ハイスクールD×D 最強を目指して   作:めたるみーと。

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サブタイをつけるのが大変になる季節がやってまいりました(大嘘)


激動の始まり

「二度と教会に近づいてはダメよ」

 

リアスが目の前で紅茶を飲みながら言い放つ。

一誠は厳しくも心から心配するようなその視線に、一誠は少し気まずそうに眼をそらす。

 

「あのね、悪魔にとって聖なるものとか、光とかは弱点中の弱点なの。

 多分たとえあなたでも、相当のダメージは否めないはずよ。

 それも、エクソシストの巣窟の教会になんて行ったら、光の槍を何本も喰らうことになるわよ」

「あー……それは……すまん」

 

まっすぐに見詰められ、弱ってしまう一誠。

他人に、こういう打算のない心配をされたり、まっすぐに悪意以外をぶつけられることに、一誠は慣れていなかった。

両親からは絶え間ない愛情を受けているが、何も知らない他人から見れば一誠はただの喧嘩っ早い不良なのだから。

向けられる感情は、恐怖や憎悪、敵意に嫌悪。

そして、目の前の彼女以外に、彼に悪意を持たなかったのは二人。

 

――――あ、あの……付き合ってください!

 

――――親切なお方にあえてよかったです。

――――これも主のお導きですねっ

 

「ま、まぁまぁ部長。

 それくらいにいてあげてください。

 彼も、教会に案内しただけですし……」

 

木場が一誠をかばうようにリアスを止める。

それを見て、リアスはその怒りをようやくおさめた。

先ほどのドライアイス剣の意趣返しなのか、ちょっとばかり恩を売ったような顔をしている。

まぁ困っていたことは確かなのでドライアイスは取り消してやろう。

事実は変わらないが。

 

「あぁ、あと一応報告をしに来たんだった」

「報告?」

 

リアスは、突然一誠が部下の様な事をし始めたことに違和感を覚える。

一誠も大して考えずに、

 

(こいつの縄張りだって話だし、筋は通しとかねーとな)

 

とおもっているだけである。

そして、昨日の堕天使襲撃のことを話す。

 

「そう……ご苦労様。

 怪我は……無かったみたいね」

「当たり前だ。

 以前ならいざ知らず、今の俺は負ける気が微塵も起きねえよ」

 

ま、人間のときでも真正面からならやれたがな。と、おどけて言う。

リアスはため息をつくと、一誠へ指摘する。

 

「いい?あなたが強いのはわかってるわ。

 でも、決して堕天使の巣窟だとか教会だとかに行かないでちょうだい。

 貴方に何かあったら私、貴方の両親に合わせる顔がないもの」

「あぁ。今のところはそれに従うよ。

 ただし、突っ込みたくなったら突っ込むからそのつもりでな」

 

イッセー!その声を聞いて、一誠は逃げる。

まるで悪戯小僧のように走って逃げる一誠の去って行った開いたドアを、リアスはため息をつきつつ、優しげに眺めていた。

 

「……リアス?」

「あら、ソーナ?

 どうしたの?」

 

そこにいたのは駒王学園生徒会長支取蒼那(しとりそうな)

黒髪ショートの髪型に、黒縁のメガネをかけた、リアスにも劣らぬ知的な美少女だった。

その正体は、純潔悪魔にして元72柱に数えられるシトリー家次期当主、ソーナ・シトリー。

 

「さっき、ここから走っていく人を見たけど、まさかあの子……」

「あぁ、貴方に紹介してなかった?

