第二次小説スーパーロボット大戦   作:L田深愚

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結合獣ボングが出ます!


第二話「参上! スクランブル騎士団(ナイツ)!!」

 再び襲来したギルギルガンとの戦いが終わり、甲児は初陣を済ませた吾郎たちの様子を見に宇宙科学研究所へ飛んだ。

 

「こちら兜甲児、宇宙科学研究所応答せよ」

「こちら宇宙科学研究所、甲児君どうぞ」

「吾郎たちの様子が心配なんで、ちょっと寄らせてもらいます」

「了解、到着をお待ちしております」

 

 ほどなくして甲児操るゴッドマジンガーは研究所周囲の空き地に着陸し翼を収納、頭部から分離した操縦器ゴッドファルコンが発着場へ舞い降りた。

 ひかるたちに挨拶し、怪我一つなく初陣を勝利で飾った吾郎たちの健闘を称えると、甲児はグレンダイザーの格納庫へ向かう。

 腹這いで横たわる傷一つないグレンダイザー。

 かつて破壊された首も肩も脇腹も、元と見分けがつかないほど巧みに補修されている。

 ――――どうせならギャラハンのやつ、スペイザーも使ってきたらよかったのに。

 そうしたら分捕って持って帰れたのにな。

 宇宙航行ユニットの円盤スペイザーを失ってUFOロボではなくなり、むき出しとなっている宇宙の王者を眺めながら、甲児は未来世界での戦いとその顛末を思い返す。

 

 ――――千二百年後の未来世界を支配し、文明のことごとくを失った人類を虐げていた意志あるロボット軍団神聖騎士(ゴーディアン)

 だがその野望は時を超え未来へやって来たスーパーロボット軍団の前に粉砕された。

 神聖騎士を束ねるシャムロック大帝を、裏から操っていた騎士ギャラハンを追い詰めたダブルマジンガーはその驚愕の正体を知る。

 ロケットパンチとアトミックパンチで打ち砕かれた鎧の中から現れたのはグレンダイザー……甲児たちが皆寿命を迎えこの世を去った後、人類を襲った神聖騎士に立ち向かうべくフリード星から駆け付けたデュークの子孫、シオン・フリードのグレンダイザーだ。

 だが奮戦むなしくシオン・フリードは敗れ、機体を奪われた。

 神聖騎士たちを生み出した支配者、グレンダイザーから噴き上がった炎の巨人、ミケーネ帝国の闇の帝王ギャラハン皇帝によって。

 

 スーパーロボット軍団と闇の帝王の大激戦。

 しかしその戦いは意外な展開を見せる。

 古代ミケーネ時代より仕えていたギャラハンの側近パリアッチョ――――再生されたあしゅら男爵が、四千年もの長きにわたり続いた待遇の悪さに遂に反旗を翻したのだ。

 兜十蔵がプロトタイプとして設計したはいいものの、重大な欠陥とそのあまりの危険性ゆえに設計図だけを残して葬り去った悪魔のロボット、デビルマジンガー。

 その設計図を盗み出し秘匿し続けていたパリアッチョは、倒された地獄大元帥から取り出し保存していたドクターヘルの脳髄を組み込んでそれを完成させ、繰り出して来たのだ。

 人間の感情を、()()()()()()()()()()()()()()()()エネルギーに変え、操縦者にフィードバックし、姿さえも変貌させて際限なく負の感情を増大させてゆくデビルマジンガーと、この世のすべてを憎み続けたヘルの相性は抜群で、その力の前にグレンダイザーのボディはたやすく破壊され、本体の闇の帝王ですらその炎を構成する精神エネルギーを吸い尽くされてあっけなく終わりを遂げた。

 

 超合金を紙細工のように引き裂き、一度動けば目にもとまらぬ俊敏さ、ゲッタードラゴン必殺のシャインスパークすら通じない悪魔を前に、絶望の二文字が頭をもたげる。

 しかし希望は残されていた。

 兜剣造が設計し弓教授に託していた、デビルマジンガーへの対抗策――――ゴッドマジンガー。

 マジンガーZを改造することで誕生したその守護神は、兜甲児の不屈の精神力を力に変えて遂にデビルマジンガーを、ドクターヘルの亡霊を滅ぼした。

 

□□□□

 

 宇宙金属獣ギルギルガンと、空魔獣グランゲンが日本を襲った翌日。

 宇宙科学研究所には早乙女博士と兜甲児に弓さやか、剣鉄也と国防軍参謀長官が集まっていた。

 

