ハリー・ポッターはホラスの招待を丁重に断り、ザムザ、そしてダフネと共にデスイーター対策のネックレスを作成していた。
アレクト・カローおよびアミカス・カローが再びデスイーターとして活動していたこと、彼らと巨人によってファルカスの両親が死去したこと、アミカス・カローがオーラーの手で逮捕されたことはたちまホグワーツ中に知れ渡った。
ホラスはお気に入りの座から、フローラ・カローとヘスティア・カローの二人を外しかけた。デスイーターとは関わり合いになりたくないというわけである。
そんなホラスを取りなしたのはザビニである。ザビニは、フローラとヘスティアは純血主義でもなく、従兄たちとは仲が悪いとホラスへと吹き込んだ。フローラとヘスティアは無事スラグクラブに残ることが出来たものの、ホラスは以前より彼女たちに関心を見せなくなっていた。
ハリーはダンブルドアのためにもホラスの機嫌を取る作業の合間合間にデスイーターに対する対策を講じなくてはならなかった。
対策と言っても万能の防御魔法など存在しない。愛の護りはデスイーターやヴォルデモートがこちらに猶予を与えるというシチュエーションでしか発動しない上、必ず一人は犠牲になってしまうからだ。だからこそ、ハリーは何がなんでも仲間を護るための手段を考え出す必要があった。
「……このペンダント……レベリオで元の姿に戻ることはないわ」
ダフネは鈍い緑色の輝きを放つペンダントにスペシアリス・レベリオをかけて、ペンダントが本来の姿を取り戻さないことに安堵した。
「君にあげるよ。記念すべき第一号はダフネに渡したいと思っていたんだ」
エメラルドの宝石を埋め込んだペンダントは、当然本物ではない。ダフネはひたすら微妙な顔をしながらその偽物のペンダントを受け取った。
「……中身を知っていなければ素敵だったのだけれど……」
「とはいえ効果は保証済みだ。敵の闇の魔術に対して対抗する手段は一つでも多い方がいい」
ザムザはペンダントが満足のいく出来になったことに安堵していた。
このペンダントは真っ当な倫理観によって作られたものではない。
闇陣営の放つクルシオ(拷問)、インペリオ(支配)、そして、アバダケダブラ(死)。三種の最悪の魔法に加えて、プロテゴ・ディアボリカ(悪魔の護り)、ペスティス・インセンディウム(悪霊の炎)、大規模爆発魔法であるボンバーダ・マキシマや、超危険植物である噛み噛み白菜。魔法族が命を落としうる手段はいくらでもあり、それら全てを対策できる手段はない。
最悪の三種の魔法が、生命の魂に干渉する魔法であるのに対して。
後者の悪霊の火や、悪魔の護りは生命の肉体に作用する魔法であるからだ。必要とされる防御手段が異なるのである。
悪霊の火や悪魔の護りは、マグルのとある宗教的に言えば死語の復活を許さぬ最も邪悪な魔法であるとも言える。しかし、今回に限って言えばその邪悪さについては割愛する。魔法族はとある宗教に関しては無知、或いは信じず意図的に無視する人間が多いからだ。
種類の異なる魔法から友人達を護りたいとき、どうすべきか。
複数の防具を身につけるという手段も考えられるし、オーラーなどはそうしているだろう。しかし、ハリー達にはそれをしたくないという事情もあった。
ネビル・ロングボトムは時々酷い忘れ物をするからである。肝心なときに肝心な防御手段を置いてきたり、無くす可能性があると考えると、防御手段はシンプルな一つのアイテムに絞りたかった。
だから。
ザムザはペンダントを二層構造にして、種類の異なる魔法に対して高い耐性を発揮するように作った。
「外側のエメラルドは……プロテゴ・マキシマの効果を発揮して、ほとんどの魔法に高い耐性を付与する。そして内側のエメラルドは、アバダケダブラを一回だけは無効化してくれる……」
ハリーがそう言うと、ダフネは緊張した面持ちでペンダントを撫でた。
このエメラルドは、ハリーが錬金術で作り出したエメラルドである。本物の職人が加工したエメラルドより彩度は劣る。
コンジュレーションで造り上げた物質とは異なり、時間経過で劣化することはない。ハリーは宝石という神秘を孕んだ物質に、プロテゴ・マキシマ(最高の護り)のプロテゴの部分だけを込めた。
なぜハリーはそんなことが出来たのか。
錬金術の基礎と、ゴブリン族に伝わる、金属や鉱物といった物体に魔法を付与する技術をフィリウス・フリットウィック教授から教わったからである。フリットウィック教授は呪文学と決闘術のプロであり、錬金術も戦闘用に学んだことがあったのである。
