私、支持率0%の職業でゲームにログインします。   作:バスタオル

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第11話 2人の戦い

ロザリー「…今から"私たちが"あんたを倒すから」

 

コハク「…」

 

アリシア「ねぇ…コハク」

 

ライン「!」

マリン「!」

スレッド「!」

マートン「!」

ミィ「!」

ミズキ「!」

リィ「!」

ローズ「!」

 

先程コハクに倒されたアリシアが戻ってきていた。

 

アリシア「…私、何度でもあなたを説得するから。あなたが私たちのところに戻ってくるまで何度も」

 

コハク「…」

 

アリシア「…ロザリー」

 

ロザリー「何?」

 

スッ…

アリシアは堕天使の短剣の剣先をコハクに向けた。

 

アリシア「…やるよ。私たちでコハクを止めよう」

 

ググッ…

ロザリーは槍を強く握った。

 

ロザリー「…えぇ。そうしましょう」

 

コハク「…」

 

ヒュッ!ガンッ!!

コハクはスレッドに向けて巨人の大剣を放り投げた。

 

スレッド「!」

 

コハク「…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「召喚!ムクロ!三つ首!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!!

ムクロと三つ首が召喚された。

 

ムクロ「呼んだか。アリシア」

 

雷首「ガッハハハ!今度はどいつだぁ!?」

氷首「雷!相手はコハクだぞ!」

火首「あいつか!仲間を脱退したから驚いたぞ!」

 

ライン「なっ…」

 

スレッド「おいおい!あいつは骸の武士じゃねぇか!」

 

マートン「しかももう一体は確か斬首の扉の…」

 

マリン「なんだっけ?三つ首?」

 

マートン「それだ!でもなんでここに…」

 

ムクロ「コハク。仲間を脱退したかと思えばここで何してる」

 

コハク「…」

 

アリシア「ムクロ!今のコハクには何言っても聞かないよ!」

 

ムクロ「なんだと?」

 

アリシア「私…何度もコハクに話しかけたけどその度にやられちゃって…」

 

雷首「何!?嬢ちゃんコハクに攻撃されたのか!?」

 

アリシア「う…うん…」

 

氷首「てめぇコハク!ふざけてんのか!!」

火首「お前!主に拳を振ったのか!男の風上にも置けんぞ!」

 

コハク「…」

 

雷首「嬢ちゃん任せろ!俺たちが何とかしてやる!」

氷首「あの野郎をボコボコのけちょんけちょんにしてやる」

火首「あとで火炙りだ」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

するとスザク、プニちゃんと、キリちゃん、ゴロちゃんが出てきた。

 

スザク「主様。私たちにも手伝わせてください」

 

アリシア「スザク?プニちゃんにキリちゃん、ゴロちゃんまで…」

 

プニちゃん「主!私も戦う!主を守るために戦う!」

 

アリシア「プニちゃん…」

 

キリちゃん「わ、私の主を…私の主を!!あなた許しません!!絶対に!」

 

ゴロちゃん「…」

 

アリシア「みんな…ありがとう…ありがとう…」

 

ロザリー「…アリシア。そろそろやろう」

 

アリシア「…うん!みんないくよ!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

スレッド「なぁライン」

 

ライン「…何?」

 

スレッド「あれ…確かプニプニスライムと切り裂き魔と岩石おとこじゃねぇか?」

 

ライン「…」

 

マートン「ほんとだ…みんなダンジョンのボスだよ」

 

マリン「でも一人知らない人いるね」

 

リィ「あれは野生のモンスターだったのかな」

 

ミズキ「でもどうして…」

 

ライン「…」

 

スレッド「まさかと思うが…魔物使いって全ての魔物を従わせることができるんじゃ…」

 

マリン「嘘!?」

 

マートン「もし仮にそれが本当なのだとしたら第1層のモンスター全て仲間にできるよ」

 