「お集まりいただいてありがとうございます、これからあの宇宙怪獣を送り込んできた宇宙人――――ダムドム星人への対策を話し合っていきたいと思う」

「ダムドム星人!?」

「宇門博士、あなたは奴らを知っていたのですか?」

 突然判明した敵の名前に、一同はざわめいた。

「ええ、最初にギルギルガンが現れた時、大介が教えてくれましてね……なんでも、かつてはベガ星連合軍と勢力を二分するほどの連中で、その性質は残忍極まりないと」

 それを聞いて参謀長官が呻いた。

「ううむ……今までは少数の強力な宇宙怪獣と指揮を執る母艦だけだったが、もしもベガ星連合軍のように大量の小型円盤を繰り出されては、さすがのロボット軍団といえども手が足りんぞ……」

「国防軍のシーフォース級戦艦の防空システムなら円盤相手でも守りは固いが、ゲッターMであの宇宙怪獣相手にどこまでやれるか……」

 

 ゲッターM──量産型ゲッター──作業用ゲッターの一部を国防軍が戦闘用に改造したもので、合体変形機能こそ廃されているものの、その分エネルギー容量は増やされており、各種実弾火器も充実している。

 空中用のM1はドラゴン並みのビームを撃つことが可能だが、装甲はゲッター合金のままだ。

 シーフォース級戦艦も、かつて百鬼帝国と戦った戦艦の後継である。

 かつてのシーフォース一番艦は百鬼爆撃隊を相手に戦果を挙げた防空能力と、高度なコンピュータシステムに強固なバリアーを備え、ゲッターロボに勝るとも劣らないと謳われるほどのかなりの防御力と戦闘力を誇っていた。

 

(いつか、民間人が侵略者相手に武器をとって戦わずともいい世の中になればいいのだがなあ……)

 

 長官は、いまだ民間のスーパーロボットに頼らねばならない自分たちの不甲斐無さを心の中で嘆いた。

 

「せめて剣君の部隊の訓練が完了していればな……」

「あいつらも、やっと機体が完成して試運転を終えたばかりですからね……」

 

 出来ないことばかりを嘆いてもしょうがないので出来ることをやるしかない。

 現状では強力な怪獣が現れた場合、スーパーロボットたちが駆け付けるまで国防軍は時間を稼いで持ちこたえるしかないと結論付けられた。

 

□□□□

 

「ブレーンコンドルのコバルト爆弾、交換終わったぜ鉄也さん」

「ありがとう甲児君、これでいざという時の切り札がより強力になったぜ」

 かつてミケーネ帝国にグレートを奪われた際、ブレーンコンドルで追撃した鉄也は万能要塞ミケロスにコバルト爆弾を撃ち込んで大損害を与え奪還に成功した。

 しかしこれから先、コバルト爆弾程度では太刀打ちできない敵が現れるかもしれないため、念のため光子力研究所に立ち寄り、ミサイルの弾頭を強力かつ放射能汚染の心配のない光子力爆弾に変えてもらったのだ。

 

「ジュンさん、そろそろ産まれそうなんだろ? そばに居てやんなくていいのかい?」

「そうしたいのはやまやまなんだがこのご時世だ、ジュンもわかってくれるさ」

 剣鉄也の公私にわたるパートナー、ビューナスAの剣(旧姓炎)ジュンは現在第一子を身ごもり、予定日が迫ったため鉄也の勤務先近くの軍病院に入院中だ。

 孤児として共に育ち、戦いの果てに養父さえ喪った鉄也達は困難を乗り越えて結ばれ、今まさに新たな命を生み出そうとしている。

 そんな平和を手に入れた矢先にダムドム星人の再襲来だ。

 鉄也も強力な武器を用意したくなるはずである。

 

 レーダーが異常を察知し、研究所に警報が鳴り渡った。

 

「とんでもない数の飛行物体がこちらへ飛来してきました!」

 モニターを見れば、ベガ星の物とも異なる形状の緑色をした円盤が。

 奥の方には先日にも確認された大型母艦も見える。

 ダムドム星人だ。

「一部の円盤は富士駐屯地方面へ向かった模様」

「なんだって! その付近にはジュンの居る病院が……!!」

 焦燥に駆られた鉄也は居ても立っても居られずブレーンコンドルへ飛び乗り、研究所から飛び出した。

 早く基地へ戻り、グレートを出動させなければジュンが、お腹の子供が、街の住民が危ない……!