魔法族とゴブリン族との決定的な差は、鍛冶や錬金術の分野にあった。この分野に関しては魔法族はゴブリン族の背中を拝んでいる。ダンブルドアという一部の天才を除くと、ゴブリン族の鍛冶職人や錬金術師の方が平均的には優れているのだ。
たとえばゴブリン族の歴史的遺産とされている「グリフィンドールの剣」は、切断した物体の魔力を吸収し、更なる切れ味を剣に付与する。
ゴブリン族の鍛冶職人が、保持魔法をかけた鉄具によって箒を固定したことで、ファイアボルトは超高速を維持し続けても機体バランスを保ち続ける機能を得た。
秀でた錬金術師は、長い時を経てもかけた魔法を劣化させない性質を金属や鉱物へと付与できるのだ。
ハリーはフィリウスという師から教わった技術を未熟ながら活かした。まだ未熟であるから、ゴブリン族のように半永久的な効果を期待できるわけではない。それでも、ハリー、ザムザ、ダフネの三人でもネックレスにかけた魔法を解除できないほどの高い耐性を付与することが出来た。
その高い耐性によって、ネックレスは本命の、アバダケダブラへの対策を講じている。
持ち主を害すること無く、敵対者を害することもない限定的な悪魔の護りを持ったエメラルド。そのエメラルドの内側に、更にエメラルドが入っている。
実験用のモルモットの魂。ハリーはモルモットの肉体を錬金術によってエメラルドに変えることで、魂をエメラルドに封じ込めたのである。
これによって、一回だけはアバダケダブラを防ぐことが出来る。
少なくとも、相手がハリー以上の闇の魔法使いでない限りは。
「……次はどうする?ハリー。『防衛手段』に限界がある以上、攻撃の手段を確保すべきだと思うんだが……」
「攻撃手段ならサペレ・アウデでも充分ではなくて?極端な話をすれば、ハリーの居ないところで使う分には問題はないわ」
ダフネの言葉にザムザは首を横に降った。
「勿論。ただあれはダンブルドア校長先生のお墨付きを得られなかったし、ハリーが使うことは出来ないだろう?……代替手段は必要だよ。ハリーがデスイーターや『例のあの人』に立ち向かうためには」
「何か考えがあるのかい?」
ハリーが尋ねると、ザムザは期待に満ちた目でハリーを見た。予め考えていたのだろう、ザムザは饒舌に語った。
「ハリーは呪文学が上手いだろう?だからこそ、それを活かして……たとえば、毒を武器に塗って戦うのも良いと思うんだ」
ダフネはザムザに引いていたが、ハリーは発想そのものは悪くないと思った。四年前、リドルに敗北したことを思い出していた。
(……あの時、バジリスクの毒を喰らって死にかけたな……)
ザムザの提案そのものは悪くはない。敵に武装解除され逆に利用されるというリスクはあるが、武器に毒を仕込むというのはアバダケダブラが飛び交う環境でも有効だ。
皆が緑色の閃光や派手な魔法を警戒するからこそ、ナイフや刃物といった治癒可能な武器に対する警戒心は薄くなる。闇の魔術にばかり時間を割いている人間は、基礎的なエクスペリアームスやレヴィオーソに対応できないこともある。
使いどころを間違えなければ、攻撃の手段そのものは増やしていて損はないのだ。
「もっと攻撃的かつ、確実な手段を取るなら……たとえば、バジリスクを作って殺して、その毒素を抽出するといった手段も考えられるが……」
「バ……バジリスクを作る?ミスタ・ベオルブ。冗談はよしてよ。管理できなくなったらホグワーツの全員が死んでしまうわ。秘密の部屋の再来よ?」
ザムザはハリーの影響か、或いは、ダンブルドアに自分達の手段が認められなかったこが気に入らなかったのかか、意固地になって過激な手段を提案した。ダフネでさえぎょっとして聞き返すほどである。
「ザムザ、落ち着いて。あのハグリッドが手を出さないってだけでもバジリスクの危険性はわかるだろう?」
「……しかし、君なら出来るんじゃないのか?」
ザムザは期待に満ちた瞳でハリーを見た。
「ほら、以前、魔法生物飼育の授業で生まれたてのアッシュワインダーを使役したじゃないか」
「パーセルタングは万能じゃないんだ。あくまでも蛇とコミュニケーションが取れるに過ぎない。……万が一の事態になって死ぬのが僕だけならいいけれど、バジリスクをホグワーツに解き放つわけにはいかないよ」
(……出来ればこれ以上蛇は殺したくはないし……)
ハリーは強い口調でザムザの提案を退けた。口に出した理由の他にも、蛇は尊重すべきだという意識も働いていた。
もちろんハリーはいざというとき必要ならアッシュワインダーを仲間の盾にくらいはする。するが、プロの生物学者でさえ手を出さないバジリスクを飼育するのはあまりにも無謀だった。
