私、支持率0%の職業でゲームにログインします。 作:バスタオル
文章の途中で出てくる
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↑この線ですが、これは場面が変わっていることを示しています。
場面が変わる際に場所も変わっていればこの線の下に「場所…」と書きますが、変わっていなければ何も書いていません。
お知らせは以上です。
ー翌日ー
AM 9:00
結衣「よしっ!今日もやろっと!お昼までかな」
カポッ
結衣は手袋とヘルメットをつけてベッドに横になった。
結衣「今日はルシュさんと一緒にダンジョン攻略してみたいなぁ」
シュゥゥゥゥゥゥ…
すると結衣は白い光に包まれた。
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場所…第1層 はじまりの街 噴水のある広場
シュゥゥゥゥゥゥ…
アリシアがログインした。
アリシア「さて、ルシュさんはいるのかな」
アリシアは周囲を見渡した。だがルシュは見当たらなかった。
アリシア「あれ、いない。えっと…確かこうすればルシュさんが何してるのか分かるんだよね」
ブゥン…
アリシアは自分のステータス画面を開いた。
アリシア「それでここを押すとフレンドって文字があってこれを押せば」
ピッ
アリシアはフレンド一覧の画面を開いた。
アリシア「えっと…ルシュさんは…これかな」
ピッ
アリシアはルシュのステータス画面を開いた。
アリシア「あ、ルシュさんどこか行ってるみたい。なんだろ。ダンジョンってやつなのかな」
ブゥン…
アリシアは画面を閉じた。
アリシア「じゃあ私も昨日行ったダンジョンに入ってみようかな。昨日はコハクを仲間にして終わったし。…あれ、そういえばコハクは?」
アリシアはコハクがいないことに気づいた。
アリシア「あれ、確かパートナー?って特性があるからずっと一緒にいるはずだよね?でもどこにもいないよ?」
アリシアがキョロキョロしていると、遠くから見覚えのある白い耳と尻尾が生えている人物を見かけた。
アリシア「あっ!いた!コハクー!」
コハク「 (´⊙ω⊙` ) 」
ブンブンブン!
コハクは大きく手を振った。
タッタッタッ!
アリシアはコハクに駆け寄った。
アリシア「おはようコハク!」
コハク「 (`・ω・)b 」
コハクは親指を立てた。
アリシア「そういえばコハク、何してたの?」
コハク「 (´・ω・`)?」
ゴソゴソ…
コハクは自分の腰につけている袋を取り出した。そしてアリシアに差し出した。
アリシア「えっ、何?これ」
コハク「 ( *´꒳`*) 」
アリシア「私にくれるの?」
コハク「 *゚∀゚)*。_。) 」
コハクは首を縦に振った。
アリシア「あ、ありがとうコハク」
ジャラッ…
アリシアはその袋の異様な感触に少し驚いた。
アリシア「えっ…何が入ってるんだろ…」
アリシアはそーっと中を見た。
アリシア「こ…これって…」
中には金貨が何枚も入っていた。
アリシア「ね、ねぇコハク」
コハク「 (´・ω・`)?」
アリシア「これって…お金?」
コハク「 (*´ω`*) 」
コハクは首を縦に振った。
アリシア「え、どこから手に入れたの?誰かのを盗んだんじゃないよね?」
コハク「 (・ω・* 三 *・ω・) 」
コハクは辺りを見渡した。
コハク「 (´・ω・`) 」
するとコハクは何やら落ち込んだ仕草をした。
アリシア「コハク?どうしたの?」
コハク「 ( *˙ω˙*)و 」
ギュッ!
するとコハクはアリシアの手を取った。
アリシア「え?どうしたのコハク?」
コハク「 (っ `꒳´ c) 」
タッタッタッ!