スレッド「でも見てみろよ。ダンジョンのボスだったやつがアリシアと戦ってるんだぜ?」

 

リィ「確かに…」

 

ミィ「ボスモンスターは流石に反則なんじゃ…」

 

ローズ「いや、このイベントに関しては反則じゃないかも」

 

リィ「だね。むしろ好都合」

 

ライン (アリシア…君は一体何なんだ…)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「みんな頑張れぇぇぇぇぇ!!」

 

音声「特性:応援が発動しました。モンスターのステータスが上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ムクロたちのステータスが上昇した。

 

ムクロ「つるぎの舞」

 

ビュン!ズシャシャシャシャシャシャシャ!!

ムクロが刀を振るうとコハクに向かって多数の剣気が放たれた。

 

雷首「カァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バリバリバリ!!ヒュォォォォ!!ゴォォォォ!!

三つ首は3つの属性ブレスを同時に放った。

 

スッ…バッ!

コハクは拳を握って掌を前に出した。

 

バゴォォォォォォォォン!!

コハクは正面からムクロと三つ首の攻撃を受け止めた。

 

スザク「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

キリちゃん「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

スザクとキリちゃんはその隙をついてコハクを斬った。

 

スザク「よしっ」

キリちゃん「プニちゃんさん!」

 

プニちゃん「いっくよぉぉぉぉ!!」

 

ブンブンブンブンブンブンブン!

プニちゃんとゴロちゃんは2人で腕を回していた。

 

プニちゃん「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

ゴロちゃん「…」

 

ビュュュュュュュュュン!!ドゴォン!!

プニちゃんとゴロちゃんは腕を回した後にコハクに向かって腕を伸ばした。プニちゃんとゴロちゃんの攻撃は見事に当たった。

 

プニちゃん「よしっ!当たったよ!」

 

ロザリー「はぁぁぁぁぁっ!!赤雷!!」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォン!!

ロザリーは再臨の槍を投擲した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクの周囲に煙が立ち込める。

 

ロザリー「よしっ…」

 

アリシア「みんなすごい!!」

 

音声「特性:褒め言葉が発動しました。モンスターとの信頼度が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

スザクたちとの信頼度が上昇した。

 

音声「信頼度が一定値に到達したため、新たな特性とスキルを習得しました」

 

アリシア「えっ!?」

 

音声「特性:溺愛、スキル:愛の拳を習得しました」

 

アリシア「溺愛!?愛の拳!?」

 

音声「特性:溺愛。モンスターを育成することで更にステータスを上昇させることができます」

 

アリシア「い、育成…?」

 

音声「スキル:愛の拳。素手で攻撃する際、相手のことを想えば想うほど与えるダメージが上昇する」

 

アリシア「素手!?」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

やがて煙が晴れてきた。

 

コハク「…」

 

ロザリー「っ…」

 

アリシア「コハク…」

 

コハク「…」

 

ビュン!

コハクは一瞬でその場から消えた。

 

アリシア「!?」

ロザリー「!」

 

スザク (速い!!)

 

ムクロ「…」

 

ヒュォォォォォォォォォォ…

ムクロは特異な構えを取っていた。

 

ムクロ (お前がやることは大体分かる。だから俺はその先を読む)

 

ビュン!

コハクはムクロの目の前に現れた。

 

アリシア「ムクローーー!!!」

 

ムクロ「そこっ!!」

 

ドスッ!!

ムクロはコハクの胸元に刀を刺した。

 

ムクロ「くっ…」

 

コハク「…」

 

ズシャッ!ビュン!ビュン!ビュン!スタッ!

コハクはすぐに刀を抜いてその場から離れた。

 

雷首「やるじゃねぇかムクロ!」

氷首「一瞬のことだったな!」

火首「お前!あれが見えてたのか!?」

 

ムクロ「…いいや、勘に頼っただけだ」

 

雷首「勘かよ!」

氷首「お前らしいな!」

火首「勘くらいなら俺たちにもできる!」

 

ムクロ「…そうか」

 

コハク「…」

 

ポタッ…ポタッ…ポタッ…

コハクは血を流していた。

 

アリシア「コハク!」

 

コハク「…」

 

ビュン!

