私、支持率0%の職業でゲームにログインします。   作:バスタオル

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第36話 機巧のお姫様

シモン「来るか…来るかぁ!!あっははははははは!この僕に!!この僕に!!来いよ人間!それに人間に付き従う奴隷どもがぁ!!」

 

アリシア「全員!攻撃開始!あの人をやっつけて!」

 

タッタッタッタッタッ!

アリシアのモンスターたちは一斉に動き始めた。

 

シモン「あっははははは!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

シモンは背中から生えている触手を大きく振り回し、アリシアのモンスターたちを攻撃し始めた。

 

メル「鬼神・壊!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!

メルは鬼神の力を習得した。

 

メル「はぁっ!」

 

ガシッ!!

メルはシモンの触手を素手で掴んだ。

 

シモン「っ!?」

 

メル「鬼人乱舞!」

 

ブチッ!!

メルはシモンの触手を引きちぎった。

 

シモン「なにっ!?」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

メルはシモンの触手を振り回してシモンの攻撃を全て相殺した。

 

シモン「なっ…!なんだコイツは!」

 

ラルク「鬼神・覇!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!

ラルクは鬼神の力を習得した。

 

ラルク「鬼人穿撃!」

 

ビュン!バゴォォォォォォン!!

ラルクは地面を蹴ってシモンに攻撃した。シモンはラルクの突撃に少し仰け反ったが、すぐに立て直した。

 

シモン「くっ…邪魔だ!!」

 

ミオレーネ「天地を断つ聖剣(エクスカリバー)!!」

 

バゴォォォォォォン!!

ミオレーネが続けて攻撃を入れていく。

 

シモン「ぐっ…!!クソッ!」

 

キリちゃん「キャァァァァァァァァァ!!」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

キリちゃんが凄まじい斬撃でシモンを攻撃する。

 

シモン「がはっ…!ぬぅあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

シモンは背中の触手を使ってミオレーネたちを吹き飛ばした。

 

ズサァァァァァァ!

ミオレーネたちは吹き飛ばされた程度で大したダメージを負っていなかった。

 

ミオレーネ「この程度か…貴様」

 

キリちゃん「主様を主様を主様を!!」

 

ラルク「私の攻撃じゃ通らない…どうして…」

 

シモン「くっ…あっははははは!この程度ならまだいける!!私はまだ無敵のままだ!!」

 

セイリュウ「…」

 

キィィィィィィィ…

シモンが高らかに笑っている背後でセイリュウは薙刀を構えていた。

 

セイリュウ「四獣刀技 群青羅刹!」

 

ズバババババババババババ!!

シモンは一瞬で多数の斬撃を受けた。シモンの背中にあった触手たちが細切れにされた。

 

シモン「うぐっ!!背後にっ!!」

 

セイリュウ「…」

 

セイリュウはシモンが振り返ったにも関わらず、じっと目を閉じて集中していた。

 

シモン「この獣風情が!!」

 

ビュン!

シモンは拳を振りかざした。セイリュウは拳が当たる直前までずっと目を閉じている。

 

セイリュウ「見えていますよ。あなたの攻撃」

 

ズバババババババババババ!!

するとシモンの拳が細切れにされた。

 

シモン「!?」

 

ビュン!スタッ!

シモンは驚きのあまり、少しセイリュウから距離をとった。

 

シモン「なっ…なんだこの女…」

 

プニちゃん「やぁっ!」

 

プニョン!ブニブニブニブニ!

プニちゃんはシモンの顔に張り付いてシモンの視界を少し遮った。

 

シモン「なっ…なんだお前!目が!」

 

雷首「カァァァァァァァァッ!!」

 

バリバリバリバリバリバリ!!

すかさず雷首が雷のブレスを放った。プニちゃんは雷が効かないのでお構い無しに顔を覆い続ける。

 

シモン「うぐっ…!!このぉぉぉぉ!!」

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

シモンが再度背中に触手を生やして一気に暴れ始めた。その際プニちゃんは引き剥がされないよう必死に食らいついた。

 

シモン「邪魔だ!どけぇ!」

 

コハク「 ( `ᾥ´ ) 」

 

ビュン!

コハクが一気にシモンとの距離を詰めた。

 

コハク「 ( `ㅂ´ ) 」

 

ググッ!ドゴォン!!

コハクは拳を握って攻撃した。シモンはコハクの攻撃で初めて地面に伏した。

 

コハク「 (◦ˉ ˘ ˉ◦) 」

 

シモン「ぐっ…次から次へと!!どけぇ!!」

 

キュィィィィィィィ…

シモンの体に埋め込まれている鉱石が光りだした。なにやら力を溜めている様子。

 

ゲンブ「ご主人様!プニちゃんを戻してください!」

 

アリシア「えっ!?」

 

ゲンブ「早くっ!!」

 

アリシア「分かった!プニちゃん!こっちに戻ってきて!!」

 

プニちゃん「!」

 

プニョン!タッタッタッタッタッ!

アリシアの声でプニちゃんはすぐにシモンの顔から離れた。

 

シモン「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

バゴォォォォォォン!!

シモンは溜めた力を解き放った。その際、大爆発を起こして周囲を更地にした。

 

プニちゃん「!!」

アリシア「!!」

 

ゲンブ「ふぅ…危ないところでした」

 

アリシア「ありがとう!ゲンブ!」

 

ゲンブ「はいっ!」

 

シモン「チッ…ここまでしないと離れないのか…あのスライムは…」

 

シモンはプニちゃんを警戒し始めた。

 

ムクロ「背後が疎かだぞ。貴様」

 

ズバァン!!

ムクロは背後からシモンを攻撃した。シモンは攻撃されたのに気づくとすぐに後ろを振り返ってムクロを視認した。

 

シモン「まだいるなぁ!」

 

ドゴォン!!ドゴォン!!ドゴォン!!ドゴォン!!

シモンはムクロを拳で攻撃した。しかし身軽なムクロはシモンの攻撃を全て躱していた。

 

シモン「がぁぁぁぁぁぁ!!僕は!私は!!」

 

シモンの一人称がおかしくなっていた。今まで僕と言っていたシモンは私と言うようになっていた。

 

ミデル「ダイヤモンドダスト!」

 

ビュォォォォォォォォ!!パキパキパキパキ!

ミデルはシモンの足を凍らせた。シモンは身動きが取れなくなった。

 

シモン「ぐっ…!ぬぅぁぁぁぁぁぁ!!」

 

バキッ!バキッ!ドゴッ!バゴォン!

シモンは触手と拳で氷を粉砕した。

 

ミデル「あらら…壊れちゃった」

 

シモン「ガァァァァァァァァァァ!!」

 

フィーリア「全く。地上の生き物は何故こうも叫ぶのだ。やかましい」

 

シモン「黙れぇ!」

 

ビュン!

シモンがフィーリアに攻撃した。

 

フィーリア「遅い」

 

バゴォォォォォォン!!

フィーリアは槍でシモンの攻撃を弾いた。

 

シモン「ぬぅっ!?」

 

ヴィレッタ「光輝斬!!」

 

ズバァン!!

ヴィレッタがすかさず攻撃を入れる。

 

シモン「ぐっ…!」

 

ゴロちゃん「…」

 

ドゴッ!ドゴッ!

ゴロちゃんがシモンを拳で攻撃した。

 

シモン「今度はっ…!」

 

ツクヨミ「…さようなら」

 

バゴォォォォォォン!!

ツクヨミが手から波動砲を放ち、シモンを攻撃した。

 

ヒュゥゥゥゥゥ…ドゴォン!!

シモンは壁まで吹き飛ばされた。

 

アリシア「よしっ…!」

 

シモン「この…この私が…この私が…」

 

ジリッ…

シモンはすぐに立ち上がった。そしてアリシアの方を見る。

 

アリシア「っ…」

 

グッ…

アリシアは身構えた。

 

シモン「…まずは掃除だ。考えるのはその後だ」

 

ビュン!

シモンは一瞬で部屋の中心に移動した。

 

アリシア「速っ!」

 

シモン「はぁっ!」

 

ビュン!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!

シモンは背中に生えている触手でスザクたちを一気に攻撃した。

 

スザク「なにっ…!?」

 

メル「鬼人…」

 

ドゴォン!!

シモンはメルを攻撃した。メルはシモンの攻撃で技をキャンセルされた。

 

メル「うぐっ…!!」

 

ラルク「お姉ちゃん」

 

ビュン!ドゴォン!!

