ハイスクールD×D 最強を目指して   作:めたるみーと。

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この作品において、前回の《聖餐》で紹介させていただきましたが、この一誠、グルメ細胞を持っており、さらに触れた食材を(食器でつかんでも可)グルメ細胞と結合させる能力を持っています。
つまるところグルメ食材にしてしまいます

なので、今後一誠が食べた食べ物を今後グルメ食材としてあとがきに記したいと思います。

オリジナル食材や、原作トリコに登場した食材などが登場します。
小ネタ程度に楽しんでいただければ幸いです。


三度目の人生にて、悪魔と対峙す

意識を取り戻した一誠がまず初めに感じ取ったのは、ぬくもりだった。

柔らかく暖かい、まるで人肌のようなぬくもりと同時、とてつもなく嫌な予感がしていた。

 

「……せー……イッセー起きてるー?

 ごはんよー」

「……不味いっ!

 弁当作らねーとっ!!」

 

飛び起きる。

時計を確認すると、現在の時間なんと朝の七時。

今から弁当を作っていたのでは間に合わない。

 

「あーもういいや。

 とりあえず今日は買って食うか……ってか俺なんで裸?」

 

そういって立ち上がろうと布団に手を置く。

 

むにゅん

 

「あん?」

 

何か、柔らかいものを手でつかんでしまったようだ。

しかし、そんなものは一誠の部屋にはなかったはず。

では、これは……?

恐る恐る布団をめくる。

 

「すぅ……」

 

そこには、真紅の髪の美女が、生まれたままの姿で穏やかに寝息を立てていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あは」

「…………」

 

目の前の紅い髪の奴がどうにも理解できない。

男の前で全裸だというのに、全く動じず、さらに男も裸なのに一切の反応も見せない。

この変態が、駒王学園の二大お姉さまとかいうやつだとでも言うのだろうか。

 

「自己紹介遅れたわね。

 私はリアス=グレモリー。

 悪魔よ……って言われても理解できないかしら?」

「……兵藤一誠。

 俺はお前のことを知ってるがね。

 ま、有名人だしなお前さん」

「私もあなたのこと知ってるわよ?

 ね、“死神”一誠さん」

 

二つ名で呼ばれてしまう。

正直なところ、それは周りが言い始めたことであって一誠のあずかり知らぬところなのだが、今はどうでもいい。

 

「そいつは光栄だね。

 で、リアス先輩。

 いろいろと聞かなきゃなんねーことができたわけだが……まずは服を着てくれねーか。

 俺ってば初心なもんでね、女性の裸を見ながらじゃあ話も何もできねーのよ」

「あら、不良なのに童貞なの?

 いろいろケイケン済みかと思ったわ」

「女性がそんなことを口にするもんじゃねーぜ?

 じゃ、着替えたら降りてきてくれ。

 俺は親に説明する」

 

箪笥からトランクスとハンドタオルを一枚取り出し、ドアから出ていく。

それを見送ったリアスは微笑むと、とりあえず下着をつける。

 

「あれ?

 そういえば、説明するとか言ってなかった?」

 

上に女のコいるけど気にすんなよ。という一言で、懐が広い両親はサムズアップをほぼ同時にするのだが、困惑するリアスには関係のない話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時が流れるのは早い。

 光陰矢の如しって本当のことだなぁ……」

「何言ってるの?」

 

放課後。

朝にリアスを置き去りにして登校した一誠。

ぶっちゃけた話、リアスの面倒を見る見ない以前に弁当やら教科書などの用意が済んでいなかったのである。

二階にいる先輩とかどーでもよかった。

 

「で、なんでこんなところにいる。

 お前、木場祐斗だろ……俺なんかといると、お前の評価が落ちるぞ」

「いやぁ、いろいろ違うんだけどねー……。

 とりあえず、僕はリアス=グレモリー先輩の使いできました。

 一緒に来てくれるかな?」

 

どうやらリアスの部下のようだ。

何もこんな教室の真っ只中で接触しなくてもいいだろうに。

 

「了解した。

 行くとするか……今日はこっちの用事もねーようだしな」

「話が早くて助かるよ。

 じゃ、ついてきて」

 

今日は夕麻もこないようだし、初っ端からケンカ売られるならこちらとしても上等である。

敵意は感じないが。

 

「で、この騒ぎどうすんだよ。

 俺とお前、男子では結構な美形で有名だろ?

