蛇寮の獅子   作:捨独楽

219 / 330
本作オリジナルの設定を追加します。
最初に言っておきます。
レガシーファンの方は本当に申し訳ありません。
あくまでもこの二次創作の独自設定であり、公式でレガシー主人公がゲームの後どうなったかは明言されていません。


改革の前に

 

「……………………ここまで来るといっそ笑えてくるね」

 

 デイリー・プロフィットの一面に載った顔を見て、ハリーは嗤った。ハリーが笑うと、ざわ、ざわっ……とスリザリン生達がハリーへ視線を向けた。

 

 まるでデスイーターか何かのように堂々と貼り出された写真には、魔法省の役人であるバグマンがゴブリンから追い立てられる画像が残っていた。

 

「『ギャンブル狂いの元スターの転落人生。稀代のビーターからオリンピックとトライウィザードを私物化した悪徳役人に至るまで』……か。デイリープロフィットの記者もたまにはやるじゃないか」

 

「笑ってる場合かよ?」

 

「もう笑うしかないよ、ザビニ」

 

 ハリーは記事の端にまで目を通した。記事はバグマンが賭けに敗北して多額の借金を背負い、グリンゴッツから金を借り、さらにその金借金を返済するために別の金融機関から借金したという情報を暴露していた。

 

 バグマンは金銭に困り、借金を返済するために別の賭けを持ちかけて儲けるという手を思い付いた。デイリープロフィットは、バグマンが賭けで勝つために様々な裏工作をした疑惑について追求していた。その中には、ハリーのトライウィザード優勝について疑問視する内容もあった。

 

 

 

(……実際、あの試練は僕が勝てるよう誘導されていたからな……)

 

 この記事はあながち的外れとは言えなかった。真実の全てにたどり着いたわけではないが、真実の端にまで手を掛けている。ハリーは内心で記者を尊敬した。

 

(金のために何でも記事にする。それが仕事である以上、疑惑は追及する。ジャーナリストっていうのはそういうものか)

 

 この気持ちは一瞬の気の迷いに違いなかった。もしも記事がハリーの私生活にまで踏み込めば、ハリーはその記者をリタ・スキータと同じように破滅させることも厭わないだろう。

 

「これに関してはバグマンの自業自得だな。同情の余地ねーよ。賭けで破滅するなんてバカのやることだ」

 

「……とか言いつつ、賭けを辞めて良かったって思ってるでしょう、ザビニ?」

 

 アズラエルは意地悪く笑う。ザビニは昨年まではそれなりにトトカルチョに興じていたのだ。

 

「ああ。バグマンに良いところがあったとすりゃあ、ギャンブルからすっぱりと足を洗う決意ができたことだな」

 

 ハリー、ザビニ、アズラエルの三人は記事を種に和やかに談笑しているが、大広間はハリーに対して歓迎的ではなかった。

 

 先だって報道されたハリーの闇の魔術使用疑惑に加えて、今回、バグマンの不正によってハリーの勝利がお膳立てされていた可能性が浮上した。そのどちらも実際に起きたことだ。

 

 真っ当な生徒ならその一つだけでもお近づきになりたくはないだろう。後者はまだしも、前者は異常者であり犯罪者予備軍だ。ハリーはもはや汚物か何かのような視線を同じスリザリン生からも向けられていた。

 

「とっとと行こうぜハリー。一限目から薬学ってのは気が滅入るけどな。ここに居るよりはマシだ」

 

「それもそうだね。行こう」

 

 ハリーはザビニに合わせて席を立つ。ハリーはちらりと女子たちが座るテーブルに目を向けた。ダフネはパンジー達ではなく妹と共に食事を摂っていた。

 

 ハリーの胸がずきりと傷んだ。

 

***

 

「君達、世の中舐めてただろ」

 

 ハリーはハーマイオニーとダフネの治癒を受けた後、ロン達やルナ達とも合流した。八人全員が万全の調子を取り戻すまで休み、転入生の待つ部屋まで進もうとした。

 

 転入生の部屋はエクスペクト パトローナムが使えなければ入ることができない。だからハリーはコリンが牛のパトロナスを出したことを喜び、アズラエルがヒルのパトロナスを出したことを讃えた(アズラエルはパトロナスがヒルであることを恥じたが、ヒルは治療にも使うことができると言うと調子を取り戻した)。

 

 ハリーはハーマイオニー達が転入生の部屋へ突入するのを黙って待つつもりだったが、転入生の部屋は開け放たれていた。まるでハリー達を誘き寄せる罠のように。

 

 全員で部屋の先に罠がないか確認し、レベリオを使い、パトロナスに調査させた。

 

 

 そして転入生の部屋に足を踏み入れて開口一番、ハリーたちは青い鳥の襲撃を受けた。

 

 