ラルクがメルの方へ走っていると、ラルク目掛けて触手が伸びてラルクを攻撃した。

 

ラルク「がはっ…!!」

 

ヴィレッタ「メル!ラルク!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

ヴィレッタの方にも触手が伸びてきた。

 

ヴィレッタ「くっ!」

 

ズシャッ!ズバッ!ズバッ!

ヴィレッタは触手を見切って反撃した。大したダメージではないが、少なからず傷を負わせている。

 

ヴィレッタ「チッ…数が多すぎる…」

 

ラルク「主様!」

 

シュルルッ!

ラルクがヴィレッタに声をかけると、シモンの触手がヴィレッタの足を拘束した。

 

ヴィレッタ「しまっ…!」

 

ビュン!ドゴォン!!

そしてシモンの触手はヴィレッタを持ち上げて地面に叩きつけた。

 

ヴィレッタ「がはっ…!」

 

ラルク「主様!!」

 

ミオレーネ「はぁっ!」

 

ズバァン!!

それを見たミオレーネがヴィレッタの足を拘束している触手を斬った。するとヴィレッタは逆さまに落ちてきた。

 

ミデル「任せて〜!」

 

ガシッ!!スタッ…

そしてそれをミデルがキャッチしてヴィレッタを地面に降ろした。

 

ヴィレッタ「ありがとうミデル」

 

ミデル「ンッフフフ。どういたしまして」

 

シモン「くっ…私の触手が…」

 

フィーリア「大地を焦土と化す地獄の業火(ゴア・ミリス・ソーティリア)

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

フィーリアはシモンの真下に幾重にも魔法陣を展開し、炎の柱を出現した。

 

シモン「がぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ドシン!

シモンはフィーリアの攻撃で大きくダメージを受け、膝をついた。

 

シモン「ぐっ…この力…妖精…」

 

フィーリア「異物が。この私に勝てるとでも?」

 

シモン「くっ…」

 

スザク「四獣剣技…」

 

チャキッ…

スザクは2本の短剣を構えてシモンに接近した。

 

シモン「!」

 

スザク「夜桜乱撃!!」

 

ズシャシャシャシャシャシャシャ!

スザクは素早い斬撃を与えた。スザクの攻撃は仰け反るほどのものではないが、ちゃんとダメージは与えられている。

 

シモン「うぐっ…!!」

 

アリシア「みんな!一斉に攻撃!」

 

タッタッタッタッタッ!

アリシアの言葉でコハクたちは一斉に動き始めた。

 

シモン「っ…」

 

アリシア「全員!1番ダメージを与えられる攻撃で…」

 

バゴォォォォォォン!!

アリシアが命令しようとした時、突然部屋の壁が破壊された。コハクたちは全員足を止めた。

 

アリシア「えっ…あれは…」

 

???「…」

 

現れたのはアリシアたちが助けに来たはずの小さな女の子。その子は白いワンピースを着て宙に浮いており、何やらおぞましいオーラを放っている。

 

シモン「…間に合ったか」

 

アリシア「!」

 

???「…全ての命に終焉を。新たな生命の誕生を」

 

アリシア「待って!」

 

スッ…

その子は手を前に出した。

 

ビュン!ビュン!ビュン!ドス!ドス!ドス!

すると突然シモンが何かに刺された。しかしアリシアたちには何も見えていない。

 

シモン「がはっ!!」

 

???「還りなさい」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!

するとシモンの体からエネルギーが吸い取られ始めた。

 

シモン「まっ…待て!!私はお前の主だぞ!!この私から力を吸い取るだと!?」

 

アリシア「!?」

 

???「あなたはもう必要ありません。私が全て作りかえましょう」

 

シモン「ふざっけるなぁ!」

 

ビュン!ビュン!ドゴォン!ドゴォン!

シモンは女の子に攻撃した。女の子は一切防御する様子はなかった。だがシモンの攻撃は全く効いてそうになかった。

 

???「…まだ私に抗う力があるのですか」

 

シモン「私の力を…お前ごときに!」

 

???「…そうですか」

 

ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!

女の子はシモンの体からエネルギーを全て吸い取った。

 

シモン「このっ…やろう…」

 

ドサッ!

シモンは力無くその場に倒れた。力を全て吸い取った女の子は腕や足に青色のラインが刻印された。

 

アリシア「なんで…仲間を…」

 

???「…あの人は仲間ではありませんよ。ただの糧です」

 

アリシア「っ!!」

 

???「あなた方はどうしますか?私に抗いますか?」

 

アリシア「違う!私たちはあなたを助けに来たの!」

 

???「助けに…ははっ…そうですか。でもどうですか?この姿。あなたが助けようとしていた私と同じですか?」

 

アリシア「っ…」

 

アリシアが助けようとしていた女の子は目の前にいる女の子で間違いないが、あの時とは明らかに違う。

 

???「…違うようですね。しかしあなたからはとても強い力を感じます。ぜひ私の糧となってください」

 

バッ!

女の子は両腕を広げた。

 

ピコッ!

その瞬間、アリシアの目の前に通知欄が開いた。

 

音声「機巧のお姫様 ウルスラが出現しました」

 

アリシア「ウルスラ…それがあの子の名前…」

 

ウルスラ「さぁ。あなたも私の一部となりましょう」

 

アリシア「くっ…全員!攻撃開始!!」

 

タッタッタッタッタッ!

アリシアの声でモンスターたちが一斉に動き始めた。

 

ウルスラ「いらっしゃい」

 

スッ…

ウルスラは手を前に出した。

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

すると走っていたスザクたちの足元に監視室内にあった鉄パイプなどが飛んできた。

 

スザク「危ないっ!」

 

ビュン!

スザクはウルスラの攻撃を避けた。

 

セイリュウ「はぁっ!」

 

キィン!

セイリュウは薙刀で鉄パイプを弾いた。

 

ゲンブ「はぁっ!」

 

キィィィィン!

ゲンブは盾で攻撃を弾いた。ゲンブにとってはどれだけ速い攻撃だろうと意味が無い。

 

ウルスラ「まだまだいきますよ」

 

ギギギッ…バキッ!バキッ!ビュン!ビュン!

ウルスラは研究室内にある柱や機械類を全てぶつけてきた。

 

スザク「くっ!」

 

ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!ヒュッ!

スザクたちはウルスラの攻撃を避けていった。

 

ミデル「ダイヤモンドダスト!」

 

ビュォォォォォォォォ!!

ミデルは氷属性のスキルでウルスラの行動を封じた。

 

ウルスラ「…」

 

ウルスラはミデルのスキルで氷漬けにされ、一時的に動けなくなった。

 

ミデル「やっぱりね。ねぇ主。相手は機械だから凍らせて鈍らせるか温度を上げてオーバーヒートさせると大人しくなりそうだよ」

 

アリシア「そうなんだ!よしっ!火首!氷首!ウルスラの行動を封じるのに集中して!雷首は相手を攻撃しつつ火首と氷首のサポートを!」

 

雷首「分かったぞ嬢ちゃん!」

氷首「よっしゃ!いくぜ!」

火首「やってやらぁ!!」

 

アリシア「スザク!変身して火属性のブレスを!セイリュウはそのままウルスラの攻撃を弾いてて!」

 

スザク「分かりました」

セイリュウ「了解しました」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

スザクは朱雀になり、大きな翼を広げ、宙に浮いた。

 

アリシア「ムクロ!ヴィレッタさん!ミオレーネは相手の注意を引いて!」

 

ムクロ「あぁ。分かった」

ヴィレッタ「任せろ」

ミオレーネ「分かった」

 

アリシア「プニちゃんはシモンにやってたみたいにあの人にまとわりついて行動を妨害して!」

 

プニちゃん「うん!分かった!」

 

アリシア「キリちゃんは相手を攻撃!手段は選ばずに!」

 

キリちゃん「あぁ!主様が私に命令を!これは私の心が踊る瞬間ですよ!!」

 

アリシア「メルさんラルクさんは相手に隙を与えないよう常に攻撃!」

 

メル「はい!」

ラルク「任せて!」

 

アリシア「フィーリアも常に攻撃!」

 

フィーリア「えぇ。もとよりそのつもりだわ」

 

アリシア「ミデル!三つ首と一緒にあの子の動きを封じて!」

 

ミデル「いいよ〜」

 

アリシア「ゴロちゃんはみんなの盾役に!」

 

ゴロちゃん「…」

 

マエラテ「ツクヨミ!相手の行動を封じるか攻撃して弱らせて!」

 

ツクヨミ「はい」

 

ピシッ!パキパキッ!

ミデルの氷が割れ始めた。

 

アリシア「全員!作戦開始!」

 

バゴォン!

