ハイスクールD×D 最強を目指して   作:めたるみーと。

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流れは止まってない(震え声)


少し肌寒くなってきました。
残暑がつづきますが、薄着をしすぎて風邪などひかぬよう十分お気をつけください。
ちなみに風邪をひきました。
鼻からくる風邪でした。


聖女との邂逅

朝。

爽やかな朝日、心地よい陽気が、学校へと向かう者、そして職場へと向かう者たちを暖かく包み込む。

その中には、もちろん一誠も混じっていた。

 

夕麻を探すことも重要ではあるが、まず昨日の堕天使の件をリアスに報告しなければならないと思ったのだ。

故に今日は学校をサボらず、捜索も一度打ち切りである。

 

「あいたた……」

 

目の前にパンツが踊っていた。

純白のパンツと、そこから生える二本の足。

シミひとつない美しい太もも。

とりあえず助けようかと一誠は近づいて声をかける。

 

「おい、大丈夫かお前」

「す、すいません。ありがとうございます。

 な、なんでこんな平坦な道で転んでしまうんでしょう……」

 

かわいらしい女性の声がパンツから聞こえてくる。

あたりには衣服が散らばり、恐らく頭があるであろうそこには白い布のヴェールのようなもので覆われていた。

体勢を立て直すと、どうにも視線を気にしないのか、パンツを隠そうともしない。

いや、見えていると思っていないのだろうか。

 

「ありゃりゃ……こいつはひでぇ。

 ほら、とりあえず立てよあんた」

「う、うぅ……すみません……」

 

手を差し伸べ、それを少女がつかみ取る。

ぐいと引っ張って無理矢理立たせると、急な突風が吹き、頭を覆っていた白い布が吹き飛んだ。

 

「きゃっ」

 

あらわになったその顔は、とても可愛らしい。

金髪のロングヘア。肌は白く透き通っていて、瞳の色は、エメラルドグリーンというのだろうか?

まるで人形のような女の子。

 

「ほらよ」

「あ、その……えへへ、すみません」

 

衣服をまとめ、飛んでしまった布を渡すと、彼女は顔を赤らめながら礼を言った。

どうも見覚えもなく、この大荷物からしてよそから来た外人さんであろうことは明白だ。

それにしてもずいぶんと日本語がうまい。

まあ別にどうでもいいのだけれど。

 

「旅行か?」

「いえ、違うんです。

 この町の教会に赴任することになりまして……」

 

なるほど、この格好からして、どうやら教会のシスターというやつのようだ。

よく見れば、胸に十字架の首飾りがかけられている。

見た瞬間に何かがチリッと体を焦がしたように感じた。

まぁ悪魔だろうから、聖なるものとかに弱いとかいう設定があるのだろうと考え直すと、とりあえずかばんを持つ。

 

「え、あの」

「ほら、教会だろ?

 行くぞ。荷物くらい持ってやる」

 

時間をみると、まだ余裕はあった。

学校に遅刻はしないだろう。

自称フェミニスト兵藤一誠。

生まれて初めての道案内である。(ちなみにこちらから道案内を買って出ると、たいていの場合逃げられるのが一誠であった)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「親切なお方にあえてよかったです。

 これも主のお導きですねっ」

 

目の前の少女はそういってにっこりと笑う。

花が咲いたような笑顔を見せるシスターの少女は、先ほど一誠が持っていこうとした鞄を手に花畑の合間を歩いている。

荷物を持とうとしたら、そこまでさせてしまうのは申し訳ないと鞄を自分で持ってしまったのだ。

まぁ、彼女の意向であるのでそれに従うのみである。

 

「……」

 

首にかけられている十字架を再び見ると、今度は何か嫌悪感というのだろうか。

そのようなものを感じた。

 

悪魔には、そんな弱点もあるのか。

 

そう思いながら歩いていると、何やら声が聞こえる。

大泣きしている少年の声だった。

一誠が横に目を向けると、そこには予想通り、これから学校に向かうであろう小学生の少年がひざをすりむいて泣いている。

一誠がため息をつくと、とりあえず泣き止ませようと近づいていく。

しかし、その前にシスターの少女が駆けよって頭をなでていた。

 

「男の子がこのくらいのけがで泣いてはダメですよ?」

 

そういうと、けがをした膝に少女が手をかざす。

彼女の左手の指輪が輝き、膝の擦り傷を包み込んでいくと、なんとけがが見る見るうちに治っていくではないか。

一誠は驚き、彼女を見た。

彼女からは堕天使のような気配は感じないし、悪魔でもないのだろう。

もしや、これは神器なのか。

姫島朱乃の言葉を思い出す。

 

