蛇寮の獅子   作:捨独楽

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登場人物紹介 闇陣営(第五章終了時点 ネタバレあり。29日、マクネア追加)

 

闇陣営

 魔法界の法律に反し、犯罪行為を繰り返す組織の総称。

 闇という名称が魔法族の中二メンタルをくすぐり軽い気持ちで加入する者、主義主張が現行の制度と相容れず改革のために加入する者、仕事に困り生活のために加入する者などその内訳は様々。

 自分の弱さを他人や社会への攻撃性に転化した人間や、教育と環境の影響でそうならざるをえなかった者など様々であるが、総じてマグル社会・作中における英国魔法界の敵であることは間違いない。

 しかし万が一闇陣営が社会秩序を乗っ取り認められるようなことがあれば、闇陣営は『光陣営』となる。

 なまじ反マグル・純血思想を掲げているために対立する正義であると勘違いして加入する若者は、入った後その実態に気付き絶望するか、ヴォルデモートに心酔することで余計な理想や思想の全てを忘れようとするだろう。

 最大の欠点は組織の脆弱さ。

 最大の忠臣であるベラトリクス・レストレンジすら任務中に無意味なクルシオ(拷問)で時間を浪費したり、ルシウスの命令を無視し預言破壊の可能性を招くなど総じて任務遂行意識が低い。

 

君主……トム・マールヴォロ・リドル

副官……ルシウス・マルフォイ→ベラトリクス・レストレンジ 

構成員……デスイーター、ウェアウルフ、ディメンター、巨人族、その他闇の勢力。

拠点……フランス、レストレンジ邸(仮)

 

 半純血のトム・リドルをロードとして豊富な資金力と人脈を持つルシウス・マルフォイがそれを補佐するという体制だった。しかしルシウスの失墜により現在はベラトリクス・レストレンジが副官に躍り出ている。

 一斉逮捕によって英国のデスイーター一派には家宅捜索が入った。英国魔法省の捜査をかわすため仮の拠点を現在はレストレンジ邸としている。

 

派閥

トム・リドル派

ルシウス派

 デスイーターにも派閥は存在する。

 トム・リドルを純血主義の象徴であるロードとし絶対の忠誠を誓うトム・リドル派閥。

 純血主義を信奉していることは前提で、トム・リドルが強いからトムに従うというルシウス派閥である。

 そしてこの中にないヒエラルキー下層の兵隊(使い捨ての駒)も存在する。使い捨ての駒には闇の印は与えられておらず、デスイーター一派の中での地位は低い。

 組織の内訳はルシウス派閥の人間がほとんどではあるが、トム・リドル派閥の人間は総じて高い忠誠心と強力な魔法使いとしての才能を誇り、トムのためにその身を捧げている。   

 

純血主義思想

 純血主義は単に純血の魔法使いを最上として尊ぶ、という意味合いだけではない。

 英国魔法界の保守思想にあたり、『マグルとの関わりを断絶して魔法使いを優先します』という意味合いも存在する。

 そのため半純血であるセブルス・スネイプやトム・リドルも純血主義者として迎えられているのである。

 ちなみに本作のハリーも一時はダーズリー家への嫌悪感からマグル差別に傾き、『マグル生まれの魔女や魔法使いは仲間だけどマグルは敵だよ』というマグル差別思想を掲げた。

 当時のハリーは自分でその矛盾から目をそらしていたが、結局のところこの考えもマグルを魔法族と異なる劣った存在と見なしている時点で広義の純血思想にあたる。

 マグルに対するうっすらとした蔑視はモリー・ウィーズリーも持っているが、モリーはマグルと交流がない専業主婦であるという点も考慮しなければならない。魔法族において現在は両親のどちらかがマグルというのが大多数なのである。

 

デスイーター昇格条件

 一、トム・リドルに絶対の忠誠を誓うこと。

 二、インペリオ、アバダケダブラ、クルシオを使いトム・リドルの前で人間を殺害すること。

 構成員の中にはマグル生まれや半純血も多く存在する。そして後述するピーターのように必ずしも純血主義者とはいえない。デスイーターはアルバス・ダンブルドア個人の私兵的側面を持つオーダーと対になっており、トム・リドルに忠誠を誓う一種の宗教的カルト宗教となっている。

 