ウルスラは内部から氷を破壊して脱出した。

 

ウルスラ「この私があんなよく分からない布ごときに遅れをとるとは」

 

朱雀「キャァァァァァァァァァ!!」

 

ウルスラ「?」

 

ゴォォォォォォォォォ!!

スザクは火のブレスを放った。

 

ウルスラ「また」

 

ガン!ガン!ガン!ゴォォォォォォォ!

ウルスラは近くにあった鉄などを縦に重ねて盾として使った。

 

朱雀「っ…」

 

氷首「いくぜ火首!」

火首「これならどうだ!!」

 

ビュン!

スザクの背後に三つ首が現れた。

 

氷首「ンバァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

ビュォォォォォォ!ゴォォォォォォ!

氷首と火首のブレスが放たれた。氷首と火首のブレスは迷わずウルスラの方に飛んでいった。

 

ウルスラ「また氷ですか」

 

ビュン!

ウルスラは高く飛んで回避した。

 

雷首「カァァァァァァァァッ!!」

 

バリバリバリバリバリバリ!!

逃げようとしたウルスラにすかさず雷首がブレスを放つ。雷首のブレスは氷首や火首のブレスと違ってまとまらず、雷のように一気に広がる。

 

ウルスラ「!」

 

バリバリバリバリバリバリ!!

ウルスラは雷首のブレスに被弾してしまった。

 

ウルスラ「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

氷首「やるじゃねぇか雷首!」

火首「やっちまえ!」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…バゴォォォォォォン!!

ツクヨミは闇属性のレーザーを放った。

 

ウルスラ「っ…」

 

ドォォォォォォォン!!

ツクヨミの攻撃は見事ウルスラに命中した。

 

ウルスラ「がはっ…!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥ!

ウルスラはツクヨミの攻撃で真っ逆さまに落ちてきた。

 

ムクロ「死の告知(アブズ・ギブズ)!」

ヴィレッタ「光輝斬!!」

ミオレーネ「輝煌ノ剣!」

 

ズバァァァァァァァァァン!!

すると待ち構えていたムクロ、ヴィレッタ、ミオレーネによる追撃がウルスラを襲う。

 

ウルスラ「がぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ドォン!!

ウルスラはそのまま何もできずに地面に落下した。

 

ウルスラ「うっ…ぐっ…この…私が…」

 

ビリッ…ビリビリ…

ウルスラは少し動きが鈍ってきた。

 

ウルスラ「私は…全ての…機械の…」

 

キリちゃん「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

キリちゃんは連続でウルスラを斬りつけた。キリちゃんは大きな鎌を巧みに操って攻撃していく。

 

ウルスラ「くっ…!はぁっ!」

 

ガン!ガン!ガン!

ウルスラは近くに落ちていた鉄などでキリちゃんを攻撃した。しかしキリちゃんの移動速度が速すぎて全く当たらなかった。

 

ウルスラ「くっ…」

 

プニちゃん「やぁっ!」

 

プニョン!ブニブニブニブニ!

プニちゃんはウルスラの顔に張り付いた。

 

ウルスラ「!!」

 

ウルスラはプニちゃんによって口と鼻が塞がれた。

 

ウルスラ (このままでは…!)

 

プニちゃん「主様には指一本触れさせない!」

 

ジジジッ…バリバリバリバリ!!

ウルスラは周囲に電気を拡散させた。

 

ウルスラ「っ…!?」

 

しかしプニちゃんはウルスラの雷を受けてもなんともなかった。

 

プニちゃん「効かないよ!私、雷なんて痛くないから!」

 

ウルスラ「!!」

 

プニちゃんは雷攻撃を全て無効にするため、ウルスラの攻撃なんていくら受けても平気だった。

 

ウルスラ (このままでは…)

 

ラルク「鬼人穿撃!!」

 

ドゴォン!!ビュォォォォォォ!

するとウルスラの背後からラルクが突撃してきた。勢いがついていたのか、ウルスラに当たった直後、凄まじい衝撃波が生まれた。

 

ウルスラ「!?」

 

ヒュゥゥゥゥゥ…バゴォォォォォォン!!

ウルスラはラルクに蹴られ、壁に激突した。その際、周囲に煙が立ち込めた。プニちゃんは壁に当たる前にウルスラの顔から離れていた。

 

ラルク「よしっ…」

 

メル「やりましたねラルク」

 

ラルク「うん!」

 

コハク「 ( ≖_≖) 」

 

コハクはじっとウルスラの方を見ていた。いつもなら攻撃するはずのコハクが全く動かなかった。

 

ウルスラ「わ…わた…私…は…」

 

ビリッ…ビリビリ…ガコン…ガコン…

ウルスラから機械音が聞こえてきた。煙が晴れるとウルスラの姿が見えた。

 

ウルスラ「私…の…子供たち…」

 

アリシア「!!」

 

ウルスラは左腕が破損して地面に落ちており、右目が赤く光っていた。また所々から液体が出てきていた。

 

アリシア「あの子…機械…だったの…?」

 

ウルスラ「わ…わわ…わた…わ…た…」

 

ウルスラの言語機能がバグって会話にならなかった。ウルスラはアリシアの方に近づいてくるが、さっきまでの勢いは完全になくなっていた。

 

ゲンブ「ご主人様」

 

アリシア「!」

 

ゲンブ「彼女を倒しましょう」

 

アリシア「えっ…でも…」

 

ゲンブ「私たちが負けたら彼女の糧になります。ここで倒しきりましょう」

 

アリシア「で…でも…」

 

ウルスラ「我が…子…たたたち…」

 

ガシャン!

ウルスラは膝をついた。その時ウルスラは下を向いたが、また顔を上げた。

 

ウルスラ「可愛い…わ…わが…がが…」

 

マエラテ「アリシア!このまま逃したらどうなるか分からない!倒すよ!」

 

アリシア「ま、待って!」

 

マエラテ「ツクヨミ!月楼!」

 

ツクヨミ「…」

 

スッ…

ツクヨミはウルスラに掌を向けた。

 

アリシア「待って!!」

 

ドォン!バゴォォォォォォン!!

アリシアが声をかけた瞬間、ツクヨミは月楼を放った。ツクヨミのレーザーは完全にウルスラを捉えた。

 

ゲンブ「…」

朱雀「…」

コハク「 (´-ω-`) 」

セイリュウ「…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

全員が静かに見守っていると、なにか影が見えた。

 

アリシア「っ…」

 

アリシアたちはじっとそれを見る。遠くてよく分からないが、ウルスラよりも背は大きく見える。

 

ヒュォォォォォォォォ…

そしてその影が姿を現した。それはシモンにやられたはずのブレイカーだった。

 

ブレイカー「…」

 

ブレイカーはウルスラを守るようにそこに立っていた。

 

アリシア「ブレイカー…さん…」

 

ブレイカー「…」

 

ジジッ…ビリビリ…

ウルスラはゆっくりと見上げた。ブレイカーの凛々しい顔が目に入る。

 

ウルスラ「あぁ…ブレイカー…」

 

ブレイカー「…」

 

アリシア「どうして…ブレイカーさん…」

 

ムクロ「貴様。そいつの味方をするのか」

 

チャキッ…

ムクロはブレイカーに刀を構えた。

 

ムクロ「敵に肩入れするのは俺たちを裏切るのと同じだ。それを承知か」

 

ブレイカー「…」

 

ミデル「ん〜なにか複雑な関係かな?」

 

ウルスラ「さ…さささ…ざががり…なさざい…ブレイカー…」

 

ブレイカー「…」

 

アリシア「ブレイカーさん…」

 

ゲンブ「ご主人様。彼を倒しましょう」

 

アリシア「えっ…」

 

ゲンブ「私たちの邪魔をしています。言葉を介さない彼には戦って勝つしかないです」

 

アリシア「ダメだよ!ブレイカーさんはあの子を守ってるだけ!私たちが攻撃しなければいいんだよ!」

 

ゲンブ「しかし、このまま睨み合っても意味が…」

 

アリシア「っ…」

 

スタスタスタスタ

アリシアはウルスラの方へ歩き始めた。

 

ゲンブ「ご主人様!!」

 

アリシア「ゲンブはそこから動かないで。私一人で行く」

 

ゲンブ「っ…」

 

スタスタスタスタ

アリシアはそのまま歩き続けた。ゲンブはアリシアの言う通りにその場から動かなかった。

 

ブレイカー「…」

 

ウルスラ「さ…さささ…りなさい…ブレイカー」

 

ムクロ「沈黙は肯定とみなすぞ。どうなんだ」

 

アリシア「ムクロ。少し待って」

 

スタスタスタスタ

アリシアはムクロの横を通り過ぎた。その時のアリシアは今まで見た事ないほど真剣な顔をしていた。

 

