もしもウマ娘の世界で野球部が存在してたら… 作:ぽてとめぇん
今まで野球一筋で頑張ってきた貴洋。
そんな野球人生は高校野球へとステップアップしていく…
俺は、野球部をここまで6年間続けてきた。
小学校、中学校と続けてきた。
レギュラーを取りたい一心で日々、努力した。
チームで優勝を勝ち取りたいと、切磋琢磨してきた。
『3番…ショート…』
七回表、スコアは5-3でリード。
2アウトランナーなし。
このバッターを抑えれば、地区大会優勝。
今まで準優勝どまりだった俺たち。
オフシーズン、文字通り血のにじむ努力をしてきた。
けど…あきらめたくなかった。
あいつらを倒して、県大会に行きたい。
今まで地区大会どまりだったこの野球人生。
小学校から一緒だったこのメンバーで、
ここまで寄り添ってくれた監督、コーチと。
県大会に行きたい。
あのでかい球場でプレーしたい。
(…だからここでっ!)
魂込めて投げ込んだ白球は快晴の空へと打ちあがる。
「…レフトォォォォ!!」
レフトの足が止まる。
グラブを構える。
そして、そのうち上がった白球は
パシッ…
グラブの乾いた音ともにその中に納まった。
ゲームセット。
「…よっしゃぁぁぁぁ!」
11年ぶりに、俺たちの学校は地区大会優勝。
ここまでの試合はすべて逆転勝ち。
その勢いのまま俺たちは、今まで優勝を阻んできたライバルをねじ伏せた。
俺は7回を被安打4、四死球2、失点3、球数は108球の内容だった。
決していい内容とは言えないが…
今まででは味わえない最高のマウンドだった。
理事長「祝福っ!みな、切磋琢磨しあい学校生活を楽しめっ!以上!はっはっはー!」
あれからもう半年が経った。
俺は近くにあった高校『トレセン学園』に進学。
最近共学になった学校で、そこはウマ娘が多く通う学校。
ウマ娘とは、馬のような耳に馬のような尻尾を持つ女性の人。
走る能力は人と比べて早く、それ専用の大会も開かれるほどだ。
しかし、人も頑張れば彼女たちと同等の走りができる。
だから、圧倒的に強いわけではない。
話はそれたが、ここ『トレセン学園』では陸上部が活発で全国レベルで強い。
プロ選手もここから排出しており、レベルが高い。
そんな学校に入学したわけだが、俺は今回は野球部に入部することにした。
理由はなんとなく。
小中と続けてきたのだから、高校もやってみようと思っただけだ。
入学式やオリエンテーションが終わり、入部届が配られる。
その入部届に名前を記入して部活動の顧問に提出する。
先生「あらあら…新入部員なんて…本当にいいの?」
貴洋「はい、野球しかやったことないので…」
先生「わかったわ…せっかくだから、練習見に行くかしら?」
貴洋「はい、よろしくお願いします。」
野球部と聞いてきたのだが顧問の先生はおっとりしたウマ娘の先生だった。
その先生の後に続きグランドに来ると、そこには部員たちが練習していた。
先生「みんな~、集合して~。」
部員A「はーい、しゅうご―。」
部員たち「「「はーい。」」」
俺は驚愕した。
部員9割がウマ娘だった。
男は俺のみ。
先生「はーい、新入部員よ。みんな仲良くしてね~。」
貴洋「あ、貴洋です。これからよろしくお願いします。」
部員たち「「おぉ~…」」
部員B「なになに、せんせが誘導したの?」
先生「私はそんなことしませんー。彼が自主的に出してくれたの!」
部員C「まぁ、よろしくね。貴洋君。」
貴洋「はい、よろしくお願いします。」
練習、能力測定などは明日行うらしい。
道具類は買わないといけないものもあったが、基本的に中学校のものを使うことにした。
?「あう…今日もだめだった…行かないといけないのに…」
次の日。
放課後になり、俺はユニフォーム姿でグラウンドの中に入る。
先生「あら、似合ってるわ~。それじゃ、測定始めるわよ。」
貴洋「え?アップはしないんですか?」
先生「あら…忘れてたわ。ごめんなさい、アップしてから測定始めましょう。」
意外とこの先生抜けているのか?