「もしも生まれたてのバジリスクを、アバダケダブラで殺害できればいい。けど、万が一情が沸いて殺せなかったら大惨事だからね」
最初から殺す目的で家畜として飼育される生物は魔法界にも存在する。それこそアッシュワインダーがそうである。
しかし、それは厳重な管理下で万全の体制によって行われる産業であり仕事である。魔法生物飼育学を取っているとはいえ、家畜を殺すように罪のない蛇を殺すという作業をハリーは嫌った。
「生物を産み出すならば、飼育するにせよ殺処分するにせよ自分の手による管理が可能であるべきで、それができない可能性があるなら手を出すべきではないということね?」
ヒーラー志望のダフネは合理的な判断を下した。バジリスクなど見たくもないという常識的感覚を捨ててはいなかったとも言えるが。
「……そうか、言われてみればその通りだ……すまないハリー。舞い上がっていたよ」
ザムザは引き下がった。ハリーはペンダントを見た。
「……後は……これをどうやって皆に渡すかだ
「裏の集会でメンバーに配ればいいだろう?仲間への信頼の証として」
「ハーマイオニーは受け取ってはくれないよ」
ハリーは投げやりに言った。結局のところ、彼女はハリーがこういった倫理を無視した魔法に手を出すことをよしとはしないだろう。
勿論ハリーは、ペンダントの中身がマウスであるなどと吹聴するつもりはない。
しかし聡明なハーマイオニーのことだ。ペンダントの中身に気づけばハリーを軽蔑し、ペンダントを投げ捨てるだろう。
「……それなら、オルガ・ザルバッグやシノを利用すれば良いのでは?」
「ああいうムードメーカーに場を仕切らせて皆が受け取るという空気を醸し出せばミス・グレンジャーも受け取らざるを得ないわ。彼女も無闇に和を乱したくはないでしょう?」
「……そうだね……」
ハリーはダフネの提案を呑んだ。
スリザリン生らしい狡猾さを発揮したと言えば聞こえはいいが、ハーマイオニーと向き合うことに対する恐れがハリーに回りくどい手段を取らせた。
***
ロン・ウィーズリーはその日、シビル・トレローニの部屋を訪れていた。その傍らには、うきうきとロンの肘にもたれるラベンダーがくっついていた。
ラベンダーと共にいながら、ロンは別の女性のことで頭が一杯であった。
(ハーマイオニーは今日もダンブルドアの個人授業か……)
「ね、入るよ、won。」
甘ったるい声でラベンダーがロンに囁く。
「ああ……失礼しまーす」
ロンは気のない返事をしてトレローニ教授の研究室をノックした。
「入りなさい」
トレローニ教授の声はどこか夢見心地の、演出された声であった。ロンは自分との波長の合わなさをひしひしと感じていた。
ぼうっとした顔でトレローニの研究室に足を踏み入れたロンは、シェリー酒の薫りに少し身を竦ませた。
トレローニのことを『当てずっぽうなインチキ婆さん』として見ているロンがなぜ、教授の部屋を訪れているのか。それは彼女のラベンダーがしつこくロンを誘ってきたからだ。うっかり頷いてしまったのが後の祭りであった。
裏の集会に行けば、アズラエルやダフネから責めるような視線を向けられてくる。彼らの中では、ロンがハーマイオニーを裏切ったということになっているのである。
ロンはロンで言い分があった。ロンだってハーマイオニーを意識しなかったわけではないのだ。
先にロンではなく別の男性を異性として選んだのは、ハーマイオニーの方だとロンは言いたかった。ハーマイオニーはビクトル・クラムをユールボールのパートナーに選んだのだ。
ただそれでねちねちと過去のことをハーマイオニーに言い立てるのは情けなさしかないとロンは思った。
ハーマイオニーに対する言いたくても言えない蟠りのようなものと、『親友』と割り切ることで邪念を排除してきたハーマイオニーを異性として意識することに対する後ろめたさ、いざ告白してうまく行かなかった場合への恐怖心がロンから勇敢さを剥ぎ取ってしまった。
ロンはそんな日々に疲れ、息抜きにとラベンダーの誘いに乗った。トレローニ教授の話はいつも通りどうとでも解釈できるようなふわふわしたもので、ロンはラベンダーの誘いに乗ったことを後悔した。
(……何つーか、ラベンダーは……カルトに嵌まってるみてぇな雰囲気だな……)
ラベンダーと共にトレローニの話を聞いていたロンは正直なところ、トレローニを持て囃すラベンダーにうんざりしていた。
(……こんなことしてる場合じゃねーんだけどな。……いや……そもそも、俺は期待されてねぇか。だから)