 後になって話しわかったことではあるが、青い鳥、というのはハリーが転入生に抱いたイメージで、ロンはシオニー・シトレの姿で、ハーマイオニーはミネルバ・マクゴナガル副校長の姿を視認した。

 

 とにかく転入生の襲撃は素早く、慈悲の欠片もなかった。空を翔ぶ転入生に対応できたのはコリンとハリーだけだった。転入生は一撃でハリーが全員を守るために展開した展開したプロテゴ・ディアボリカを破壊すると、後はコリンとハリーの攻撃をさばく片手間にルナやハーマイオニーにコンファンド(混乱)をかけ、コンジュレーションで部屋を変形させて一人一人孤立させていった。

 

 ハリーも気づいたときには一人になり、転入生を相手に散々に叩きのめされた。ハリーは転入生の挙動がまったく予測できなかった。

 

「腕の立つ魔法使いや魔女は皆、オクルメンシーを会得して攻撃の起こりが見えないようにしてくるんだよ?今はどうか知らないけど」

 

 

「ホグワーツじゃ使えないとはいえ、複数人でテレポートして背後から奇襲するなんてのは当たり前。それもできないくせに戦うとか、本気で言ってる?」

 

「……だとしたら甘いよ。本っ当に舐めてる。間違いに気付くのが今で良かったね」

 

 結局リディクラスを実行できた人間は居なかった。ハリーたちは孤立させられ散々に叩きのめされた後で後転入生のありがたいお言葉を頂戴した。

 

「……君さぁ。『自分が全部何とかすればいい』と思ってるだろ。……というか、『何とかできない自分には価値が無い』とか思ってない?」

 

「プロテゴ ディアボリカ。個人的にはあの魔法を使えるやつは大嫌いなんだけど、アレを使ったってことは、仲間のことは大切に思ってるんだよねぇ。キミ、どうしてその優しさを他の大勢の人に向けらんないのさ」

 

「……他の寮の生徒も。スリザリンの仲間も、僕のことを貶して僕の仲間までまとめて見下してくる。そんな状況でどうやって他人を信じろって言うんですか?」

 

 ハリーはひどい理想論を言われていると思った。

 

 パトロナスにやられた自分を介抱してくれたとき、ハリーはやっと、皆のことを信じる気になった。皆からの期待や信頼に応えたいと思ったし、傷つかないよう護りたいという思いを取り戻した。

 

 だが、それと同じものを知らない生徒達にまで向けろと言うのは酷いことだった。

 

「身内に優しくするのはおばさん達スリザリンの美徳なんだけどさぁ。もう少しだけ、他の皆も身内が大切だし身内を護りたいと思ってるってことを意識しろって話だよ」

 

 転入生は部屋を翔び周りながらハリーへと近付いてくる。

 

「『一人で何でもできる魔法使いになりたい、そうすれば皆が傷つかなくて済む』って思った?それは違うね。君は、傷つきたくないから新しい可能性を作ることから逃げてるんだ。階段下の物置から出られない子供の頃と違って、自分の足で外の世界に出られる癖にね」

 

「……な……」

 

 ハリーはあまりの言い種に二の句が継げなかった。

 

(この……クソ鳥……)

 

「こころを閉ざして勝てる気で居るなら止めはしないけど。本当は分かってるんだろ?できもしないことを言ってんじゃないよ。それは甘えだよ」

 

 転入生の言葉はハリーの臓腑をえぐった。ファルカスが死んでから、ハリーが内心で思っていたことを言い当てられた気分だったからだ。

 

「貴女にだけは言われたくありません」

 

 と、ハリーは言った。ありったけの憎悪を込めた視線で転入生を睨み付けた。

 

「……貴女やダンブルドアは何でも一人で出来るじゃないですか!貴女には僕らがどれだけ苦しんでいるか解らないんだ!強い立場にいるくせに、何もしない人間にだけは言われたくない!」

 

 ハリーが怒りのあまり叫んだ言葉に対して、転入生は動じなかった。

 

「弱いよ。弱かったよ、私は。魔法ならアルバス以外には負けない自信があったんだけどねー。負けちゃった」

 

 ハリーは耳を疑った。

 

「貴女が……負けた。貴女ほどの人が?誰にですか?まさかヴォルデモートにですか?」

 

 転入生はヴォルデモートという言葉には怯まない。

 

「いいや、もっともっと下さ」

 

 転入生の声には自嘲するような雰囲気もなく、カラリとしていた。自分の敗北を過去のものとして消化した声だった。

 

「昔ねぇ、ヴォルデモートってやつに比べたら遥かにみみっちくて弱い闇の魔法使いがいたんだ。グリババだったかな」

 

「……?ゲラート・グリンデルバルドのことを仰っておられるのですか?」

 

 ハリーが苛立ちと困惑のままに聞くと、転入生は青い鳥の姿でそれそれ、と羽根を羽ばたかせた。

 