そして2人は近くの草原に向かった。
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場所…はじまりの草原
コハク「 ( *´꒳`*) 」
コハクは木の枝を見せてきた。
アリシア「木の枝?それで何するの?」
カキカキカキ
するとコハクは地面に文字を書き始めた。
アリシア (あ、筆談。そういえばコハクって会ってから一度も喋ってないような…声が出せないのかな)
コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」
アリシア「ん?」
アリシアは地面に書かれた文字を読んだ。
※ここからは筆談になるので「」→『』に変わります。
筆談→『』、筆談じゃない→「」
コハク『そのお金は、昨日主様が私の近くで取ってた金銀を換金したものですよ』
アリシア「あ、あのコハクの近くに落ちてた…」
コハク「 (๑꒪▿꒪)*。_。)) 」
コハクは頷いた。
アリシア「え、じゃあわざわざお金に変えてくれたんだ!」
コハク「 (*´ω`*) 」
コハクは頷いた。
アリシア「ありがとうコハク!」
ギュッ!
アリシアはコハクに抱きついた。
コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」
コハクは喜んでいた。
アリシア「それでこれって、いくらになるの?」
コハク「 (´・ω・`)?」
アリシア「あ、自分の持ち物見れば分かるのかな?」
ブゥン…
アリシアは自分のステータス画面を開いた。
アリシア「えっと…37万…えっ!?37万!?」
アリシアは二度見した。
アリシア「コハク…これ…」
コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」
コハクは少し誇らしげだった。
アリシア「こ…こんな大金…私が持ってていいのかな…」
コハク「 (´・ω・`)?」
アリシア「だ、誰かお金を持ってない人に…」
コハク「 (´-ω-`) 」
カキカキカキ
コハクは地面に文字を書いた。
コハク『それ、主様が拾った金銀で換金したものですよ。なので、主様が持っていてください』
アリシア「え、えっと…あ、ありがとね。コハク…」
コハク「 ( *^꒳^*) 」
コハクは喜んだ。
アリシア「あ、そうそうコハク!今日ね!ルシュさんと…」
ルシュ「おーい!アリシアさーん!」
アリシア「あ!」
アリシアはコハクの後ろから歩いてくるルシュに気づいた。
アリシア「ルシュさーん!」
コハク「 (´・ω・`)?」
コハクはその声に反応して後ろを振り返った。すると、ジンとルシュが2人で歩いているのが見えた。
コハク「 ( ˘ •ω• ˘ ) 」
コハクは何故かムスッとした顔になった。
アリシア「ルシュさんジンさん!おはようございます!」
ジン「おはよう。えっと、アリシアだっけ?」
アリシア「はい!」
ルシュ「アリシアさんおはよー!」
アリシア「おはようございます!ルシュさんとジンさんは朝早いですね」
ルシュ「まぁね、誰かに先を越されたら嫌だから」
アリシア「先を越される?何かあったんですか?」
ジン「このゲームはダンジョンをクリアすると、その職業に合った装備やスキル、特性が得られる仕様になってるんだ」
アリシア「へぇ、そうなんですね」
ジン「で、こいつが行きたがってたダンジョンが結構当たりなダンジョンでな、さっきそこに行ってたんだ」
アリシア「当たりのダンジョン…ですか。もしかしてハズレとかも?」
ジン「まぁ、ハズレというか、弱い特性が手に入ったりすると、あまり良いダンジョンとは言えないな」
アリシア「あぁ、なるほどです」
ルシュ「でもアリシアさんは今日私とダンジョンに行く約束してるもんねー!」
アリシア「はい!昨日コハクを見つけたダンジョンに行こうかなと!」
ルシュ「やった!行こっ!行こっ!ジンはどうする?」
ジン「あーそうだなぁ…せっかくだし行くか」
アリシア「ありがとうございます!」
ルシュ「じゃあ早速行こっ!」
アリシア「はい!行こっ!コハク!」
コハク「 (。'-')(。,_,) 」
コハクは頷いてアリシアの後ろをついていった。
ジン (あいつ…あれがモンスターだってのか?)
