憲兵の俺は今日も鎮守府で勤務する   作:とある組織の生体兵器

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深夜、思いついてその場のノリで書きました。


1話

1話

 

「はぁ〜…。」

 

 俺はため息を吐く。俺はこの鎮守府に所属している者だ。階級は大尉。名前は瀬戸。この世界は危機に晒されている。今までの生活上普通だったのに、突如現れた深海棲艦。人間の作る兵器じゃ歯が立たない。全く効果がないわけではなく、有効的ではないということだ。まあ、世界は混乱。世界恐慌のように。まあでも、そんな状態なら俺は今ここにいない。対抗する力の存在…それが艦娘である。

 

「提督、そんな顔してどうしたの?」

 

 こんな美少女が艦娘である。艦娘は元々一般人であり、装備をつけて出撃するって感じだ。コストは安いは、自衛隊の艦も使わなくて済むわで大変好評。…なーんて、本人たちの目の前で言ったらぶっ殺されるのだが。美少女揃いで、不細工なし。顔採用なんじゃないの?と思う。なんともまあ、不平等な世の中になったものだ。おっと、これも言ったらぶっ殺される…。

 

「元気ないね。」

 

 そう、こんなに心配してくれる美少女に囲まれる職であり、男たちの憧れの提督。それが、俺の…。

 

『いや、最近海域奪還が難しくて…。』

 

『ちゃんと休まなくちゃダメだよ。』

 

 それが、俺の上司である。そう、俺は漫画で言うコマの途切れ部分のモブ。つまるところ、俺は憲兵だ。鎮守府の外側に立ち、そんなイチャイチャしているところを見せつけられる役だ。そして、そのイチャイチャするカップルを取り締まったりするのが俺の仕事なのだが……。

何か事案を起こさねぇかなぁ。

 

「副隊長〜そんな般若のような顔で見てたら何か変なこと言われますよ。」

 

「うるせぇ佐々木!あんなもん見せつけんのが悪いんじゃねぇか!」

 

「えっ?それって嫉妬ですか?」

 

「はー!?面白いな!本当に面白すぎて反吐が出る!」

 

「はいはい。もういいですから仕事してください。」

 

 コイツは俺より年下の佐々木。コイツは意外と優秀で、若いのに中尉だ。しかも、俺の補佐。史上最年少中尉とまで言われている。ま、俺も優秀なんだけどねっ!

 

「くそ〜…。同じ海軍なのに、なんたる差!なぜ俺は提督になれないんだっ!」

 

「性格っすね。」

 

「死ね!」

 

「うひゃー怖い怖い。」

 

 こんなやり取りをしているが、実は結構仲が良いのだ。何回か飲みに行ったこともあるしな。

 

「何が悲しくて…憲兵だからっつって、なんでこんな中にも入れない鎮守府の警備なんてしなくちゃいけないんだか。」

 

「文句言わずに働いてくださいよ。」

 

「…ったく。」

 

「あ、あと少ししたら交代の時間ですよ。」

 

「へいへーい。」

 

 そう言って俺たちは持ち場についた。

 

「…今日も平和だなぁ。」

 

「…さっきの会話、隊長に聞かれていたらグーパン間違い無いっすね。」

 

「それはそれで良いかもな。」

 

「M気質なんすか?」

 

「ちげぇわ!」

 

 そんな馬鹿みたいな話をしていたら、鎮守府の方から警報が鳴り響いた。

 

「敵襲っすかね。」

 

「分からん。どうせ、演習とかじゃねぇのか?」

 

「…だと良いんすけどもね。」

 

 そう呟いて、のほほんと警備をする。

 

『第一分隊、応答するであります。』

 

「隊長〜、せっかくの平和の時間に水ささないでくださいよ。」

 

『副隊長の貴様は何を言ってるでありますか!?警報が聞こえなかったでありますか!?』

 

「第一分隊は休暇を求めます。」

 

『却下であります!』

 

「…だってよ。」

 

「残念すね。」

 

 そんな馬鹿みたいな会話で5分も潰れている。

 