サダルファス家焼失と、ファルカスの両親が死亡したというニュースはロンの心をざわめかせた。
自分達がクリスマスだ何だと外界の情報を遮断している間に、外の世界は酷い悲しみに包まれているのだ。
ロンは四年生の頃からもう二十センチ以上は背が伸びていた。あの時失った友とは二度と会えないし、そういうことが今も繰り返されている。
とにかく今は戦時下なのだという認識がロンの中に生まれる。生まれると同時に、期待されていない自分への苛立ちも溜まる。
(俺だけ……ハブられてる。何でだ?……成績か?……いや……それだけじゃねぇ)
(俺はダンブルドアの役に立ってねぇ。ダンブルドアの信頼を得られてねぇからだ。だから、ハーマイオニーは個別指導を受けてるのに、俺は外されてるんだ)
だからこそ、ダンブルドアからの信頼を得られていない自分がもどかしくて仕方がないのだ。
ラベンダーとトレローニ教授の占いに関する談義は続いた。ロンは興味なさげにふうんと頷くばかりで会話に参加することはできなかった。
「真の眼を持つものは俗世の囁きになど惑わされず、己れの道を追及するもの。真理とは俗世に宿るものではなく、己に宿るものです」
「私の瞳は、ホグワーツに良からぬ兆しを見出だしています」
そして、トレローニ教授は一枚のタロットをロンとラベンダーに見せた。
「このカードの暗示を……正しいと受け入れられる人間がどこに居るでしょうか。皆が己の好きなように解釈し、真に警戒すべき賢人の言葉は聞き入れない。嘆かわしきことですわ」
シビル・トレローニはこのところ、ホグワーツの行く末を占っているらしい。トレローニ教授の真眼に従えば、タロット占いで今学期はホグワーツ全体にタワーの暗示が出ているのだという。
(いや……当たり前だろ。そんなもん持ち出すな……)
タワー。タロットの中で正であろうと逆位置であろうと良からぬ結果をもたらす最悪の札。そんなものを紛れ込ませて占うなとロンは言いたかった。
「ねぇ、ロンからダンブルドアに警告してくれない?ほら、ロンは反デスイーター組織に入るんでしょう?ロンの言葉ならダンブルドアだって聞くかもしれないし……」
「あー、俺のことをダンブルドアが気に入っているなら、そうだな。……ダンブルドアも、そういう良くないことは早めに知っときたいとは思うだろ」
半ば不貞腐れながらロンはラベンダーに頷いた。
ラベンダーはロンのことを褒めてくれる。裏の集会に加入しているロンのことを認め、凄いわと尊敬の眼差しを向けてくれる。
それでロンの自己肯定感は高まった。少しの間ではあるが絶好調になったし、クィディッチのプレーで精細を欠くこともなくなった。
とはいえ。
何度も何度の洗脳のように貴方は凄いのよ、と言われるのも辛いのだ。ロンは、自分はプレッシャーに強い方ではなかったと気付いた。
「教授はスラグクラブのパーティーに参加されたのですよね?どんな催しがあったのですか?私、すごく気になって……」
ラベンダーとトレローニの会話はロンが思った以上に弾んでいた。トレローニ教授は、不服そうに、しかし、少し自慢げにパーティーの様子を語っていた。
「世俗にまみれた者達の集いなど大したものではありませんよ。招かれざる者達も足を運んでおりましたわ」
「まぁ……どんな方々が?」
トレローニ教授が挙げた名前は確かに錚々たる面子であった。
(ホリヘッド・ハーピーズのキャプテン。ジニーが好きな人だっけか……)
ロンは情報を食っているだけだ、と自分に言い聞かせた。
(別に俺はキャプテンとか……妖女シスターズとか著名人に興味があった訳じゃねぇ。ハリーたちに置いてかれてる気がして嫌だっただけだ……)
パーティーそのものがそこまで楽しいかと言えば、ロンはそうでもないはずだと自分で思った。ただ、友人の側に居れないことに疎外感や孤独を感じているだけである。
「ドラコ・マルフォイは会場に足を踏み入れれば、偉大な者達の仲間入りが出来ると考えていたようです。勘違いも甚だしい。それに、忌々しいあのセブルス・スネイプも」
「スネイプが気に入らないんですね!実は俺もそうなんです!」
ロンはやっとトレローニとの共通点を見出だせたと思った。ラベンダーに付き合っておいて何も話さずぼうっとしているのも失礼だし、こういう共通の話題で盛り上がれる機会があるのはありがたかった。
「あの男は本来であればホグワーツに足を踏み入れることもおこがましい。私の啓示でも、あの男には『悪魔』の逆位置が出ていますわ」
「具体的に何をされたのですか?トレローニ教授ほどの方がそこまで言われるなんて……?」