スタスタスタ
ジンも後を追ってきた。
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場所…はじまりのダンジョン
アリシア「ここが昨日コハクと会ったダンジョンです!」
ルシュ「へぇここが」
ジン「でもここなら何回か見たな」
ルシュ「そうなの?」
ジン「あぁ。なら俺が先導してやろうか?」
ルシュ「どうする?アリシアさん」
アリシア「えと、じゃあお願いします!」
ジン「おっしゃ!じゃあ行くぜ!」
スタスタスタ
ジン、ルシュ、アリシア、コハクの順番でダンジョンに入っていった。
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場所…はじまりのダンジョン 内部
ジン「このダンジョンは優しくてな、一本道なんだよ。最下層まで」
ルシュ「え!?一本道!?すごい簡単じゃん!」
ジン「あぁ。俺も剣士に必要なスキルが得られるまでずっと周回してたぜ」
ルシュ「へー。じゃあ頼りにしてるよジン」
ジン「おう!」
アリシア (え、何回も周回してたんだ…え、でもコハクの事は見たことないのかな)
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しばらく歩くと、コハクが眠っていた秘密の部屋の入口にたどり着いた。
ジン「あとはここを降りていけば最下層だ」
ルシュ「へぇー」
アリシア「あ、ここですね。コハクと出会ったのは」
ルシュ「え?そうなの?」
アリシア「はい。ちょうどここなんですが」
アリシアは壁に向かって指さした。
ルシュ「どこどこ…ってただの壁だよ?」
アリシア「え?」
ジン「あぁ。俺もただの壁に見える」
アリシア「えっ?見えないんですか?この入口…」
ルシュ「うーん…見えないなぁ…」
とうやら昨日入った小さな入口はアリシアにしか見えていないようだった。
アリシア「あ、そうなんですね…」
ジン「もしかしたらそのコハクってやつを仲間にしたから見えなくなったのかもな」
ルシュ「確かにそうだね」
ジン「よしっ、最下層まであと少しだ。行くぞ」
スタスタスタ
ジンとルシュは最下層を目指して歩き始めた。
アリシア (おふたりには見えてないのかな…?)
スタスタスタ
アリシアとコハクもそのあとを追った。
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場所…はじまりのダンジョン 最下層
ジン「よし着いた。ここが最下層だ」
ダンジョンの最下層は上が吹き抜けになっており、さっきまでの道と比べてかなり広い空間になっていた。
アリシア「わぁぁ…すごい…」
ルシュ「で?ボスは?」
ジン「ボスなら…」
ドゴォン!
すると、地面から何かが出てきた。
ルシュ「えっ!何か出てきた!」
ジン「あいつの名前はドラゴン。ただのドラゴンだ」
アリシア「へぇ…ドラゴンって飛んでるイメージだったんですが、地面から出てくるパターンもあるんですね」
ジン「俺も最初はそう思った。多分、この場所が悪いんだと思う。ここじゃなかったら空でも飛んでただろうよ」
アリシア「へ、へぇ…」
ドラゴン「ガアアアアアアアアアアアア!!!」
ドラゴンが雄叫びを上げた。
ジン「さ!来るぜ2人とも!武器を装備しな!」
スッ!
ルシュは杖を装備した。
カチャッ!
アリシアは短剣を装備した。
コハク「 ( ̄-  ̄ ) 」
コハクは何もしなかった。
ドラゴン「ガァァァァァァァァァ!!」
ゴォォォォォォォ!
ドラゴンが炎の玉を放とうとした。
ジン「ルシュ!アリシア!下がれ!」
ルシュ「!」
アリシア「!」
ザッ!
ジンはすかさず2人の前に立ち塞がった。
ドォォォォォン!
するとドラゴンが炎の玉を放った。
ジン「こいっ!」
バコォン!
ジンはその炎の玉を防御した。
ジン「へっ、変わらねぇなお前」
ルシュ「ジン!大丈夫!?」
ジン「平気だ。何度も周回した」
アリシア「コハク!」
コハク「 (`・ω・´)ゞ 」
スタスタスタ
するとコハクがドラゴンに向かって歩き始めた。
ジン「おい!待てお前!あいつのブレスは!」
ビュン!
