。今じゃ互いにニックネームで呼び合うベストフレンドさ」

 

 

そうそう。シャイな京介との仲もようやく縮まって俺のことをオルガと呼ぶようになった。とは言え控えめなアイツらしく未だに、さんづけだけどな。

もちろん俺だって時たまニックネーム代わりにSugar(可愛い子ちゃん)と呼んでやる。

「前々から気になってたけど、どうして僕が砂糖なの?」なんて可愛いお顔であざとく小首を傾げていたから「そういうところさ」と答えてやった。

ますます不思議そうにクリクリお目々で見上げてくるもんだから、思わずフワフワの頭をくしゃくしゃにしてやったのは今でも思い出せる。

 

とは言え京介の方もクラスの中で仲のいい友達も普通に出来たみたいだし、昼食を屋上で取るのは月曜日と金曜日、っていうルールをこの間決めた。

まあ、メッセージのやり取りはほぼ毎日やってるし、土日に予定を合わせて遊びに行くほど仲のいい相手はお互いに自分達同士だけっぽいけどな。

 

 

 

「つーか橋本。そのふざけた話は誰から聞いたんだ?」

 

「あー、まあ、何だ。ちょいと話を盛られた感じはあったが、ほら。櫛田ちゃんからだよ」

 

「ああ、桔梗か。なるほどね」

 

 

 

先週の頭だったか、昼休憩の後半になってから他クラスの女子生徒がAクラスに顔を出しに来た。

生憎、俺は京介と飯を食った後ギリギリに教室に着いたもんだから、殆ど入れ違いになっちまってあまり会話は出来なかったけどな。

それでも記憶に強く残る程にバツグンに整ったルックスをしていた美少女がDクラスに在籍している櫛田 桔梗だ。

何でわざわざAクラスを訪ねて来たかと言うとお友達を沢山作りたいからだそうだ。もちろん俺も心よく連絡先を交換したさ。代わりに名前で呼ぶのを許して貰ったし。

 

 

「ったく、可愛い子ちゃんに嫌われちまうのはいつになっても悲しいぜ。つっても、桔梗がねー。まあ、ある意味じゃ納得だけどな」

 

「え? 姐さん、納得ってどういう意味よ?」

 

「ありゃ相当に腹が黒いタイプの女だぜ? あの100点満点の作り笑顔がその証拠さ」

 

「へ? 作り笑顔? マジで?」

 

「マジも大マジ。芸能界にはあのタイプがごまんといるもんだぜ。もちろん、演技のレベルは段違いだけどな」

 

「……俺、ちょっとイイなって思ってたのに」

 

「モノか、金か。あるいは利益か。分かりやすいエサが無いとまともにデートもしてくれないタイプだな、ありゃ。余程の大金積まない限りベットインなんて夢のまた夢だ」

 

 

パンピーにしては見事な演技力だとは思うが、数多くの女を抱いて来た俺の目は欺けない。

と言うか自分で言っていて悲しくもあるが、初対面の俺に全くビビった様子を見せないでニコニコ笑ってる時点でダウトだ。誰とでも仲良くなれるキュートなアイドルを演じてます‼︎って断言してるようなもんだろ。

オマケにあの手の女は相当にプライドが高い。口説き落とすのには相当な根気が必要だろう。

 

 

「まあ橋本なら顔も口も悪くないんだし、狙うだけ狙ってみたらどうだ?」

 

「いや……でもなぁ。うーん」

 

 

顎に手を当て真剣な顔で考え込む橋本を尻目に、暇になった俺は改めて活気に溢れた教室の中をグルリと眺める。

クラス内ではすっかり友人グループなんてものが出来上がっているワケで、現在のAクラスには大きな集団が2つ出来ていた。

囲まれるようにして集団の中心にはそれぞれ葛城と有栖の姿がある。

 

言わば派閥って奴だな。これが面白い事に男女で分かれている訳でも無ければ、所謂イケてるとかダサいなんて言う漠然としたクラスカーストで別れている訳でもない。

女も男も、気の強そうな奴も弱そうな奴も、みーんなごちゃ混ぜ。

何を基準にして分かれているのかは分からねーけど、俗に言う葛城派と坂柳派に分かれているのは確実だ。

バチバチやりあってるワケでもなければ、特に目の敵にし合っているという感じは無いにしろ、何となく両集団の間には見えない壁があるっぽい。

 

 

「なあ橋本」

 

「うん? どしたよ姐さん」

 

「有栖と葛城って仲が悪いのか?」

 

 

どうせ馬鹿な俺が考え込んでいても分かるわけが無い。情報通の橋本に話をぶん投げると、常日頃からノリの軽いコイツにしては珍しく苦悶するような顔で唸りながら口を開いた。

 

 