トム・マールヴォロ・リドル 

 愛を知らない哀しき怪物。

 闇陣営総帥。

 自称ヴォルデモート(死の飛翔)。光陣営からの呼び名は『例のあの人』。純血主義者ならびにデスイーターからの呼び名は『闇の帝王』。

 魔法界最速を誇るセストラル(最高時速がファイアボルトの240キロよりも速い)よりさらに速く、空の上では無敵を誇る怪物。

 単騎でヴォルデモートと比肩する戦力は現在の魔法界においてはアルバス・ダンブルドアしか存在しない。

 策謀家ではないと認識されがちだが、ウェアウルフや巨人族といった魔法界において闇の勢力とされるもの達にも手を差し伸べ、自身の陣営に迎え入れるなど段階を踏みながら勢力を拡大している。

 コーネリウス・ファッジによって光陣営が内輪揉めを繰り広げる間にルシウスが掌握した人脈を駆使して戦争の準備を整えた。残酷な言い方をすれば、光陣営は闘う前から負けるための準備をしてしまったと言える。

 神秘部の戦いにおいて忠臣であるアントニン・ドロホフを喪う。当初は激怒し癇癪と共に部下(たまたまその場にいたベラトリクス)にクルシオ(拷問)をかけた。が、漸くするとポッターに負け死に屈したドロホフのことは忘れ去った。

 クラウチジュニア、ドロホフなどトムに心酔した魔法使いはかつて大勢いたものの、トムのこうした振る舞いからその本性を知り、トムが闇の帝王であって王の器ではないことを理解していく。

 自殺を試みたハリー・ポッターのことを警戒しており、ハリーへの干渉をやめた。

 愛の魔法によってベラトリクスが敗北したことを知り、自分に絶対の忠誠を持つ子供を魔法によって製造し、自分に忠誠を捧げさせた上で適当な時期に敵に殺させることで『愛』を愚弄しながら自身を無敵にしようと考えている。

 原作者曰く、良心の存在しない怪物。

 マグルの『君主論』に、『よい君主は臣民の家族に手を付けず安堵する』というものがある。

 闇の帝王が君主論を読んでいない筈はないし、帝王学を修めていない筈もない。

 あえて暴君としての道を歩むのは、魔法族における純血主義者が純血主義の魔女を奪うことは名誉ある行為だという風潮があることも一因だろう。

 闇陣営の中でも闇の魔術以外の魔法に優れる。

 

ルシウス・マルフォイ

 トム・リドル最大の誤算。

 マルフォイ家当主。強者に従い弱者には残酷なスリザリンの悪性を有する闇の魔法使い。デスイーター。

 光陣営に寝返った後はホグワーツ理事として影響力を保ち、教育者という仮面でアルバス・ダンブルドアと政治闘争を繰り広げていた。

 コーネリウス・ファッジをはじめとする魔法省内部の人間を懐柔し、またスリザリン寮OBとして箒をスリザリン寮に寄贈、『英雄』シリウス・ブラックとも子供を持つ親同士として交流するなど、最大の武器はその立ち回り。

 自分自身の力量には自信を持っており、神秘部の戦いにおいても自身の切り札を駆使して立ち回った。無敵の切り札を使い自分自身の身の安全を確保しながら任務を果たそうとするが、シリウスの洞察の前に破れ去った。

 敗北後は簡易裁判を経てアズカバンに収監された。自分自身の行動によって息子ひいてはマルフォイ一族の名誉を失墜させたルシウス・マルフォイに、かつての栄華はなかった。

 直接的、間接的を問わずルシウスの手で殺害された人物の数はドロホフの比ではないほどに多く、その手は血で汚れきっている。

 闇陣営の中でも生存能力に優れる。

 

ベラトリクス・レストレンジ

 愛を持たぬ最強の副官。

 デスイーター。トム・リドル派閥。

 純血主義の信奉者であり、トム・リドルが純血主義者として魔法省を掌握し純血主義者にとっての理想郷を作ると夢見る戦士。

 類い希な決闘術の才能を持っていたが、特権階級に生まれ育ったという自負からか自身よりも弱い立場の人間に対しては残虐。

 クラウチジュニアやレストレンジ兄弟らと共にネビル・ロングボトムの両親であるフランクとアリスを拷問し廃人になるまで追い込んだことを気まぐれと善意で部下にしたキシリア・ザビニに自慢げに語っていた。本人なりの厚意からキシリアを牢獄から解放してやったことが思わぬ結果を生むことになる。

 デスイーター内でトップクラスの戦闘能力を持つ。本来は純血の子を設ける義務がある筈だが、ベラトリクスは夫を快く思っておらず前の内戦ではデスイーターとしての活動を理由に暴れまわっていた。