コハクはまた移動した。

 

スザク (またっ…)

 

スザクは周囲を注意深く見渡した。

 

ビュン!

コハクはプニちゃんの目の前に現れた。

 

プニちゃん「へっ…嘘っ…」

 

アリシア「プニちゃん!!」

 

ドゴォン!!

コハクはプニちゃんに攻撃した。

 

プニちゃん「きゃっ!!」

 

ドゴォン!!

プニちゃんは壁まで吹っ飛ばされた。

 

アリシア「プニちゃん!!!」

 

ビュン!

コハクはまた移動した。

 

スザク (くっ…次はどこから…)

 

ビュン!

コハクはスザクの目の前に現れた。

 

スザク「なっ…」

 

ドゴォン!!

コハクは次にスザクに攻撃した。

 

スザク「がはっ…」

 

ズサァァァァァァァァァッ!!

スザクはプニちゃんと違って何とか耐えた。

 

ドサッ…

スザクは地面に膝を着いた。

 

スザク「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

コハク「…」

 

コハクはスザクを見下ろしていた。

 

スザク「はぁっ…はぁっ…はぁっ…くっ…」

 

スザクは殴られたところを必死に押さえている。

 

コハク「…」

 

ビュン!

コハクはまた一瞬で移動した。

 

雷首「ムクロ!やつの居場所は分かるか!?」

 

ムクロ「…すまない。全く見えない…」

 

氷首「おいおいマジかよ!!」

 

火首「それだと今のあいつを見て何かできるやつはいないってことか…?」

 

コハク「…」

 

ビュン!

コハクはゴロちゃんの目の前に現れた。

 

ゴロちゃん「…」

 

ドゴォン!!

コハクはゴロちゃんを攻撃した。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

しかしゴロちゃんはビクともしなかった。

 

ゴロちゃん「…」

コハク「…」

 

アリシア「ゴ、ゴロちゃん…?」

 

音声「特性:確固たる意思が発動しました。ゴロちゃんの防御力が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

ゴロちゃんの防御力が上昇した。

 

ゴロちゃん「…」

 

ガシッ!

ゴロちゃんはコハクを捕まえた。

 

コハク「…」

 

ググッ…

コハクは何とかゴロちゃんの拘束から逃げようとした。しかしゴロちゃんの拘束は思ってたよりも強く、コハクでさえすぐには逃げられなかった。

 

ゴロちゃん「…」

 

するとゴロちゃんはアリシアに目線を送った。

 

アリシア「!」

 

アリシアはゴロちゃんが何かを訴えてることに気づいた。

 

アリシア (ゴロちゃんが何か伝えようとしてる…でも分からない…ゴロちゃんが考えてることが分かれば…)

 

グニュ…グニュ…グニュ…

するとプニちゃんが自分の体を使ってゴロちゃんを覆い始めた。

 

アリシア「!」

 

ゴロちゃん「ア…アリシア…攻撃…」

 

アリシア「!!」

 

プニちゃんが自分の体を使ってゴロちゃんが言いたいことを翻訳してくれた。

 

ゴロちゃん「は…やく…アリシア…」

 

アリシア「っ!」

 

カチャ

アリシアは堕天使の短剣を握りしめた。

 

アリシア「ゴロちゃん…今行くから!」

 

ダッ!

アリシアはコハクに接近した。

 

コハク「…」

 

コハクはその間もゴロちゃんの拘束から逃れようとした。

 

アリシア「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドスッ!!

アリシアはコハクの背中に堕天使の短剣を突き刺した。

 

コハク「…」

 

しかしアリシアの攻撃力が低いため、まともなダメージにならなかった。

 

アリシア「これでっ…」

 

ズシャッ!