「その闇の魔法使いは口だけは上手かったから、世界のお役人にもシンパがいてね。おばさんは気付いたら密猟者扱いの犯罪者にされちゃってねえ。あっという間に世間から孤立させられちゃった。これ、今の君達の状況に似てない?」

 

「……」

 

 ハリーは無言で頷いた。今のハリーは社会的に追い詰められていて、非常に不味い状態にあると言ってよかった。

 

 ハリーは転入生に同情する気持ちもあった。謂れのない罪を着せられる苦しみはわかる。ハリーは謂れのある罪を重ねてきた身ではあるが、真っ当に生きている人間、真っ当に生きていた人間に対しては一定の敬意を払うべきだと思っていた。

 

「無実なのに罪を着せられた人を僕は知っています。僕の養父がそうです」

 

 ハリーの態度は明確にやわらかくなった。

 

「うん。私はねー、あの時パニックになって焦っちゃってねえ。オミニスなり、ダンブルドアなり。昔の知人を頼ればよかったんだけどね。自分一人で何とかしようって気になっちゃった。もともとソロで密猟者達をしばいてたからね」

 

「で、このザマよ」

 

 転入生は頭を垂れた。

 

「……グリババには大勢の取り巻きと、オブスキュラスの少年がいた。クリーム君だったかな。とにかく、クリーム君とグリババに挟まれた私は、グリババに傷ひとつつけられずに返り討ちにあったよ」

 

「グリンデルバルドに側近が居たんですね」

 

「そう。当然、グリンデルバルドより強いヴォルデモートにも相応の側近が居るよ」

 

 転入生の瞳は妖しく光った。ハリーはドロホフやルシウスの姿を思い浮かべた。

 

(……確かに、あいつらは強い。今の僕より……いや、今の僕たちより)

 

「そいつら全員を君一人でどうにかできるなんて都合のいいこと考えてるなら、そんな考えは捨てた方がいいよ。一人ぼっちの悪い子はね、もっと悪い大人に弄ばれたあと美味しく頂かれちゃうのが関の山さ。おばさんみたいにね」

 

「……それでも、戦わないといけないんです。僕は」

 

「君達は、だね」

 

 転入生はハリーの頭の上に翔び乗った。鉤爪がハリーの髪に食い込む。

 

「エクスペクトパトローナムに失敗しても生き残ることが出来たのは、君が一人じゃなかったからだ」

 

 転入生の声はどこまでも優しかった。

 

「おばさんと同じ轍を踏まないように気を付けなよ。信じられる仲間のことは信じて、足りないことは補いあっていけばいい。君達はまだまだ若くて、発展途上なんだからね」

 

 ハリーは無言で項垂れた。仲間を信じて頼る。たとえ傷つけることになったとしても、それでも信じる。ハリーはその強さを持たなければならないのだ。

 

***

 

 ハリーはメモ用紙をコガネムシに変え、テーブルの下にそっと放った。メモ用紙には、『薬学の教室に先に行ってる。ハリー』と記入した。

 

 ハリー、ザビニ、アズラエルの順で地下を目指して廊下を進む。すると、ダフネが廊下を駆けてきた。

 

「ああ、ミズグリーングラスですか。どうかしたのですか?廊下を走るなんて珍しいですね」

 

 アズラエルはダフネをからかったが、ダフネは恨みがましい目でアズラエルを睨んだ。澄ました顔でにこにこと微笑んでいた淑女らしさをかなぐり捨てていた。

 

「どうかしたのですか、じゃないわ。ハリー、こんなもの渡すくらいならちゃんと誘って」

 

 ダフネの手にはメモ用紙の切れ端があった。ちなみに羊皮紙ではなく、マグル製の質のいいノートである。ハリーの伝えたメッセージを受け取り、ダフネは真っ先にハリーを貶すつもりで追ってきたのだ。

 

「私と組んで頂戴。他に組みたいという人が居るのなら別だけれど!」

 

「オーケ。じゃあ準備しようか」

 

 ハリーはダフネの逆鱗に触れたくはなかったので、一もニもなく頷いた。

 

 パンジー・パーキンソンと決闘をして以来、ダフネとパンジーやトレイシー、そしてミリセントとの関係は冷え込んでいたに違いない。去年まで行動を共にしていた姦しい女子たちは三人と一人という形に別れてしまった。ダフネ以外、例のあの人に目をつけられるリスクを背負いたい人間はいなかった。

 

 ハリーと並んで歩き出すダフネの背中を見送りながら、ザビニはアズラエルにそっと囁いた。

 

「……つくづく悪ぃ奴だな、ハリーはよ」

 

 それ君が言いますか?とアズラエルは目で訴える。ザビニから視線を外すと、アズラエルはさぁねぇとジェスチャーをした。

 

