蛇寮の獅子   作:捨独楽

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胸糞注意。


その瞳は朽ち果てず

 

 ブレーズ・ザビニは、廃墟を訪れていた。

 

 その施設の作りそのものは堅牢で廃墟とは程遠い。入れば二度と出ることは適わなそうな厳重な扉と、テレポートを防ぐ高い塀で四方を覆われている。そして、施設の中には幸福な魔法使いでなければ太刀打ちできない怪物がひしめいている。

 

 それでも、一目見てザビニが抱いた印象が、『廃墟』だった。

 

 人としての営みらしい営みを否定してでも、ただ朽ちていくべき人間を収容するための場所。英国の魔法使いにとって最も恐ろしく、最も忌まわしい場所。罪を犯した咎人の終着点。アズカバンの女性囚人収容所に、ザビニは訪れていた。

 

『……新入りがいない?』

 

『ここに来たばかりのものだ。我々のルールを守ろうとしない……』

 

『『成り立て』か。すぐに我々に馴染むだろうが……』

 

 ザビニは茶髪の女性と共に目的の場所へと進むとき、ディメンター達がそんなやり取りをしているのを耳にした。

 

「ディメンターにも知性ってやつはあるんすね。意外っす」

 

「元々は人間だった者達だ。魔法は使えないとはいえ、会話能力は保有している」

 

 ザビニの前を歩く女性はマリーダ・ブラック。左手の薬指には銀色の指輪が嵌められている。

 

「……人間に戻れねーんすかね、ディメンターって」

 

「キスを受けた時点で心臓は停止し、生命機能は終わっている。魂も人間としては終わっている。ディメンターが人間に戻ったという例はない」

 

 マリーダは淡々と口にするが、その表情には憐れみが込められていた。マリーダの言動から優しさを感じつつ、ザビニは目的の牢屋の前に立った。マリーダは無言のまま、ザビニの周囲にマフリアートをかける。これで会話の内容はマリーダにも聞こえない。

 

「……やぁ、母さん。久しぶりだね」

 

「……」

 

 ザビニは変わり果てた母親の姿をまじまじと見た。

 

 母の恵まれた容姿は見る影もなくなっていた。あまり食事を取れていないのか、頬は痩せこけ、ザビニとも目を合わせようとしない。母はほとんど正気を失っているように見えた。

 

「……俺さ。学校で嫌なことがあってさ。いや、嫌なことなんていつもあるだろって思うだろ?でも、今回は本当に……ヤバくてさ。友達が居なくなっちまった」

 

「……」

 

 ザビニの母の手が、牢屋の隙間からザビニへと伸ばされる。

 

 しかし、その手がザビニに届くことはなかった。

 

 母の痩せこけた手は隙間に張られたプロテゴによって阻まれ、ザビニに触れることはない。

 

「あ、俺が友達居ねーやつみたいに見るなよ。ホグワーツに入ってからは出来たんだぜ。皆魔法使いだしよ」

 

 ザビニの母は、執行部による調査の結果殺人の証拠を掴まれた。過去の不審死についての立証はされなかったものの、執行部はザビニの母の罪を重く見て、母を裁判にかけた。

 

 

 

 結果は有罪。ザビニの母はマグルを殺害した罪によって、懲役十五年の判決を受けた。

 

 ザビニにとってその時間は、母が罪を認識する時間というよりも母が緩やかに死に向かう時間だった。アズカバンに居る人間で長生きできる人間は多くはない。罪を更正するための刑務作業もなく、ただただ幸せだった頃の記憶をディメンターに提供し続けるだけの時間を耐えられる人間などそうは居ないのだ。

 

 それは当然のことだとザビニは考えている。自分の都合でマグルを殺した以上、その報いは受けなくてはならない。ザビニにとって最後の父以外の殺された義父達の恨みなど知ったことではないが、報いを受けるのは当たり前だ。

 

 そして報いを受けている以上、自分が母親を見捨てることはない。母親は人としてのつとめを果たしているからだ。

 