「……互いの仲自体は、悪くは無い。と思うぜ。ただ、何て言えばいいんだろうな? 相性というか、考え方の違いが大きいんじゃないか?」

 

「要するに喧嘩してるワケじゃねーけど何となく気に食わねーってことか?」

 

「いや、そう言うフランクな話じゃないんだよ姐さん。俺も上手く言語化が出来ないんだけど、こう。思想とか主義とか……そういう違いって言うのか? ほら、言うだろ? 鷹派とか鳩派とか。進歩的とか保守的とか」

 

「はぁ? 何でたかが高校生が政治の話なんかしてんだよ? エリート意識もそこまで拗らせたら滑稽なだけだぜ?」

 

 

俺がAクラスに馴染めたと実感して来たのはごく最近の話。

入学当初はクラスメイトからすっかりビビられてガッツリと距離を取られるし、俺も俺で他クラスの京介とばっかり絡んでいたもんだから、どうにもAクラス内の事情と言うのに疎い。

だけど幾ら何でも、何つーか、おかしくねーか? 何でクラスメイトの仲の良し悪しが政治の話にぶっ飛ぶんだよ?

 

 

「まあ、こう言うと誤魔化してるように聞こえるかもしれないけど……アレだ。少なくとも姐さんが気にするような話じゃ無いと思うぜ?」

 

「おいコラ。まんま誤魔化しにかかってるじゃねーかよ」

 

「正直な話さ、俺もまだ確信が持ててないんだよ。坂柳の姫さんや葛城くんからも話は聞いてるから、概要は掴めてる。とは思うんだけど確証がある訳でも無いし……まあ、来月になれば分かる筈だ」

 

 

思わせぶりな台詞と共にかぶりを振った橋本の言っている事はぶっちゃけ良く分からなかったが、来月が何かしらのターニングポイントらしい。

しっかし、5月になんかイベントなんかあったっけなー? 親睦を深めるためのオリエンテーションとか? それとも体育祭? 幾ら何でも時期外れか。

 

そんな事を俺が考えていると、チャイムと同時に真嶋センセーが教室に入って来た。

相も変わらずパリッとした仕事の出来るエリートオーラを放っている。生徒指導室で顔を合わせる時は死にかけのオッサンみたいになってるっつうのに……猫を被るのが上手いオッサンだことで。

 

つーかオッサンが担当するって事は、1日の最後の授業が現代文かよ。肉体的には余裕だけども精神的には疲労が結構溜まってるっつうのに。こういうメンタルの時に本を読んでるとますます眠くなるんだよなー。

と、内心で愚痴っていると真嶋センセーは思わぬサプライズを披露した。

 

 

「本日の授業は中止とする。その代わり、月末が近いこともあって抜き打ちの小テストを行う事となった」

 

 

マジかよ⁉︎ 授業が無くなったのは万々歳だけど、その代わりがテスト。しかも抜き打ちでやらされるだなんて普通に笑えねーぞ?

俺以外のクラスメイトもまさかの事態に騒ついてる。

エリートの集まりでも流石に抜き打ちテストは衝撃だったみたいだな。

 

 

「ふむ、そう慌てる事は無い。今回の小テストはあくまで今後の参考用に行うものだ。成績には反映されないので、そこは安心したまえ」

 

 

はぁ……? いや、意味が分からねー。

成績に関係無ぇなら、わざわざ不意を打つような真似をしてまでテストをやる意味なんて無くねーか?

しかも今後の参考用。って何の参考にするんだって話だろ? 入学してすぐに学力を確かめる為にやるならまだしも、何でこんな中途半端な時期にやるんだ。一から十まで意味不明だぜ。

 

 

「なあ、真嶋センセーよー。仮にその小テストで0点取っても俺らにゃ何のデメリットも無いってコトで良いのか?」

 

 

俺はマッサージチェアのスツール部分から脚を引っこ抜いて、ゆったりと踵を膝に乗せてから真嶋のオッサンに質問した。

すると、俺の何が気に食わなかったのか、真嶋の野郎は途端に嫌そうな顔になって目つきが悪くなる。

おいコラ、可愛い生徒になんつー態度だ。体育教師のオッサンを見習え、この無愛想野郎。

 

 

「質問する時は挙手をしろと何度言ったら理解するんだ剛力……。ハァ、先ほども言った通りだ。仮に0点を取ったところで成績には反映されない」

 

「んー? なら、何だって態々、抜き打ちの形まで取ってこんな変なタイミングで小テストなんかやるんだよ。成績つかねーならやる意味が無ぇじゃねーか」

 

「教師には敬語を使えと何度言ったら分かるんだ、この大馬鹿者。つい先程、今後の参考の為だと説明しただろうが。黙って受けろ……全く。では今からテスト用紙を配る。」

 

 

ギロリと音が鳴りそうな苛立ちのこもった眼光で俺を睨みつけた真嶋は、その後黙々とプリントを配り始めた。あの野郎、ぜってー俺にだけ態度悪いよな。

年頃の乙女にいい歳こいたオッサンがこんな雑な扱いして許されるもんかねぇ?