ムクロ「…アリシア」

 

アリシア「…」

 

スタスタスタスタ

アリシアは武器も持たずにブレイカーの方に近づいた。

 

ムクロ「…」

 

スッ…

ムクロは刀を降ろした。

 

スタスタスタスタ

アリシアはブレイカーの前に立った。アリシアはブレイカーの顔を見上げ、目を見て話をした。

 

アリシア「ブレイカーさん。あなたがこの子を守る理由はなんですか」

 

ブレイカー「…」

 

アリシア「…あなたはとても不思議な人です。何も話さないのに何故か愛を感じます。何なんでしょうね。これ」

 

ブレイカー「…」

 

ウルスラ「…ブレイカー…さ…さささ…かがり…な…」

 

ブレイカー「…」

 

アリシア「ブレイカーさん。もしこの子を助けられるとしたら、あなたは私たちに攻撃しないと約束できますか?」

 

ブレイカー「…」

 

アリシア「どうですか。ブレイカーさん」

 

ブレイカー「…」

 

ブレイカーは小さく頷いた。それを見たアリシアは笑顔になった。

 

アリシア「みんな、武器をしまって」

 

アリシアの言葉に全員驚いた。敵を目の前にして武器を捨てるのは降参と同じ意味を持つからだ。

 

ムクロ「なぜだアリシア。武器をしまえと」

 

アリシア「スザク。ウルスラを直します」

 

朱雀「っ!?」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

朱雀はスザクに姿を変えた。

 

スザク「主様…なぜ…」

 

アリシア「…この子が意思なく動いているのなら罪はないと思う。故意にしているような感じがしません」

 

ヴィレッタ「だがシモンはやられた。こいつの意思だろ」

 

アリシア「分からない。でも、何となく助けてあげたい」

 

スザク「…分かりました。主様の命令に従います」

 

アリシア「ありがとう。スザク」

 

スザク「ブレイカー。主様はその子を助ける意志を示した。汲み取るなら直し方でも教えてくれ」

 

ブレイカー「…」

 

スッ…

ブレイカーは最初にこの子が破壊してきた壁の方を指さした。

 

スザク「…この先か」

 

ブレイカーは小さく頷いた。それを見たアリシアたちは全員武器をしまった。

 

アリシア「ブレイカーさん。この子を直しましょう」

 

ブレイカー「…」

 

ガシッ…スッ…

ブレイカーはウルスラを抱きかかえた。

 

ウルスラ「ブレイカー…なぜ…」

 

ウルスラの声が小さくなっていった。活動時間も限界が近づいていた。

 

アリシア「みんな!この子を直すよ!」

 

タッタッタッタッタッ!

アリシアたちはブレイカーの案内のもと、ウルスラを修理するためにその場をあとにしたのだった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…最奥の部屋

 

ここは最奥にある部屋。アリシアたちがシモンと戦っている間、ウルスラが眠っていた場所だった。

 

アリシア「ここは…」

 

ドス…ドス…ドス…ドス…ドス……スッ…

ブレイカーはウルスラが眠っていたであろうカプセルの中に彼女を入れた。このカプセルは地面に設置されているタイプのカプセルだった。

 

プニちゃん「これも入れてあげて」

 

スッ

プニちゃんは落ちていたウルスラの左腕を出してきた。

 

ブレイカー「…」

 

スッ

ブレイカーはプニちゃんからウルスラの左腕を受け取り、ウルスラと同じカプセルに入れた。

 

アリシア「あとはどうすればいいのかな。ブレイカーさん」

 

ブレイカー「…」

 

ドスッ!!

するとブレイカーは近くにあったカプセルの破片を手に取り、自分の胸に突き刺した。

 

アリシア「えっ!?何してるのブレイカーさん!」

 

ツーッ…

するとブレイカーの胸から液体が出てきた。

 

ブレイカー「…」

 

スッ…ポタッ…ポタッ…ポタッ…

ブレイカーは液体がついた指をウルスラの胸元に近づけた。するとブレイカーの指を伝って液体がウルスラに落ちていく。

 

ウルスラ「ブレイカー…だだだ…め…やめめめ…なさい…」

 

ブレイカー「…」

 

アリシア「ブレイカーさん!」

 

ブレイカーは何も言わなかった。アリシアからすればブレイカーが何をしているのか分からない。でもウルスラがやめろと言っているということはそんなにいい事でないことは想像がつく。

 

ウルスラ「ブレイカー…」

 

バゴォォォォォォン!!

すると最奥の部屋の壁が突然破壊された。

 

アリシア「!?」

 

アリシアと仲間モンスター全員が壊れた壁の方を見る。ブレイカーは全く動じず、ずっとウルスラに液体を当て続ける。

 

シモン「この…アマが…この私を止められるとでも思っていたのか!」

 

現れたのはウルスラにやられたはずのシモンだった。シモンは傷だらけではあるが、体の大部分は回復していた。

 

シモン「私はウルスラよりも強い!ウルスラよ!私の力となれ!!」

 

ググッ!

するとシモンはウルスラに触手を伸ばしてきた。

 

アリシア「待って!ダメ!!」

 

スザク「四獣剣技 夜桜乱撃!!」

 

ズシャシャシャシャシャシャシャ!

シモンが触手を伸ばしていると、スザクが素早く触手を斬った。

 

シモン「ぐっ…このっ!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ガシッ!!

シモンはさらに多くの触手を伸ばしてきた。そしてそのうちの1本の触手がウルスラを捉えた。

 

ブレイカー「!!」

 

アリシア「あっ!待って!」

 

シモン「この私をコケにした罰だ。その力、私が貰い受ける!」

 

アリシア「ダメ!!」

 

ドスッ!!

シモンは触手でウルスラの胸元を突き刺した。

 

アリシア「っ!!」

 

ウルスラ「…」

 

ジジッ…ブゥゥゥゥゥゥゥゥン…

するとウルスラの右腕がぐったりと力が抜けたようになった。

 

アリシア「そんな…待って…」

 

ガシャン!

ウルスラは力無くその場に落ちた。

 

シモン「くくっ…あっはははははは!素晴らしい!この力は素晴らしいぞ!ようやく手に入れた!これで私はこの世界の支配者となる!!」

 

ブレイカー「ガァァァァァァァァァァ!!」

 

ビュン!

ブレイカーは一気にシモンとの距離を詰めた。

 

シモン「くくっ…今さらお前なんぞ怖くないわ!」

 

ビュン!バゴォォォォォォン!!

シモンは触手でブレイカーを吹き飛ばした。ブレイカーは遠くまで飛ばされてしまった。

 

アリシア「ブレイカーさん!!」

 

シモン「あとは貴様らだ!人間ども!!」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

シモンは触手で攻撃してきた。

 

ゲンブ「はぁっ!」

 

ガシャン!!

ゲンブは大盾を展開してアリシアとマエラテを守った。

 

ヴィレッタ「光輝斬!!」

 

ズバァン!!

ヴィレッタは伸びてきた触手を攻撃した。

 

ミオレーネ「輝煌ノ剣!」

 

ズバァン!!

ミオレーネも触手に攻撃していく。

 

アリシア「三つ首!ブレス!」

 

雷首「カァァァァァァァァァァッ!!」

氷首「ンバァァァァァァァァァッ!!」

火首「フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」

 

バゴォォォォォォン!!

三つ首のブレスがシモンに命中した。

 

シモン「ぐっ…まだ完全に吸収しきってない!早く私の体に順応しろ!」

 

アリシア「みんな!攻撃して!プニちゃんはウルスラを回収!」

 

プニちゃん「うん!」

 

タッタッタッタッタッ!

プニちゃんは落ちているウルスラまで走った。

 

アリシア「ムクロ!糸の刃!」

 

ビュン!

ムクロはシモンに接近した。

 

ムクロ「糸の刃」

 

ピュン!

ムクロはシモンを通り過ぎるのと同時にシモンを攻撃した。

 

シモン「何をした…?」

 

シモンはムクロが何をしているのか分からなかった。

 

ムクロ「…どうだ。分からなかっただろう?糸のように細いんだ。この刃は」

 

ピュン!

するとシモンの触手が切断された。

 

シモン「!?」

 

ムクロ「あと、その場から動けば他のところも斬れるぞ」

 

ムクロはシモンの周囲に糸を張り巡らせていた。

 

シモン「この私を拘束したつもりか!」

 

ムクロ「動きたきゃ動けばいいだろ」

 

シモン「ぐっ…」

 

ミデル「パープルサンダー!」

 

ドォン!バリバリバリバリ!!

ミデルは紫色の雷の玉をシモンに向けて放った。

 

シモン「クソッ!」

 

ドォォォォォォォン!!