「どうでしょうねぇ。僕は彼女が心変わりするリスクを考慮すると、信用できないと思うんですがねぇ」

 

「おめーは本当に筋金入りだな。こんな状況だし人を疑うのは必要なことだけどよ。グリーングラスはパトロナスにやられてたハリーを治癒したんだぜ?もう少し認めてもいいだろ」

 

 ザビニは落ち着けよと友の肩を叩いた。

 

 転入生の待つ聖域で意識を取り戻したアズラエルは、ダフネやハーマイオニーから治療されるハリーの姿を目にした。コリンの話ではハリーはエクスペクト パトローナムの反撃を受けて酷い怪我を負っていたらしい。

 

 ザビニによると、火傷をおったあとのように爛れていたらしいハリーの肌ははアズラエルが見たときには既に元通りに回復していた。

 

 闇の魔術を使いすぎた魔法使いは、パトロナスを制御できない。ルーピン先生から習った言葉の通り、ハリーはパトロナスを暴走させてしまった。

 

 しかし、そんなハリーを助けたのはダフネとハーマイオニーだった。二人の懸命の努力もあって、アズラエルたちは全員で転入生に挑むことができた。さらに、ダフネはハリーの悪魔の護りのなかにあっても焼かれなかった。

 

 

 転入生にどれだけ叩きのめされ疲労困憊でも、ハリーが意識を保っていたお陰でアズラエルたちはアクロマンチュラに怯えることもなく帰ることができた。最高戦力として、皆意識的であれ無意識であれハリーを頼っているのだ。ハーマイオニーですらそうであることは明白だった。そして、そんなハリーを生かしたのはダフネなのだ。アズラエルの疑念は過剰と言ってもよかった。

 

 

「……まぁ……そうですけどねぇ……」

 

(ハリーに対してはよくてもねぇ。……他の誰かを切り捨ててやらかさないとは限らないんですよぉ。あの子はね……)

 

 アズラエルは疑念を捨てきれなかった。アントニン・ドロホフに狙われたとき、ダフネが恐怖心から純血主義のサバトへと出席したことを知るのはアズラエルとハリーだけである。純血主義に対して忠誠を誓ったことのある人間をこの状況で信用していい訳がないとアズラエルは己に言い聞かせていた。

 

 アズラエルはサバトのことをザビニに言いはしなかった。それは余計な軋轢を生むだけだと分かっていた。

 

(ハリーやザビニが信用したとしても。僕は気を許さずにいるとしましょうか。一人くらいはフラットな目線で見る人間がいた方がいいですし。……もしも裏切ったなら、そのときは……)

 

(僕がダフネ・グリーングラスを排除すればいいんですから)

 

 ブルーム・アズラエルは内心でそう決意を固めると、ザビニと共に魔法薬学の教室へと足を踏み入れた。

 

***

 

「正直、一限目から薬学は勘弁してほしいわ。ローブに薬品の匂いが染み付くし、汗はかくし……」

 

「まぁまぁ……ん?」

 

 ハリーはダフネを宥めながら一人、この教室にいた見慣れない顔に対して笑って挨拶をした。

 

「おはようございます、アンブリッジ先生。今日はお早いですね」

 

「あらあら、ポッター君たちも感心ですわね」

 

「ええ。早めに準備した方が後々楽ですから」

 

 魔法薬学の実験室に我が物顔で鎮座していたのは、ドロレス・アンブリッジ。DADA教師にしてホグワーツ高等尋問官は、教室の後ろで待ち構えていた。ハリーたちは手分けして薬品棚を確認し、自分たちの分を確保すると、席に着いた。

 

「……ダフネ、君の大鍋は珍しい意匠が施されているね。それはどうしたの?」

 

 ハリーはダフネが質量法則を無視してポーチから取り出した大鍋を確認して言った。ダフネは今学期から、大鍋を新しいものへと新調していたのだ。

 

「………あら、気がついた?これは今年OWLの年だからとお父様から頂いた最新式の大鍋よ」

 

「蛇の刻印が施されているね。流石グリーングラス家だ。センスがいい……」

 

「それはチベットで最近話題の大鍋メーカー、『シャングリ・ラ』のブランド品ですね。お目が高い」

 

「ふふふ、そうでしょう?」

 

(……チベット……?)

 

 アズラエルやハリーの言葉にダフネは満更でもなさそうに頷く。ハリーは先週、ダフネが魔法薬の調合に手間取っていたことを思い出した。

 

(もしかしたら、この鍋は……)

 

「ダフネ、君の大鍋と僕の大鍋を交換して使ってみないかい?僕、新しい大鍋を購入しようと思っていたんだ」

 

「え?ええ……それは構わないけれど。ハリーの大鍋はよく手入れされているわよ?貴方はそちらを使った方が慣れているのではなくて?」

 

「けれど、今年は勝負の年だからね。君と同じように僕もベストを尽くしたいんだ。僕も、大鍋を新しいものにしたいと思っていて……」

 

「そう。それなら、いいわ。使わせてあげる。感謝しなさいよ?」

 

 ハリーとダフネは大鍋を取り替える。ザビニはそんな二人を囃し立てる。ドロレス・アンブリッジはハリー・ポッターの様子を注意深く観察していた。

 

(………………もしかしてポッターは……気付いているのか?英国国内と国外の大鍋の規格差に……?)

