高校日常伝タフ   作:イッチー団長

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小学校の話にしたかったけど……あんまり小学校要素無いわっ!
まぁ高校鉄拳伝も高校要素少ないからバランスはとれてるんだけどね


小学校鉄拳伝タフ

 神戸市立猿渡小学校(通称:猿小)。

 漫画家猿〇哲也氏が500億円をかけて創立した小学校である。そこでは日夜、“異常猿愛者”を育てる教育プログラムが実施されていた……。

 

 

 

「なめるな女子豚ァーッ! 本当はファックしたいんだろうが!」

 男子の拳が女子の顔面に直撃し、女子は大きく吹き飛ばされてしまった。

 

「おとなしくしろい!」

「いやあっ! だ……誰か助けてっ!」

 と、その時である。

「どけ男子。俺が最初にいただく」

「せ……先生!?」

「ククククク、ありがたく思いな。そのウス汚ねえブッシーに俺のご機嫌なコックをぶち込んでやるぜ。ククク」

 今日も平和な一日の始まりである。

 

 

 

「お前ら席に付け。今日は二人の転校生を紹介するぞ」

「「「なにっ!?」」」

 『転校生』。教師が口にしたその言葉で、教室の中の空気は一変した。ある者は期待に胸を膨らませ、ある者は黒い欲望を胸に抱いた。

 

「転校生ってどんな奴だろうな。女かな? 男かな?」

「俺はジェンダーレスだぜ。男子でも女子でも平等に凌辱してやるのよ」

「なんなら私がグチャグチャにしてやりますよ」

 

 そんな空気感の中、教室に入ってきたのは……

「どうも。宮沢熹一と言います」

「長岡龍星です。よろしくお願いします」

 どう考えても小学生には見えない二人であった。

 

 

 

────

 話は少し遡る。

 

「ワシらが小学校に編入!?」

 猿〇哲也氏に呼び出された熹一達。そこで告げられた衝撃の内容に、開いた口も塞がらなくなってしまった。

 

「あぁ。猿小に通えばキー坊達にも良い経験が出来ると思うんだ」

「ぐ、具体的には何があるんです……?」

「……」

 それ以降、猿渡氏が口を開くことは無かった。

 

「猿先生何も考えてないと思いますよ」

「真顔で何てこと言うんや龍ちゃん……」

 

 

 

────

(ってことで入学したはええけど、ワシら大の大人やで。小学生に混じったら違和感あり過ぎるやろ……)

 

「では学級委員の“彼”に学校を案内して貰いましょう」

「彼? ……っ!?」

 教師から指名され立ち上がったのは、熹一達も良く知る男だった。

 身長は熹一達よりも遥かに高い。頭をスキンヘッドに刈り、特徴的な二本の髭を生やした巨漢であった。

 

「5年3組の学級委員として、猿先生からお墨付きを頂いている」

 ハイパー・バトルで熹一と戦った男。暴殺拳の使い手、彪である。

「何でお前も小学生やってるんやあーっ!」

 

 

 

「この猿小の理念は“調和”。全ての学生がお互いを尊敬し、認め合うことを目標としている」

「へぇ……案外まともな学校なんやな」

 彪は熹一と龍星を連れ、廊下を歩いていた。

 だがそこに、

「ボクゥ? 5年生の子やね? ちょう6年生のお兄チャンたちにつきおうてや」

 明らかにガラの悪い集団が現れた。しかも中央の男は身長3mを優に超す巨人である。

 

「ふんっ!」

 彪の暴殺拳“剛勁”により、男達は一瞬で吹っ飛んでいった。

「この学校にはああいう輩が多いから気を付けろ」

「前言撤回。クソみたいな学校やな!」

 

 

 

────

 時刻は8時30分。キンコンと懐かしいチャイム音が聞こえると同時に、地鳴りのような音が廊下に響き渡った。全校生徒が一斉に移動する足音であった。

 

『私はキャプテン・校内放送。この放送を聞いてる君たちは選ばれし者。全校集会に出るチャンスを得た強き者。

 単刀直入に言おう。校内のある場所へ行って欲しい。名は“体育館”。全校生徒が集える場所で、もちろんめちゃくちゃ広い。しかもこの集会には絶対守らなければならない条件がある。

 移動する時は廊下を走ってはならな

「放送してる内に全員移動終わりますよね?」

 

 

 