 色々と噂になるぞ」

「あはは……まぁ、今すごいこと聞こえてるもんね……」

 

「祐×一?」

「一×祐」

「ノン一×祐」

「祐×一」

 

「理解できない」

「僕も……」

 

理解できないつぶやきを背に、教室を後にする。

そのつぶやきは止まることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪魔ねぇ……」

 

一誠は自分の体から生えている蝙蝠の翼のようなものを撫でる。

なるほど、生えているだけあって感触はしっかりとあるようである。

先ほどからよくもおいて行ってくれたわねと何やら視線が来るが一誠は意図的に無視している。

昼休み、一誠の父親からメールがあり、朝飯を食べるリアスとエプロン姿でピースする母が映っていた。

意外と楽しんでいらっしゃったからいいではないか。

 

「ったく、貴方の家の両親は何も聞かずに朝ごはん差し出してくるし。

 貴方の家どういうことなの?」

「何事にも寛大なのさ。

 俺みたいな不良を面倒見てくれるからな。

 だから、夜遅くなっても多少は許してくれるだろ」

 

夜遅くなるって連絡すればだけど。

それは付け加えずに煙草を取り出す。

すると、白髪の少女が煙草を奪い取る。

 

「……返してくれ」

「ダメです。

 ここは禁煙です」

 

少女は無表情のままそう告げると、煙草を握りつぶす。

一誠はため息をつくと、翼をしまってリアスに向き直る。

 

「おい、この嬢ちゃんを何とかしてくれよ」

「まず、高校生のくせにタバコ吸ってんじゃないの。

 私の眷属なんだからいうこと聞きなさいよ」

 

そう。一誠は悪魔となってよみがえった。

他でもない、このリアス=グレモリーの手によって転生し、そして彼女の眷属となってしまったのである。

堕天使に殺され、悪魔になり、さらには誰かの下につくことになろうとは。

“死神”もヤキが回ったもんだと自嘲する。

 

「だがよ、眷属だかなんだか知らねーけど、俺を従えるって意味、分かってるのか?

 この学校に出回ってる噂、知らねーわけじゃねえだろ」

「噂?」

「知らねーのかよ!」

 

小首を傾げるリアスに対して突っ込みを入れる一誠。

すると、リアスの傍らの黒髪ポニーテールの女性が咳払いをする。

 

「曰くそれは孤高。

 曰くそれは最強。

 曰くそれは狂犬。

 曰くそれは暴力そのもの。

 最強にして最恐の不良。

 兵藤一誠。

 周囲の高校の不良も名前を聞いただけで震えあがるほどの強さを誇る。

 だがしかし、それでいて成績は底辺というわけではなく、学校でもタバコを吸っている以外は何も悪さをしない。

 借りてきた猫のように大人しいその学園内での姿と、外との圧倒的違いに、駒王学園に飼い主がいるのではないか。などと噂されています。

 ついたあだ名は“死神”兵藤。

 そして彼に喧嘩を売った者は、全て病院送りになっている……あってますわよね」

「あらま。

 姫島朱乃さんが俺のことを知ってくれてるなんて、光栄だね。

 ってかなんだその噂。

 最初とか完全に中二病こじらせてんじゃねーか」

 

どこのどいつだ。と苛立つ一誠。

 

「ま、そういうことだよ。

 お前に、俺を御することができるのか?

 俺を扱う資格がお前にあるのかどうか……だ」

 

一誠はソファに座るとテーブルの上の羊羹をひとつつまんで口に入れる。

濃厚な甘さが口に広がると、同時にほろ苦いチョコレートのような甘みが口いっぱいに広がり、餡の甘さと交差する。

その発言で、リアスの眷属は殺気立つ。

よく慕われているようだ。

 

「だからやめとけ木場」

「ぐっ……!?」

 

いつの間にか木場は剣を一誠に振っていた。

しかし、それを一誠は掴んで止める。

振りほどこうとしても振りほどけない。

剣は抜くことも引くこともできず、あきらめた様子の木場は剣を消滅させる。

 

「慕われるのは構わない。が、部下の管理はしっかりやれ。

 さっきから何やらバチバチ言ってる姫島さんも、だ」

「あらあら……うふふ……」

 

身体から、電撃が迸っている朱乃の笑顔には、どこか影が差していた。

並の人間なら、恐怖で振るえるところだろうが、一誠は動じず。

 

「さぁ、」

「まぁ、眷属になってもらわなくちゃ、貴方はぐれ悪魔とか言われて駆り出されちゃうんだけど……」

「あん?

 はぐれ悪魔ぁ?」

 

一誠が声を上げると、リアスはにこりと笑って立ち上がる。

 

「とりあえず、悪魔。

 体験してみましょうか?

 そのうえで、しっかりと私の眷属になってもらうわ」

 

何か、とても楽しいことが起こる気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、ここよ」

「……廃墟?」

 

魔方陣から転移したリアス一行が向かった先は、とある廃墟。

かつては立派なお屋敷だったと言っても過言ではない大きさの廃墟である。

 

「もとは悪魔の下僕だった存在が、裏切り、逃亡し、そして暴走した者達。

 それがはぐれ悪魔さ」

 

木場がにこやかに説明する。

それを聞き流しながら、一誠は自分の身体の能力を把握していた。

 

------夜とは思えない明るさだ……そして、よくわからないこのあふれる力。

------これが悪魔になったことによる恩恵……?