アリシアは堕天使の短剣を引き抜いた。

 

コハク「…」

 

ドゴッ!!ドゴッ!!ドゴッ!!

コハクはゴロちゃんを足で攻撃し始めた。

 

ゴロちゃん「…」

 

しかしゴロちゃんの防御力は先程の特性のおかげでコハクの攻撃力を上回っている。

 

コハク「…」

 

ドゴッ!!ドゴッ!!ドゴッ!!ドゴッ!!

コハクはそれでも攻撃を入れ続ける。

 

アリシア「コハク!私があなたを連れて帰るから!」

 

ドスッ!!ドスッ!!ドスッ!!ドスッ!!

アリシアは何度もコハクを攻撃した。アリシアの攻撃力は低いが、何度も攻撃することでまともなダメージになってきた。

 

コハク「…」

 

グググッ…

コハクは拳を握った。

 

音声「ボスモンスターが必殺技を放とうとしています。今すぐその場から離れてください」

 

アリシア「!?」

 

突然、警告を知らせる音声が響いた。

 

コハク「…」

 

グググッ…ビュン!ドゴォン!!

コハクは拳を握って渾身の一撃をゴロちゃんにお見舞した。

 

ガラガラガラガラ…

するとゴロちゃんの左腕と左半身の一部が砕けてしまった。

 

ゴロちゃん「っ…」

 

ドゴォン…

ゴロちゃんはバランスを崩して地面に倒れた。

 

アリシア「ゴロちゃん!」

 

プニちゃん (マズイ!)

 

ピョン!

ゴロちゃんにくっついて翻訳していたプニちゃんはすぐにゴロちゃんから離れた。

 

コハク「…」

 

ヒュォォォォォォォォォォ…

コハクが異様な気配を放ち始めた。

 

アリシア「コハク…」

 

ロザリー「アリシアー!!」

 

アリシア「!」

 

タッタッタッ!

ロザリーがアリシアのところまで走ってきた。

 

アリシア「ロザリー…」

 

ロザリー「何してるの!ここから逃げるよ!!」

 

アリシア「えっ…?」

 

ロザリー「さっきの聞いたでしょ!?コハクが必殺技を放つって!だから離れなきゃ!」

 

アリシア「でも…」

 

ロザリー「早く!」

 

アリシア「…嫌!私行かない!」

 

ロザリー「なんで!」

 

アリシア「だってゴロちゃんを置いていけない!」

 

ロザリー「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!さっきの警告でみんなこの部屋の壁まで後退してる!あとはアリシアだけなのよ!」

 

アリシア「嫌!ゴロちゃんを置いていけない!」

 

ゴロちゃん「…」

 

音声「警告!警告!今すぐボスモンスターから離れてください!」

 

ロザリー「ほら!アリシア!」

 

グイッ!グイッ!

ロザリーは何とかしてアリシアを連れていこうとした。だがアリシアは一向に逃げようとしなかった。

 

アリシア「やめて!離して!」

 

ロザリー「アリシアがやられたらモンスターたちも一緒にやられちゃうんだよ!?だからアリシアだけでも!」

 

パシッ!ダッ!

アリシアはロザリーの手を振り払ってゴロちゃんのところまで走った。

 

ロザリー「アリシア!待って!」

 

ガシッ!

ロザリーがアリシアを追いかけようとした時、誰かがロザリーの腕を掴んだ。

 

ロザリー「!」

 

ライン「もうダメだ!せめてロザリーだけでも!」

 

ロザリー「でも!アリシアが!」

 

ライン「っ…」

 

ダッ!

