私、支持率0%の職業でゲームにログインします。 作:バスタオル
第1話 ログイン
場所…結衣の部屋
???「ねぇ結衣〜。ちゃんと買ってくれた〜?」
結衣「買ったよ。お母さんから物珍しい目で見られたよ…」
???「ふっ…だろうね。結衣はゲームなんてしないもんね」
結衣「うん。私も買うのに少し抵抗あったけど花蓮が絶対やってって言うから…」
花蓮「でもあれは絶対楽しいよ!結衣だって絶対ハマるから!」
結衣「だといいけど…」
主人公 結衣は友達の花蓮と電話でお話をしていた。
結衣「でもこれっていつ始まるの?」
花蓮「え?もう始まってるよ?3日前から」
結衣「え?3日前?」
花蓮「そう!だから急かしたの!」
結衣「え〜…というか花蓮はこのゲームやってるの?」
花蓮「ううん。やってない」
結衣「え、じゃあ何で私に買わせたの…」
花蓮「結衣と一緒にしたいから!」
結衣「でも花蓮やってないって…」
花蓮「買ったには買ったんだけど、お母さんに止められた…」
結衣「え?何で?」
花蓮「最近テストの点数低いから点数上がるまでダメって…」
結衣「え、次のテストもうすぐだけど大丈夫なの?」
花蓮「大丈夫!大丈夫!ちゃんと点数上げるから!」
結衣「はぁ…」
花蓮「それでさ結衣」
結衣「何?」
花蓮「私のために先にログインしててくれない?」
結衣「え?何で?」
花蓮「結衣が先にやってくれてると、あとで聞いて効率よく動けると思うから」
結衣「ゲームの経験がない私に先にしろと…」
花蓮「そう!だからお願い!」
結衣「はぁ…分かったよ…やってみる」
花蓮「ありがとう結衣!月曜日にどうだったか聞くからね!」
結衣「はいはい…あなたは勉強頑張ってね」
花蓮「分かった!じゃあ切るね!」
結衣「うん。またね」
ピッ…
電話が切れた。
結衣「…はぁ…何で初心者の私が先にゲームしなきゃいけないの…」
結衣は机の上に置いてある大きなヘルメットのようなものと手袋を手に取った。
結衣「というか、ゲームするだけに何でこんなものが必要なの?これヘルメットでしょ?それに厚い手袋も」
結衣はベッドに座ってヘルメットと手袋を置いた。
結衣「…あれ、というかゲームにはコントローラーってものが必要って聞いたけど、どこにあるの?」
結衣は箱の中を見た。だが何も入っていなかった。
結衣「あれ、何も無い。不良品?説明書どこかな」
結衣は机の上にあった説明書を読んだ。
結衣「ふーん。コントローラーがこのヘルメットみたいなやつなんだ。そうなんだ」
結衣は説明書を置いてベッドに座った。
結衣「まず手袋かな」
結衣は手袋をつけた。
結衣「…なんか物を掴みにくいな…さて、あとはこのヘルメットかな?」
ガコッ…カチャ…
結衣はヘルメットもつけた。
結衣「わ、すごい…真っ暗だ。というかこれ目まで覆ってるけど大丈夫なのかな」
ブゥン…
すると目の前に画面が表示された。
結衣「わっ!何!?」
音声「コントローラーの接続が確認されました。ゲームにログインします」
ピピッ!