コハクはドラゴンの体に飛び乗った。
ドラゴン「!?」
コハク「 (ΦωΦ) 」
ググッ…
コハクは拳を握った。
アリシア「コハク!!」
ビュン!バゴォォォォォン!!
コハクが拳を振り下ろすと、その衝撃が地面まで届き、地面が少し陥没した。
ジン「!?」
ルシュ「!?」
アリシア「!!」
コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」
ドラゴン「ガッ…」
ドシン!
するとドラゴンが倒れてしまった。
コハク「 ✌︎︎(* ॑꒳ ॑*)✌︎︎ 」
コハクがダブルピースをした。
ジン「なっ…こいつ…」
ルシュ「アリシアさん…あの子…」
アリシア「コ…コハク…」
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ドラゴンを倒した一行は祭壇にある宝箱の前にいた。
ジン「ほら、これが報酬ってやつだ」
ルシュ「ほらアリシアさん。開けてみて」
アリシア「え!?私がですか!?」
ルシュ「だって倒したのアリシアさんだよ?アリシアさんが開けるべきだよ」
アリシア「倒したのはコハクですって…私じゃないですよ…」
ルシュ「じゃあコハクさんが開ける?」
コハク「 (( 'ω' 三 'ω' )) 」
コハクは首を横に振った。
ルシュ「ほら、コハクさんもこう言ってるし。アリシアさん開けて」
アリシア「えっと…いいの?コハク」
コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」
コハクは首を縦に振った。
アリシア「えっと…じゃあ…開けるね」
ギィィィィィィ…
アリシアは宝箱を開けた。
アリシア「…あれ?何も入ってませんよ?」
アリシアが開けた宝箱には何も入っていなかった。
アリシア「え?どういう事なのでしょうか」
ピピッ!
すると突然アリシアのステータス画面が開いた。
アリシア「えっ!なに!?」
ジン「このダンジョンの宝箱には何も入ってないんだ」
アリシア「え!?」
ジン「その代わり、開けた時に宝箱の効果が発動して、この場にいる人たちに最適な特性やスキルが与えられる」
アリシア「あ、あぁ…なるほど…そういう事でしたか」
ジン「もちろん得た特性は捨てることもできる。俺は欲しい特性があったから取れるまで周回してたんだ」
アリシア「どんな特性なんですか?」
ジン「これだ」
ピッ
ジンは自分のステータス画面を開いた。
アリシア「これですか?」
アリシアはジンのステータスに書かれている特性のうち、1つを指さした。
ジン「そうだ。弱点攻撃ってやつだ」
アリシア「弱点攻撃…ですか」
ジン「これは相手の弱点を突く攻撃でな、これを使えば相手の弱点が分かって、もう一度使えばその弱点に効果が変わるってやつだ」
アリシア「え、つまりどういうことですか?」
ジン「うーん。1回目はただの攻撃だが、2回目は相手の弱点を攻撃できるってことだ」
アリシア「じゃあ本領発揮するためには2回目攻撃する必要があるわけですね」
ジン「そうだ。ただ、2回攻撃できればその後はずっと相手の弱点で攻撃できるんだ」
アリシア「弱点ってなんですか?」
ジン「うーん…大体耐性が低いものが弱点になる。炎とか水とか」
アリシア「へーそうなんですね」
ジン「この特性はそういった弱点を探して付与してくれるものだ」
アリシア「おーそれは強いですね」
ジン「これを取るために何回周回したことか…」
アリシア「あはは…」
ルシュ「アリシアさんはどんな特性貰えたの?」
アリシア「えっと私は…」
ブゥン
アリシアは自分のステータス画面を開いた。
アリシア「あ、増えてる。薬草学と書いてますね」
ルシュ「薬草学?」
ジン「それこのダンジョンで一番レア度が低いやつじゃねぇか…」
アリシア「うーん…薬草系アイテムの効果が上がる…ですね」
ルシュ「つまり、回復させやすくなるってやつね」
アリシア「うーん…」
ジン「そういえばアリシアよ」
アリシア「はい。何でしょうか」
ジン「このダンジョンで得られる特性の一覧は見たか?」