 だが研究所へ到達した円盤群が、そうはさせじと行く手を阻む。

「邪魔をするな!」

 コンドルビームが、ミサイルが次々と円盤を撃墜するが、さすがにこの数は荷が重い。

 鉄也の心をじわじわと焦燥感が苛んでゆく。

 

□□□□

 

 こうしちゃいられねえや!

 飛び出していった鉄也を見て、甲児は後を追うべく格納庫へ走った。

 赤いガードスーツを着込み、白のヘルメットを被ると流れるような動作で眼前の小型戦闘機────ゴッドファルコンの操縦席へ滑り込む。

 光子力エンジンが吼え、真紅の隼は大空へ舞った。

 

「マジーン・ゴー!!」

 

 甲児が叫べば汚水処理場が真っ二つに割れ、中から巨大なロボットがせり上がる。

 尖った頭部、天を衝く黄色い角、たくましく分厚い黒鉄の身体の大魔神。

 祖父の遺したマジンガーZの生まれ変わり、父が遺した甲児の愛機、ゴッドマジンガーだ。

 

「ファルコン・オン!!」

 

 ゴッドファルコンが真っ逆さまに頭部へとドッキングし、両眼が輝いた。

 両腕を振り上げて咆哮すれば、覇気が迸ったかのように光子力エネルギーが漲った。

 

「ゴッドスクランダー!!」

 

 背中からグレートのスクランブルダッシュと同じ収納式の翼が飛び出す。

 

「待ってろよ鉄也さん、道中の露払いはゴッドマジンガーが引き受けたぜ!!」

 

 ブレーンコンドル目掛けて、紅の翼を広げたゴッドマジンガーが猛然と追い上げた。

 

□□□□

 

 撃っても撃っても減らない敵を前に焦りが、愛するものを喪う恐怖が鉄也を駆り立て、無力さへの怒りがその心を支配し始める。

 

「ターボスマッシャーパンチ!」

 

 その時、竜巻が飛んだかと思うほどの超高速で回転する拳が円盤群を視界から一掃した。

「鉄也さん! ここは俺に任せて早く行けぇ!!」

「甲児くん……! 恩に着るぜ!!」

「ジュンさんの一大事、他人事じゃないからな!!」

 進路がクリアになったそのチャンスを逃さず、ブレーンコンドルは全速力で駆け抜けた。

 

「さあダムドム星人! 兜甲児とゴッドマジンガーが相手だ!!」

 甲児の勇気に応えるように胸のZが輝き、光子力エネルギーが迸った。

 数が減ったのも束の間、再び集結した円盤群を相手に兜甲児とゴッドマジンガーは啖呵を切って猛然と挑みかかる。

「スクランダーカァァァァット!」

 浴びせられる光線を物ともせずに真紅の翼を羽撃かせ、轟然とジェットを吹かして敵陣へ飛び込んだゴッドはそのまま鋭い羽根で円盤を次々と切り裂いてゆく。

「マジンガーブレード!」

 両手の間でエネルギーがスパークし、一本の長剣が現れた。

 体内でミサイルを生産するエネルギー物質変換器の応用だ。

 折りたたみ式のグレートの物と違い、一体成型のため強度も切れ味も折り紙付きである。

 ゴッドが剣を頭上へと掲げれば、叫びとともに雷鳴が轟いた。

「ゴッドスパーク!!」

 眩い稲妻が四方で荒れ狂い、雲霞の如く空を覆っていた円盤群はたちまち粉砕される。

 

「ナンダコノチカラハ!? ギルギルガントタタカッタトキヨリハルカニツヨクナッテイル!!」

 

 ゴッドマジンガーの鬼神の如き戦いぶりに、母艦のダムドム星人は驚愕した。

 

 ゴッドの力の源は兜甲児の精神力だ。

 彼の不屈の意志が、燃える心が、愛するものを守ろうとする正義と友情の心が光子力エネルギーを増幅し、無限の力を与えてくれる。

 ましてや今は、固い絆で結ばれた義兄姉と言っていい鉄也、ジュンの一大事。

 兜甲児がここで奮い立たないわけがない。

 

「アトハボングニマカセルシカナイ……ヒキアゲダ!」

 

 ゴッドマジンガーに恐れをなした母艦は陽動を諦め、本命の基地攻撃を先んじて発進させていた宇宙怪獣と小型円盤に任せて退却した。

 