ラインはロザリーを抱えて壁まで後退した。

 

ロザリー「待ってライン!アリシアが!!」

 

ライン「っ…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

ゴロちゃん「…」

 

アリシアはゴロちゃんのところに着いた。

 

アリシア「ゴロちゃん!ここは危険だから今すぐ立って!私と一緒に行こっ!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ゴロちゃんは頷かなかった。

 

アリシア「ゴロちゃん!早く!立って!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ゴゴゴ…

ゴロちゃんは右腕を動かした。

 

ガシッ…スッ…

そしてアリシアを掴んで少し遠くに降ろした。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

ダッ!

アリシアはまたゴロちゃんのところに行った。

 

アリシア「なんで!ゴロちゃんも一緒に行くの!早く!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ゴロちゃんは顔を横に振った。

 

アリシア「なんで…なんで!ゴロちゃん!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

突然、甲高い音が周囲に響いた。

 

音声「最終警告!最終警告!今すぐボスモンスターから離れてください!」

 

アリシア「ほらっ!ゴロちゃん!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ゴロちゃんは全く動こうとしなかった。

 

アリシア「なんでっ…ゴロちゃん…なんでっ…」

 

スッ…

アリシアはゴロちゃんの右腕に触れた。

 

ゴロちゃん「…」

 

アリシア「こんなところでお別れなんて嫌だよ…ゴロちゃん…」

 

ゴロちゃん「…」

 

音声「ボスモンスターが必殺技を使います!!」

 

コハク「…」

 

ジジジ…バリバリバリバリ!!

コハクの足元には魔法陣が展開されていた。

 

コハク「…」

 

バッ!

コハクは手を大きく広げた。

 

アリシア「!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

地面が揺れ始めた。

 

アリシア「っ!」

 

アリシアは少しバランスを崩した。

 

バリバリバリバリバリバリバリバリ!

コハクの両手に紫色の魔力の塊が生成された。

 

アリシア「ひっ…」

 

アリシアはこの時、本気で恐怖を覚えた。

 

ゴロちゃん「…」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ゴロちゃんは何とかしてその体を動かしてアリシアを守るように立ちはだかった。

 

アリシア「!!」

 

ゴロちゃん「…」

 

音声「特性:確固たる意思が発動しました。ゴロちゃんの防御力が上昇します」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

コハクは両手に生成した2つの魔力の塊をひとつに合わせた。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

ゴロちゃん「…」

 

アリシア「待って!ゴロちゃ…」

 

ドゴォォォォォォォォォォォン!!

コハクはひとつに合わせた魔力の塊を地面に叩きつけた。

 

バゴォォォォォォォォン!!

その際、周辺に衝撃波が拡散された。

 

アリシア「っ…」

 

ビュォォォォォォォォォ!

しかし、アリシアには全く攻撃が届かなかった。

 

アリシア「…!!」

 

アリシアへの攻撃は全てゴロちゃんが防いでいた。そのためアリシアは衝撃とともに発生した風だけを受けていた。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクの必殺技が終わった。

 

ゴロちゃん「…」

 

ドシィン!!

ゴロちゃんは力なくその場に倒れた。

 

アリシア「ゴロちゃん!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

するとゴロちゃんはその場から消えてしまった。

 

アリシア「嘘っ…ゴロちゃん…ゴロちゃん!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ライン「っ…すごい攻撃だったな…」

 

スレッド「確かに…あれじゃあここら周辺消し飛ぶくらいだぞ」

 

マリン「でも唯一ここだけ避難スペースになってるのは良心的だね」

 

ローズ「確かに」

 

ロザリー「アリシア!!」

 

タッタッタッ!