ラベンダーは怖いもの見たさで恐る恐る聞いた。ロンもラベンダーに同意するような気持ちがあった。
セブルス・スネイプが過去デスイーターであり、ろくでもない人間だったという情報は知っていた。だからこそ、悪い意味でロンとラベンダーは好奇心を掻き立てられてしまった。シビル・トレローニの話術がそれなりに巧みであったということでもあろう。
「あの男は。ホグズ・ヘッドというパブで私とダンブルドアの就職面接を盗み聞きしたのです。全くもって礼儀知らずの恥知らずな男でした」
「……はい……?」
トレローニの言葉を聞いて、ロンは凍りついた。
「後から知ったことですが、あの男はデスイーターであったらしいですわ。そうでありながらダンブルドアに近付き、人の就職面接を盗み見て職を得ようとする浅ましい魂胆。まったくもって、あのような下品な男がホグワーツに居ることそのものが間違いなのです」
「……いや、本当に……仰る通りで……」
乾いた愛想笑いを浮かべるロンは、隣でラベンダーが激怒しながらトレローニ教授と共にスネイプへの悪口大会を開催するのを呆然と眺めていた。
(……いや、待てよ。つーことは……)
(スネイプが……ハリーやネビルのご両親の仇なんじゃねぇか……)
ロンとハーマイオニーだけは、ハリーから預言のことを聞いている。
預言がたまたまデスイーターにも漏れてしまった。預言を信じたヴォルデモートの手で、7月末に産まれた子供を持つ家庭が狙われ、ハリーやネビルの両親が被害を被ったのだ。
デスイーターの罪というものを、ヴォルデモートことトム・リドル個人に全て押し付けるべきなのかどうかロンにはわからなかった。
一度デスイーターに与しながら金と社会的地位によって見逃されるほどに、英国魔法界は腐敗している。両親からグリフィンドールらしい正義感と、リベラルに近い思想を教えられてきたロンにとってはデスイーターは悪そのものである。
ただそれを責めすぎると、親友のザビニやハリーの彼女のダフネの立つ瀬がない。だから皆その事には触れず、なあなあで過ごしてきた。
(ダンブルドアは何を考えてんだよ……)
しかしそれでも、ロンは足元がぐらりと揺れるような衝撃を受けていた。
デスイーターの悪事が卑劣で残酷で擁護できないことは知っていたが、身近にそういう悪意があったことを知るのは、一言で言えば恐怖であった。
スネイプはデスイーターとして何のためらいもなく預言を、ヴォルデモートへと報告した。
そのせいでハリーやネビルの両親を死なせながらのうのうと生きており、あまつさえ、ハリーやネビル、マグル出身のハーマイオニーにアカデミックハラスメントを繰り返しているのだ。これ以上にグロテスクな光景が他にあるだろうかとロンは思った。
(……ダンブルドアにどういうつもりなのか聞きてえ。……いや、それよりまずこの事をラベンダーに口止めしねーと。ハリーが知ったらキレるどころじゃ済まねぇ……)
ロンは混乱する頭で必死に思考を巡らせた。
ハリーもスネイプが過去デスイーターであったことは承知しているだろう。六年前ならいざ知らず、今はもうデスイーターであったことの意味は理解しているはずだ。
だが、ハリーは曲がりなりにもスネイプに対しては自寮の教師という意味での尊敬の念を向けていた。去年は個人指導も受けていたとロンは聞いている。
親の仇に対して尊敬の念を向ける。これがどれだけおぞましく、親不孝な行為であるかロンには想像もつかない。それを知ったハリーの心がどれだけ傷つくか考えたくもない。
一刻も早くトレローニ教授の研究室を離れたかったロンは、ラベンダーが深くトレローニ教授へと頭を下げるのを見て我に返った。ロンもラベンダーに続いて頭を下げ、ラベンダーと共にタロットを片付けようとした。
その時。
重く、深く、飲み込まれそうな声を。
ロンとラベンダーは確かに聞いた。
『刻の狭間が訪れる。偽りの白き衣を纏いし者は選択する。盲目の白き羊と、盲目の黒き羊を。偽りの白き衣を纏いし者は、盲目の白き羊を選ぶ』
「……!」
『盲目の黒き羊の蒙が開かれるとき、盲目の白き羊が新たに選ばれる。選ばれし者は選択の機会が与えられる』
(な……?これ、は?時の間?羊?は?)
ロンは、ラベンダーが自分の腕を掴んでいることに気付いた。ラベンダーの手は恐怖か、それとも興奮からか、がたがたと震えていた。
『黒き羊の選択のとき、黒き羊は死へと羽ばたく』
『刻の狭間に落ちた羊は道を選ぶだろう。選ばれぬ者は、選んだ者に導かれる』
そう言い切って、トレローニ教授はがくり、と肩を落とした。
(…………は?)