『緊急招集の警報が聞こえなかったでありますか!?貴様の耳は飾りでありますか!?』

 

「あー、あれ緊急招集でしたか。今行きまーす。」

 

『=○°28☆#%!!』

 

 俺は無線機のスイッチを切る。最後、何か怒鳴り込んでいたようだけど知らん。

 

「んじゃ、佐々木行こうぜ。もう交代時間だしな。」

 

「そうっすね。」

 

 そう言って俺と佐々木は会議室へと向かった。ドアを開けるまで、「どうせ大したことないだろ」なんて思っていたが、まあ、開けたら大変だった。

 

「…マジかよ。」

 

「これは…ヤバいですね。」

 

 会議室の中には、戦艦や空母の艦娘、駆逐艦の艦娘たちがずらりと座っていた。しかも、みんな武装している。その玉座にいるのが俺らの上司である提督。その隣には、俺らの隊長が顔を真っ赤にして、随分ご立腹の様子で立っている。俺らは急足で先に着いた。

 

「遅れてすみません。」

 

「すいやせん。」

 

俺と佐々木はとにかく謝る。てか、佐々木。お前もふざけず謝れや。

 

「まあ、良い。それより、この現状を見て分かる通り、緊急事態だ。」

 

「あの、何があったんですか?俺ら何も聞いていないんですが…。」

 

「そうっすよ。」

 

俺らがそう言うと、隊長が口を開いた。

 

「深海棲艦の艦隊が本土に向けて進行しているという情報が入ったのであります。」

 

「なるほど…?」

 

俺は首を傾げる。今の話を聞いてもいまいちピンと来ませんねぇ。憲兵である俺ら関係なくない?

 

「おい、瀬戸大尉。なぜ首を傾げた?」

 

「いやぁ…俺ら関係ないじゃないですか?」

 

「…その態度が気に食わないのである。」

 

さっきまで『海域奪還が難しくて…。』なんてショボンとして、艦娘に心配されていた提督が何を言ってるのやら…。この提督は俺の上司…という形式だ。残念ながら、提督という役職に就けば、階級の関係などなしになる。俺より年下のくせして、提督になる前は少尉のくせに。ただ、別に嫌なやつではない。俺の部下の、影の薄すぎて俺すら存在を忘れる奴が風邪をひいて寝込んでいたら、わざわざお見舞いに行ってくれるほどだ。そいつが言うには、その時も艦娘を連れていて(勝手についてきた)、目の前でイチャイチャしやがるなんて(提督にそんなつもりはない)最悪だったと言っていたな。

 

「…で、私と佐々木が呼ばれたわけとは?」

 

「そうだ。貴様らにやってもらうことがある。」

 

「えぇー…。」

 

「隊長命令だ。」

 

「うげぇ…。」

 

俺が嫌そうな声を出すと、隊長に睨まれた。こえぇよ。

 

「内容は至ってシンプルだ。君たち二人は街に出て、民間人からの噂や情報を集めてきてほしい。出来ることなら、艦娘のストレス緩和のために食料などを…な。」

 

「「了解しました。」」

 

「では、早速行動に移ってくれ。」

 

そう言って、俺と佐々木は部屋を出る。

 

「…つまり、これからの面倒なクソ勤務を変更して、街に出ろと?」

 

「そっすね。」

 

「…っしゃ!提督マジ神マジ天使!突然の休暇!最高!」

 

「隊長が聞いたらまた怒られますよ。」

 

「大丈夫だ。無線のスイッチ切ってあるからな。」

 

「用意周到すぎますよ…。」

 

そう言って俺たちは長い廊下を歩き始めたら…。

 

「瀬戸大尉副隊長〜、佐々木中尉補佐〜?」

 

「「!」」

 

ゾクッ!