 私の『兵士』よ」

「……正気?」

 

ずいぶんと失礼なことを言う。

 

「正気も正気。

 それに、あの子を助けるためなんだから、仕方ないわ。

 目の前で死なれちゃ困るもの」

「やっぱり貴女、そのくせ直ってないのね。

 昔から猫だの人間だの拾ってきては眷属に入れてきたものね」

「それがあって、私の可愛い眷属(家族)があるわ。

 ね?祐斗?」

 

珍しく朱乃は部室にはいなかった。

その代り、近くに控えていた木場に話しかける。

木場は、にっこりと笑い、そしてしっかり頷いた。

 

「はぁ……でも、貴方の拾った子は……だいぶ問題児よ」

「確かに困ってるわね。

 しかも私じゃ御しきれないわ。

 今のところは、やんちゃ盛りな弟ができた気分を味わってるけど、いずれはあの子も私を主だと認めてくれるといいなぁと思ってる」

 

ほにゃりと笑うリアスに、ソーナはため息をつくとソファに座る。

すかさず木場が立ち上がり、紅茶を入れるためにティーセットの棚へと向かう。

 

「あぁ、いいわ。木場君。

 ごめんなさい、すぐに終わるの」

 

ソーナはそういうと、リアスを横眼にはなしを続ける。

 

「一週間位前かしら。

 どうにも奇妙な反応が駒王学園にあった。

 人間では決して出せない気配……多分、堕天使の魔力なんだけど……」

「一週間前……?

 どこからとかはわからなかったの?」

「それが全然。

 反応があったのはほんの数十分だけで、しかもどこから反応があるのかもわからない微弱な魔力反応だった。

 なんなのかしら……」

 

ソーナは考え込む。

リアスもそれを聞いて少し考え込んだ。

そういえば、一誠が一週間位前に自分に告白してきた女を探しているとか言っていた。

一週間?これは、偶然か?

 

「それを耳に入れておいて欲しかっただけ。

 ちょっと気になっただけで、多分大したことじゃないと思いたいんだけど……どうも嫌な予感がしてね?」

「わかった。少し警戒しとくわ。

 ありがとうねソーナ」

 

それを聞いて安心したのか、部室から去っていく。

木場がリアスを心配そうな目で見ている。

視線に気づくと、リアスは笑って紅茶を入れるように頼んだ。

 

「堕天使の襲撃、一誠の死、謎の魔力反応、神器持ちのシスター……偶然かしら?

 いえ、そんなはずないわね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、一誠は部室からダッシュで逃げ去ったあとである。

放課後、珍しく一誠に挑む不良が現れた。

悪魔の力を使うまでも無いと、一誠はその身に刻まれた暴虐呪(エンチャットドラグノフ)を強めた。

 

暴虐呪(エンチャットドラグノフ)とは、一誠の力を抑えるための刻印である。

身体に薄く刻まれた刺青のようなものがそれに当たる。

何故このような能力が発言したのかはわからない。

だが、一誠はそれほど興味も持たなかった。

第一この暴虐呪(エンチャットドラグノフ)。便利なのである。

 

ついこの間のできごと。

家に帰って自分の部屋のドアノブを掴むと、ドアノブが潰れた。

チロルチョコのように小さくなってしまったのである。

自分でも制御できない悪魔の力。それに少しばかり困った一誠は、封印すればいいことに気がついた。

幸いにして、暴虐呪(エンチャットドラグノフ)は最初から刻まれていた。

過剰すぎる力の一辺を封じ込めるために、腹に刻んである刻印がそれを封じていたのだ。

しかし、こうなった以上はもっと封印を重ねなければならない。

 

そうして、一誠は人間だった頃の腕力よりも少し強いくらいに制御することに成功した。

 

 

「おらどーした。

 久しぶりに向かってくる馬鹿がいると思ったら……その程度か?」

「クソっ……!

 俺は隣町のトップだぞ……!

 なんだってこんな奴に……っ!」

「知らねーよ。

 お前弱い。俺強い。それだけだろ?

 じゃ、またな。もっと強くなってから来い」

 

隣町の学校の番長とかいう青年を蹴り倒した。

目の前の青年に最早興味の失せた一誠は、懐からタバコを出して咥えると、火を点け、煙を吸った。

周囲にいた青年の取り巻きらしき奴らは皆消えていた。

ケンカの最中に逃げたのか、それともケンカのあとで逃げたのかはわからないが、まぁ正直な話、そんなものはどうでもいい。

むしろ興味をそそるのは、この先の家から放たれる何かであった。

 

「なんだろうな……ちょっとワクワクしてきた」

 

一誠は倒れている青年を無視し、その先にある家へと向かった。

月明かりで夜は明るく、まるで昼のようだ。

悪魔の視力はやはりというべきか夜に真価を発揮する。

 