ロンには言葉の意味が全く理解できなかった。ラベンダーは占いのために自分で持っていたタロットを取り落とし、呆然とトレローニ教授を見ていた。
「死へと羽ばたく……死の……飛翔」
自分の側からぞっとするような単語を聞いて、ロンはラベンダーの呟きに背筋を凍らせた。
「……あら……?どうかいたしまして?お二人とも、そんな風に扉を開けて突っ立ってしまっては風邪をひきますわ」
呆気に取られているロンとラベンダーをよそに、大きな欠伸がした。ロンはまじまじとトレローニ教授を観察した。
(……いつも通りだ。……変わったところはねぇ……)
目の前に居たのはシェリー酒の薫りを漂わせたふだん通りのトレローニ教授であった。ロンは思わず立ち上がると、トレローニ教授へと深々と頭を下げた。
「も、申し訳ありません!あの……失礼いたします、教授!本日はありがとうございましたっ!!」
ロンはラベンダーを強引に引っ付かんでトレローニ教授の部屋を出た。
(……!!)
「ねぇ見た?WonーWon!今の、トレローニ教授が本物の預言をなされたのよ!今すぐ皆に言って、教授が本物の預言者だって言ってあげなきゃ……!」
部屋を出た瞬間、ラベンダーは興奮しきっていた。ロンは思わず辺りを見回した。
(やべぇ……けどよかった……)
幸い、トレローニ教授の研究室はアクセスが悪い。周囲に人影が無いことは確認したが、ロンは心臓が落ち着かなかった。
(とにかくこんな廊下じゃあダメだ。いつ誰が来るかわかんねー……)
「ちょっと、こっちに来てくれ」
ロンは人気のない隠し通路にラベンダーを連れ込むと、真っ先にラベンダーの唇を奪った。その一分後、ロンはラベンダーの耳許で囁いた。
「頼むぜハニー。……トレローニ教授がマジもんの預言者だったなら、むしろ、俺達は誰より慎重にならないと」
「え、そんな。教授の名誉と名声が回復できるのに……」
ラベンダーは敬愛するトレローニ教授が、アンブリッジに無能の烙印を押されたことを気にしていた。
トレローニ教授と業務を分担しているフィレンツェ教授に不満があるわけではない。そして、トレローニ教授への敬愛がないわけではない。ラベンダーにとってトレローニ教授は心底尊敬する恩師であり、その名誉を回復させたいという思いに偽りはなかった。
ロンはふだんハーマイオニーに頼り投げていた思考をフルに回転させてラベンダーを説得しなければならなかった。
「トレローニ教授の名誉が回復できてもその後は?本物の預言者だってことをスリザリンのデスイーター予備軍が聞いたらどう思うよ?」
「デスイーターは真っ先に、トレローニ教授を狙うだろ?」
「あ……」
ロンはかつてないほどに高速回転する頭でラベンダーを説得した。フレッドとジョージが今のロンを見ていれば爆笑しながら褒め称えたであろう。ラベンダーはロンに説得され、満更でもなさそうに頷いた。
肝心な時にだけは役に立つ男。それがロンであった。
「トレローニ教授の偉業を明かすのは全部終わってからだ。生徒でこの事を知ってるのは俺とハニーだけでいい」
ロンはハーマイオニーやハリーはこの事を知っておくべきだと思っていたが、あえて嘘をついた。ラベンダーにとってはこう言った方がよほど効果的だとわかっていたからだ。
「……生徒で?じゃあダンブルドアには言うのね?
「でも、二人だけの秘密にしていいの?」
「ああ!トレローニ教授が本当に凄いってことをハニーはずっと知ってたんだ。そこに俺も入れて嬉しいよ」
舞い上がっているラベンダーを見てロンはほっとした。
(……し。ひとまずはこれでいい。預言の内容が下手に漏れたら何が起きるかわかんねーし。……つーか俺にも預言の意味わかってねーけど)
ロンは占い学のowlに落第した男である。預言の解釈などというものに思考時間を割くよりは、正しい理解が出来る人間つまりダンブルドアに投げる方がよほど有意義だと感じていた。
(ぶっちゃけ預言なんか信じたくねぇ~けど……俺じゃあ預言の解釈も出来ねー。ダンブルドアに伝えるしかねぇな……)
今回ばかりはそれが正解であるとロンは信じた。
「……一緒にダンブルドアに報告しよう。トレローニ教授がやったことを」
「そうね!この事は私とロンだけの秘密なのね!!」
ロンは今まで以上にきらきらと期待に満ちた目のラベンダーと共に校長室への道を進んだ。
(……あっ……あっ……やっっべ……ラベンダーは置いていくべきだった……)
ロンは、進んでいる最中に地獄へと突き進んでいることに気付いた。
現在、ハーマイオニーは校長室でダンブルドアの個人指導を受けているのである。
***
ロンがハーマイオニーから教えて貰っていた合言葉を話して校長室に入ったラベンダーは、ロンを押し退けてトレローニの預言を一言一句違わず語った。