「……でも、何つーか。だからこそかな……俺は、前に進まなきゃいけねえって思うんだ。絶対に立ち止まっちゃいけねえんだって」

 

 ザビニは魔法のかかっていない櫛を看守のディメンターに渡した。ディメンターに対して母にそれを渡すよう申し付けると、ザビニは決然と母に向き直り、言い放つ。

 

「母さんは昔、俺に言ってたよな。スリザリンに入ったら立派になれるって。その通りだよ。……俺は、俺のやり方で立派にやってみるよ」

 

 ザビニは母親に向けて丸々十五分かけて近況報告をした後、己の決意を表明した。ザビニの母親の瞳には微かに輝きが戻っていた。

 

「……もういいっす。行きましょう」

 

「……ああ」

 

 

 ザビニはにこりと気丈に笑ってマリーダに言った。勿論計算済みの笑顔である。

 

 ザビニは自分がどういう顔をすれば異性の気を引けるか、何となく把握していた。傲慢そうな男子が好きなトレイシー相手にはそう振る舞い、弱いところを持つ男子が好きなスーザン相手には、いましがたマリーダに見せたような顔で笑って見せる。

 

 嘘をついているわけでもなく、どちらもザビニの一側面だ。ザビニにとっては計算して自分を見せてはいるが、どちらの自分も真実だった。素直に自分を出しているに過ぎないのである。

 

「おやおやぁ?もうお帰りでちゅか~?ブレーズクゥーン?君のお母様は毎晩毎晩、君が恋しくて涙を流していまちゅよー?」

 

 牢屋を去ろうとするザビニの背中に、向かいの牢屋から囚人の煽り声が聞こえた。ザビニは不快な気分になりそちらを向く。

 

 

(……ん?このババァ、どっかで見たことあるな……)

 

 ザビニの視線の先にいたのは、ザビニの母より更に痩せこけた黒髪の女性だった。

 

「新しいママを見つけてご満悦でちゅか~?薄情な坊やでちゅねー?」

 

 録な食事も与えられず、美容に気を使うことも許されず、その黒髪にはウジがたかっていた。醜悪にザビニを笑うその姿からは、女性の醜悪な性根が見てとれる。しわがれた声でザビニを煽り散らかすその姿は、マグルのおとぎ話に出てくる邪悪な魔女そのものと言ってよかった。

 

(このババァ。昔は飛びっきりの美人だな。何でこんなとこに入ってんだ)

 

 それでもザビニは、その女性がかつて(絶世の)美女だったであろうことを察した。女性の眼光は明らかに他の囚人達とは違う強い意志が宿っていた。ここで朽ちて死ぬのを待つだけの人間ではないと確信している。自分自身を失っていない、そんな瞳だった。

 

「相手にするな、行くぞ。……あの女性にこれを」

 

 マリーダは淡々とザビニの手を引き、その場から足早に去る。ザビニも無言でマリーダに従った。最終的に、マリーダはザビニの母親に用意した差し入れとは別に、あの牢屋の女性に対しての差し入れをディメンターに渡した。喉を潤すキャンディだった。

 

「……あのおばさんが何者か、ご存知なんですか?」

 

 ザビニはアズカバンを出て、マリーダのテレポートによってグリモールドプレイスに帰還すると恐る恐るマリーダに尋ねた。マリーダの眉間には皺がよっていた。マリーダは無表情であまり感情を表には出さないタイプだが、そのマリーダの手が震えていることに気付いた。

 

「ああ。……あの女は、デスイーターだ」

 

「なっ!」

 

 ザビニの顔に緊張が走る。憎きデスイーターの一人がまだ死なずにあの場所にいたというのは驚きだった。

 

「……あの女はベラトリクス・レストレンジ。旧姓はベラトリクス・ブラック。例のあの人の信者の中でも最も好戦的で、決闘に秀でた魔女だ」

 