 主に忠誠を尽くさなかったルシウス派閥の面々には殺意すら抱いている。しかし、主にとって貴重な戦力であり表社会に通じる面々であることや、ルシウスが妹のナルシスと結婚しておりドラコは甥にあたることなどからルシウスは粗雑には扱わない。

 トム・リドルの意向により、リドルとの間にホムンクルスを『製造』することになった。リドルに抱いていた仄かな期待は消え、残ったのは人とも化物ともつかない存在がフラスコの中で育っていく気味の悪い光景だけだった。

 闇陣営の中でも決闘と拷問に優れる。拷問は趣味。決闘は仕事であり娯楽。誰もが彼女を恐れて決闘してくれない中でキシリア・ザビニは恩義から度々決闘の相手となっていた。ベラトリクスは喜んでキシリアをなぶった。

 

アントニン・ドロホフ

 ハリーを闇に堕とした悪魔。

 デスイーター。トム・リドル派閥。二次創作設定でダームストラング出身。

 彼に『なぜそんなことをする』と聞き、理由を語らせればそれらしい理屈を並べ立てる。しかし、行動を見れば明らかに魔法を使い弱者相手に暴れたいだけのチンピラ。最低最悪の闇の魔法使いである。

 臓器移植が必要な子供を助けるために無関係の子供を殺害しその臓器を届けることを『善行』と呼ぶ異常者。以下はこの二次創作における独自設定。

 ダームストラング校のアントニンは決闘が趣味の魔法使いだった。ダームストラングの校風から強力なカースを習い使いこなしていたアントニンは負け知らずで調子に乗っていたが、本人なりの善意はある若者だった。

 ある時彼は友人と共に町に繰り出すが、そこで顔色の悪いマグルの少女に出会う。ダームストラング校にマグル生まれはおらず、マグルをめずらしがったアントニンはそのマグルの少女とやり取りを繰り返すことになる。

 暫くの間フクロウによる文通が続いたが、ある時からフクロウへの返事が途切れた。再び少女のいた喫茶店を訪れたアントニンは、少女が肝臓の病で亡くなったことを知る。

 当時のマグルの世界に臓器移植技術はなく、魔法族がマグルを助けることは許されていなかった。自分が少女の事情を知っていて、かつ、法律を破って無関係のマグルの臓器を(殺害などで)自分が何とか用意すれば、少女は助けられたかもしれなかった。

 その後アントニンは、さらに別の事実を知ることになる。アントニンの父親は、マグルの少女の病を把握していたのである。息子がマグルと関わることを嫌った父がアントニンのフクロウを差し止めていたのだ。

 激怒したアントニンは磨いた決闘の腕を発揮して父親を殺害。その後、紆余曲折を経て悪事を重ね、落ちぶれたところをヴォルデモートに拾われる。

 部下と共にハリー達を殺害するため襲撃を繰り返し、この二次創作におけるハリーの親友であるファルカス・サダルファスを拷問し、ハリーの親友であるハーマイオニーをアバダケダブラで殺害しようとした蛇寮ハリーにとって因縁ある宿敵。

 ドロホフはハリーを闇に誘導するようトムから命令を受けており、ハリーはまんまと敵の策に乗せられてしまったことになる。

 敗因はハリーの成長が予想よりも速く闇の魔法使いとして覚醒したこと……ではなく、ドロホフ自身の実力の劣化。

 決闘によって殺害したマグルと魔法使いの総数は千を越えるドロホフだが、アズカバンから脱獄して以降は『自分より強い敵』『死の可能性がある敵』との交戦は極力避け、逃げていた。そのため、目の前に迫る死の恐怖に怯え、実力を発揮できなかった。  

 身勝手に死を振り撒いた闇の魔法使いは、死の恐怖に打ち勝つことは出来なかった。 

 闇陣営の中でも燃焼系統の魔法に優れる。

 

ラドン・グリーングラス

 欲に溺れた腐敗貴族。

 デスイーター。ルシウス派閥。オリジナルキャラクター。黒髪(染めた)。

 グリーングラス家当主。ダフネとアストリアの父親。

 『血の呪い』に蝕まれる一族の救済(呪いの克服)を悲願としている。そのために出来ることは何でもし、節操なく光陣営のシリウス・ブラックと関わりを持ち支援を取り付けたこともある。