――――特定の人間にのみ宿る大きな力。

 

なるほど、これは確かに大きな力だ。

自分のこの神器もそうだが、この《癒し》の力はさらに大きな力だろう。

 

「っ!?」

 

――――ドクンッ

 

左手が何かに呼応するかのように騒ぎだす。

恐らくはこの《癒し》の力に反応しているのだろうが……どこかの漫画のように、ひかれあうのだろうか。

神器使いと神器使いは。

 

「はい、傷はなくなりました。

 もう大丈夫ですよ?」

 

少女が手をかざすのをやめると、そこには傷一つない綺麗な男子の膝があった。

治療は終わったようである。

左手の疼きも、消えていた。

 

「あ……」

 

こちらを見ると、ハッとしたように眼を見開いた。

もしかしてだが。

 

「俺の存在忘れてたか?」

「え、えへへ……つい……」

 

知らないとはいえ仮にもこの町の“最強”を忘れるとは。

こいつ、なかなかに大物の予感がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「驚いたでしょう?」

 

教会への道を歩いていると、彼女の方から声をかけてくる。

驚いたでしょう?と言われて、なんて返せばいいのだろうか。

 

「ん、まぁ……多少な。

 俺も妙な力持ってるし」

「まぁ……そうなんですか?」

 

驚いた顔をしている。

どうやら信じているらしい。

普通、こんな荒唐無稽な話信じないだろ。と思いつつも、そんな世界で生きてきたんだろうと少しうらやましく思う。

そんな世界に身を置けるなら、俺ももっと早く強くなれただろうに。

 

「神様からいただいた、素晴らしい力なんですよ」

 

そこまでしゃべると、少女は表情を少し暗くした。

自嘲するかのように笑うその表情を見ると、どうにもやりにくい。

 

「そう、素晴らしい力……」

 

素晴らしい表情には思えないが。

そんなことを思いつつも、二人は教会への道を着実に進んでいく。

 

「あ、あそこですね?」

 

そう言って先ほどまで暗くしていた表情を無理矢理明るく変えた少女の目線の先にあるのは、この町唯一の教会。

悪魔に導かれて教会にたどり着くとは、この少女もどこか変わっている。

 

「あぁ、この町にある教会と言ったら、あそこくらいだからな」

「よかった~。

 本当に助かりました!」

 

教会を目にした瞬間から、やはりというべきか何か違和感を感じる。

この建物を、踏み潰したい。蹂躙したい衝動に駆られるのだ。

神がどうのとか、聖なるものがどうのとかいう奴に対して、この体は拒絶反応を起こすらしい。

悪魔らしいと言えばらしいか。

 

「よし、じゃあ俺はこのまま学校に行く。

 ここからはもう大丈夫だろ?」

「あ、そういえばそんな時間帯でしたよね?

 すみません、なんだかご迷惑をおかけしたみたいで」

「いや、いいもの見せてもらったから、別にかまわねーよ。

 俺は兵藤一誠。機会があれば、また会おう」

 

そういって手を差し出す。

きょとんとする少女だが、理解したような表情で一誠の手を握った。

 

「わたしは、アーシア=アルジェントと申します。

 アーシアと呼んでくださいね」

 

聖女と“死神”の出会い。

それは、一つの事件を巻き起こす引き金となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部室の裏手。

 

「……お前、何してんの」

 

放課後、誰もいない部室から、窓を開けて景色を見ようとした一誠の目の前で、木場が何かしていた。

剣を二本持ち、周囲が凍り付いている剣と燃えている剣をもって、両方を上にかざしていた。

 

「いや、その、あはは、ちょっとね……」

 

何かをしたいのはわかるのだが、こいつはいったい何をしようとしているのだろうか。

そう思ってみていると、剣が交わっていく。

両方の剣が一つになり、触れただけで火傷する冷たさの剣的なのが出来上がったのだろうか。

満足そうだ。

 

「あのさ」

「はぁ……はぁ……。

 なんだいっ!?」

 

めちゃくちゃニコニコしながら一誠の方を見てくる木場。

どう?どう?と、まるで褒めてほしい犬みたいな感じだ。

こいつ、こんなんだったっけ?と思いながら思ったことを口にする。

 

「ドライアイスみたい」

「ドライ……」

 

落ち込んじまった……なんでだよ。

一誠は外に向かって、紫煙を吐き続けた。




今日はここまででございます。

遅筆のめたるみーと。と恐れられたこの私の本領発揮というわけだ
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