 決闘クラブでチャンピオンになったこともあるというマリーダは、ベラトリックスの恐ろしさを肌で感じていたらしい。決闘はそこそこの腕でしかないザビニには分からないものを、マリーダは感じ取っていたのだろう。

 

「……ブラックって……いや。んなことより、何をしでかしたやつなんすか?」

 

(まさかシリウスさんの姉妹だったりしねえよな……いや、そこは聞かねえでおこう)

 

「……彼女は明らかになっているだけでも、集団で闇祓いの夫婦を取り囲み、クルシオ(拷問)にかけて廃人にした恐ろしい魔女だ。あのクラウチJr.も彼女の部下であったらしい」

 

「あいつの!?」

 

(……なんてこった……)

 

「……ベラトリクスのような魔女が脱獄していないことは、まだ幸運だと思うべきなのだろうな」

 

 ザビニは奇妙な因縁を感じずにはいられなかった。クラウチJr.と言えば、ザビニやハリーにとっては不倶戴天の敵であり殺したいほど憎い魔法使いだった。いまはもう、ディメンターのキスを受けて人間としてはこの世には居ないのだが。

 

 そのクラウチJr.の上司ともなれば、明らかになっていない罪も当然重ねているだろう。ザビニは冷や汗をかきながら、グリモールドプレイスの屋敷に招かれた。ザビニは強い足取りで、屋敷の敷居をくぐった。

 

 

***

 

 プリベット通りに住むダーズリー家には居候が居ることで有名だった。

 

 その名はハリー・ポッター。

 

 幼い頃に両親を自動車事故でなくし、親戚で人格者のダーズリー夫妻に引き取られた憐れな孤児。彼の周りでは何かと不可思議なことが起き、口の悪い一部の住民は、ポッターは悪いものに憑かれている、とダーズリー夫妻のいないところで陰口を叩くのがプリベット通りの日常だった。

 

 そんなポッターは、一年に一度夏休みの間だけダーズリー夫妻の元へと帰ってくる。ダーズリー夫妻の元に居たときとは比べのもにならないほど生き生きとした少年が帰ってくる度に、ダーズリー夫妻はポッターのためによい学校を選んだのだろう、と近所の評判を上げていた。帰ってきたポッターの瞳はいつも、宝石のように輝いていたからだ。

 

 子供が笑っていて楽しくない住民はいない。めでたいことだ、と住人は噂しあった。しかし、今年は違った。

 

 帰ってきたハリー・ポッターはまるで別人と言うほどに異様な目をしていた。住民達の前では礼儀正しく居候のポッターです、と返す。笑いもするし、挨拶は欠かさない。しかし、その全てがぎこちなかった。子供の頃からの付き合いがあるプリベット通りの住民達は、子供の様子がおかしいことには気付くものだ。

 

「何か不吉だねぇ。良からぬことの前触れでなければいいけど」

 

 と、フィッグの近所の老婆はこぼす。ポッターの周囲で良からぬことが起きたときはいつも、ポッターが何か危険な目に遭っている時だったからだ。

 

 

***

 

 プリベット通りに帰ってきたハリー・ポッターは、自分が住民達から好かれてこそいなくても、嫌われているわけでもないことなど露も知らず、焦燥を募らせていた。

 

(……ダドリーめ。また子供を殴って……)

 

 ハリーの手にはデイリー・プロフィットが握られている。マグルの目にはただのタブロイドにしか見えないが、今のハリーにとっては英国魔法界の現状を知ることができる唯一の手がかりだった。

 

 プロフィットの記事は平穏そのものだった。たった一月前には、今世紀最悪の闇の魔法使いが復活したというのに、魔法省の大臣はそれを認めなかった。

 

 

 それでもデスイーターやヴォルデモートが何かしら行動を起こせば、報道がなされる筈なのに何もない。記事の中身はクィデッチ選手の不倫だとか、飼っていたペットの捜索依頼といった平穏そのものの内容だ。

 

(……こういう時焦るのは良くない)

 