アリシア「えっ、特性の一覧?」
ジン「これだ」
ピッ
ジンはこのダンジョンの報酬の一覧を表示した。
ジン「このダンジョンで得られる特性はこれだ。一番上は俺であれば弱点攻撃。その次は連撃だな」
ルシュ「私ならこれね」
ピッ
ルシュはこのダンジョンの報酬の一覧を表示した。
ルシュ「一番上が魔力消費激減って特性。次は解析ってスキル」
アリシア「え、おふたりで全然違う特性なんですね」
ジン「このゲームのダンジョンは各職業で報酬があるんだ。まぁ、それとは別に全職業で共通の特性もあるんだがな」
アリシア「へぇ…」
ルシュ「アリシアさんは?アリシアさんのはどんな感じ?」
アリシア「あ、えっと…」
ピッ
アリシアはこのダンジョンの報酬の一覧を表示した。
アリシア「えっと、一番上の特性が応援。2番目は呼び声ってスキルらしいです」
ジン「応援に呼び声?聞いたことない特性とスキルだな」
ルシュ「そりゃそうでしょ。魔物使いはアリシアさんだけなのよ?」
ジン「あ、確かに。んで?効果は?」
アリシア「効果…ですか」
ルシュ「この横にあるボタンを押すのよ」
ピッ
アリシアはそれぞれの特性の横にある本のようなマークを押した。すると、各特性の説明が表示された。
アリシア「えっと、応援は味方のモンスターを応援することでステータスを上昇させることができる。だそうです」
ジン「ほう。自分はあまりステータスが高くないからその分仲間のモンスターを強くしようって考えか。もうひとつは?」
アリシア「えっと、呼び声は仲間じゃないモンスターが稀に一緒に戦ってくれる。らしいです」
ジン「ほぅ、でも稀か…」
アリシア「しかも使えば助けてくれたモンスターたちは戦いが終わったらすぐに元いた場所に帰るらしいです」
ジン「なんだそりゃ、使えんのか?そのスキル」
アリシア「わ、分かりません…」
ルシュ「まぁいいじゃない。今回は初めて攻略できたわけだし」
ジン「だな」
ルシュ「アリシアさんはどうする?その特性持っとく?」
アリシア「はい!記念に!」
シュゥゥゥゥゥゥ…
すると、祭壇の後ろに魔法陣が展開された。
ジン「お、ちょうど帰りの魔法陣が出てきたぞ」
アリシア「帰りの魔法陣?」
ルシュ「あそこに立ってこのダンジョンから出るのよ」
アリシア「あ、そうなんですね」
ルシュ「じゃ、行きましょ」
アリシア「はい!」
ジン、アリシア、ルシュは魔法陣の上に立って、はじまりの街まで転送された。
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場所…はじまりの街 噴水の広場
シュゥゥゥゥゥゥ…
ジン、アリシア、ルシュが転送されてきた。
アリシア「わ…ほんとに帰ってきましたね…」
ルシュ「これがダンジョンの一連の流れかな」
アリシア「はぁぁ…ドキドキしました…」
ジン「何回か周回してたら慣れてくるからな。それまではずっと緊張してるさ」
アリシア「ですね!」
ルシュ「あ、そうそうアリシアさん」
アリシア「はい」
ルシュ「武器を作ってみない?」
アリシア「武器…ですか」
ルシュ「うん!ほら見て!」
カチャ
ルシュはアリシアの短剣を持った。
ルシュ「これ、刃こぼれしてるよ」
アリシア「えっ!?」
アリシアの短剣は少し刃こぼれしていた。
アリシア「ホントだ…どうして…」
ルシュ「初期武器って耐久性が低いから仕方ないよ」
アリシア「どうしよ…」
ルシュ「ふふっ…来て!私が紹介してあげる!!」
タッタッタッ
ルシュはアリシアの手を引いてある場所に向かった。
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場所…カミラの鍛冶屋
ルシュ「ここだよ!」
アリシア「え、ここは…」
ルシュ「カミラの鍛冶屋!私とジンの行きつけのお店だよ!」
アリシア「お店?」
ジン「あぁ。俺たちはこの鍛冶屋で武器を作ってもらってる。この鎧も剣もそうだ」
アリシア「へぇ、そうなんですね」
ルシュ「入ろ!アリシアさん!」
アリシア「は、はい!」
ガチャ…カランカラン!