すると目の前が真っ白な光に包まれた。
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場所…白い空間
結衣「んっ…ん?あれ、ここは…」
そこは辺り一面真っ白な空間だった。他には何も無く、結衣以外誰もいなかった。
結衣「えっ…何ここ…」
音声「ゲームへのログインを確認しました」
結衣「!?」
すると先程聞こえた音声がまた聞こえた。
音声「ここでは、あなたがゲームにログインするためのステータスと職業を確認できる場所です。職業は様々。ステータスはご自身で好きなように振ることができます」
結衣「職業?ステータス?何それ…」
音声「ステータスはあなたの能力値になります。HP、MP、攻撃力、防御力、スピード、魔力、カリスマの7つの中から好きなようにポイントを付与することができます」
結衣「何それぇ…」
音声「まずは好きなようにポイントを振ってみてください。振ったステータスによって最適な職業の候補が挙げられます」
結衣「振る?」
ブゥン…
すると、一枚のパネルが表示された。
結衣「何これ…」
音声「画面をタッチしてステータスを振ってみてください」
結衣「振る?」
ポチッ
結衣は攻撃力のところを押した。
ピッ
すると、攻撃力のところにひとつポイントが付与された。
結衣「あ、こうやって押すことでポイントを振り分けることができるんだ。というか最初から振り分けるって言って欲しい…振るって言われるとシャカシャカ振るやつかと思ったじゃん…」
結衣はどのステータスに振るか考えていた。
結衣「うーん…ゲームってやったことないから分かんないなぁ…こんな時花蓮がいてくれたら教えてくれると思うんだけど…」
結衣が考えていると、あるステータスが目に入った。
結衣「カリスマ?何それ。目立つのかな?」
ピッ
結衣はカリスマを押してみた。すると、カリスマのところにポイントが振り分けられた。
結衣「ん〜…なんだろう…何か説明が欲しいんだけどなぁ…」
ピッピッピッ…ブゥン…
結衣が色々と画面を押していると何やら画面が切り替わった。
結衣「ん?攻撃力?攻撃力は相手に与えるダメージを増やせます。ですか」
ピッ…ブゥン…
結衣は画面の横にある矢印を押してみた。
結衣「防御力?防御力は相手の攻撃によるダメージを減らせます。ですか」
ピッ…ブゥン…
結衣はまた矢印を押してみた。
結衣「スピード。相手より速く動くことができます。へぇ。私運動できないからいいかも」
ピッ…ブゥン…
結衣は矢印を押した。
結衣「魔力。魔法のダメージや効果を増やせます。ですか。魔法?魔法使いとかかな?」
ピッ…ブゥン…
結衣は矢印を押した。
結衣「カリスマ。モンスターを仲間にできます。ただし、ステータスは下がる。ですか。何でこれだけデメリットが書かれてるのかな。嫌がらせなのかな」
結衣は5つのステータスをどう振り分けるか考えていた。
結衣「私ゲームやったことないからなぁ…どう振り分けるのが正解なんだろ…」
ピッ…ブゥン…
結衣はもうひとつだけ画面を押してみた。すると、各ステータスの支持率が表示された。
結衣「支持率?えっと…」
HP:77%
MP:64%
攻撃力:97%
防御力:93%
スピード:83%
魔力:89%
カリスマ:0%
結衣「あ、やっぱり攻撃力は上げたほうがいいのかな…って…え?0%?」
何故かカリスマだけ0%だった。
結衣「え?0%って…これは一種の嫌がらせなんじゃ…」
結衣はカリスマの低さに引いていた。
結衣「そりゃそうだよね。ステータスが下がるって分かってたら誰も選ばないよね。じゃあ私が選んじゃおうかな。ひとつだけ0%なんて可哀想だよ」
ピッピッピッ
結衣はカリスマに全てのポイントを振った。
結衣「…これで少しは支持率が上がって欲しいな…」
ブゥン…
すると画面が切り替わった。
結衣「えっ、何これ。魔物使い?」
画面には「魔物使い」と表示されていた。
結衣「うーん…これ以外にはなさそうだけど、これが私の職業になるのかな」
ピッ
結衣は魔物使いの説明欄を触った。
音声「魔物使いとは、このゲーム内に存在するモンスターを仲間にして戦う職業です。他の職業とは違い、自分ではなくモンスターが戦うので、強さはそのモンスター依存になります。プレイヤーのステータスが低く、自分がやられると、モンスターたちもやられる事になります。しかし、モンスターだけがやられた場合はすぐにモンスターが復活します。プレイヤーが倒れない限り、モンスターたちは戦い続けることができます」
結衣「な…なるほど…つまりは私がやられなければモンスターたちは負けても復活するんだね。私さえやられないようにすればいいわけね」
ピッ
結衣は決定ボタンを押した。
結衣「モンスターってどんなのだろ…怖いのかな…強いのかな…」