 というわけで、熹一達は集会に出るために体育館に集まっていた。

 季節は冬真っ只中だが、ひんやりとした床に直に尻を降ろす。生徒達がぶつくさと文句を言う中、壇上に中年の男が上がり、マイクの前で一礼をした。

 

「あ……あの人は!」

「何や龍星、知り合いか?」

「知ってるも何も……」

 

「おはようございます。校長の本山です」

 本山昌。本山流体術道場の師範であり、龍星の(一応)元師匠であった男である。

「何やってるんですか本山先生……」

 

「はっはあーっ! 英雄色を好むというじゃないか! コレ(性欲)が強い奴はコッチ(指導力)も強いものよ!」

「先生まずいだろ。生徒の前で本音をぶっちゃけたらよう」

「あうっ。か……影丸先輩までいるのかあっ」

 

 

 

「守・破・離という成長段階がうんぬんかんぬん……」

 既に本山校長の話は30分続いていた。生徒達は飽き始め、居眠りをする者、友人とお喋りをする者、レイプやクスリをする者が続出していた。

「中身のない奴ほど話が長いものですね」

 龍星がポツリと漏らした言葉に、本山の話は途切れた。シンと気まずい空気が流れる体育館。その空気を断ち切ったのは、またしても龍星の言葉であった。

 

「人面獣心のクソ野郎と言ったんですよ、本山先生。中学生を愛人にして孕ませていながら、人を指導する立場に就いたって聞いた時はさすがにビックリしましたよ」

「龍星……」

 全校生徒が、本山が口を開くのを今か今かと待ちわびる中、本山は……

「いや俺、小学生は恋愛対象じゃないから」

「……は?」

 今度は龍星が言葉を失う番であった。

 

「タチ悪いよなぁ俺も。ロリコン趣味の変態だが……小学生よりも中学生くらいの成長段階がドストライクなんだからなあっ!」

「だから何だってんだよえーっ!」

 

「その気持ち……分かるぜ校長っ!」

「うおおお! 校長! 校長っ!」

「何で盛り上がってるんやこの学校はあーっ!!」

 

「というわけで、家庭環境に問題ある生徒は言って下さい。私が援助しますからね。朝礼は以上です」

「やっぱり本山先生は清々しいくらいのクズですね……」

 

 

 

────

「不審者情報?」

 帰りの会にて、担任からそんなことを告げられた。

 

「はい。最近小学生を連れ去ってレイプして証拠隠滅に殺害する事件が多発してるので、熹一君達も充分注意してくださいね」

「凶悪犯罪やないか! 警察は何してるんやあーっ!」

「ほら、ここ神戸だし……ここ神戸だし」

「貴様ーッ! 神戸を愚弄する気かぁっ!」

 

「ま、まぁワシらや彪なら不審者が出ても大丈夫やろ」

「……いや、そうとは限らん」

 彪は腕を組みながら、神妙な面持ちで口を開いた。

「何でも不審者は武術の達人らしい。私達でも気を抜いてはならんぞ」

 

(武術家で性犯罪者ってま……まさか……)

 龍星の頭に、一人の男の姿が浮かんできた。

(本山先生……?)

 

 

 

────

 そして下校時間。

「校長先生、さようなら~」

「はい、さようなら」

 女子児童は本山校長に手を振りながら、校門を出て行った。

 

(不審者怖いなぁ……でもここら辺は人通り多いし、大丈夫だよね?)

 事実、その少女の通学路は大通りが多く、大人の目の行き届く場所がほとんどであった。ただ一箇所を除いては……。

 その一箇所だけある狭い路地裏に差し掛かった時のことである。

「お嬢さん、一人ですか?」

 一人の男が彼女に声を掛けてきた。

 

(スカルのカンフーシューズ?)

 日本語を話しているが、恐らく日本人ではないだろう。中国風の衣装を身に纏った男であった。

 身長こそ一般人と大差ないが、明らかに素人のソレとは違う、異質で危険なオーラを放っている。

 

「ニーハオ」

 “剛脚僧侶”。少林拳の馮文宝である。

 

 

 

「あ……あの……」

 馮の持つ禍々しい気配に、少女は思わず後退りしてしまう。

 顔だけはにこやかに、しかしどす黒い欲望を内包しながら、馮は少女に距離を詰めていく。

「きゃああああ!」

 馮の手が少女に触れようとした、その時である。

 

「ぐっ……!」

 馮の身体は、近くにあったゴミ箱に突っ込んでいた。

 何者かの蹴りで吹き飛ばされてしまったのだ。

 武術家の馮には、その蹴りが素人のものでないことは容易に察することが出来た。

 その蹴りの主は……

 