 シリウスと腹を割って話し合い、互いに何かあったときはラドンはマリーダやハリー、シリウスはダフネとアストリアの面倒を見ると契約をかわした。

 当然闇陣営がラドンに目を付けない筈もなく、ルシウスから勧誘を受けたラドンは恐怖心と家を守るためにあっさりとルシウスに乗り、罪のないマグルをアバダケダブラで殺害することでデスイーターとして闇の印を刻まれた。

 闇陣営の中でも特に秀でたものはない。娘のダフネと同様それもまたコンプレックスのひとつであり闇に堕ちるきっかけになった。

 

 

ピーター・ペディグリュー

 天才に心を焼かれた凡人。

 デスイーター。心情的にはルシウス派閥。しかし、誰からも相手にされない。小柄で卑屈。

 非合法のアニメーガスであり、ネズミに変身しウィーズリー家に潜伏した過去を持つ。ウィーズリー家ではビル、パーシー、ロンと三代に渡って飼われ、彼らの胸ポケットに入ってエサを与えられていた。人としての尊厳はネズミに変身しているときは適用されないらしい。

 ホグワーツ・ミステリーという本編開始前の時空では主人公に正体がばれかけるも、オブリビエイトをかけ事なきを得る。この事からもわかる通り、闇の魔法使いとしての技術、通常の魔法使いとしての技術どちらも水準以上。

 能力的には非凡。しかし、その品性は凡人。

 学生時代はシリウス、ジェームズらに憧れる生徒達の一人だった。今の世代で言えばコリンなどが近いだろう。リーマスの紹介を経てジェームズらとの交流が始まったことからピーターの人生はよくも悪くも始まる。

 公然とスリザリン、ひいては純血主義を批判するふたりはピーターにとって憧れの存在であり、ピーターは二人に付いていきたいと行動を共にした。しかし、それは端から見ればシリウスの腰巾着の一人でしかなかった。

 マローダーズの四人のなかでは、互いに対等であるつもりだった。しかし、シリウスやジェームズにはピーターという人間の立場は本当の意味ではわかっていなかった。とはいえ二人を責めるべきではないだろう。そういう道を選んだのはピーターの選択なのだ。

 ピーターは卒業後岐路に立つ。デスイーター達はジェームズ一派の中で最も弱く、臆病そうな人間に目を付けたのだ。

 ピーターにとってヴォルデモートの存在はあまりに強烈だった。ジェームズすら勝てないとわかってしまうほどの圧倒的な力を持つ存在が(ピーターの持つオーダーの知識目当てとはいえ)自分に優しく、自分を尊重して扱ってくれるのだ。

 オーダーの中でも磨り減り、喪うばかりの悲惨な日々を生きてきたピーターはいつしか悪魔の囁きに身を委ね、ヴォルデモートのために殺人を犯してデスイーターとなった。そうすることで身の安寧が生まれたとき、ピーターは自分が英雄ではなく裏切り者でしかないと知った。憧れていたジェームズやシリウスにはどう足掻いても届かないところに堕ちてしまったのである。

 神秘部でハリーの姿を見たとき、ピーターの心に浮かんだのは怒りだった。昔のジェームズを知る者からすれば、ハリーの姿は受け入れられるものではなかった。

 スリザリンに入りスリザリン生と友情を育み、そして、真の友と危険を犯して正義のためにヴォルデモートに立ち向かう。ハリーの全てがジェームズへの当て付けのように思えたのである。

 同時に、ピーターはどうしようもなくハリー達に嫉妬した。スリザリン生でありながらヴォルデモートに立ち向かうハリーやその友人達はどうしようもなく正義であり、グリフィンドールでありながら闇に堕ちた自分はどうしようもない悪であると自覚したからである。

 闇陣営の中でも逃走と奇襲、撹乱に優れる。

 

 

ワルデン・マクネア

 過ちに気付くのが遅すぎたんだ。

 デスイーター。ルシウス派閥。処刑人。

 表の顔では魔法省の魔法生物規制管理部において、人間を傷つけた魔法生物の処刑業務に携わる。魔法生物に対処するハンターやオーラーと考えるとその職務自体は必要なものであるが、ハーマイオニーをはじめとしてリベラル・魔法生物愛護の観点を持つ人間からは蔑まれる仕事である。

 ワルデンの勤務態度そのものは真面目であり、同僚からも一定の評価を得ていた。かつてルシウスと共に残虐な殺戮を繰り返したデスイーターは十年あまりの平和を謳歌し、同僚、家族、そして天職に恵まれた。