音声「職業とステータスを確認しました。プレイヤー名を決めてください」
結衣「プレイヤー名?名前のことかな」
ピッピッピッ
結衣は自分の名前である「結衣」という名前を入力した。
結衣「あ…」
結衣はある事を思い出していた。
結衣「確か花蓮が自分の名前はダメだって言ってたような…」
ピッピッピッ
結衣は自分の名前を消した。
結衣「名前…どうしようかな…自分の近い名前もダメなんだよね…う〜ん…」
結衣は少し考えて名前を決めた。
結衣「よしっ、これにしよ」
ピッピッピッ
結衣は名前を入力した。
音声「プレイヤー名を確認しました。ゲームにログインしますか?」
ピッ
結衣は「はい」のボタンを押した。
音声「では、ゲームにログインします。ようこそアリシアさん。リアルゲームオンラインの世界へ」
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※ここから、結衣の名前がアリシアになります。
アリシアは結衣のプレイヤー名となりました。
場所…第1層 はじまりの街
シュゥゥゥゥゥゥ…
アリシアははじまりの街に降り立った。
アリシア「…えっ、えっ、どこ?ここ」
アリシアははじまりの街にある噴水の前に降り立った。
アリシア「えっ…えぇ…何ここ…どこか別の街なのかな…」
アリシアの周りにはたくさんの人がいた。剣を持ってる人や盾を持ってる人、杖を持ってる人など。
アリシア「わ、杖だ。あれは魔法使いかな…」
アリシアは初めて見る世界に驚きを隠せなかった。
アリシア「えっ…でもどうすればいいんだろ…ログインしたはいいけど…分からないよ…」
アリシアがオドオドとしてると近くにいた女性が声をかけてきた。
???「ねぇあなた。どうしたの?」
アリシア「!」
アリシアは声をかけられて戸惑っていた。
アリシア「あ、あの…えっと…」
???「もしかして初心者さんかな?」
アリシア「あ、えっと…はい…ゲームをするのが初めてで…」
???「あらそうなの。ということは初心者の中の初心者ね」
アリシア「は、はい」
話しかけてきた女性は何やら優しそうな雰囲気を放っている。
???「もしかして何したらいいか分からない感じかな?」
アリシア「えっと…はい…何も…」
ルシュ「じゃあ案内してあげる。私はルシュっていうの。よろしくね」
アリシア「えっと…結…あっ、アリシアといいます」
ルシュ「うん。アリシアさん。よろしくね」
アリシア「は、はい」
ルシュ「そういえば…」
???「おーいルシュー!」
ルシュ「?」
アリシア「!」
するとルシュさんが声をかけられた。声をかけたその人は体の大きな男性だった。しかも鎧みたいな硬そうな物を着ている。
???「次に行くクエストなんだけどさ…って、ん?誰だそいつ」
ルシュ「あ、この子は初心者さんなの。名前はアリシアっていうの。初期装備だからさっきログインしたばっかりだと思うの」
???「ほー。初心者か」
するとその男の人が顔を覗いてきた。
アリシア「!」
アリシアは怖くなってルシュさんの後ろに隠れた。
???「おっとっと」
ルシュ「ちょっと。初心者の子を怖がらせたらダメでしょ」
ジン「あっははは。すまんすまん。俺の名前はジン。剣士をしているんだ。よろしくな」
するとジンという名前の男の人が手を出してきた。
アリシア「えっ…と…よ…よろしく…お願いします」
ギュッ!
アリシアも手を出して握手をした。
ジン「ところでお前、何になったんだ?」
アリシア「えっ…何…とは」
ジン「職業だよ職業。ゲームにログインする前に決めただろ?ステータスと名前と一緒に」
アリシア「!」
アリシアは魔物使いのことを思い出した。
アリシア「あ、えっと…魔物使い…です」
ジン「魔物使い!?」
するとジンが大声で言った。アリシアは驚いて手を離した。
ジン「え!?お前魔物使いなのか!?カーッ!それだけはやめといた方がいいぞ!」
アリシア「えっ…何でですか?」
ジン「あれは一番ステータスが低くてな、しかもモンスターを捕まえねぇと始まらねぇんだ。腕に覚えのあるゲーマーもこぞってそれを選んだが、ことごとく撃沈してな。みんな新しいデータで職業を選び直したんだ」
アリシア「そ、そうなんですね…」
ルシュ「ちょっと!せっかくログインしてきたのにいきなりやめとけってそれ酷いでしょ!」
ジン「いやだってお前も知ってるだろ!?魔物使いのステータス!一番低いんだぜ!?」
ルシュ「それでもこの子が選んだんでしょ!やめとけってそれ一番言っちゃダメな言葉だからね!」
アリシア「えっと…その…ごめんなさい…」
アリシアはしょんぼりしてしまった。
ルシュ「ごめんね!全然悪くないよ!魔物使いはね、強いモンスターも仲間にすることができるんだよ!そうすれば誰にも負けない職業になる!だから大丈夫!」
アリシア「えっと…はい…」