 

(……ただの浮かれたバカップルか。だとしたら楽だが……)

 

 ドロレス・アンブリッジはパーシー・ウィーズリーの以前の仕事の内容を思い返していた。

 

 英国内の大鍋規格と国外の大鍋の規格差。インチとセンチの単位系の差と、国内と国外のそもそもの基準の差を統一し、国内に合わせるためにパーシーが必死でとりまとめた国際運輸部の仕事を。

 

 チベットは条約を結んでいない。つまりは、大鍋の品質は保証されていない。

 

(……見ていれば、わかるか。ただの偶然か、本物どうか……)

 

 

「本日は先週告げていた通り、バルッフィオのブレインエリクシルの調合を行う。四年次の内容の復習であり、君達が真っ当に己の立場を理解していれば失敗するはずもない秘薬だ。手法は黒板にある。原材料は薬品棚にある。はじめ」

 

 スネイプの号令がかかり、赤と緑のローブを纏った生徒たちは一斉に作業にとりかかる。スネイプは赤いローブを纏った黄土色の髪の生徒、シェーマス・フィネガンの前に立ち、その生徒が間違いを犯すとき、こほんと咳払いをした。

 

 その日の授業は平穏無事に過ぎていった。何も起きないことに生徒達が内心で驚くほどに、地下実験室にはアクシデントは起きなかった。

 

 アンブリッジは知らぬことであるが。普段通りであれば、黄土色の髪の生徒、シェーマス・フィネガンが大鍋を爆破したり、スリザリンの問題児グレゴリー・ゴイルが調合を間違えて煙を地下実験室に充満させたり、スネイプのいびりに耐えかねた背の高い生徒、ネビル・ロングボトムが起こす凡ミスによって薬品が完成しなかったりするのだ。

 

 しかし、今日は違った。

 

 尋問官の視察を控えたスネイプは事前にゴイルをドラコと、クラブはノットと組むよう申し伝えていたし、ネビル・ロングボトムがハーマイオニー・グレンジャーの助けを借りても減点しなかった。

 

 ハーマイオニー・グレンジャーがスネイプが提示した問題に正答を叩きつけたとき、スネイプはグリフィンドールに加点しなかった。しかし、いつものように理由をつけてグリフィンドールを減点したりもしなかった。腹いせにハリーに対して当たりが強くなったりもしなかった。

 

 普段教師として生徒に対してアカデミックハラスメントを繰り返そうと、スネイプは教師としての自分の立場を危うくすることはできなかった。

 

 ドロレス・アンブリッジは本人の預かり知らぬところで世界平和に貢献していたのかもしれない。そんなことは露知らず、ドロレスは薬学の教室を見渡した。

 

 尋問官として教師たちを査定し、その能力を審査して不適格かどうかを判断する。これはファッジの肝煎りの教育改革であった。

 

 ファッジの内心の建前では、これは正義のための改革だった。二年前ロックハートが、前学期にはクラウチジュニアが紛れ込んだホグワーツに不適格な教師が紛れ込んでいないかどうか確かめるための調査であり、生徒の身の安全を確保するための行いであるとファッジは自分に言い聞かせていた。

 

 それでもアンブリッジを送り出すとき、ファッジは自分自身の本音を隠しきれていなかった。

 

『……もしもホグワーツに不適格な教師が紛れ込んでいたならば、それはダンブルドアの校長としての資質を疑うものに他ならないだろう……』

 

『アンブリッジ君。私は君だけが頼りだ。どうか宜しく頼むよ……』

 

 アンブリッジにとっては喜んで請け負うことができる仕事であった。他人の失点を見つけてつつき、マウントを取って苛めたおすことはアンブリッジの生き甲斐である。ファッジはアンブリッジの性根を見抜いた上で望む仕事を与えたと言えなくもない。

 

 

 ファッジはただの無能ではなく、出世を望むパーシーを拾い上げたり、孤立しているアンブリッジを掬い上げて恩を売るなどの工作もできた。それくらいの人心掌握ができなければ、一国の大臣など務まる筈もなかった。

 

 

 

 この時間、ドロレス・アンブリッジは尋問官としてセブルス・スネイプの査定を行った。スネイプに二、三個質問を飛ばし、スネイプが応える。

 

 時間は平穏無事に過ぎていった。怖いほどに。

 