扉を開けると、扉の上に付けられている鈴のようなものが音を鳴らした。
カミラ「おや、いらっしゃい。ルシュにジン」
ルシュ「カミラさん。またお世話になります」
カミラ「ん?」
カミラはアリシアに気づいた。
カミラ「お世話ってその子のこと?」
ルシュ「そうです!」
アリシア (あの人が…カミラさん?)
その人は髪型がポニーテールでジンと同じくらいの長身の女性だった。
カミラ「そうか」
ガタッ
カミラはカウンターから出てきた。
アリシア「!」
カミラの身長はジンくらいあるため、アリシアは見上げなければならない。
カミラ「私の名前はカミラだ。ここで鍛冶屋をしている。よろしく」
アリシア「あ、はい。アリシア…です。よろしくお願いします」
カミラ「可愛い女の子じゃないか。ルシュ」
アリシア「か、かわっ…」
ルシュ「でしょ?でもこの子、昨日初めてログインしてきた初心者さんなの。しかもこのゲームが初めてのゲームらしいの」
カミラ「ほう。初めてでこのゲームを選ぶんだな」
アリシア「あっ…えっと…」
ルシュ「ねぇカミラ。この子に合う武器を作ってくれないかな」
カミラ「ん〜…アリシア、職業は?」
アリシア「えっと…魔物使い…です」
カミラ「魔物使いか…ん〜それなら…」
アリシア (あれ…この人、魔物使いを悪く言わない…もしかしたらいい人なのかも…)
カミラ「ちょっと武器見せて」
アリシア「えっ、あっ、はい!」
アリシアは短剣を鞘ごと渡した。
カチャ
カミラは短剣を抜いた。
カミラ「ん〜…刃こぼれが酷いな」
ルシュ「でしょ?」
カミラ「あぁ、これだと攻撃力は下がるだろうな」
ジン「いや、魔物使いはステータス低いから攻撃力なんて関係ねぇよ」
カミラ「はぁ…ジン。あんたその言葉をこの子に言ってないだろうね」
ジン「っ!」
ルシュ「いやカミラ!ジンったらログインしてきてすぐのこの子を魔物使いは弱いとか言ってたのよ!初めてやったゲームでアリシアさんが自分で決めた職業なのに弱いとか!」
ジン「おいルシュ!」ヒソヒソ
カミラ「ジン。あんたねぇ」
ジン「!」
カミラ「いい加減にしなさいよ。あんたが今こうしているのは私の武器と防具のおかげなのよ。それを理解してる?」
ジン「あ、当たり前だ!」
カミラ「それに初心者にその職業は弱いとか言われたらどう思うのよ。考えたことある?」
ジン「ぅっ…」
カミラ「あなたはもう少し話す言葉を考えた方がいいわよ」
ジン「す、すんません…」
カミラ「謝るのは私じゃないでしょ」
ジン「アリシアさん…すみません…」
アリシア「あ、いいですよジンさん。私が魔物使いじゃなかったらコハクに会えなかったでしょうし」
カミラ「コハク?誰?」
ルシュ「あ、コハクはアリシアさんのパートナーなんですよ」
カミラ「ほう。姿が見えないが?」
アリシア「え、コハク?」
シュバッ!