□□□□

 

「こちら剣だ、富士基地、グレート・マジンガー発進用意!」

 鉄也からの通信を受けて基地のカタパルトが作動し、伝えられた方位へグレート・マジンガーが射出される。

 円盤迎撃のため一足先にスクランブルした近場の航空隊は、ゲッターM1を持ってしてもあまりの物量と速度に奴らを取り逃がした。

 基地側も円盤を確認し、ミサイルや対空砲で迎撃するが効果は今ひとつだ。

 

「コノキチデテストシテイルシンヘイキヲタタキツブスノダ!」

 

 奴らの狙いは訓練中の鉄也の部隊だ。

 対空砲火をすり抜けた一機の円盤が、格納庫へ狙いを定める。

 破壊光線が放たれる刹那、一条のビームが円盤を貫き爆散させた。

 

 ブレーンコンドルが間に合ったのだ。

 迫る円盤の攻撃を掻い潜ってブレーンコンドルが真っ直ぐ頭部へドッキングし、背中から真紅の翼が展開した。

 

「ファイヤーオン! スクランブルダッシュ!!」

 

 大空の勇者が、戦火の空へ飛び立った。

 

「グレートブーメラン!!」

 胸のV字状放熱板が取り外され、勢いよく投擲される。

「アトミックパンチ!!」

 グレートの前腕部が、回転しながら火を噴いて飛んだ。

 猛然と回転して風を切る真っ赤なブーメランは、鉄也が見切った軌道をそのままなぞるようにほんの一瞬直線上に並んだ円盤を次々と切り裂き、空飛ぶ鉄拳が円盤をまとめて打ち砕いてゆく。

 

「────むっ!?」

 

 円盤が残り少なくなった頃、巨大な火の玉がこちらへ近づいてきた。

 火球の中から現れたのは、戦闘機や戦車、ミサイル等の、兵器の集合体としか形容できない新手の宇宙怪獣、結合獣ボングだ。

 ボングの目から破壊光線が放たれる。

 当然躱そうとするグレートだったが、あろうことか自分から光線を浴びてしまった。

「卑怯者め……」

 それもそのはず、奴の狙いはグレートではなく守るべき基地だった。

 この富士基地がやられてしまったら、防衛計画は水の泡になってしまう。

 

「フハハハハハハ、コレハイイゾ、ジブンカラアタリニキテクレルトハナ! ヤレボングヨ!! ウッテウッテウチマクレ!!」

 

 遠くからモニターで監視しているダムドム星人司令官は、上機嫌で追撃の指令を下す。

 熱線砲が、ミサイル砲が火を噴いて辺りを火の海にせんとする。

 それを手にしたマジンガーブレードで切り払い、身を挺して防ぐグレート。

「うおおおおおっ!?」

 衝撃で揺さぶられ、コクピットに叩きつけられ、ガードスーツ越しでもダメージが鉄也自身に蓄積してゆく。

 

「トドメダ!!」

 

 ボング脚部から分離した大型ミサイルがグレートに迫る。

 

 ――――こんなところでやられてたまるか!!

 

 せめて腕一本の犠牲で凌ごうとパンチを放とうとした瞬間――――

 

 光子力ビームがミサイルを撃ち落としていた。

 

「ナニッ!?」

 

 マジンガーではない。

 光子力ビームを撃ち、ソニックブームを巻き起こして飛び去ったそれは、スクランダーを思わせる形状の戦闘機だ。

 続いて小型ミサイルが、熱線砲がボングを直撃した。

 ロボットの頭部にでもドッキングしそうな小型戦闘機が、履帯を鳴らして突き進む重戦車が次々と格納庫から姿を現し、攻撃を加えている。

 鉄也はその援軍を知り尽くすほどに知っていた。

「お前たち……!!」

 

「騎兵隊の到着だぜ剣隊長! スクランブル騎士団(ナイツ)、参上!!」

 

 剣鉄也が隊長を務める新兵器・戦術実験部隊、通称スクランブル騎士団が駆け付けたのだ。

 