 しかし、もしも。

 

 もしもスネイプの指導に落ち度を発見したとしても、ドロレスはそれを指摘したり、査定を悪く報告することはしなかっただろう。

 

 ドロレスは出世がしたいのである。自分が所属するファッジ派、ひいては自分の思想に合致する純血派閥の一員として出世し、得た権力で気に入らない人間、純血ではない人間や弱い立場にいるマグル生まれを痛め付けたいのである。

 

 その野望のためには、間違ってもセブルス・スネイプに喧嘩を売るわけにはいかなかった。セブルスが在学時代闇の魔術に傾倒し、さらにデスイーターになったことはあまりにも有名だ。もしもセブルスの機嫌を損ねれば、巡り巡ってドロレスの首を締めることになる。

 

 ドロレスは仮にセブルス・スネイプがアカデミックハラスメントを行っていても、今日この日に問題が起きようとも、セブルス・スネイプの評定をO(最優)としただろう。ドロレス・アンブリッジはそういう人間だった。

 

 査定の一環として生徒全員を見渡しながらハリーやその周辺の調合も見守った。

 

 

 

(やはりこのガキ……いや、この子!気付いている、大鍋の規格差に!!炎が明らかに弱い!)

 

 ドロレスは驚きで目を見開いた。

 

 魔法薬の調合は一筋縄ではいかない。それは教科書の表現に曖昧な部分も多く、『薬液が飴色になるまで』や、『薬液が泡を吹き出すまで』といった主観的な物言いが入るものも多いからだ。

 

 なぜ一定の品質が求められる薬品の調合で、料理のような曖昧な表現が許されるのか。それは教科書と薬品の制定年度に起因する。

 

 魔法薬そのものは古い歴史を持ち、魔法使いたちは様々な魔法薬を調合しては使用してきた。しかし、魔法使いが使用する大鍋については魔法界はあまり頓着していなかった。

 

 そもそも魔法界に『品質の一定化』という概念が持ち込まれたのはつい最近の話だからだ。

 

 他ならぬポッター家の魔法使いフリーモントはフリークイージーのヘアポーションを開発し、大ヒットを記録した。このヘアポーションがヒットした裏には、会社での量産の際に大鍋の規格を統一したからだと言われている。

 

 魔法使いはそれまでは、店ごとに違う品質の魔法薬を購入し自分で効能を確認してから、得意先をどこにするか決めていた。しかし、大鍋の規格を統一して工業化に成功したことで、どこでもフリークイージーの直毛薬は一定の効能を保証できるようになった。

 

 似たような工業化を試みていた魔法使いたちは多かったが、先んじてそれに成功したのがフリーモント・ポッターであり、薬学に優れたポッター家だった。

 

 アンブリッジが大鍋の規格統一の重要性に気付いたのはつい最近、パーシーを部下に持ってからである。部下をうまく扱うためにパーシーの仕事を確認したところ、英国内と英国外では大鍋の規格が異なることがわかった。

 

(腐ってもポッター家……才能は受け継いでいるということか。……クソが!)

 

 ドロレスは内心でハリーに唾を吐いた。ハリーがポッター家の薬学の資質を継いでいることが気に入らなかった。出自にコンプレックスがあるドロレスにとって、ハリーは何もかもに恵まれた存在に違いなかった。

 

 在学中に大鍋による火加減の違いの重要性に気付くことができていれば。あるいはドロレスも『薬学に秀でた優秀な生徒』として当時の教授だったホラス・スラグホーンの目に留まり今より快適な出世レースを歩めたかもしれない。そう思うと、ハリーの存在は目障りですらあった。

 

 セブルス・スネイプはポッターの大鍋の側を通りすぎるとき、忌々しそうに舌打ちをした。ポッターの大鍋もグリーングラスの大鍋も完璧な状態に仕上がっている。それは、ハリーが慣れない大鍋でも火加減を調整し、エリクシルの調合に成功したということだ。

 

(あーっ……やりやがった!忌々しい!……可愛げのない子供が!失敗しろ!!)

 

 ドロレスは全盛期の自分を越える薬品の調合を目の当たりにしたことで腹立たしさを覚える。腹立たしさを感じているのは、ドロレスだけではないようだった。

 

(……セブルス・スネイプ。やけに長くポッターとグリーングラスの大鍋を観察している。やはり、大鍋の火加減の違いに気付いてる。だが、生徒には何も言わないか……)

 

 ドロレスはセブルスが恣意的に火加減の違いについて黙っていることに気がついた。

 

(……まぁいい。私だって、というか、ほとんどの生徒だってホラスからそういう大事なことは言ってもらえなかったからな…………在学中に気が付いていれば、NEWTでOを取ることもできたのに!)