 ハリーは自分に言い聞かせながら出来ることをしていた。宿題は帰って三日であらかた済ませ、決闘術や魔法理論の基礎を忘れないように反復練習する。錬金術の書物や、興味のある学会の論文にも目を通す。今年受験を控えている学生がやるには十分な夏休みだ。

 

 しかし、ハリー自身にとっては全く十分ではなかった。ハリーは力を求めていた。身を守る力ではなく、敵を殺すための力を。それにはダーズリー家という環境は全く不十分だった。日中は食事の用意や片付けや家の掃除といった家事に追われ、日が落ちてから魔法を使わない訓練をする日々。それは現状の停滞を意味していて、ハリーにとっては時間を溝に捨てているとしか思えなかった。

 

 ハリーもシリウスから『待て』という指示さえなければ行動を起こすことができた。

 

 シリウスは、ハリーがダーズリー家から離れることを禁じた。ハリーにかけられた愛の護りはもはやヴォルデモートには効果を発揮しないものの、その部下には有効であるらしい。だから、ハリーは己に対して異物を見る目を向けてくるペチュニアや、ロボットのような表情だと文句をつけてくるバーノン相手に適当な相槌をうつだけの日々を過ごさねばならなかった。

 

 それは見方を変えれば、何もない平穏な日常だった。シリウスは、ハリーが命のやり取りをする魔法界より、何事もない平穏な日常によって心を取り戻せるのではないかと考えたのだ。

 

 残念ながら、ハリーは平穏を楽しむことはできなかった。マグルというよりもダーズリー家そのものに良い思い出がない上に、自分の過失で友人を失ったハリーには平穏を楽しむ余裕など存在しない。

 

 それでなくても、ダーズリー家にはハリーの神経を逆撫でする存在がいた。

 

 ハリーが心の中で筋肉のついた白豚と嘲る存在、ダドリー・ダーズリーである。

 

 ダドリーは、トライウィザードでチャンピオンに輝いたハリーと同じように悪い意味で飛躍を遂げていた。ボクシングのジュニアチャンピオンに輝き栄光を手にしたダドリーは今や、プリベット通りの生んだ英雄だった。

 

 元々気に入らない相手を暴力で従える傾向にあったダドリーは、最近はハリー殴りではない別の遊びを見つけた。気に入らない年下の男子を見つけては取り巻きと共に取り囲み、下手にでなければ殴るという遊びだ。

 

 ハリーにとっては、ダドリーの全てが癇に触った。墓場の記憶や幼少期の苛めを思い出し、憎しみと怒りで我を忘れそうになる。その度に、自分は正義感に燃えるような人間ではないと言い聞かせる。

 

(僕は自分のためにダーズリー家に寄生してるんだぞ)

 

(殺したいからという理由でアバダケタブラを撃った僕に、ダドリーを止める権利なんて無いだろう)

 

 そう言い聞かせていたが、今日はとうとう限界が来た。ハリーの額はこのところますます痛み、ハリーに危険を訴えていた。夜中に傷跡が痛む度に、ハリーは墓場を思い出して魘され飛び起きる。眠れないまま表に出れば、ダドリーの蛮行を目にするの繰り返しだ。

 

 ハリーは近所の二歳下の男子、コーナーを取り囲むダドリー達の前に進み出て、反応を待った。ピアーズはダドリーにどうする、と問いかける。

 

 ダドリーにも面子がある。ハリーになにもしない。という選択肢はないと思い込んでいた。

 

 しかし、ダドリーは予想よりは冷静だった。ハリーに気付かないふりをしながら取り巻き達を解散させ、コーナーを解放する。その場に残ったのはハリーとダドリーだけだ。

 

「ボクシングの拳は試合以外で使ってはいけない筈なんだけどな」

 

 ハリーは自分からダドリーを挑発した。

 

「君は昔から道路の標識すら読めないくらいに頭が悪かったけれど、とうとう規範さえ読めなくなってしまったんだね。可哀想に」

 