…そうであってほしいな。
アップを終えて、測定が始まる。
種目は以下の通りだった。
30m走
スイングスピード
遠投
球速
主に運動能力を測られるようだ。
部員A「ねぇ、せんせ。私たちもやっていい?」
先生「いいわよぉ~。貴洋君もそれでいい?」
貴洋「いいですよ。」
先輩たちの能力も見れそうだ。
俺と一緒に走るのは2年生、3年生の先輩の3人。
先生「それじゃあ、行くわよ~。いちについて~、よーい…」
深く息をついて、構える。
先生「ドンッ!」
貴洋「ふっ!」
先輩たち「「えっ!?」」
俺は夢中になって走り出す。
ゴール戦のところまで全力で走りきる。
貴洋「―――…ふぅ。どうでした?」
先生「…あ、あぁ……うそ。」
ストップウォッチを見て驚く先生。
貴洋「どうしたんですか?」
先生「…こんなタイム見たことないわ。」
先生が俺にストップウォッチを見せてくる。
4.0秒
これより速いタイムを出している人は中学の時に数人はいた。
だからこれくらいが平均だと個人的に思っていた。
貴洋「遅かったですか?」
先生「いやいやいや!チーム内で一番早いわ!」
貴洋「…え?」
先生「と、とにかく、次の測定行きましょう…」
スイングスピード
128km/h (高校野球平均120km/h前後)
遠投
91m (高校野球平均85.66m)
球速
最速136km/h (高校野球平均110~125km/h前後)
先生「…うそ。全部平均超えてるんですけど…」
貴洋「ふぅ…どうでしたか?」
先生「…何者なの?」
貴洋「え?…小中学校野球をしてきただけの人ですけど…」
先生「えぇ…」
3年の先輩「いや~、こんなすごい選手は言ってくるなんてね…」
2年の先輩「負けてらんないっすね…」
なんかライバル視され始めた…
?「すごい…ねぇ、どんなトレーニングしたらそんなに投げれるの!?」
こちらに近づいてきてそう問い詰めるウマ娘。
貴洋「近いです…」
?「あ、ごめんなさい。あ、私メジロライアン。同級生だよ。」
貴洋「同級生…ってことは同じ一年?」
ライアン「うん、これからよろしく。
それでさ、どんなトレーニングしてきたらそんな結果が出るの?」
貴洋「ん~…オフシーズンにいやって程、体をいじめ抜き続けたから?」
ライアン「うんうん…それで、筋トレとかは?」
貴洋「体幹もそうだけど、スクワット、ランジ…
あと、雪上ダッシュだったり…下半身中心にやってきたかな?」
ライアン「やっぱり下半身なんだ…ありがとう!
これから取り入れてみるよ!あ、そういえばポジションは?」
貴洋「ん~…本職はピッチャーだけど…
たまにファーストだったり外野守ったり…いろいろ守ったよ。」
ライアン「おぉ、私と同じだ…
ということは、これからライバルで仲間、だね!改めてよろしく!」
貴洋「…あぁ、よろしく。ライアン。」
こうして、野球部に無事に入部できた。
高校野球は今までとは違い、硬式球を使う。
軟式のように柔らかいボールじゃない。
まずはボールになれるところから…
先生「はい、というわけで今日のメニューも自由よ~。」
部員みんな「「うぃ~す!」」
貴洋「…いまなんと?」
先生「え?自由にやりなさいと…」
貴洋「…ちなみに、野球経験は?」
先生「え、え~っと~…ノーコメントで。」
貴洋「…まじっすか。」
ちなみに、野球の知識がないのは先生と部員の一部だけだった。
俺は硬式球に慣れながら、基礎知識を教えていくのだった。
入部して一週間がたとうとしていた。
学校生活も問題なく順調に進んでいる。
部活も、無難にこなしている。
硬式ボールにもだいぶ慣れてきた。
今日も今日とて、ユニフォームを着てグラウンドに向かっていた。
その時、
?「あ、あの…野球部の人…ですか?」
貴洋「え?はい、そうですが…どうしたんですか?」
?「あ、あのね。野球に興味があるからね…その…」
深呼吸する黒髪の子。
?「ら、ライスも一緒についてきてもいいでしゅか!」
…最後噛んだ気がしたが。
貴洋「別にいいですよ、ついてきてください。歓迎しますよ。」
?「…うん!ありがとう!」
貴洋「それで、お名前はなんていうんですか?」
?「あ、言ってなかったよね…ライスシャワーです。これからよろしくね!」
無事入部できた貴洋。
そんな貴洋のいる野球部に新入生が入部する。
そのウマ娘の実力はいかに…
ちなみに30mのタイムですが…
足の速い、阪神タイガースの近本選手は
3.87秒をたたき出していました。(汗)