「訓練と実戦は違うんだぞ馬鹿野郎! 無茶しやがって……お前ら生きて帰ったらたっぷりしごいてやるからな!!」

 配属前の部隊でならしていたとはいえ、慣熟訓練も満足に終わっていない部下たちの救援に、鉄也は胸を熱くしながら口では小言をぶつける。

「きゃあ~~お許しを! でも隊長にもしものことがあったらジュンちゃんがかわいそうなのよねー」

「なにがジュンちゃんだ! 五ェ門、お前はノルマ倍にしてやる」

 しょんなぁ~~~~と情けない悲鳴を上げながらも、巧みに攻撃を躱しているスクランブルジェットの五ェ門。

 大口径の熱線砲を備えた重戦車スクランブルタンクの直次郎と、小型戦闘機スクランブルホークの吉三(きちざ)

 

 そして――――フィンガーミサイルが飛び、日本刀型のマジンガーブレードを携えた鋼の女神、ビューナスAがボングへ斬りかかる。

 

「ジュンの姐さんから預かったビューナス、白星で飾ってやるよ!!」

 

 抜けば玉散る氷の刃とばかりに、卑劣千万な宇宙怪獣への一太刀で胸の砲身を斬り落とした彼女の名は菊の助。

 

 かつてのグレンダイザーと各スペイザーをヒントに結成された、ジャパニウム合金と光子力エネルギーで作られた空陸戦力のテストと、スーパーロボットの連携戦術を練り上げる部隊こそがこのスクランブル騎士団であり、実力ピカイチなれど国防軍のはみ出し者な彼ら小菅兄妹こそが、鉄也とジュンの頼れる部下たちなのだった。

「トドメだ!」

 

 耳の角から放たれた電撃が天を撃てば、俄に黒雲が立ち込め、雷鳴が轟いた。

 グレートの雷雲発生装置だ。

 降り注いだ稲妻をその身に受けて、蓄えたそれが指先から放たれる。

 

「サンダーブレーク!!」

 

 鉄也の叫びとともに迸った高圧電流がボングを打ち据え、粉微塵に粉砕した。

 

 勝利にスクランブル騎士団から歓声が上がる。

 だが鉄也は油断せず天を睨む。

「よし! 後顧の憂いを断つぞ!! ――――グレートブースター射出!!」

 雲の切れ間に母艦を発見した鉄也は、トドメを刺すべく基地へ通信をつなぎグレー1色の無人航空機を呼び出した。

 カタパルトから飛び出したのは、グレート・マジンガーのオプション装備にして最大の武器、グレートブースターだ。

 翼を広げ空に舞ったグレートと、ブースターの距離がグングン縮まってゆく。

 

「グレートブースター・オン!!」

 

 直前でスクランブルダッシュが収納され、背中にブースターがドッキング。

 グレートを凄まじい速度で空の彼方へ運び去ってゆく。

 

「イカン! ミツカッタ!!」

 

 急接近するグレートを認め、破壊光線で迎撃しようとするダムドム星人。

 だがそうは問屋が卸さない。

 超高速で駆け抜けるグレートを捉えることが出来ないまま、致命的な距離まで詰め寄られてしまう。

 

「グレートブースター、発射!!」

 

 分離したブースターが必殺の弾丸として放たれ、先端に輝く超合金のニードルが母艦の装甲をぶち抜いて、あっさりと向こう側まで貫通した。

 

「これで終わりだ!」

 

 火を噴いて爆散する宇宙母艦を見つめ、鉄也はそう言い放つ。

 

 残った数少ない円盤も、スクランブル騎士団によって掃討されている。

 

「周囲に敵の反応無し、我々の勝利です!」

 

 戦いの終わりを告げる基地からの通信に、一同は沸いた。

 

□□□□

 

 ────母艦の残骸が沈んだ海の底。

 そこに2つの蠢くものがあった。

 切り札として温存されており、奇跡的に無事だった宇宙怪獣の卵だ。

 

「モハヤコノイノチヲヒキカエニシテデモヤツラヲタオスシカミチハナイ……アトヲタノムゾピクドロン! ギルギルガン……!!」

 

 殻を破り産声をあげた幼体ギルギルガンは、その()()()をあちこちに伸ばして海底に散らばる残骸を飼い主諸共貪り始め、もう一体の怪獣ピクドロンもその輝く姿を暗黒の水底へ晒し、高らかに咆哮した。

所謂光子力3Dプリンターのこと。昭和の頃はそういう名前だった。




スクランブル騎士団の五ェ門は苗字が小菅なんです!!
ほら、牧葉さんちの団兵衛さんも駄ェ門じゃないでしょう?
他のメンバー? せっかくだし、ねえ?

※スクランブル騎士団とは、グレートのタイトルがまだゴッドマジンガーだった頃に設定されていた仲間たちのことです。
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