ルシュ「あ、そうだ!私はね、これ!」
ピッ
ルシュは自分の職業を表示した。
アリシア「えっと…魔法使い?」
ルシュ「そう!魔法使い!私はね、魔法を使ってみたいなっていつも思ってて、このゲームが発売されてからすぐに魔法使いを選んだよ!」
アリシア「へぇ、よかったですね」
ルシュ「ねね!フレンド登録してくれないかな!?」
アリシア「フレンド…?友達のことですか?」
ルシュ「そう!フレンド登録してるとね、私がログインしてるかどうかとか、私に何かメッセージを送ったりもできるんだよ!ね!フレンド登録してもいい!?」
アリシア「え、えっと…はい…どうぞ」
アリシアは押されるがまま了承した。
ルシュ「じゃあこのパネルを出してみて」
アリシア「えっ…パネル?」
ジン「こうするんだよ」
ブゥン…
ジンが自分の目の前で手をかざすと、ジンのプレイヤー情報が書かれたパネルが表示された。
アリシア「えっと…こうかな」
ブゥン…
アリシアも同じことをすると、アリシアのステータス画面が表示された。
ルシュ「それじゃああとは…」
ピッピッピッ
ルシュは自分とアリシアの画面を操作してフレンド登録を済ませた。
ルシュ「はい!これで大丈夫だよ!」
アリシア「!」
すると、アリシアのフレンド欄にルシュという名前が書かれていた。
アリシア「えっと…これでお友達になったということでしょうか」
ルシュ「そう!お友達になったの!これからよろしくね!アリシアさん!」
アリシア「は、はい。よ、よろしくお願いします」
ジン「じゃあ俺のもフレンド登録してくれ」
アリシア「えっ」
ルシュ「あんたはダメでしょ」
ジン「何でだよ。お前がやったんなら俺もやるべきだろ」
ルシュ「あんたまたアリシアさんをいじめる気でしょ」
ジン「いじめねぇっての!」
アリシア「えっと…いいですよ」
ルシュ「え!?」
アリシア「えっと…やり方分からないのでやっていただけますか?」
ルシュ「えっ、大丈夫?この人さっきみたいに君を悪く言うかもしれないよ?」
ジン「てめぇ、マジではっ倒すぞ」
アリシア「えっと、いいですよ」
ルシュ「え〜…大丈夫なの…。もしこのバカに何か言われたら私に言ってね!コテンパンにしてあげるから!」
アリシア「は、はい…」
ジン「ほら、俺のも登録したぞ」
アリシア「!」
アリシアのフレンド欄にはジンの名前も書かれていた。
アリシア「えっと…ルシュさん、ジンさん。よろしくお願いします」
ルシュ「よろしくねアリシアさん!」
ジン「あぁ。よろしく」
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アリシアは最初に何をするべきかをルシュとジンに相談していた。
ルシュ「そうねぇ、まずはここを出て少ししたところにモンスターいるからそれを倒してみない?」
アリシア「えっ」
ジン「そうだな。魔物使いはモンスターを手懐けてから初めてスタートラインに立つんだ」
アリシア「そ、そうなんですね…」
ルシュ「今から私たちと一緒に行ってみない?」
アリシア「えっ…でも…」
ルシュ「大丈夫!私たちがついてるから!」
アリシア「えっと…はい…」
アリシアは流されるまま了承した。
ルシュ「じゃあジン。この子と一緒にモンスターを倒してくるから。あなたはどうするの?」
ジン「俺はやることがある。もし俺が必要ならメッセージをくれないか?」
ルシュ「分かったわ」
スタスタスタ
ジンはその場をあとにした。
ルシュ「じゃあ行こっかアリシアさん!」
アリシア「は、はい!」
スタスタスタ
ルシュとアリシアは街の外に出た。
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場所…はじまりの草原
ルシュ「ここははじまりの草原って名前なの」
アリシア「はじまりの草原?」
ルシュ「そう。この世界にはマップごとに名前がつけられてて、ここが一番最初の場所なの。だから弱いモンスターしかいないから大丈夫だよ」
アリシア「は、はい…」
スタスタスタ
ルシュとアリシアはしばらく草原を歩いた。
数分くらい歩いたところでスライムが出現した。
アリシア「わっ!」
ルシュ「アリシアさん。あれがモンスターだよ」
アリシア「えっ、あれが…モンスター?」
ルシュ「そう。名前はスライム。一番最初のモンスターだよ」
アリシア「えっと…どうすれば…」
ルシュ「その腰に着けてる武器を装備して」
アリシアは腰に着けていた短剣を取り出した。
ルシュ「そしてあのスライムに攻撃するの」
アリシア「えっ!攻撃!?」
ルシュ「そう。攻撃するの。でないとモンスターをやっつけられないよ?」
アリシア「うっ…はい…やってみます」
ルシュ「その武器をテキトーに振り回してとにかくスライムに攻撃してみて!」
アリシア「は、はい!」
ザッ!