 一時は闇の魔術を忘れるほどに改心したワルデンだったが、闇の魔法使いとして過去の悪行からは逃れられなかった。帝王復活の兆しが見えるや否やルシウスと共にワールドカップで暴れ、帝王復活後にはドロホフの指示で殺戮を繰り返した彼は元通りの悪人として仕事をこなす。内心で罪悪感を抱えながら。

 真に罪悪感があれば自分に平和を謳歌する資格がないことは明白である。そのため、ワルデンやルシウスの改心とは自分本意で身勝手なものであり、殺戮したマグルや魔法族に対する罪悪感がなかったことは間違いない。

 その所業に激怒したセドリックのパトロナスに右腕を切断される。パトロナス・チャームはカースではないため、ワルデンの腕は元通りに治癒された後ワルデンはアズカバンに収容された。

 デスイーターのなかでは魔法生物の対処に優れる。レストレンジ邸のグリムにエサを与えていた。

 

キシリア・ザビニ

 デスイーターと無関係にポップした闇の魔女。

 デスイーター。トム・リドル(ベラトリクス)派閥。とてつもない美人だったがアズカバンの生活でやつれている。

 原作では『結婚したマグルがなぜか多額の保険金を残して死ぬ』という設定しかない魔女。この二次創作では独自設定として黒であり捕まったものとして話を進めた。

 以下はこの二次創作におけるキシリアの人生。

 類い希な美貌を持って生まれたキシリアはスリザリン寮に配属された。息子のブレーズのようにキシリアも上昇志向が強く、かつてはクィディッチに秀で、大金目当てにプロを目指していた。しかし、同年代にいたジェームズ・ポッターに太刀打ち出来ずプロ入りを逃す。

 その後紆余曲折を経て裕福なマグルとの交際中に一人息子を授かる。意気揚々と話を打ち明けたキシリアに待っていたのは、相手のマグルはすでに結婚しているという情報だった。

 キシリアはあらゆる手を尽くしてそのマグルと結婚したのち、マグルを殺害。息子にそのマグルの名前である『ブレーズ』を付ける。

 息子はそのマグルではなく自分によく似ており、キシリアは息子を育てることに決める。

 息子のために金が必要という理屈をつけ、キシリアは裕福なマグルをターゲットに婚姻し、その後保険金殺人を繰り返す。そんなキシリアに引導を渡したのは魔法省のオーラーだった。

 アズカバンの中で未来を失い、自慢の美貌も衰えていくなかベラトリクス・レストレンジはキシリアに手を差し伸べる。そのベラトリクスの瞳に輝きを感じてキシリアはベラトリクスの手をとった。ハリーに惹かれた息子のブレーズのように、キシリアもまた誰かの影響を受けやすかったのだ。

 極悪非道なキシリアの人生に終止符をうったのはベラトリクスだった。キシリアの死後その歪んだ愛が呪いのように息子のブレーズをベラトリクスから護ることになる。

 闇陣営の中でも化粧や貴金属の目利きに優れる。

 

ロドルファス・レストレンジ

 レストレンジ家の宿業を一身に背負う男。 

 トム・リドル派閥。長身。

 闇の帝王最大の忠臣の一人。

 レストレンジ家は血統と純血を保つためにある悪行を重ねてきた。詳細は『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』を読んでもらいたいが、レストレンジ家の子孫である彼に訪れたのは先祖の悪行の報いであった。

 力のある魔法使いに全てを奪われるのが純血主義の定めならば、力なき純血主義の敗北者はただ奪われることを受け入れるだけなのだろう。もっとも今の彼はアズカバンにいて、奪われたことすら知りはしない。

 闇陣営の中でも屈指の忠誠心を誇る。

 

ラバスタン・レストレンジ

 ロドルファスのスペアでありベラトリクスの手足。

 デスイーター。トム・リドル派閥。

 幼少期のラバスタンは兄が嫌いだった。自分より早くに産まれ、自分より多くのことができた兄は将来レストレンジ家の全てを継ぐと決まっていたからだ。

 成長した今、ラバスタンに兄へのわだかまりはなかった。ただただ恐ろしいブラック家の魔女とうまく付き合う兄を尊敬し、ベラトリクスの矛先が自分に向かうことがないようにラバスタンは兄を支える。麗しく間違った兄弟愛がそこにあった。