 それは低レベルな煽りあいだった。ハリーはダドリーに、ダドリーはハリーに先に手を出させる。ただそれだけのための舌戦。

 

 ハリーに対するダドリーは、ハリーにおまえのせいだと言った。

 

「毎晩毎晩叫んで飛び起きるやつが家にいてみやがれ。辛気くさくてこっちは眠れやしねえんだよ。え?『ファルカス!やめてくれファルカス!』」

 

「ファルカスってのは誰だ?恋人か?それとも、あの時いた痩せっぽちのチビか?」

 

「黙れよ白豚」

 

「黙る理由がどこにある?あれが使えなきゃ何も出来ないやつが偉そうに」

 

(こいつ……)

 

 ハリーはダドリーに殺意を抱いている自分に気付いた。ダドリーなどデスイーターに比べれば小物にすぎないが、その性根は連中と変わらない。その上、ハリーのせいでこうなっているのだと宣ってくる。

 

 ハリーが自分自身の殺意を押さえつけている時、周囲の空気が一段と冷えた。ハリーの額が割れるように痛み、墓場でのヴォルデモートの高笑いがハリーの脳裏によぎる。

 

 周囲には、霧が立ち込めていた。ハリーはダドリーの後ろに迫る、黒いフードの死人を見た。死人は全身が凍りつくような冷気を携えてダドリーに覆い被さろうとしている。

 

「うっ?な、何だ……?」

 

「ディメンター!?ダドリー!後ろだ!アクシオ!」

 

 ハリーはすぐにポケットから杖を取り出した。ハリーの杖を見て、ダドリーは拳を構える。ボクシングによって鍛えられた正当な構えだった。

 

 ダドリーが構えている間にも、ディメンターはフードを取りダドリーにキスをしようとしてくる。

 

「……クラウチJr.?」

 

 そのディメンターの顔は、悪夢に魘されて見たクラウチJr.に酷似していた。ハリーが呟くと、ディメンターは確かに反応を見せた。ディメンターには視力はないが、人を認識することは出来る。

 

 ハリーはただ見ていたわけではなかった。ハリーはエクスペクト パトローナムを使おうとして。

 

 蛇に絡み付かれている自分の姿を幻視した。

 

(駄目だ)

 

 ハリーは即座に切り替えた。幸せな記憶を即座に思い浮かべられない人間がパトロナスを出せる筈もなかった。

 

「よ、寄るな!ぶん殴るぞ!……うわぁ、なんだ!何をしたんだおまえっ!た、たすけてパパぁっ!!」

 

 しかし、ダドリーにはディメンターが認識できない。拳を構えた姿勢のまま、ハリーの元へと引き寄せられる。

 

「そのまま来い、ダドリー!」

 

 ハリーは空を飛び、ダドリーと共にその場を離脱した。ダドリーはハリーの速度についていけずあちこちに腕や足をぶつける。しかし、ハリーは気にしなかった。

 

 

 

 やっとの思いでディメンターを振り切ったハリーは、ダドリーの傷をエピスキーで癒した。ダドリーはぐずぐずと泣きじゃくり、震えてうずくまっていた。

 

「……いったい、どうして…ディメンターが…!?」

 

 ハリーはその言葉を聞いたとき、聞き間違いかと思った。

 

 ディメンターを知る人間がこの通りにいる筈がない。しかし、その老婆は存在を知っていた。

 

 アラベラ・フィッグ。

 

 ハリーのことをよく知るプリベット通りの住民だった。

 

 ハリーは即座に老婆に杖を向けて問い質した。老婆の表情にある怯えは、答えを言っているようなものだった。

 

「……簡潔に答えろ。貴女は何者だ?……いや。この質問にはもう答えなくていい。……貴女は何のために僕を監視していた?嘘をついたら痛い目を見るぞ……!」




絶対に勝てないボス相手には逃げる。これ絶対。

フィッグはハリーに詰められたとき死を覚悟したそうです。
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