するとスライムが突進してきた。
アリシア「わああああ!来たああああああ!」
ブンブンブンブンブン!
アリシアはこれでもかと言わんばかりに短剣を振り回した。
ズシャッ!
するとスライムにダメージを与えることができた。
シュゥゥゥゥゥゥ…
するとスライムが消えていった。
アリシア「っ…?あれ、スライムは…」
ルシュ「すごいよアリシアさん!スライムをやっつけた!」
アリシア「えっ…やっつけた…?」
ルシュ「そうだよ!アリシアさんがやっつけたんだよ!」
アリシア「え、あっ…そうなんですね…」
キン!
すると甲高い音が聞こえた。
ルシュ「ん?何の音だろ」
ルシュが近くの茂みを探した。
ルシュ「あっ!メダル見つけた!」
ルシュはメダルを持ってアリシアに駆け寄った。
ルシュ「ほら見てアリシアさん!メダルだよ!」
そう言ってルシュはスライムのイラストが書かれたメダルを見せてきた。
アリシア「えっ…えっと…これは…」
ルシュ「これはさっきやっつけたスライムだよ!アリシアさんが倒したから仲間になったの!」
アリシア「えっ…傷つけたのに仲間になるんですか…」
ルシュ「そう!魔物使いってね、モンスターを倒して自分の仲間になってもらうの!それで、いっぱいモンスターを倒してどんどん仲間を集めるの!どう!?すごくない!?」
アリシア「!」
アリシアは何故か救われた気がした。
ルシュ「はいこれ!アリシアさんの初めての仲間だよ!」
アリシアはルシュからスライムのメダルを受け取った。
アリシア「えっと…これが私のモンスターでしょうか」
ルシュ「うん!出してみて!」
アリシア「えっ…出してって…やり方分かんないですよ…」
ルシュ「声かけてみたら?」
アリシア「えっ…」
ルシュ「出てきて〜みたいな」
アリシア「え、えっと…じゃあ…出てきて〜」
シュゥゥゥゥゥゥ…ポンッ!
するとメダルからさっき倒したスライムが現れた。
アリシア「わっ!ほんとに出てきた!」
ルシュ「ほらね!やっぱりアリシアさんの仲間だよ!よかったねアリシアさん!」
アリシア「わ…私の…仲間…」
アリシアはスライムに手を出した。するとスライムはアリシアの手に頬ずりをした。
アリシア「ふふっ…」
アリシアは笑顔になった。
ルシュ「お、いいねぇアリシアさん。笑顔が一番だよ」
アリシア「えっ」
ルシュ「よしっ!もう一体やっつけに行こ!」
アリシア「え、あっ、はい!」
そうしてアリシアとルシュはもう一匹スライムをやっつけに行った。もちろんスライムを倒すことができ、仲間のスライムが2匹に増えた。
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場所…噴水がある広場
ルシュ「よしっ!スライムも仲間にできたしこれでとりあえずスタートラインだね!」
アリシア「は、はい!」
ルシュ「私これから用事があってこの場を離れちゃうんだけど、アリシアさん一人でも大丈夫?」
アリシア「えっと…はい!大丈夫です!」
ルシュ「じゃあ頑張ってね!もし何かあったら私にメッセージを送ってね!」
アリシア「は、はい!」
ルシュ「それじゃあね〜!」
タッタッタッ!
ルシュはその場をあとにした。
アリシア「えっ…えっと…じゃあ…もう一回行ってみようかな」
アリシアはもう一度はじまりの草原に向かった。
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場所…はじまりの草原
アリシア「よ…よぉし…つ、次は私一人で…」
シュゥゥゥゥゥゥ…ポン!
すると2匹のスライムがメダルから出てきた。
アリシア「わっ!」
アリシアは突然出てきて驚いていた。でも出てきたスライムたちはアリシアの足に頬ずりをした。
アリシア「…ふふっ…可愛い」
アリシアは2匹のスライムを撫でて愛でたのだった。
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アリシア「よしっ!行くよスラちゃん!スラくん!」
アリシアはスライムを愛でたあと、仲間を集めるためにモンスターをやっつけに来た。今度の相手もスライムだった。
アリシア「行けー!スラちゃん!スラくん!」
ダダダッ!