すると突然コハクが姿を現した。
カミラ「!?」
ルシュ「!」
ジン「!」
コハク「 (。´・ω・) 」
アリシア「この人がコハクです」
コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」
コハクは会釈をした。
カミラ「これは驚いた…いきなり現れるんだから…」
アリシア「いつもは一緒にいるんですけど。ねぇコハク、どこか行ってたの?」
コハク「 ( ´˘`) -ᴗ-) 」
コハクは頷いた。
カミラ「コハクは話せないのか?」
アリシア「はい。話せません。でも顔を覆ってる布を見れば大体分かりますよ」
カミラ「そうかい」
ピッ
コハクは自分のステータス画面を開いた。そしてコハクはある特性とスキルを指さした。
アリシア「ん?応援、呼び声?あれ、この2つって…」
ジン「あぁ。さっき行ったダンジョンで報酬になってたやつだな」
アリシア「コハク…どうして…」
ピッ…ブゥン
すると勝手にアリシアのステータス画面が開いた。
アリシア「えっ!私のステータス画面が!」
ピコッピコッ
するとアリシアの特性に「応援」とスキルに「呼び声」が追加された。
アリシア「えっ、特性とスキルが増えた!」
ジン「何!?」
ルシュ「嘘!?」
コハク「 ( *¯ ꒳¯*) 」
ジンとルシュがアリシアのステータス画面を見ると、アリシアの特性に「薬草学」「応援」、スキルに「呼び声」が書かれていた。
ルシュ「ほ…ほんとね…」
ジン「マジかよ…」
アリシア「コハク…これってどういうこと?」
コハク「 ( ´・ω・`) 」
ブゥン
コハクは自分のステータス画面を開いた。するとコハクの特性から「応援」とスキルから「呼び声」がなくなっていた。
アリシア「あれ、コハク…さっきの特性とスキルがなくなってるよ?」
ピッ
コハクはステータス画面の「特性」と書かれたボタンを押した。
アリシア「ん?」
コハク「 ( ˙꒳˙ ) 」
するとコハクは特性に書かれている「忠義」という言葉を指さした。
アリシア「忠義?これがどうしたの?」
コハク「 ( ˙꒳˙ ) 」
ピッ
コハクは「忠義」の説明欄を開いた。
アリシア「えっと、忠義。自分の主に自分が持っているスキルや特性を渡すことができる。一度に渡すスキルや特性の数が多ければ多いほど、スキルや特性を渡す回数が増えれば増えるほど自分のステータスが上昇し、主から得られるバフの効果も上昇させることができる。ただし、渡したスキルや特性は使えなくなる。だそうです」
ルシュ「へぇ、自分の持ってたあの特性とスキルをアリシアさんに渡したと…」
ジン「ちょっと待て。これ地味に書かれてるけど、一度に渡したスキルや特性が多いほどステータスが上昇するし、アリシアのバフの効果も上げることができるだと?」
カミラ「それに渡す回数も増えれば増えるほど自分のステータスが上昇して、なおかつバフの効果も上げられる…何よこれ…」
コハク「 ( ¯͈ ˘¯͈) 」
アリシア「あれ、でもこの2つってさっきのダンジョンでしか取れないものだよね?どうして持ってるの?」
コハク「 (・ω・* 三 *・ω・) 」
コハクは辺りを見渡した。すると、カウンターに紙とペンが置いてあるのを見つけた。
コハク「 (*´ω`*) 」
カキカキカキ
コハクはその紙とペンを持って文字を書き始めた。
コハク『さっき取ってきました。主様がこのお店に来て私を呼ぶ前に2つとも』
アリシア「えっ!」
ジン「何だと!?」
ルシュ「えっ…私たち…ここまで来るのにそんなに時間かかってないよね…」
ジン「あぁ…」
ルシュ「もしかしてあの噴水の広場に着いてからすぐに?」