 

後ろから猫撫で声の隊長の声が聞こえた。慌てて振り返ると、そこには黒いオーラを放つ隊長の姿が。

 

「さっきは良くも赤恥をかかせてくれたでありますな…!」

 

そう、忘れてはいけない。この鬼の形相の者が我らが隊長。別名、艦娘のあきつ丸だ。いや、すごいこわい。

 

「いや、無線機の調子が悪くて…おっかしいなぁ。」

 

俺はなんとか誤魔化そうと、無線機を振ったりする。無線機は振ってはいけないよ。

 

「つまり、先程の自分の説教も聞こえなかったということでありますか…?」

 

さっき無線越しで怒鳴ってたやつか…。あらやだ、めんどう…。

 

「いや、あれは…そのぉ…。」

 

艦娘は元々一般人であり、このあきつ丸も元々は一般人…。そう、俺の幼馴染とかいう神展開などではなく、単純に軍事学校の同期なだけだ。

 

「…あっと、そろそろ時間ですね!もう街に出なくては!提督を待たせるのは大変失礼故!」

 

俺はそう言いながら走り出す。もちろん全力疾走だ。その後を佐々木が続く。

 

「ちょっ!?待てであります!!」

 

あきつ丸は走って追いかけてくる。俺らは必死に逃げた。

 

「待ちなさいであります!!この恨み晴らさずにおくべきかでありますぅー!!!」

 

「待てないでありますぅ〜。この恨み晴らさずにおくべきでありますぅ〜。」

 

「待てやゴラァ!!テメェら今すぐ街頭上に吊り上げて=%1>#"#$%&'()*+<」

 

佐々木が何を思ったのか挑発して、あきつ丸がブチギレた。さっきと比べるとスピードも爆速と化して、俺らは足の腱が切れるかと思うぐらい走り続ける。しかし、佐々木は挑発をやめない。なんなんだよお前は。バカなの?死ぬの?

 

「貴様らァァ…!」

 

「ま、待て待て。ノーカウントだ。ノーカウントだぜあきつ丸…。俺は別に挑発してない。ね?」

 

鎮守府の門まで数メートルのところで、俺は追いつかれて捕まった。

 

「先輩…!うぅ…!骨は拾っておくっす!それじゃ!」

 

「佐々木待てやゴラァ!テメェが巻いた種だろうが!」

 

俺は逃げる佐々木を睨む。佐々木は一瞬こちらを見て親指を立てると、そのまま門の外へ消えていった。アイツあとで絶対ぶん殴る。

 

「た、隊長!殿中でござる!殿中でござる!」

 

「離せであります!コイツらを吊るし上げるまでは許さんであります!」

 

「お、落ち着いてくださいよ隊長…。」

 

俺とあきつ丸がもみくちゃになっている中、同期の吉村が止めに入る。吉村と俺は親友で、よく飲みに行く仲だ。もちろん、あきつ丸の同期でもある。その吉村があきつ丸を押さえてくれているからこそ、あきつ丸はそこまで俺をボコボコにしない。近くで見ていた艦娘たちは、俺とあきつ丸との喧嘩は日常なので、別に気にした風もない。

 

「そうそう、いつもの警備で別に警報なんて日常だから少し平気かなって慢心してしまったんですよ。」

 

「嘘つけであります。あの時、自分に隠れて無線機のスイッチを切ったでありましょう?」

 

「えぇ…そんなことないですよ…あははは。」

 

「目を逸らすなであります!」

 

「痛いです隊長!ギブアップ!」

 

吉村がなんとか、俺にバックブリーカーをしかけるあきつ丸を止めている。

 

「副隊長も、なるべく刺激したら怒るだろ?隊長は繊細なんだから。」

 

「まぁね?」

 

「誰が繊細でありますか!」

 

「ほら、副隊長も街に出ること命じられてるだろ?早く行かないと。」

 

「確かに。」

 

「隊長も、止めていた方が怒られますよ。」

 

「ぐぬぬ…わかったであります…。」

 

そう言って、ようやくあきつ丸が落ち着いた。

 

「じゃ、行ってきます。」

 

「おう、気をつけろよ。」

 

「サボったらただじゃおかないであります。」

 

俺は吉村とあきつ丸を後にして、街に出る。さてと、早速街にいる佐々木をぶん殴りに行きますか。

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