スラちゃんとスラくんはスライムに突進した。するとスライムが消えてしまった。
アリシア「ど…どう…?」
シュゥゥゥゥゥゥ…
すると、スライムがその場から消えていった。
アリシア「やった!これでまた一枚メダルが増える!」
キン!
すると近くで甲高い音が聞こえた。
アリシア「あ、あれだ!」
アリシアは近くに落ちていたメダルを拾った。
アリシア「うーん…あと一匹仲間にしたいなぁ…」
そうしてアリシアはさっき倒したスライムをライムと名付け、あと一匹スライムを討伐しに向かった。
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アリシア「よしっ!君の名前はスラミ!」
アリシアは4体目のスライムの討伐に成功し、仲間として迎え入れることができた。
アリシア「えっと、スラちゃん、スラくん、ライム、スラミ…よしっ!4匹いる!」
アリシアは少し自信がついてきた。
アリシア「よしっ!少しずつ慣れてきた!このまま順調に行ってみよ!」
するとアリシアは近くにあったダンジョンに向かった。
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場所…はじまりのダンジョン
アリシアは初めてダンジョンに入った。ダンジョン内はロウソクの火が灯っており、中は比較的見えていた。
アリシア「こ…これは緊張するなぁ…」
スタ…スタ…スタ…
アリシアは少しずつ前に進んだ。
アリシア「これ、最後にたどり着いても倒せなかったら意味ないってことだよね…」
ギュッ…
アリシアはスラちゃんたちのメダルを握った。
アリシア「…できるかな。私に」
アリシアはどんどん奥に進んでいった。だがその途中で不思議な道ができているのに気づいた。
アリシア「これ…抜け道…なのかな」
その道は入口から一本道だったこのダンジョンには珍しかった。その道は今アリシアがいるところよりも細く小さくなっており、アリシア一人が限界くらいだった。
アリシア「ここ…狭っ…」
アリシアは覚悟を決めてその道に進むことにした。
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場所…はじまりのダンジョン 秘密の部屋
アリシア「わっ…なにここ…」
アリシアがついた部屋には金銀が散らばっており、その中に一層不思議な雰囲気を漂わせているものがあった。
アリシア「えっ!人だ!えっ…でも耳とか尻尾とかある…」
アリシアのが見たのは白い獣のような耳と尻尾が生えている人だった。しかもその人の顔には布が覆われていた。
アリシア (顔に布?…もしかして…死んじゃった人かな…?)
アリシアはとりあえずこの部屋にある金銀を回収し始めた。
アリシア「…」
金銀を集め終えたアリシアは何故かその倒れている人が気になっていた。
アリシア「えっと…起きる…よね…」
アリシアは顔にかかっている布を取ろうとした。
???「 (@_@) 」
ガバッ!
するとその人は急に体を起こした。
アリシア「わっ!!」
ドシン!
アリシアはそれに驚いて尻もちを着いた。
???「 ヾ(・ω・`;)ノ 」
するとその人はアリシアに駆け寄って何やらあたふたしていた。
アリシア「あ、えっと…大丈夫ですよ。ちょっと尻もちついただけなので」
???「 (´・ω・`) 」
アリシア「あの…あなた、名前は何ていうんですか?」
???「 (。-`ω´-) 」
その人は少し考える仕草をした。
???「 (( 'ω' 三 'ω' )) 」
そして顔が変わったと思うと、急に首を横に振った。
アリシア「あれ、名前が分からないんですか?」
???「 (( 'ω' 三 'ω' )) 」
アリシア「えっと、じゃあ名前が無いんですか?」
???「 (๑꒪▿꒪)*。_。)) 」
するとその人は首を縦に振った。
アリシア「あ、名前が無いんですね。それは困りました…」
???「 ( ー̀_ー́ ) 」
アリシア「あ、でしたら私が名前をつけましょうか?」
???「 Σ(゚ω゚ノ)ノ 」
アリシア「やっぱり名前はあった方がいいと思うんです。どうでしょうか?」
???「 m(*_ _)m 」
するとその人は急に頭を下げた。
アリシア「あ、えっと…いいってことかな…」
???「 (๑꒪▿꒪)*。_。)) 」
その人は首を縦に振った。
アリシア「分かりました!では…」
アリシアはその人をよく観察した。