「開いてる?」

 

家の鉄門は開けっ放し。ドアは薄く開いている。

そのドアから漏れ出すものが何か。それがわかった。

つい最近、向けられた“殺意”というものだ。

 

「ごめんくださいなぁっと」

 

わざわざ大きな音を立ててドアを蹴り開けると、そこには真っ暗な廊下があった。

奥には光が見える。

 

「っ!?」

 

何か、チリチリとした嫌な予感が一誠の中を駆け巡る。

これは一体なんだろう。

一誠は、迷うことなく進んだ。

嫌な予感など、拳でくだいてしまえばいい。そう考えたからである。

 

「……?」

 

鉄の匂いがした。

それは、嗅ぎ慣れた匂い。

顔面を殴った時に出る赤いあれ。

ナイフで切られたときに出る赤いそれ。

 

「血の匂い……?」

 

光の先の光景は、赤い赤い液体の海。

普段の生活ではおよそ見ることのないもの……死体だった。

 

「なんだこりゃあ……!」

 

見るも無残なその光景は、まさに地獄絵図とも言えた。

そして、その光景を作り出したのは、まさしく、ソファに座っている白髪の男であることは、疑いようもなかった。

 

「悪い人はお仕置きよってね……悪魔に魂売っちゃったクソ……ついぶっ殺しちゃったん」

 

ふざけた口調のこの男は立ち上がると、一誠に向かい立った。

そして、演技でもするかのように一礼。

 

「始めまして悪魔君……俺はフリード=セルゼン。

 とある組織のエクソシストなんてやってるしがない少年神父でござぁい……!」

「神父ゥ?

 テメーが神父だったら俺ァ司教になれんぜ。

 このクソ野郎」

「あらら、言われちゃった。

 ま、いいけどねん。僕チン出世とかキョーミないしぃ」

 

おどけながらも、フリードと名乗る少年は殺気を放つ。

狂気の入り混じるその瞳は、しっかりと一誠を捉えていた。

 

「お前、なんでこいつを殺した」

「クソ悪魔とクソに魅入られてクソと契約しようとしたクソ人間を殺した。

 そんだけだけど、なんか文句有り?」

 

何を言ってるのかわからんとでも言いたいのか、両手をあげて首を振る。

 

「契約だと?

 じゃあコイツは俺たちと契約しようとしたってのか」

「そうだよぉ?

 あれ、ってことは君ここに契約しに来たんじゃないのぉ?

 うわー……不幸だねー!

 そのせいで……俺に殺されちゃうんだからさぁ!!」

 

そう叫ぶと、フリードは懐から銃を取り出して一誠に向けた。

一誠は一息に近付くと、銃を蹴り上げる。

 

「甘いんだYO!」

 

さらに懐から剣柄を取り出すと、一誠に振るった。

一誠はそれを腕を狙うことで回避し、一旦距離を取る。

やはり、その剣柄からは光の剣が出ていた。

 

「いやぁ、危ない危ない。

 俺様の大切な祓魔弾入りの銃が吹っ飛ばされちゃうとこだった。

 力抜いといてせいかぁーい!」

 

見ると、銃をぶらつかせていた。

つまり、あの一瞬で銃口の先を狙った一誠の蹴りを、握る力を抜くことで軽減し、銃を手に残したということか。

 

絶対手の甲痛いだろうに無茶しやがるぜ。

 

一誠は冷静に相手を見た。

片手に銃、片手に剣。

恐らく、どちらも当たれば重症は免れず、ケガを治す意味であのリアスは裸で添い寝し始めるだろう。

それだけは勘弁願いたい。

 

「じゃあ、無傷で!圧倒的に!お前を殺せばいい……ってことだろ。

 今すぐに地獄に送ってやる。三途の川で懺悔しろやクソ神父」

「なかなか厨二臭い言葉使うね君!

 はずかしくないのォ!?」

 

童貞には辛いんだよアレ。

 

兵藤一誠。(恐らく)生前含めて童貞である。




朝からなにしてんだろ
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