ロンはハーマイオニーが一切自分に視線を向けないのが恐ろしかった。視線は向けられていないのに、首筋に刃物が当てられているかのような冷たい怒りを感じるのである。
「……ふむ。シビルがそんなことを……」
「校長先生、私は先生が本当の預言を成されたと思います!!」
興奮冷めやらぬラベンダーは陶酔しながら言った。
「本当の預言者は……人にそうだと信じさせる魔力を持っておられるんです!トレローニ教授は本物です!言葉に魔力が込められているのをしっかりと感じました!!」
「なるほど?カッサンドラの娘の言葉か。しかしだ。君たちごときの言葉など信用できるものかね」
ラベンダーに水を差したのはフィニアス・ナイジェラスの肖像画であった。見た目だけなら壮年の高名な政治家のようにも見える男性はしかし、ラベンダーの言葉を切って捨てた。
「預言を信じるのは、無知で盲目的な君たちのような人間の特権だ。しかし、真の預言と偽の預言との区別をどうつけると言うのだ?君たちごときにその判別が出来ると言うのかね?」
「あれは間違いなく本当の預言でした!!」
ロンは怒りに駆られて言った。折角役に立てると思ってやってきたというのに、そんな風に聞き入れられないとは思いもしなかった。ロンはフォローを期待してハーマイオニーの方を見た。
「……」
ハーマイオニーは黙ってフィニアスの言葉に耳を傾けている。
(……いや……そりゃそうか……)
「無知と無謀は君たちの特権ではあるがね。君たちは偽りの預言と、真の預言とやらの区別がつくのかね?その人生の中で、初めて見たのだろう」
「そうです!それが何か……」
「ならば何故その言葉を真だと信じられる。いいかね、預言者の預言とやらは成就してはじめて真であると言えるのだ。過去に成立したことのない預言者の言葉を何故信じろと言うのだ」
(……あっ)
ロンはフィニアスに言われ、己の過ちに気付いた。
フィニアスは、何も無闇に嫌みを言っているわけではなかった。
(……そうか。このオッサンは素で性格が悪いからこういう言い方にしかならねぇだけで……トレローニが本当の預言者だってことが明るみにならねぇようにラベンダーを説得しているんだ……)
「その預言を信じ、貴重な時間を割けと言うのは、あまりにも愚かしいことだとは思わないのかね?」
「そ、それは……」
ラベンダーは雷に撃たれたかのように俯いて震えていた。ダンブルドアは、ロンとラベンダーに交互に視線を向けて言った。
「預言とは扱いが難しいものだ」
ロンもラベンダーも、ダンブルドアの言葉を黙って聞いた。ロンは余計なことを言わないように、ラベンダーは、気勢を削がれてしまい、すがるように。
「シビルの預言は曖昧な箇所も多い。『偽りの白き衣』の者、『盲目の白き羊』、『盲目の黒き羊』。それらが誰のことを指しているのかも現時点では私にはわからない」
ロンはダンブルドアの話に耳を傾けるのに必死で、ハーマイオニーの瞳が輝きを増したことに気付かなかった。
「しかし。彼女はこの数ヵ月、私に対して幾度も警戒を促してくれていた。私は占い学というものに対して、学術的興味を持ってはいなかったが……」
そう言って、ダンブルドアは優しくラベンダーを見た。
「ホグワーツを守るため彼女が成した預言を嘘だとは思わない」
(……よし……)
「……こ、校長先生……」
ダンブルドアの優しい言葉は、炎天下の砂漠に放り出された旅人に与えられる水のようにラベンダーの心に染み込んでいった。
「この話はまだ我々の内だけにとどめよう。ホグワーツを守る上で必要な情報を、私も収集しなければならない。誰にも話さないと誓ってくれるかね?」
「はい!」「勿論です!」「解りました、先生」
ロン達は一も二もなくダンブルドアの言葉に頷いた。ダンブルドアは優しく微笑むと、ラベンダーに帰るよう言った。ロンは自分がまだ校長室に残されたことを驚いた。
「……さて。ロン。君のもたらした預言に対する御礼と言うわけではないが……ハーマイオニーと共に、これから見せるホラスの記憶を見てほしい」
ロンは久しぶりにハーマイオニーと共に冒険が出来るような気持ちになった。ハーマイオニーはロンとは目をあわせてくれなかった。
ホラスの記憶のなかでロンとハーマイオニーが目にしたのは、己の叔父を利用してリドル家を殺害した若き日のトム・リドルであった。
ロンにとって恐ろしいことに、トムはそれだけのことをしでかし、ゴーントの指輪を己のものとした後で、スラグクラブのなかでホラスのお気に入りとして振る舞っていた。ホークスラックス、という魔法に関してホラスから聞き出そうとするリドルは、ロンの目には怪物としか思えなかった。
「気付いたと思うが、ホラスはこの記憶を己の都合のよいように改竄している。……君たち二人には、ホラスから、この記憶の本当の部分を引き出してほしい」