アリシア「えっと…白い耳に、白い尻尾、白い布をつけているので、コハクという名前でいいですか?」
コハク「 (๑꒪▿꒪)*。_。)) 」
コハクは首を縦に振った。
アリシア「ではあなたの名前はコハク!よろしくね!コハク!」
コハク「 ( ´ω` )/ 」
ピピッ
するとアリシアの目の前に画面が映し出された。
アリシア「えっ、何これ。スキル:手懐け?」
コハク「 (´・ω・`)?」
アリシア「このスキルはモンスターを倒さなくても仲間にすることができる。ただし、そのモンスターの条件をクリアしなければならない。だって」
コハク「 (´-ω-`) 」
アリシア「えっと…じゃあコハクの場合は名前をつけることが条件だったのかな?」
コハク「 (´-ω-`) 」
コハクは考える仕草をした。
アリシア「まぁ、なんでもいいや。これでモンスターを倒さなくても仲間にすることができるらしいよ!ならもうどんどん仲間にするしかないよね!」
コハク「 (`・ω・)b 」
アリシア「よしっ!あ、でもその前に一旦街に戻ろうかな」
コハク「 (´・ω・`)?」
アリシア「ルシュさんにコハクのこと紹介したいから!」
コハク「 (`・ω・´)ゞ 」
アリシア「じゃあ行こっ!コハク!」
ピピッ
するとまたアリシアの目の前に画面が映し出された。
アリシア「えっ、なんだろ。ん?特性?」
コハク「 (´・ω・`)?」
アリシア「特性:パートナーだって。これは、仲間になる時にメダルが出なかった場合に発生する特性。パートナーとして選ばれた仲間は他の仲間と違ってメダルによる召喚は不要で、あなたとずっと共に行動するようになる。倒されないというメリットはあるが、選ばれるのは一人だけというデメリットがある。だって」
コハク「 ( ¯꒳¯ ) 」
アリシア「つまり、私のパートナーはコハクってことなのかな?そう言えばメダルなかったし」
コハク「 (`・ω・)b 」
コハクは親指を立てた。
アリシア「そっか!じゃあよろしくねコハク!」
コハク「 (`・ω・´)ゞ」
こうしてアリシアとコハクははじまりの街に行くことにした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
場所…はじまりの街
アリシア「ここがはじまりの街って言うんだよ!」
コハク「 (@_@) 」
コハクは人の多さに驚いていた。
アリシア「あ!ほら!あの噴水にいる女性!あの人がルシュさんだよ!ルシュさーん!」
ルシュ「あ!アリシアさん!」
タッタッタッ!
アリシアは走ってルシュのところに行った。
アリシア「ルシュさん!ただいま戻りました!」
ルシュ「おかえりなさいアリシアさん!どうだった?」
アリシア「ルシュさん!実は紹介したい人がいまして!」
ルシュ「紹介したい人?」
アリシア「はい!こちら、私のパートナーのコハクと言います!」
コハク「 (*・ω・)*_ _) 」
コハクはルシュに頭を下げた。
ルシュ「コハクって言うんですね。どうぞよろしくお願いします」
アリシア「ルシュさん!実はこの人、本当は名前がなかったんですよ!」
ルシュ「えっ、じゃあアリシアさんが?」
アリシア「そうです!私が名前をつけました!」
ルシュ「いい名前ね!コハク!いい響きね!」
アリシア「やったねコハク!褒められたよ!」
コハク「 (,,・ω・,,)」
コハクは照れた。
ルシュ「そういえばこの子は何をするの?」
アリシア「あ、まだ何するかは知らないんです。さっき会ったばかりなので」
ルシュ「ふーん。じゃあこの子もやっつけて仲間にしたってことね」
アリシア「あ、実は違うんですよ」
ルシュ「え?」
アリシア「新しいスキルで仲間にしたんです!」
ルシュ「スキル?見せてくれる?」
アリシア「はい!」
ピッ
するとアリシアのステータス画面が表示された。
ルシュ「ふむふむ。スキル:手懐け。このスキルはモンスターを倒さなくても仲間にすることができる。ただし、仲間にするにはそのモンスターの出す条件をクリアしなければならない…と」
アリシア「そうです!」
ルシュ「ん?特性もひとつあるね。特性:パートナー?」
アリシア「あ、そうです!」
ルシュ「この特性はメダルから召喚される仲間と違い、常にあなたと行動し、あなたを守ってくれる。メダルによる召喚は不要で倒されることはないが、一人しか選ばれない。条件は戦闘なしでの仲間への勧誘。…ってなるほどね」
アリシア「どうですか?」
ルシュ「いや、…え?倒されないってどういう事?やられないって事?」