 

 ドロレスの脳裏には苦い記憶が甦る。NEWTの薬学試験の実技で使用した器具は、どれも試験官が用意した器具だった。

 

 器具はわざと不適切なものが紛れ込んでいた。

 

 包丁がバラバラであったり、大鍋の大きさや材質がバラバラであったり。試験を受ける側のドロレス達は、まず器具を自分の目で選定することから始めた。

 

 最終試験のとき、普段の授業でドロレスに器具の管理を任せっきりにしていたセルウィンはOWLでOを取ったにも関わらずNEWTの最終試験ではP(不合格)となり、ドロレスもOを逃してEとなった。

 

 そこまで思い出して、ドロレスは気づいた。

 

(……ん……?しかし。やはり……学生に適切な指導をしていなかったスラグホーンもスネイプと同じように糞じゃないか?魔法界全体が糞なんじゃないか??本当に教育改革を推進するなら、今声をあげるべきじゃあないか……?)

 

 薬品のレベルが上がれば上がるほど火加減の調整は必須項目となる。魔法薬学の薬品は人の命に関わる薬であり、容易に毒へとなりうるものだ。曖昧な指導など本来あってはならないのだ。少なくとも生徒や、卒業後に生徒が煎じた薬を服用する人間のためにも指導しておかなければならない筈だとアンブリッジは思う。

 

(……家庭で使う簡単な解熱剤や鎮痛薬でも、にわか知識のまま煎じれば病院に行くことになる……)

 

(この中で薬学に携わる人間は片手も居ないだろう。それならスネイプが指導しないのも理解はできる。……そんな段階にない馬鹿な学生ばかりだからな……)

 

 ドロレスは授業中に見た生徒達を思い浮かべる。ざく切りにすると決まっていたのに失敗して微塵切りにしていたシェーマス・フィネガンほどではなくとも、教科書の通りに調合するという基礎すらできていない生徒が大半だ。

 

 学生時代のアンブリッジはハーマイオニー・グレンジャーと同じ、教科書を読み込みその通りにこなすマニュアル人間であり、できる側に属していた。生徒達のほとんどは教科書通りにこなすことすらできていない。ようは火の加減云々を言う前の段階で、スネイプが指導する気をなくすのもわからなくはなかった。

 

(いや……私が学生時代の頃はもう少しマシだった。あいつはきちんと指導しているのか?それとも、魔法族が虐殺されて指導できる大人が減ったことで学生全体のレベルが低下しているのか……)

 

 ドロレスは嫌な汗が頬を伝うことを感じながらボードを握りしめた。グレゴリー・ゴイルの調合した薬品は本来のそれとはあまりに異なる毒物であり、産業廃棄物であった。

 

 

(ハイレベルな薬品はその職に就職でもしないかぎり煎じることはないが……私も今睡眠薬を調合できる自信はないし)

 

 教育者として正しく生徒に指導するのであれば、(予算的に難しいのだろうが)適切な規格の大鍋の予備を用意しておき、不適切な大鍋を使っている学生には適切なものを使うよう指導してそれを徹底すべきだ。OWLまでの魔法使いであればそれでよい。

 

 逆に、どんな環境であろうとどんな大鍋であろうと調合を成功させる『ポーションマスター』を育成するために見込みのない生徒を切り捨てる。つまり、NEWT レベルも想定した質の高い教育を行なうならば、ハリーのことを褒めるなり火加減の重要性についてもっと生徒達に周知徹底して指導をすべきである。

 

 セブルス・スネイプはその多忙さも相まってか、基本的に個人指導をすることはない。それはつまり、優秀な才能の芽があったとしても拾い上げたりはしないということだ。

 

 前任のホラスも、良くできた生徒をお気に入りに認定こそしたが火加減の妙味について語ったことはアンブリッジの知る限り一度もない。

 

(……考えるのはやめておこう。頭が痛くなってきた。私には関係ない。私には出世が待っている。仕事仕事~。)

 

 ドロレス・アンブリッジは触れてはならない闇に踏み込んだ気がした己を戒めた。魔法界の教育の質の改善をすべきならば、ホラスもスネイプも教職から追放すべきだという己の意思は握り潰した。

 

 自身もDAの教員としての仕事を抱えながら尋問官としての仕事もこなさなければならないドロレスにスネイプと揉める余裕などどこにもない。薬学の授業が終了するや否や、ドロレスは足早に地下実験室を出て自分の担当する教室へ向かった。

 

***

 

 

 その日、ハーマイオニー・グレンジャーはロン・ウィーズリーに監督生室でひとつの相談をしていた。ハーマイオニーがロンを監督生室に誘ったことを知ったハナ・アボットは二人の恋路の成就を喜んだが、ハナと同じハッフルパフの監督生、アーニー・マクラミンはそうかなぁ、と疑問符を浮かべた。

 