「も……本山校長!」

「はっはあーっ! 英雄色を好むというじゃないか! コレ(性欲)が強い奴はコッチ(察知力)も強いものよ!」

 

 

 

「怪我はないかね?」

「は、はい……ありがとうございます」

「この恩は中学生になった時に返してくれればいいさ」

「……は?」

 しかし、その時である。

「離れろ! はうっ……!」

 

 少女を突き飛ばした本山。そんな彼の腹部に、馮の脚がめり込んでいた。

「も、本山先生!」

「だ、大丈夫だ……ぐぅ!」

(何だこの蹴りは……!?)

 今まで味わったことのない蹴りであった。蹴られた部分よりも、寧ろ内臓にダメージが入っているのを感じる。その痛みはじわりじわりと広がり、やがて本山は膝を折ってしまった。

 

「“潜隠爆破脚”。日本鬼子よ、お前は三年以内に死ぬ」

(何だと……? そう言えば聞いたことがある。中国拳法には、人体の外部ではなく内部を破壊する技があると……)

 

「さぁ、これで邪魔者はいなくなった。お嬢さん、私と楽しみましょう。なぁに、天井のシミを数えていれば終わりますよ」

「い……いやぁ……助けて本山先生!」

 泣き喚く少女に、馮の魔の手は無慈悲に伸ばされる。

 しかし、

 

「そうか……俺はあと三年も生きられるのか」

「なにっ!?」

 立った……“潜隠爆破脚”をモロに受けた本山が立ち上がったのだ。

 

 

 

────

(そう言えば、昔、愛人の中学生から言われたことがあったな……)

 

「ねぇ、本山先生はどうして私に良くしてくれるの?」

「私はね、与える人生を送っていきたいんだよ」

 

 人間はね、何も持たず生まれてきて、何も持たず一人で死んでいく。

 いくらお金を稼いでも持っていくことは出来ない。

 だけどね、必ず残っていくものがあるんですよ。

 お金も……築いた文化も……育てた人間も……家庭環境に問題のある中学生に孕ませた子供も……与えたものだけはみんな残っていく。

 

「どうせなら与える人生を送っていきたい。ただそれだけです」

 

(宮沢熹一のコメント)うおおおおお!! 親父のセリフを馬鹿にすなあっ!

 

 

 

────

「日本鬼子よ、何がお前を奮い立たせる?」

「誰だって……“その道”じゃ負けたくないってことが……あるよな……」

 本山の言い知れぬ威圧感に、馮は思わず構えをとってしまう。

 

「“その性癖(ロリコン)”には……オレぁ~~~……まぁ……負けられないわな

 本山の口元が不敵につり上がった。馮はただただ彼を睨むことしか出来ない。

 

「言いたい事は……いくつかあるんだよ……ま……一言で言うなら」

 本山の身体がゆっくりと動き始める。腕に、脚に、歯に、目に、そして心に、目一杯の力が充満していく。

 

「本気にさせたな」

 

 一秒後。

「はうっ……!」

 本山は敗北した。

 

 

 

────

「……はっ!?」

 本山が目覚めたのは、白いベッドの上だった。混乱する彼の顔を、一人の青年が覗き込んだ。

 

「人面獣心のクソ野郎と言ったんですよ、本山先生。怪我をして生徒を悲しませたと聞いた時はさすがにビックリしましたよ」

「龍星……なるほど、ここは保健室か。ということは俺は……負けたんスか?」

「格好付けた割に瞬殺でしたね」

「はうっ!」

 本山は己の不甲斐なさにガックリと肩を落とした。

 

「落ち込んでる暇があるなら、彼女に何か言ってあげたらどうですか?」

 そう言って龍星がドアの方を指差すと、一人の少女がペコリとお辞儀をした。本山が助けた少女であった。

 

「本山先生、ありがとうございました。怪我は大丈夫ですか?」

 少女の純粋な感謝に、目頭が熱くなるのを感じながら、本山は

「マイペンライ!(大丈夫)」

 とサムズアップを返した。

「だから格好付けんなやあーっ!」

 

 

 

 その後、中学生になった彼女を、本山が愛人にしたのはまた別のお話。

「台無しやないかあーっ!」




人面獣心のクソ野郎と言ったんですよ本山先生。
後半からキー坊や龍星の出番を奪ったと聞いた時にはさすがにビックリしましたよ。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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