アリシア「えっと…多分そういう事なのかなと」
ルシュ「え、いや…えっ?それってチートなんじゃ…」
アリシア「チート?」
ルシュ「えっ…大丈夫なのかな…それ…」
アリシア「えっと…何か不都合があるのでしょうか」
ルシュ「うん…これが運営に認知されたら間違いなく弱くされちゃうよ」
アリシア「え!」
ルシュ「アリシアさん!もしコハクさんとずっとパートナーでいたいなら、コハクさんが倒れないようにしてあげて!」
アリシア「た、倒れないように?」
ルシュ「そう!ダメージを受けすぎるとこの特性がバレちゃうかもしれないからなるべく無傷で戦いを終わらせた方がいいよ!」
アリシア「わ、分かりました…バレなきゃいいんですよね…」
ルシュ「そう!お願いね!」
アリシア「は、はい!」
ルシュ「君も!なるべくダメージは受けないこと!受けすぎると運営に認知されちゃうから!ね!」
コハク「 (`・ω・´)ゞ」
ルシュ「よしっ。2人はこのあとどうするの?」
アリシア「あ、私は今日は終わろうかなと」
ルシュ「そっか。じゃあまた明日来てね。今度は私と一緒にダンジョンに入ろっ!」
アリシア「はい!よろしくお願いします!」
ルシュ「あ、ログアウトの仕方わかる?」
アリシア「あ、分かりません」
ルシュ「えっとね、ここを押してここを押せばできるよ」
アリシア「ありがとうございます!それではまた明日!」
ルシュ「うん!待ってるからね!」
アリシア「はい!」
ピッ
アリシアはログアウトボタンを押した。
音声「ログアウトします。お疲れ様でした」
するとアリシアはまた目の前が真っ暗になった。
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場所…結衣の部屋
結衣「あれ、真っ暗だ」
カポッ
結衣はヘルメットを外した。
結衣「あ、取れた。ん〜〜〜〜すごい楽しい!」
結衣はこのゲームに大満足だった。
結衣「こんなゲームあるんだ!これなら続けられそう!」
結衣は時計を見た。時刻は0:17を指していた。
結衣「あ、もう0時だ。今日はこのくらいにして寝よっ!明日は何しよっかな〜」
こうして結衣は明日に備えて眠ることにした。
〜物語メモ〜
主人公
この物語の主人公は結衣という高校生。ゲームをした事がなく、今回、友達の花蓮に誘われて渋々ゲームを購入してみた。少し戸惑いながらもゲームを進めていくうちにゲームの楽しさに目覚め、逆に結衣から花蓮にゲームに誘うようになる。
アリシア
結衣のプレイヤー名。ゲームを始める前に花蓮から本名はダメと言われたため、何とか自分の名前に被らないよう考えた。
魔物使い
結衣がゲームにログインする前に選んだ職業。カリスマのステータスのみにポイントを振ることで選ぶことができる。
魔物使いは他の職業と比べてステータスが低い。しかも強さは仲間にしたモンスターに依存する。つまり、弱いモンスターを仲間にすれば自分の弱さと相まってすぐにやられる。
過去にこの職業を選んだ人はいるが、あまりの弱さに断念してしまい、今では支持率0%になっている。(結衣が選んだことで、今は0%じゃなくなった)
ルシュ
結衣がゲームにログインして初めて話した女性プレイヤー。職業は魔法使い。
ジン
ルシュと一緒に行動している男性プレイヤー。職業は剣士。
スラちゃん
アリシア(結衣のプレイヤー名)が最初に仲間にしたスライム。
スラくん
アリシアが2番目に仲間にしたスライム。
ライム
アリシアが3番目に仲間にしたスライム。
スラミ
アリシアが4番目に仲間にしたスライム。
コハク
アリシアのパートナー。他のスライムたちと違って戦闘なしで仲間になった。
スキル:手懐け
このスキルは本来、モンスターを倒すことでモンスターを仲間にする魔物使いだが、戦闘なしで仲間にすることができるスキル。
全体的にステータスが低い魔物使いにとってはありがたいスキルだが、仲間にするにはそのモンスターが出す条件をクリアする必要がある。
特性:パートナー
これは魔物使いにしかない特性。魔物使いはモンスターを倒すことでそのモンスターのメダルを獲得し、メダルからモンスターを召喚して戦う職業である。しかし、魔物使いはメダルの召喚を必要とせず、常に一緒に行動する仲間を得ることができる。それがパートナーである。条件は戦闘なしでの仲間への勧誘。パートナーとなったモンスターは倒れることがなく、常に主を守ろうとする。ただし、パートナーとなるのは一人だけ。