ダンブルドアからの依頼は度を越えた難題に思えた。
「げっ」
「……どうかしたの?」
「え、……あー、ハーマイオニーはどう思う?トレローニが言った黒き羊ってやつ」
ハーマイオニーと共に校長室を出たとき、ロンはスネイプのことについて問い詰めるのを忘れていたことを思い出した。ハーマイオニーは深いため息の後、ポツリと呟いた。
「私は、ハリーのことだと思ったわ」
***
「……アルバス。なぜあんなマグル生まれの少女に託したのだ?君に出来なかったことがあんな年端もいかない子供に成せるとは思えんがね」
フィニアス・ナイジェラスの肖像画はダンブルドアに批判的な意見を述べた。
肖像画は、過去の校長達の人格を精巧に再現させた作り物に過ぎない。しかし、フィニアスの肖像画は過去の校長達の中でも一際再現性が高かったと言うべきであろう。口調の中には、マグル生まれの少女に対する蔑視も含まれていた。
歴代校長の肖像画は少しの間、自らを描いた肖像の中から飛び出すと、フィニアスの高く伸びた鼻をつまんで折檻した。
「……痛い……離したまえ!私の絵が破れる!額縁が破損してしまう!!」
「貴方は少しお黙りなさい。憎まれ役を買って出るのもほどほどにしなければ話の腰を折るだけですよ」
わめき散らす肖像画はダンブルドアの心を少しだけ癒してくれた。ダンブルドアは朗らかに笑ってフィニアスに弁明した。
「彼女の出自が問題なのではないよ、フィニアス。ホラスにとって、これは丁度良い贖罪の機会でもある。私がミス・グレンジャーにことを頼んだのは、彼女が彼のお気に入りだからだ」
「……以前の内戦では、ホラスは己の目利きにしたがって才覚ある生徒を呼び集めた。出自を問わず、或いは、良い縁のあった家の子息を選りすぐって集めることでホラスは己の自尊心を満たした」
ダンブルドアはホラス・スラグホーンの性格を熟知していた。俗物であり、虚栄心が強く悪人ではなく、そして、善人とも言えない。
「……しかし、その集めた生徒のうち、何人もが帰らぬ人となった」
「愚かなことだな。死んだ生徒も、そんな生徒を選んだスラグホーンも」
フィニアスは嘲るように言った。
「世に出ればだれも庇護してはくれないのだ。それに気付かず舞い上がり、己の実力以上のものに手を出し破滅した。良くある話だろう?それでなぜあの男が気負う必要がある」
「……ここまでぶれずに最低であるとかえって尊敬の念すら抱きますな……」
「なぜこんな男を校長にしてしまったのか……」
歴代校長の嘆きをよそに、フィニアスは悪びれずに言った。
「その愚かさこそ愛と呼ぶべきものなのだよ」
「聡明なホラスは薄々察していただろう。己がトムに関する情報を吐き出さない限り、リリー・エヴァンスが己の信念を貫き通す真の勇気を持っていたことを。彼はリリーが卒業後も生き延びることが出来るとは思わなかったはずだ」
「マグル産まれでありながら聡明であり、我が強く、そして、正義感が強い。ホラスは否が応でもよからぬ未来を想像できただろう」
「……つまりスラグホーンは」
「教え子を愛すると言いながら見殺しにし続けてきたわけだ」
フィニアスは最も露悪的、かつ、残酷極まりない言い方をした。
スラグホーンの名誉のために言えば、スラグホーンに思い当たる節があったからと言ってスラグホーンがダンブルドアに真実を告げる義務はなかった。
スラグホーンはあくまでも教師でしかなく、オーダーでもオーラーでもないのだから。
重ねて言えば、魔法族にとって死からの逃避は古来から考えられてきたテーマであり、その種類は多岐に渡る。ホラスが告げた手段をトム・リドルが取ったという根拠はどこにもないのだ。
……ヴォルデモートが魂だけの状態になりながら消滅せず。
新たに肉体を錬成して復活したという情報を、ハリーから得ていなければ。
ダンブルドアがあえてこのタイミングでホラスをホグワーツへと招いた理由。
それは、ヴォルデモートが肉体を失いながら魂だけの状態となり復活したという情報が出揃ったからであった。
「だからこそ、贖罪する自由がホラスにはあるのだ。己の良心に従い教師としてやり直す権利が」
「……」
フィニアスは何も言わなかった。
静寂に包まれた校長室の中で、フォークスが唄うように鳴いた。それはダンブルドアのためか、それとも、ここにいないホラスのためであったのかもしれなかった。
ホラスが原作で世間が酷いことになっているのに呑気にパーティーに興じ、ダンブルドアもそれを許容したのは(クリスマスだったからというのもあるけど)、これから記憶の件でホラスに心理的負荷をかけるからその前にちょっといい目を見せてあげようという配慮だったんだと思います。
部下の希望を叶えつつ雇った以上はちゃんと過去の贖罪をしろと暗に促していると考えたらダンブルドアは仕事をしてますね。