シモンはガードできずに受けてしまった。

 

シモン「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ムクロ「…はっ。ざまぁねぇぜ」

 

フィーリア「神をも滅ぼす天地天雷(ソド・ゴモラ・アカラシア)

 

バリバリバリバリ!!

フィーリアは槍に雷を纏わせた。

 

フィーリア「はぁっ!」

 

ズバッ!ズバッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!

フィーリアは身動きが取れないシモンを攻撃し始めた。

 

シモン「ぐっ…妖精ごときが!!」

 

フィーリア「その妖精ごときにやられる気分はどうだ」

 

シモン「黙れぇ!!」

 

バリバリバリバリ!!

シモンは周囲に電気を走らせた。

 

フィーリア「ふん。この程度で支配できると思っていたのか。随分程度が低いんだな。お前の支配ってのは」

 

シモン「妖精ごときに分かるかぁ!!」

 

フィーリア「貴様はその妖精ごときに負けるんだよ」

 

メル「鬼人乱撃!」

ラルク「鬼人乱脚!」

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

メルとラルクの同時攻撃が命中した。2人はシモンの前と後ろから攻撃していく。

 

シモン「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

シモンは2人の攻撃があまりに強すぎて1発1発全て仰け反っている。

 

セイリュウ「四獣刀技 群青羅刹!」

 

ズバババババババババババ!!

セイリュウはシモンを連続で斬った。

 

シモン「このっ…!!」

 

アリシアのモンスターたちは一度シモンと戦っているためか、最初よりも効率よく動けている。

 

シモン「この私の邪魔をするなぁ!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!

シモンは周囲に麻痺を拡散した。

 

スザク「うぐっ…!」

セイリュウ「これはっ…」

フィーリア「くっ…小賢しいマネを…」

 

アリシアのモンスターたちが全員麻痺を受けてしまった。

 

アリシア「えっ!みんなどうしたの!?」

 

ゲンブ「ご主人様!みんな麻痺を受けています!」

 

アリシア「麻痺!?」

 

シモン「カッカカカカ…お前たちは所詮その程度よ!」

 

ビュン!バゴォォォォォォン!!

シモンは触手を使ってスザクたちを吹き飛ばした。

 

アリシア「スザク!みんな!!」

 

ドサッ!ドサッ!ドサッ!ドサッ!ドサッ!

スザクたちはアリシアがいるところまで吹き飛ばされた。

 

スザク「すみません…主様…もう少しだけ…お待ちを…」

 

アリシア「だ…」

 

シモン「あとは貴様だけだ」

 

アリシア「!?」

 

アリシアが声のした方を見ると、もう目の前にシモンが立っていた。

 

アリシア「あっ…あっ…」

 

マエラテ「速すぎるっ…」

 

ゲンブ「このまま負けるわけにはいきません!」

 

クイッ!クイッ!

ゲンブは指を動かした。

 

ブゥン!ブゥン!

すると4つのうち、2つの大盾が動いた。

 

シモン「ん?」

 

ドォン!ドォン!

すると2つの大盾が結界を展開してシモンを吹き飛ばした。

 

シモン「ぐっ…!」

 

ズサァァァァァァ!!

シモンはなんとか持ちこたえた。

 

アリシア「すごいゲンブ!」

 

シモン「ははっ…ただの守り役かと思ったが…そんな事もできるのか。実に興味深い。その盾とはどのように繋がっているんだろうなぁ!」

 

ビュン!

するとシモンが一気に距離を詰めてきた。

 

アリシア「ゲンブ!」

 

ゲンブ「はぁっ!」

 

ガシャン!!

ゲンブは4つの大盾を全て前面に展開した。

 

シモン「どけぇ!!」

 

バゴォォォォォォン!!バリィン!!

シモンが攻撃すると、ゲンブの大盾が一気に3つも破壊された。

 

ゲンブ「!?」

 

アリシア「なっ…」

 

シモン「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドゴォン!!バリィン!!

そして最後の大盾も破壊されてしまった。

 

ゲンブ「なにっ…!?」

 

シモン「がぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ドォン!!

シモンはゲンブに攻撃した。

 

ゲンブ「がはっ…!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥ…ドゴォン!

ゲンブは壁まで吹き飛ばされた。

 

アリシア「ゲンブ!!」

 

ゲンブ「っ…」

 

ゲンブは大盾を破壊され、動けなくなった。

 

マエラテ「アリシア!」

 

アリシア「!」

 

シモン「守りを失ったお前にはなんの恐怖もない!簡単に捻り潰してやる!」

 

アリシア「マエラテ…」

 

マエラテ「っ!」

 

ザッ!!

マエラテはアリシアを守るように立ちはだかった。

 

シモン「ほぅ?お前がやるのか」

 

マエラテ「アリシア。一旦離れろ」

 

アリシア「えっ!」

 

マエラテ「僕じゃどうにもできない。ツクヨミも今は動けない。だから離れて!」

 

アリシア「でも!」

 

シモン「そんな事しなくても2人まとめて私が手を下してやるわ!」

 

ビュン!

シモンが触手を束ねて攻撃してきた。

 

マエラテ「っ!」

アリシア「っ!!」

 

ブレイカー「ガァァァァァァァァァァ!!」

 

バゴォォォォォォン!!

するとブレイカーの雄叫びとともにシモンが攻撃された。

 

シモン「がはっ…!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥ…バゴォォォォォォン!!

シモンはブレイカーの攻撃で大きく吹き飛ばされた。

 

アリシア「っ…?」

 

ブレイカー「グルルルルルルル…」

 

ブレイカーはアリシアとマエラテを守るために2人の前に立ちはだかった。

 

アリシア「ブレイカー…さん?」

 

アリシアはブレイカーが右手に何か持っていることに気づいた。

 

アリシア「ブレイカーさん…それ…」

 

ブレイカーが持っているのはブレイカーの巨体に合う大きな剣だった。

 

ブレイカー「グルルルルルルル…」

 

ドシン…ドシン…ドシン…ドシン…

ブレイカーは大剣を持ってゆっくりとシモンに近づいた。

 

アリシア「ブレイカーさん…」

 

マエラテ「あの男…一体…」

 

ザッザッザッザッ…

するとさらに後ろから3つの影が現れた。

 

???「みなさんは下がってください」

 

???「ここは俺たちの出番だ」

 

???「やぁやぁやぁ、さっきぶり」

 

アリシア「!!」

 

ブレイカーのあとに現れたのはアリシアたちが倒したはずのコスモス、ランギル、ミュラーだった。3人には一切傷は見られない。

 

アリシア「あなたたちは…」

 

スザク「…!」

 

コスモス「ここからは私たちが決着をつけます」

 

アリシア「ど…どういう…」

 

ランギル「やつは俺たちの母さんを殺した。子である俺たちが黙ってるわけないだろ」

 

アリシア「えっ…」

 

ミュラー「実は私たちって自動的にお母さんを守るようプログラムされてるの。本来ならお母さんがやられないよう発動するんだけど、何故か全く発動しなくてね。今さっきそのプログラムが発動したの」

 

アリシア「でも…傷は…?」

 

ミュラー「私たち、実はお母さんの力で動いてたから何とかなるのよ。そこら辺の説明はちょっと難しくてね」

 

コスモス「私たちには鉱石の他に母様から力を受け継ぐようになってました。その力のおかげで破損も直り、今こうして動けます」

 

アリシア「じゃあウルスラの力で蘇ったの?」

 

ミュラー「そう。でも実際には蘇るじゃなくて修理?かな」

 

アリシア「そ…そうなんですね…」

 

ミュラー「とにかくここからは私たちに任せて」

 

ランギル「あぁ。ケリをつけるのは俺たちだ」

 

コスモス「…いきましょう」

 

ビュン!ビュン!ビュン!

コスモス、ランギル、ミュラーはブレイカーに続いてシモンに接近した。

 

シモン「このっ…出来損ないが!」

 

ブレイカー「ガァァァァァァァァァァ!!」

 

ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!

ブレイカーは大剣でシモンの触手を斬っていく。

 

ドゴォン!ドゴォン!ドゴォン!

するとそこにランギルが攻撃に入った。

 

シモン「なっ…!?お前たち!」

 

ランギル「よぅ。よくも俺たちの母さんを殺したな」

 

シモン「なにっ…?」

 

ズバッ!ズバッ!ズバッ!

続けてコスモスがシモンを攻撃した。

 

シモン「ぐっ…!!」

 

コスモス「あなたは私たちが倒します!」

 

シモン「このっ!」

 

ドォン!ドォン!ドォン!