 

「兵藤くん?」

「ん?

 ああ、すまない。

 話を続けてくれ」

 

一時的に停止した一誠を、眷属皆が見ていた。

小猫(名前は転移の際に教わった)はやはり無表情でこちらを見ているし、木場は本当に人がいいのだろう。

心配そうにこちらを見ている。

先ほどのことは忘れているのだろうか。

朱乃はあらあらと微笑んでいる。

 

「では……ここに、とあるはぐれ悪魔がおびき寄せた人間を食べているとの報告がありましたわ。

 それを討伐するのが、今回のお仕事です」

「へぇ!そんなこともすんのか?

 そいつは楽しみじゃねーか」

「うふふ、たのもしいですわね」

 

一誠は討伐と聞いて口角を釣り上げる。

それもそのはずである。今、一誠は力を試したくてうずうずしているのだ。

悪魔となった自分の力を。

 

「イッセー」

「ん?

 なんだい部長さん」

「貴方、チェスは知ってる?」

 

突然の質問。

それにいささか疑問を抱くが、一誠はそのまま続ける。

 

「別にチェスぐらい知ってるが……それがどうした?」

「私がキング。

 クイーン、ビショップ、ナイト、ルーク、ポーン。

 爵位を持った悪魔は、この駒の特性を自分の下僕に与えることができるわ」

 

そこまで聞いて一誠はふと気づく。

小猫に煙草を奪われたときに感じた握力。

それは、およそ人間の身ではありえないものだった。

まして小猫のように小さな少女の身体では。

 

「駒の特性?」

「私たちはこれを、“悪魔の駒”(イーヴィルピース)と呼んでる。

 祐斗は騎士(ナイト)……性質は速さ。

 小猫が戦車(ルーク)……性質は馬鹿げた力と防御力。

 朱乃は女王(クイーン)……ほかの駒の性質全てを兼ね備えた最強の駒……」

「へぇ……で、俺は……兵士(ポーン)ってところか?

 性質は……いいや、あとで教わる」

 

真っ暗な廃墟の中におどろおどろしい気配が漂っている。

人ならざる者の気配。

一誠を殺した堕ちた天使とも違う、目の前の悪魔たちとも違う何かが、この廃墟を覆っていた。

 

「『不味そうな匂いがするわ……でも、美味しそうな匂いもする……!』」

「おでましかい?」

「えぇ、そのようね」

 

響き渡る女性の声。

まるで媚びるかのようなその声は、殺気と狂気を孕んだ重音となって廃墟を揺らす。

 

「『甘いのかしら……それとも、苦いのかしらぁ……!』」

 

上半身裸の女。

黒く長い髪の美しい女がそこにいた。

しかしその足は、まさに化け物。

四本の腕が足となっている。

なんとも予想以上に醜悪な姿である。

 

「これはこれは……」

「はぐれ悪魔バイサー……主のもとを離れ、その欲求を満たすために暴れまわる不逞の輩。

 その罪、万死に値する。

 グレモリー侯爵の名において、貴方を討伐します!」

「『小賢しい小娘だこと……その紅い髪のように、貴方も鮮血で染め上げてあげましょうかァ!?』」

 

そう言い放つと、バイサーは自らの胸を揉み始める。

魔方陣が胸を中心に展開されていく。

 

「そんな攻撃法なのかよ……」

「そんなのいいから避けなさい!」

 

一誠はげんなりしながら回避する。

他の面々も余裕で回避したようである。

 

「さて、じゃ、イッセーは下がってなさい。

 悪魔の戦い方を、実地で学んで……あれ?」

 

リアスが一誠のいた方へ声をかける。

しかし、一誠が目の前に前進していくのが見えていた。

そう、一誠はまったく話を聞いていない。

目の前の敵を使って、自分の力を証明したかった。

 

「へへへ……バイサーさんよ。

 俺は兵藤一誠、よろしくな」

「『あら、わざわざ無防備に目の前に来てくれるだなんて……食べてほしいの?』」

「いや?これからアンタを殺す野郎の名前だ。

 覚えておいて損はないと思うぜ?

 あの世で自慢しな」

「『ふふ、生きのいい坊やね』」

 

一誠は拳を構える。

今も昔も、武器はこれだけである。

最も頼れ、そして最も自分を表せるもの。

 

「ちょ、イッセー!

 やめなさい!」

「ぶっ飛ばす」

 

止めるリアスの声など耳に入らないまま、一誠はバイサーに殴り掛かった。




今日の食材

小猫が食べてた羊羹

カカオ羊羹の実

ほろ苦いビターチョコのような甘さと、餡子の濃厚な甘さを持つ羊羹の実

捕獲レベル1以下










結構いいペースで更新できていると思います。
次、バイサー編です。

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