 

 

「さて、小テストとは言えカンニング行為は厳罰に処すので真面目に取り組むように……」

 

 

 

内心で若干腑に落ちない思いを抱えていた俺を他所に、真嶋がそう宣言する。

今、まさに小テストが始まる。っていう直前だった。

 

 

「先生。質問があります」

 

 

どんな美しい小鳥よりも耳障りの良い軽やかな声が聞こえたと同時に、細くて白い手がピンと上がった。

御行儀よく挙手をしたのは意外にも真っ白い妖精さん。つまり有栖のコトだった。

 

 

「今度は坂柳か。どうした?」

 

「いえ、結局先程の剛力さんの質問に対してのお答えが頂けてませんので、その回答を頂きたいのですが」

 

 

あぁん? どう言うことだ?

真嶋のオッサンは俺の質問に無愛想ながらも普通に返答していたと思うんだが。

 

 

「……何のことだ? 先程も繰り返したように小テストの結果は成績には「お言葉ですが真嶋先生」

 

 

おっと、コイツは驚いた。質問の意図自体も良く分からねーが、何と言っても優等生の有栖らしくもない強気な態度は非常に目立つ。

教師の話を強引に遮るところなんて俺は初めて見たぜ?

 

 

「剛力さんはこう仰りました『0点を取ってもデメリットは無いのか?』と。つまり今から行われる小テストを私達が放棄したとしても、我々Aクラスの生徒には一切のデメリットが無いのか? Yesか Noかで簡単に答えられる質問だと思いますが?」

 

「……何が言いたい?」

 

「ですから質問に回答頂きたいだけです。成績に反映されない事は何度もお聞きしました。ではそれ以外には? もしも小テストの結果が私達の『実力に関する期待や可能性への評価』に結果として反映されるとするならば、それは剛力さんの質問が意図するデメリットに該当する可能性がある。と私は考えているのですが……真嶋先生? そろそろお答え頂けませんでしょうか?」

 

「……」

 

 

……いや、何か真嶋のオッサンまでシリアスな雰囲気で黙り込んでるから、空気読んでじっくり考え込んでみたけど、やっぱ有栖の言ってる意味が全く分かんねーぞ?

 

多分、有栖は俺の質問に対してフォローみたいな事をしてくれてる? んだよな? 良く分かんねーけど、ニュアンス的にはそんな感じだよな?

つっても真嶋のオッサンは何度も成績に反映されない。って明言してるワケで。普通に考えて俺の質問にはしっかり答えてくれてるよな?

 

だけど不思議な事に、いつの間にか有栖と真嶋の問答をAクラス中の人間が真剣な眼差しで見守ってる。

特に葛城の目線がちょっとヤバいレベルだ。

アイツは堅物だがメチャクチャに真面目な男だ。そんな葛城が鬼気迫る表情で注目する程に、有栖のあの質問がそんなに重大な問題なのか?

 

眉間を揉み解すポーズを取った真嶋は短く嘆息すると、今まで見たことも無いような優しい微笑みを見せて答えた。

 

 

「残念ながら現時点では、その質問に明確な解答を示す権限を俺は持ち合わせていない」

 

「現時点では。ですか?」

 

「ああ、その通りだ。だが敢えて言わせて貰うならば何事にも全力で取り組む姿勢は、教師から見た時に好ましく映る……と、あくまで個人的な感想を述べさせて貰おう」

 

「個人的な感想……ですか。ウフフ、そのお言葉だけで十分な確証を得られました」

 

「さて、何のことやら……他に質問がある者はいないな? では筆記用具以外の物を机に閉まって準備を始めるように」

 

 

唐突に始まったよく分からねー問答は、唐突によく分からねー結末で終わった。

真嶋も何か満足気な笑みを浮かべてるし、有栖なんてちょっと怖いぐらいに迫力のある含み笑いをしている。

なんか、こう……頭の良い奴同士の会話を見せつけられた気分だ。葛城も真嶋の個人的な感想とやらを聴いてからはヤケにキリッとした表情になってるし。

 

 

「なあ、橋本」

 

「何だい? 姐さん」

 

 

すっかり置いてけぼりにされた俺はさぞ間抜けな顔をしてる事だろう。

やけに明るい表情をしている隣人に、思わず尋ねた。

 

 

「結局、この小テスト。真面目にやった方がイイのか?」

 

「んー、まあ。間違いなく真面目にやった方がイイと思うぜ」

 

「マジで?」

 

「マジでだ」

 

 

結局俺はどうにも納得できない心持ちのまま、全力で小テストに励むハメになった。

 

 

あ? 結果?……察せよ。

 




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