最後にミュラーが雷を落とした。

 

シモン「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ミュラー「お母さんの仇…今すぐとってあげる!」

 

シモン「この出来損ないどもがぁ!」

 

ドォン!!

シモンはブレイカーたちを少し吹き飛ばした。

 

ズサァァァァァァ!!

ブレイカーたちは何とか踏みとどまった。

 

ランギル「チッ…」

コスモス「くっ…」

ブレイカー「グルルルル…」

ミュラー「まだあんな力が」

 

シモン「この私に歯向かうことがどのような…」

 

ビリッ!ビリビリ!

するとシモンの体に電気が走った。

 

シモン「うぐっ…!?」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

するとシモンの体から青い光の粒がいくつも出てきた。

 

シモン「なっ!待てっ!!この私から逃げられると思うな!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

青い光の粒はブレイカーたちの体に入った。

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!

するとブレイカーたちの力が強くなった。

 

コスモス「こ…これは…」

 

ランギル「この力…まさか…」

 

ブレイカー「…」

 

ミュラー「お母さん…」

 

するとプニちゃんに抱えられているウルスラの目に光が灯った。

 

ウルスラ「あぁ…愛しい…我が…子…たち…」

 

ビュォォォォォォ!

コスモスは緑色の、ランギルは黄色の、ブレイカーは赤色の、ミュラーは紫色のオーラを放ち始めた。

 

シモン「なんだ…あの力…!」

 

ミュラー「これがお母さんの力。あなたにこの力は渡さないわよ」

 

ランギル「あぁ」

 

ブレイカー「…」

 

コスモス「これは母様が私たちのために分けてくれた。あなたを倒すために!!」

 

ビュォォォォォォ!

4人のオーラがさらに強くなった。

 

シモン「なっ…」

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

コスモス、ランギル、ミュラー、ブレイカーは一気にシモンに接近した。

 

シモン「くっ…この私に勝てると思うなぁ!!」

 

コスモス「私たちの母様を返しなさい!!」

ランギル「てめぇに負けるわけねぇだろ!!」

ミュラー「あなたはもう私たちに勝てない!!」

ブレイカー「ガァァァァァァァァァァ!!」

 

バゴォォォォォォン!!ビュォォォォォォ!

シモンの触手とコスモスの刀、ランギルの拳、ミュラーの魔力、ブレイカーの大剣がぶつかり合った。その際、周囲に衝撃波が走り、大爆発を起こした。

 

アリシア「みなさん!!」

 

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ヒュォォォォォォォォ…

あたりは煙に包まれた。大爆発のあとの静けさは今までよりもより静かに感じる。

 

アリシア「みなさん…」

 

シモン「ぐっ…この…私が…」

 

アリシア「!!」

 

ドシッ…ドシッ…

シモンが姿を現した。

 

アリシア「なっ…まだ…」

 

シモン「この私が…お前ら…ごときに…」

 

ガシャン!!ブゥゥゥゥゥゥゥゥン…

シモンは数歩歩いてそのまま地面に倒れた。そして動かなくなった。

 

アリシア「かっ…勝てた…の?」

 

ザッザッザッザッ…

するとシモンの後ろからコスモス、ランギル、ブレイカー、ミュラーが現れた。

 

アリシア「!」

 

コスモス「…ご迷惑をおかけして申し訳ありません。アリシアさん」

 

アリシア「!」

 

ランギル「こいつはもう動けねぇ。安心しろ」

 

ミュラー「あなたたちを傷つけたのはあれだけど、これで無かったことにしてね」

 

ブレイカー「…」

 

アリシア「みなさん…」

 

ガシャン!

ランギルが膝をついた。

 

ランギル「すまねぇな。俺たちも…もう限界だ」

 

アリシア「えっ…」

 

コスモス「よく動いたものですよ」

 

ガシャン!

コスモスとミュラーが地面に座り込んだ。

 

ミュラー「あっはは…やっぱりお母さんはすごいなぁ」

 

ブレイカー「…」

 

ドォン!

ブレイカーも膝をついた。4人ともぐったりと疲れている様子だった。

 

アリシア「みなさん…」

 

ランギル「アリシア」

 

アリシア「!」

 

ランギル「お前は…俺たちのようには…なるなよ…」

 

アリシア「えっ…」

 

コスモス「あなたたちはとても仲がいい。ぜひ…そのままで…」

 

ミュラー「私たちはもう動けない。早くここを出た方がいいよ」

 

アリシア「でも!」

 

ミュラー「はやく…行きなって…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

ミュラーは最後の力を振り絞って魔法陣を展開した。

 

アリシア「!?」

 

ミュラー「バイバイ…アリシア」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアたちはミュラーの魔法陣で歯車城の外に転送されてしまった。

 

コスモス「…いいのですか、ミュラー」

 

ミュラー「…いいの。これで」

 

ランギル「…ははっ、そうだな」

 

ザッザッザッザッ…

ミュラーたちは立ち上がって近くで横になっているウルスラのところまで歩いた。

 

ウルスラ「…」

 

ウルスラはもう動かない。ぐったりと横になっている。

 

ミュラー「最後くらい…家族の時間が欲しいよ」

 

スッ…

ミュラーはウルスラの近くで横になった。

 

ミュラー「最後くらい…お母さんの近くで…寝たい…」

 

コスモス「…」

 

スッ…

するとコスモスはミュラーの隣で横になった。

 

ミュラー「コスモス?」

 

コスモス「私も母様とあなたたちと一緒に寝たいです」

 

ミュラー「…ははっ。1番上の姉なのに寂しがり屋なんだね…」

 

コスモス「…えぇ」

 

ランギル「…ブレイカー。俺たちも寝るぞ」

 

ブレイカー「…」

 

スッ…

ランギルとブレイカーはミュラーたちと反対側に横になった。

 

ランギル「最後くらい家族の時間が欲しい…か…賛成だ」

 

ブレイカー「…」

 

ミュラー「みんな一緒…それが一番…」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

コスモス、ミュラー、ランギル、ブレイカーの体から光の粒が出てきた。そして4人は活動を停止した。

 

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場所…歯車城 扉前

 

ミュラーの魔法陣によって転送させられたアリシアたちは歯車城の前にいた。みんな疲れており、転送されてしばらくはゆっくりしていた。

 

マエラテ「…アリシア」

 

アリシア「ミュラーさんたち…」

 

マエラテ「…」

 

アリシアはミュラーたちがどうなったのかずっと気になっていた。

 

アリシア「ねぇマエラテ」

 

マエラテ「ん?」

 

アリシア「もう1回、さっきの部屋に行きたい」

 

マエラテ「え?」

 

アリシア「やっぱり気になるの。どうかな」

 

アリシアはいつもの明るい声ではなく、少し低めな真面目な声だった。マエラテはその声からアリシアは真面目に聞いてきてると察した。

 

マエラテ「…アリシアが行きたいならいいんじゃないかな」

 

アリシア「…じゃあ行こうかな」

 

マエラテ「あぁ。頑張りな」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

マエラテや他のモンスターたちは姿を消した。残ったのはスザク、ヴィレッタ、メル、ラルクの4人だった。

 

アリシア「…みなさん」

 

ヴィレッタ「聞いてたよ。また行くんだろ?」

 

アリシア「…うん」

 

メル「行きましょう。アリシアさん」

 

ラルク「私も行きたい」

 

アリシア「ありがとう。スザクも着いてきてくれる?」

 

スザク「はい。どこまでも」

 

アリシア「ありがとう。じゃあ行こう」

 

スタスタスタスタ

アリシアたちはまた最奥の部屋に向かうことにした。

 

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場所…最奥の部屋

 

アリシアたちは最奥の部屋にたどり着いた。道中敵が全くいなかった。まぁ当然だろう。最奥の部屋までに続くモンスターたちはすでにアリシアたちが倒したのだから。

 

アリシア「…」

 

アリシアたちは最奥の部屋にたどり着き、周囲を見渡した。さっきまでシモンと戦っていた跡が所々ある。

 

アリシア「確かこっちだったよね」

 

スタスタスタスタ

アリシアは最後にミュラーたちと別れた場所に向かった。

 

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アリシア「…やっぱりそういう事なんだ…」

 

アリシアたちはミュラーたちが寝ている場所に着いた。そこにはウルスラの姿はなく、コスモス、ミュラー、ランギル、ブレイカーの4人が横になっていた。

 

アリシア「でもウルスラがいない。どこに行ったんだろう」

 

ザッザッザッザッ…

アリシアは最奥の部屋を歩き回った。ウルスラだけいないのはなにか不自然。あの時、ウルスラに活動限界がきていたのも知っていた。なのにそのウルスラだけいない。

 