「あの二人は確かにいつも一緒だけど、お互い意識することを避けてるような気もするよ。何もないと思うけどなぁ」

 

「……ねぇ、アーニー。よくつまらないって言われない?」

 

「え、どうして?」

 

 アーニーの推測通り、二人にそんな色気は欠片もなかった。

 

 監督生の個室でハーマイオニーとロンは音が外部に漏れないよう対策を施し、自主学習計画について話し合っていた。

 

「……どうすっかなぁ。ハリーに向かい風ばっかり吹いてやがる」

 

 ロンは正直なところ、打開策が思い浮かばなかった。ハリーにリーダーとなってもらい、ハリーを中心とした仲間を集めるという当初の目的はうまく行きそうにない。ハリーの評判そのものが地に落ちているからだ。

 

「仲間を増やすことを諦めるわけにはいかないわ。打開策を考えたの」

 

 ハーマイオニーは栗色の髪を振り乱し、燃えるような目で言った。ロンは頼もしさを感じる反面、ハーマイオニーが焦っているのではないかと感じた。

 

(理想に燃えるのはいいけど、現実を見ることも必要……か)

 

「落ち着けよ。今回の記事だって二週間もすれば忘れる。その後でハリーをリーダーにして」

 

「それでは遅いわ」

 

 ハーマイオニーはぴしゃりと断言した。ロンはSPEW設立の時を思い出してしまった。

 

 

「時間は有限で、私たちの力量は闇の魔法使いの天井とはまだまだ差がある。こんな状況でもたついていれば、機を逃してしまう。計画を進めるべきよ」

 

(今度は……今度こそは止めねぇと。一回クールダウンしねぇと……)

 

「だけど。ハリー以外にリーダーをやれるやつは居ねぇだろ」

 

 ロンはハーマイオニーのためにも自分の本音をさらけ出した。悔しさを滲ませながら言った。

 

「俺は決闘クラブの部長にはなった。……けど、部長らしいことをやる前に活動を禁止されちまった。ザビニは一部の女子からは人気があるけど、付き合った後別れた女子達からの視線もめちゃくちゃ痛い。……アズラエルはそもそもリーダーじゃなくて参謀向きだし」

 

 ロンはあえてハーマイオニーやダフネについては言及しなかった。ハーマイオニーのSPEWは大多数の生徒からは見向きもされなかったし、ダフネのことはダフネ・グリーングラス個人として認知している生徒の方が少ない。そつなく優秀だが、ロンから見ても尖ったところもないのだ。

 

「大勢の生徒から知名度もあって。しかも、リーダーになれるくらい魔法と決闘がうまいやつなんてハリー以外に居ねぇよ。……でも、今は悪ってレッテルを貼られちまった。時期が悪すぎる」

 

 ロンにとって認めがたい現実があった。しかし、認めるしかなかった。

 

「しかも、俺たちはそのハリーと親しいんだ。誰がついていこうってなる?」

 

 ロンだって、追い付くために必死で努力はしてきたし自分なりに成果も出すことができた。アクロマンチュラ相手に逃げ出さず立ち向かえたことは誇りであり、ハーマイオニーや仲間達が無事に森から帰還できたのは、自分たち全員の力だと断言できる。

 

 それでも、ハリーほどの知名度と人気はない。自他を客観的に評価したとき、どうしてもそこに行き着いてしまう。

 

 しかし、ハーマイオニーの言葉を聞いたときロンは驚きに目を見開いた。

 

「いいえ、居るわよ。一人だけね。大勢の生徒に慕われていて、実力があって、知名度も兼ね備えた人が」

 

「そんなやつどこに居るんだよ?双子か?言っとくけど、あいつらは天才肌でクソなところもあるぞ。気に入らないやつには容赦なく制裁するし、リーダーには……」

 

「違うわ」

 

 ハーマイオニーは自分の考えに自信を持っていた。ロンは不安感を表に出さないようつとめて、ハーマイオニーの言葉を待った。

 

「セドリック・ディゴリーに……私たちの計画のリーダーになってもらえないか頼んでみるの」

 

 ハーマイオニーが下した決断。

 

 それは自主訓練計画のリーダーをセドリック・ディゴリーに依頼するというものだった。

 




教育改革そのものはいいと思うんですよ。
それはそれとして、本二次創作では権力闘争のための建前で教師と子供達が利用されております。
あとこの二次創作では
ヴォルデモート=ダンブルドア(切り札あり)>グリンデルバルド(切り札あり)>転入生(古代魔法あり)>グリンデルバルド>転入生(古代魔法なし)=クリーデンス
くらいのパワーバランスとします。
グリンデルバルドはファンタビ一作目で闇祓い十名くらいで何とかなっていましたが、二作目(黒い魔法使いの誕生)で大分強くなっていたのでだいたい二作目から三作目までの間にグリンデルバルド一味VS転入生があったものとします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。