 闇陣営の中でも骨董品集めの趣味を持ち、アズカバンに収監される前はルシウスと話が合った。アズカバンに収監された後は一人でかき集めた骨董品を兄に見せている。

 

ルドルフ・エイブリー

 セブルス・スネイプのかつての友。  

 デスイーター。ルシウス派閥。原作にもエイブリーというデスイーター自体は存在するが、名前は二次創作独自のもの。

 トム・リドルのかつての友だったエイブリーの親族。リドルの影響か、元々スリザリン系列の家の影響か、ルドルフも純血主義者として育ちセブルス・スネイプと出会う。

 セブルスを上級生のルシウスが保護したこともあり、エイブリーもセブルスと友人になった。理屈っぽく性格が悪いセブルスと当初は反りが合わなかったが、スリザリンらしいマグル差別の話題や闇の魔術の話をするとセブルスも乗り、二人は友人となった。

 セブルスのかつての恋心には気付いていたが、セブルスの趣味と立場から報われない恋だということはわかっていた。セブルスの恋が崩壊したとき、エイブリーはこれでセブルスも目が覚めただろうと思いに友人の成長を喜んだ。

 セブルスがダンブルドアに保護される形でホグワーツに就職したことから、先の内戦終結以降セブルスとは疎遠になった。

 

マルヴェス・マルシベール

 セブルス・スネイプの悪友。

 デスイーター。ルシウス派閥。マルヴェスという名前は二次創作のオリジナル設定。

 セブルスというよりはエイブリーの親友。セブルスのことは内心で気持ち悪いやつだと思いながらも、スリザリンの仲間だと思って接していた。

 セブルスが一年生にしてカースを理解していたことでセブルスを警戒するも、次第にカースの持つ強力さに魅了されていった。

 スリザリンの中で純血主義者として過ごすうちに、エイブリー、セブルス、マルシベールは顔を隠し、集団で一人のマグル生まれを取り囲んで覚えたカースをマグル産まれにかけて遊ぶことが趣味になっていった。

 当然そんな彼らをマローダーズが許す筈もなく、シリウスにもジェームズにも完全にこてんぱんにされた。神秘部の戦いにおいてもリーマスに敗北し、マローダーズの噛ませいぬであり負け犬である運命は変えられなかった。

 マローダーズでありながらジェームズ達を裏切ったピーターのことは侮蔑している。自分も一度はトム・リドルを裏切り光陣営に付いたのだが、マルシベールの中ではそれはそれ、これはこれということらしい。

 

 

アウラ・ディートリッヒ→ユーフェミア・アウラ・ロウル

 邪悪極まりない生命の冒涜者。

 デスイーター候補。トム・リドル派閥。オリジナルキャラクター。小柄でブロンドの魔女。

 元は闇の帝王とは無関係の闇の魔女。レイブンクロー出身。

 研究者気質の彼女は、スクイブの兄弟を持って生まれた。スクイブは魔法界においては日陰者で、存在するだけでスクイブ自身は侮蔑的な視線を受ける。また、品のない魔法族からはスクイブを産んだ家という目を向けられてしまう。

 アウラはこれを解決する方法を作り出すため、ホグワーツ卒業後研究に没頭する。

 特殊なフラスコの中で受精卵の遺伝子を調製すればスクイブは産まれないとアウラは信じた。実際には遺伝子の調製とは無関係にスクイブは生まれたが、人工的に人間を造り出すことに成功したのである。アウラはホムンクルス製造の第一人者だった。

 英国はおろか、魔法界全体で見てもアウラの所業は違法であり邪悪そのものであった。アウラは神秘部職員によって逮捕され、研究成果は押収された。

 神秘部では、アウラの研究室にあったものを神秘部で発展させ、研究チームによって実験が行われていた。

 裁判なしで秘密裏にアズカバンに収監されたアウラはデスイーターの大量脱獄を機に闇陣営に参加した。

 コツコツと闇陣営のなかで先輩達の顔を立てながら下積みを続けるアウラは、やがてトム・リドルからひとつの研究を任される。呪いの子を産み出すための研究を。

 闇陣営の中では生命工学、錬金術、薬草学や薬学などの研究方面に優れる。が、薬学の腕はスネイプより明確に劣る。戦闘力はデスイーター中最弱であり、ベラトリクスからは軟弱者と見なされ嫌悪されている。

 





不死鳥の騎士団編はこれで完結となります。半純血のプリンス編も予定しています。ようやく中盤のやまを越えました。お付き合い頂きありがとうございます。
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