アリシア「!」

 

アリシアが部屋中を探していると、ちょっとした小さな道があった。そこは最奥の部屋に入ったとして、その反対側にある小さな道。アリシアたちがこの部屋に入ってきた時には瓦礫などで見えなくなっていた。

 

アリシア「…」

 

ザッザッザッザッ…

アリシアはその小さな道を進んだ。ヴィレッタたちも後についてくる。

 

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場所…神秘の部屋

 

アリシアは小さな道を進んで少し広い空間に出た。そこにはコスモスたちの体にあった光の粒がたくさん浮いている。無音で静かな場所だった。

 

アリシア「!!」

 

アリシアはその少し広い空間に入ると、目の前の存在に気づいた。

 

ウルスラ「…」

 

そこにいたのはウルスラだった。彼女は最奥の部屋にあったカプセルと同じものの中に入っていた。

 

アリシア「この子…」

 

ヴィレッタ「…なぜ…この子が…」

 

カシュッ!シュゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアがカプセルに触れるとカプセルの蓋が開いた。ヴィレッタたちは一気に戦闘態勢に入った。

 

ウルスラ「…」

 

ウルスラはカプセルが開くとゆっくり目を開けて体を起こしてきた。

 

ウルスラ「…」

 

アリシア「…」

 

ウルスラとアリシアは互いを見ている。2人とも全く動こうとしない。

 

ウルスラ「…あなたがあの子にご飯を与えた人ですね」

 

アリシア「!!」

 

ヴィレッタ「!?」

メル「!?」

ラルク「!?」

 

するとウルスラがいきなり話し始めた。その声はあの時戦ってた機械のウルスラとは少し違っていた。

 

ウルスラ「私が眠っている間、私はブレイカーを通して外の世界を見ていました。もちろん、あなたの事も」

 

スタッ…スタスタスタスタ

ウルスラはカプセルから降りてきた。そしてアリシアに近づいてきた。

 

ウルスラ「私の名前はウルスラ。コスモス、ランギル、ミュラー、ブレイカーの母です」

 

アリシア「私は…」

 

ウルスラ「アリシアさん…ですね」

 

アリシア「あ、はい」

 

ウルスラ「…私はブレイカーを通してあなたたちの事を知りました。ブレイカーはこの施設で実験を受けていた私を助けるために私を連れてここを出ました。しかしそれに気づいたシモンに見つかり、私はまたこの場所に連れ戻されました」

 

アリシア「あなたはずっとこの部屋にいたんですか?」

 

ウルスラ「はい。私の体には機械を動かす原動力となる鉱石と同じ成分が血として流れています。シモンは鉱石を使わなくても機械を生み出し、動かせる私を自身の力に取り込むために私を捕えていました」

 

アリシア「やっぱりあの人は…」

 

ウルスラ「そんな中、私はコスモス、ランギル、ミュラー、ブレイカーの4人を生み出しました。彼らは紛れもない私の子供です」

 

アリシア「でも機械ですよね」

 

ウルスラ「はい。体はどうあれ私が生み出したのです」

 

ウルスラはアリシアよりも体が小さいのにどこか大人びて見える。

 

ウルスラ「最初は私とシモンの命令を聞いて動いていましたが、次第にミュラーとブレイカーが彼の命令を無視し始めたのです」

 

アリシア「あ…だから…」

 

ウルスラ「はい。私が捕らえられていることを知ったブレイカーが私を外へ連れ出しました。それが今回の事件に関わります。彼は私を助ける一心で行動を起こしました」

 

アリシア「ブレイカーさん…」

 

ウルスラ「ですが私は結局ここに連れ戻されました」

 

アリシアはこの時、ちょっとだけ違和感を感じていた。

 

アリシア「あれ、ちょっと待ってください。あなたは人間なんですよね?」

 

ウルスラ「はい」

 

アリシア「だったらあの時私たちと戦っていたのは…」

 

そう。アリシアたちはさっきまでウルスラと戦っていた。彼女の体は機械でとても人間には見えなかった。でも今は人間となんの遜色ない姿で立っている。

 

ウルスラ「あぁ、あれは私が作り出した分身です。私はここに連れ戻されてから自分を守るためにデコイを使いました。まさかシモンがあんなのに引っかかるなんて思ってませんでした。私は彼らが戦っている間、力を取り戻すことに専念しました。おかげでもう万全です。以前の力を行使することができます」

 

アリシア「じゃあ…消えてたのは…」

 

ウルスラ「あれは単に私の分身が活動限界を迎えただけです。私はただ分身を作り出したに過ぎません。活動限界がきたら自動的に消えますよ」

 

アリシア「あ、だから…」

 

するとウルスラが部屋の出口を見た。アリシアも同じように見るが、特に何も無い。

 

ウルスラ「…愛する我が子たちが動けなくなっていますね」

 

アリシア「わ…分かるんですか…?」

 

ウルスラ「はい。私の子供ですから。いつも状態は把握しています」

 

アリシア「お母さんってすごいなぁ…」

 

ウルスラ「それでは私はあの子たちを起こしに行きます。それでは」

 

スタスタスタスタ

ウルスラはブレイカーたちが寝ている場所に向かった。

 

アリシア「ん〜」

 

アリシアは部屋を見渡した。この部屋はカプセルがある以外特に何も無い。

 

アリシア「…私も行こっかな」

 

スタスタスタスタ

アリシアはブレイカーたちが寝ている場所に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…監視室

 

ウルスラ「…」

 

アリシアが監視室に着くと、ウルスラが寝ている4人の所にいた。

 

アリシア「あ、いた」

 

スタスタスタスタ

アリシアはウルスラの横に立った。ウルスラは4人の破損状況を見ているようだった。

 

アリシア「あの、ウルスラさん?」

 

ウルスラ「はい」

 

アリシア「あの…その…」

 

アリシアは自分の子供が倒れている姿を見て心を痛めていないか心配だった。

 

アリシア「いや…えっと…」

 

ウルスラ「大丈夫ですよ。私は彼らの母です。直すことぐらいできますよ」

 

アリシア「そうなんですか!?」

 

ウルスラ「はい。私の体には機械の原動力となる鉱石と同じ成分が流れているんですよ。だから彼らの体を直しさえすればあとはどうにでもなります」

 

アリシア「でも…直す方法は…」

 

ウルスラ「大丈夫です。ただ少し手伝ってもらってもいいですか?」

 

アリシア「はい!」

 

ウルスラ「ありがとうございます。でしたら彼らが生まれたカプセルまで運びましょう。あとは私にお任せ下さい」

 

アリシア「分かりました!スザク!ヴィレッタさん!メルさん!ムクロ!出てきて!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアはヴィレッタ、メル、ムクロを召喚した。

 

ヴィレッタ「来たぞ。アリシア」

 

メル「よろしくお願いしますね」

 

ムクロ「…仕事か?」

 

アリシア「みんな!この人たちをある場所に運んで欲しいの!手伝って!」

 

スザク「主様。ブレイカーだけ何人かで運ばないと難しいですよ」

 

アリシア「あ、確かに…体大きいもんね。でもコスモスさん、ミュラーさん、ランギルさんは運べるかな?」

 

スザク「多分大丈夫ですよ。ブレイカーだけもう何人か召喚して運びましょう」

 

アリシア「うん!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ!

アリシアは追加でミデル、ミオレーネ、ゲンブを召喚した。

 

アリシア「よしっ!みんなで運ぼう!」

 

コスモスはメルが、ミュラーはスザクが、ランギルはヴィレッタが、ブレイカーはムクロ、ミデル、ミオレーネ、ゲンブが運ぶことになった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所…保管庫

 

ここは保管庫。動力源となる鉱石やコスモスたちの私物が置かれている。他にも機械たちの部品やその素材も置かれている。

 

ウルスラ「ここへ。こちらのカプセルに入れてください」

 

ウルスラはコスモスたちのカプセルに案内してくれた。そのカプセルは他のカプセルとは違って少し豪華になっている。色もそうだし何か装飾品まで着いている。

 

ウルスラ「こちらからコスモス、ランギル、ミュラー、ブレイカーの順に入れてください」

 

アリシアたちはコスモスたちをカプセルに入れていった。最後にブレイカーを入れる時だけ少し手間取ったが、なんとか全員入れられた。

 

アリシア「これでいいかな」

 

ウルスラ「はい。十分です」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン…カシュッ!

カプセルの蓋が全部閉まった。すると透明だったカプセルの蓋が白くなって中が見えなくなった。

 

ウルスラ「さて」

 

ガコッ!ガコッ!ガコッ!ガコッ!