ロザリーは攻撃が止んですぐにアリシアのところに向かった。

 

スレッド「あいつ…」

 

ライン「っ…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ロザリー「アリシア!!」

 

アリシア「…」

 

ロザリーはぐったりしているアリシアのところについた。

 

ロザリー「アリシア!大丈夫!?」

 

アリシア「…」

 

アリシアは返事をしなかった。

 

ロザリー「アリシア!!」

 

ザッザッザッ…

するとコハクがアリシアとロザリーの目の前に立っていた。

 

ロザリー「!!」

アリシア「…」

 

コハク「…」

 

コハクはアリシアとロザリーを見下ろしていた。

 

ロザリー「コハク…」

 

コハク「…」

 

アリシア「…コハク…」

 

ロザリー「!」

 

スッ…

アリシアはゆっくり立ち上がった。

 

ロザリー「アリシア…」

 

アリシア「…」

 

アリシアはコハクを睨んだ。

 

アリシア「…コハク…よくもゴロちゃんを…」

 

コハク「…」

 

アリシア「よくもゴロちゃんを…」

 

グググッ…

アリシアは拳を握った。

 

アリシア「よくもゴロちゃんを!!!」

 

ロザリー「!」

 

ライン「!」

スレッド「!」

マートン「!」

マリン「!」

ミィ「!」

ミズキ「!」

リィ「!」

ローズ「!」

 

ラインたちは突然大声で怒鳴ったアリシアに驚いていた。

 

アリシア「もう許さない…いくら敵であっても仲間を傷つけるなんて!!」

 

コハク「…」

 

ピッ…ブゥン…

アリシアは全ての武器と防具を解除した。

 

スレッド「おいお前!何やってんだ!敵の前だぞ!!」

 

ライン「っ!」

 

アリシア「第一特異点 アルマ・マドラ 装備!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!

すると紫色の光がアリシアを包み込んだ。

 

スレッド「なっ…何だ!」

 

マートン「さっき…第一特異点って…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアは第一特異点 アルマ・マドラ 一式とアルマ・マドラの魔玉を装備した。

 

アリシア「…」

 

ライン「なっ…あれは…」

 

スレッド「はぁっ!?あれって確か…」

 

マートン「第1層の最終ボス!第一特異点 再臨のアルマ・マドラの防具!」

 

スレッド「嘘だろ!?あいつを倒せたのか!」

 

ライン「なんと…」

 

アリシア「…」

コハク「…」

 

アリシアとコハクは互いの様子を伺っていた。

 

アリシア「コハク」

 

コハク「…」

 

アリシア「…もう許さないから」

 

コハク「…」

 

ビュン!ドゴォン!!

アリシアはコハクに攻撃した。

 

ズサァァァァァァァァァッ!!

コハクは大きく後退させられた。

 

コハク「…」

 

コハクは大ダメージを受けた。

 

アリシア「やぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!!ドゴォン!!ドゴォン!!

アリシアはさらにコハクを攻撃した。

 

コハク「…」

 

ズサァァァァァァァァァッ!!

コハクはアリシアの攻撃を全て受けきった。

 

コハク「…」

 

アリシア「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!!

アリシアは目一杯力を込めてコハクに攻撃した。

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…ドゴォン!!

コハクは壁まで吹っ飛ばされた。

 

スレッド「すげぇ!!」

 

ライン「あれを吹っ飛ばすか…」

 

マートン「これならいける!」

 

マリン「あの子…本当に魔物使いなの…?」

 

ミズキ「…」

 

ミィ「すごい!頑張れぇ!」

 

リィ「アリシアならいける!」

 

ローズ「あんなやつやっつけちゃえ!」

 

アリシア「…」

 

ザッザッザッ…

アリシアはゆっくりコハクに近づいた。

 

コハク「…」

 

パラパラパラパラ…

コハクは立ち上がった。

 

アリシア「っ…」

 

グググッ…

アリシアは拳を握った。

 

アリシア「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

コハク「…」

 

ドゴォン!バゴォォォォォォォォン!!

アリシアはコハクを攻撃した。コハクは強く壁に叩きつけられた。

 

アリシア「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

 

アリシアは目一杯力を込めたため少し疲れていた。

 

パラパラパラパラ…

コハクはぐったりしていた。

 

アリシア「…コハク…」

 

コハク「…」

 

アリシア「…失望したよ」

 

コハク「…」

 

グググッ…

アリシアは強く拳を握った。

 

アリシア「…頭…冷やして」

 

ビュン!バゴォォォォォォォォン!!