ウルスラは周囲に置いてある素材たちを集め始めた。

 

アリシア「わわっ!何なに!?」

 

ウルスラは能力で周囲の素材たちを浮かせて集めていた。アリシアからすればいきなり物が浮いたような、いわばポルターガイスト現象のように見えている。

 

ウルスラ「あ、驚かせてすみません。もう少しで終わるので」

 

ガコッ!ジュワァァァァァァァァァ…

ウルスラは能力で集めた素材たちを溶かし始めた。鉄とかは赤くなり、ドロドロに溶けていた。

 

アリシア「うわぁ…」

 

ウルスラ「あとはこれに私の…」

 

ポタッ…ポタッ…ポタッ…ポタッ…

ウルスラは自分の血を混ぜ始めた。ウルスラの血には機械の動力源である鉱石と同じ成分が含まれている。

 

ポワッ…

すると赤く溶けていた鉄や素材たちが青い光を放ち始めた。

 

アリシア「わぁ…綺麗…」

 

ウルスラ「これで必要なものは揃いました。あとは彼らに与えるだけです」

 

ブゥン…ブゥン…ブゥン…ブゥン…

ウルスラは溶かした素材たちをコスモスたちに与え始めた。カプセルの蓋が白くなってるので中は確認できないが、ちゃんと直っているのか不安になる。

 

ウルスラ「すぐ直るので少しお待ちください」

 

プシューッ!!ガコッ!

すると比較的軽傷だったランギルとミュラーのカプセルが煙を吐きながら開いた。

 

ランギル「…」

ミュラー「…」

 

ランギルとミュラーは目を開けて体を起こしてきた。2人は周囲を見渡し、ウルスラの姿を視認する。

 

ランギル「母さん…それに…お前ら」

 

ミュラー「お母さんがいるのは分かるけど、なんで君たちもいるの?」

 

ウルスラ「ランギル、ミュラー。彼らはあなた方をここへ運んでくれたんですよ。私一人ではあなた方を運ぶのは難しかったのです」

 

ランギル「そうか…すまないな。世話になった」

 

アリシア「いいですよ!私たちも助けられたので!」

 

ミュラー「ありがとう」

 

プシューッ!!ガコッ!

するとコスモスのカプセルも開いた。

 

コスモス「…」

 

コスモスは体を起こしてミュラーやランギルと同じように周囲を見渡した。

 

コスモス「…母様。おはようございます」

 

ウルスラ「はい。おはようございます。コスモス」

 

コスモス「あ、あなた方は…」

 

アリシア「おはようございます。コスモスさん」

 

コスモス「おはようございます」

 

プシューッ!!ガコッ!

最後にブレイカーのカプセルが開いた。ブレイカーもコスモスたちと同じく体を起こして周囲を見渡した。

 

ブレイカー「…」

 

ブレイカーは相変わらず無口で何も話さない。

 

アリシア「ブレイカーさん。おはようございます」

 

ブレイカー「…」

 

ブレイカーは小さく頷いた。ランギル、ミュラー、コスモスはカプセルから下りて地面に立った。

 

ランギル「母さん。体は無事なのか」

 

ウルスラ「はい。全然問題ないですよ」

 

コスモス「しかし左腕が壊れてたのにどうして…」

 

ウルスラ「あ、あれは分身なので本体である私は全くの無傷ですよ」

 

ミュラー「え?分身?」

 

ウルスラ「はい。私は元々人間なので」

 

コスモス「じゃあ…あの機械の体は…」

 

ウルスラ「ふふっ。子供たちを騙せるなんて、私もまだまだいけますね」

 

ミュラー「すごっ…さすがお母さん」

 

ウルスラ「ふふふっ…」

 

ウルスラは笑みを浮かべた。それを見たアリシアは家族の温かさを感じた。するとブレイカーがカプセルから下りてきてアリシアたちのところに来ていた。

 

ウルスラ「…みんな揃いましたね。さて、アリシアさん」

 

アリシア「はい!」

 

ウルスラ「私たちを助けていただいてありがとうございます」

 

アリシア「いえいえ!どういたしまして!」

 

ウルスラ「私たちはシモンの支配下にありましたが、それも今はありません。どうでしょうアリシアさん。私たちを外の世界に連れ出してもらえませんか?」

 

アリシア「!?」

 

ウルスラ「私たちには帰る家がありません。ここはもう私たちの家ではないので。であるなら、たくさんのモンスターと時間を共にしているアリシアさんなら私たちを使ってくださるのではと考えました。…どうですか?」

 

アリシア「えっ…えっと…嬉しいですけど…それでいいんですか?」

 

ミュラー「いいよ!私は嬉しい!」

 

コスモス「私もそちらの方がいいです」

 

ランギル「俺もだ」

 

ブレイカー「…」

 

アリシア「分かりました!ではみなさん!これからもよろしくお願いします!」

 

ウルスラ「はい。喜んで」

 

ピコッ

するとアリシアの目の前に通知欄が開いた。

 

音声「機巧のお姫様 ウルスラ、機巧の斬刀姫 コスモス、機巧の撃砕鬼 ランギル、機巧の魔道姫 ミュラー、機巧の狂壊鬼 ブレイカーが仲間になりました」

 

アリシア「やった!」

 

スザク「ところで、君たちは家族となると誰が一番上なんだ?」

 

ウルスラ「一番上はコスモスです。次にランギル、ミュラー、ブレイカーが一番下です」

 

スザク「体に見合わず一番下なんだな」

 

ウルスラ「はい」

 

アリシア「ウルスラさん、コスモスさん、ランギルさん、ミュラーさん、ブレイカーさん。これからよろしくお願いします!」

 

ウルスラ「はい。よろしくお願いしますね」

コスモス「はい。こちらこそ」

ランギル「あぁ。よろしくな」

ミュラー「よろしくー!」

ブレイカー「…」




〜物語メモ〜

機巧のお姫様 ウルスラ
ブレイカーに抱きかかえられていた小さな女の子。白いドレスを身に纏い、アリシアよりも年齢が若く体も小さい。それでも4人の子供を作り出した。あらゆる機械を動かす鉱石と同じ成分の血を持ち、血を与えることで思い通りに操ることができる。アリシアと似た感じだが、少し違う点もある。
アリシアと違う点
①ウルスラの子供たちはウルスラの命令でしか動かない(アリシアの命令では動かない)
②ウルスラの子供たちはウルスラの周囲に陣取って動くため、アリシアのモンスターのように自由には動けない
③ウルスラ自身は自由に動くことができる(ウルスラが動けばウルスラの子供たちも一緒に動く)
④ウルスラの子供たちの体力が尽きた場合は破損状態となり、一定時間攻撃などに参加できない(ただし、破損が直ればまた戦うことができる)

機巧の斬刀姫 コスモス
ウルスラの1番目の子。鋭い目に和装を纏い、侍のような格好をしている女性。刀による攻撃が得意でスピードが高く、素早い攻撃が可能。ただし、防御面はやや弱め。みんなのお姉さん的存在であり、とても真面目な子。ミュラーのようにフレンドリーに接することができず、相手を思っていても、真面目な性格のせいであまり冗談が通じないと言われている。コスモスは自分なりに人との接し方を勉強している。

機巧の撃砕鬼 ランギル
ウルスラの2番目の子。赤い肌と白い髪を持つ男性。黄色い目を持ち、拳や足での攻撃を得意とする。スピードはコスモスよりも遅いが、攻撃力は高い。飛び道具は一切ないので、完全超近接攻撃型。言葉が強く、相手を威圧するような物言いだが、自分より強い相手には敬意を表する一面がある。また他の子供たちに対しては優しく接するが、裏切りが大嫌い。

機巧の魔道姫 ミュラー
ウルスラの3番目の子。黒いローブに金髪のツインテールを持つ女性。魔力が高く、使える属性魔法が多い。いくつもの属性をかけ合わせて魔法を使うことができる。少し軽い口調が特徴で、あまり真面目そうには見えないが、ウルスラの命令だけはちゃんと聞く。気に入らない相手には冷たい態度を取り、気に入った相手には甘えるような態度を示す。アリシアは気に入った相手なので時折甘えることがある。

機巧の狂壊鬼 ブレイカー
ウルスラの4番目の子。4人の子供たちの中で1番体が大きく、身の丈にあった大きな剣を使う。黒い体色で赤い目を持つ。HP、攻撃、防御が高く、タンクの役目を担うこともある。ブレイカーは体が大きいが、こう見えても人見知り。無口なのはそれが原因。ウルスラや他の子供たちには普通に話せるが、アリシアに対してはまだ人見知りなところがある。決して話せないわけではない。
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