アリシアはコハクに攻撃した。

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

コハクとアリシアの周囲に煙が立ち込める。

 

ザッザッザッ…

そんな煙が立ち込める中、アリシアはロザリーがいるところまで歩いてきた。

 

ロザリー「ア…アリシア…」

 

アリシア「…」

 

音声「第10階層のボスモンスターの体力が0になりました。第10階層クリアです」

 

マリン「やったぁぁぁぁぁっ!!」

ミィ「やったぁぁぁぁぁぁっ!!」

リィ「やったぁぁぁぁぁぁっ!!」

ローズ「やったぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

マリンたちはすごく喜んだ。

 

スレッド「はぁっ…ようやく倒せたか」

 

マートン「ほんと、何回やられたっけ…」

 

スレッド「分かんね。てかあいつ…中々に強いぞ。なぁ、ライン」

 

ライン「…あぁ」

 

ミズキ「…」

 

ロザリー「アリシア?」

 

アリシア「…勝てたね。ロザリー」

 

ロザリー「っ…」

 

その言葉を発したアリシアの目には光がなかった。

 

アリシア「これで全制覇だよ。やったね」

 

ロザリー「…そうだね」

 

ロザリーは何も言葉をかけられなかった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

スレッド「ところで、この階層をクリアしたら何pt貰えるんだ?」

 

ピコン!

するとラインたちのポイントが加算された。

 

スレッド「はぁっ!?たったの100!?」

 

マートン「嘘っ…少なっ…」

 

マリン「えっ?今までのやつって10ptとか20ptとかだよね?」

 

スレッド「あぁ。なんなら1個下の階層は90ptだ」

 

ライン「これだけボスが強いのに100pt程度なら非効率だね」

 

スレッド「ライン。第9階層でポイント稼ぎやるぞ」

 

ライン「あぁ。行こうか」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

ライン、スレッド、マートンは第10階層から脱出した。

 

ミィ「ねぇマリン」

 

マリン「何?」

 

ミィ「私たちも第9階層でポイント稼がない?そっちの方が多分早いよ?」

 

マリン「だね。リィもローズもミズキもそれでいい?」

 

リィ「うん!」

ローズ「いいよ」

ミズキ「…」

 

マリン「じゃあ行こっか!」

 

シュッシュッシュッシュッシュッ

マリンたちも第9階層に向かった。

 

ロザリー「…ねぇアリシア」

 

アリシア「ロザリー」

 

ロザリー「ん?何?」

 

アリシア「ごめん…私…今回のイベントはもうやらない」

 

ロザリー「えっ!?」

 

アリシア「…やる気なくしちゃった。途中なのにごめんね」

 

ロザリー「そんな…アリシア…」

 

アリシア「…ごめんね」

 

ピッ…シュゥゥゥゥゥゥゥ…

アリシアはその場から消えた。

 

音声「アリシアさんがログアウトしました」

 

ロザリー「アリシア…」

 

それからアリシアはイベントが終わるまで一度もログインしなかった。

ロザリーはイベントの途中でジンとルシュとその仲間のゼディ(第1回 イベント第9位)と合流し、イベントを進めた。




〜物語メモ〜

歴戦の塔 各階層のクリアポイント
第1階層…10pt
第2階層…20pt
第3階層…30pt
第4階層…40pt
第5階層…50pt
第6階層…60pt
第7階層…70pt
第8階層…80pt
第9階層…90pt
第10階層…100pt
第1階層から第10階層までクリアすれば550pt得られたことになる。

特性:溺愛
モンスターを育成することで更にステータスを上昇させることができる

スキル:愛の拳
素手で攻撃する際、相手のことを想えば想うほど与えるダメージが上昇する

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