コハク『いえ、私はみなさんが帰った後にまたダンジョンの入口に戻りましたよ。帰りの魔法陣は使わなかったので』
ルシュ「嘘っ…」
カミラ「とんだ仲間を連れてるね。アリシア」
アリシア「えっ…あっ…えっと…」
ルシュ「アリシアさん…この子…とんでもない子よ…」
ジン「あぁ…俺でも周回には少し時間がかかる…でもこの短時間で…しかもこの2つの特性を…」
アリシア「コハク…どうして…」
コハク「 (´・ω・`)?」
カキカキカキ
コハクは紙に文字を書いた。
コハク『主様がこの2つが欲しいと思ってたからですよ』
アリシア「!?」
ルシュ「えっ?どういう事?」
コハク『私、主様の考えてることが分かるんです。テレパシーみたいに』
アリシア「えっ!?」
ルシュ「テ、テレパシーって…」
ジン「なんだこいつ…」
コハク『主様があの時この2つを欲しがってたので、さっき私が代わりに取ってきました』
アリシア「コハク…」
カミラ「え?自分のスキルや特性を渡せて自分の主の心の声も聞けるの?何それ。そんなモンスターいるの?」
ジン「いや、俺も聞いたことねぇよ」
ルシュ「私も…」
アリシア「コハク…ありがと…」
ギュッ…
アリシアはコハクを優しく抱きしめた。
コハク「 (*´ω`*) 」
なでなで
コハクはアリシアの頭を撫でた。ルシュとカミラはその様子を見ていた。
ルシュ「…いいわねぇ、この身長差」
ジン「あ?何言ってんだよルシュ」
ルシュ「だって見てよこれ。アリシアさんの頭がちょうどコハクさんの胸くらいなのよ?もうこれ神よね」
ジン「は?」
カミラ「…私も羨ましいわ」
ジン「え?」
カミラ「私もこれくらいの身長差に憧れるわ」
ジン「あんたの身長じゃ巨人くらいだろ」
ドカッ!
カミラはジンの頭に拳を振り下ろした。
ジン「うごぉぉぉぉぉぉぉ…」
ジンはあまりの痛さに悶絶していた。
カミラ「ジン。あなたは次から倍額払ってもらうから」
ジン「嘘っ!?」
カミラ「私のことを悪く言った罰よ」
ジン「マジかよ…」
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カミラ「さて、まずはどんな武器にするかだね。アリシア」
アリシア「はい!」
カミラはアリシアに候補となる武器を探していた。コハクたちはその様子を見ていた。
カミラ「まずあんたが持ってる短剣。普通の剣と違って少し短いけど、その分速く攻撃できるわ」
アリシア「ふむふむ」
カミラ「次は杖。魔法使いとかがよく装備してるわ。自分の魔力を上げるには杖はもってこいの装備よ」
アリシア「杖…ですか」
カミラ「次は本ね」
アリシア「本!?」
カミラ「そう。これも魔法使い用の装備よ。杖よりかは魔力の上昇は落ちるけど、その分多くの魔法が使えるわ」
アリシア「でも私、技なんてないしましてや魔法なんて…」
カミラ「うーん…そうねぇ、じゃあこれなんかはどう?」
カミラは何やら木箱を取り出してきた。
カミラ「ほら」
カパッ
カミラが蓋を開けると、中には笛が入っていた。
アリシア「これは…笛…ですか?」
カミラ「そう。せっかく魔物使い用の武器を取り揃えていても、一人も魔物使いがいないからね、これも処分するものだったのよ」
アリシア「どういった効果があるんですか?」
カミラ「周辺のモンスターを引き寄せる効果がある。これを使えば自分からモンスターに会いに行かなくて済むし、アリシアの持ってる呼び声とも相性がいいんじゃない?」
アリシア「!!」
アリシアの「呼び声」という特性は仲間じゃないモンスターが稀に力を貸してくれるというスキルだった。
カミラ「どうだい?これはもう処分するものだからこのままタダで渡せるわよ」
アリシア「えっ!いいんですか!?」
カミラ「えぇ。唯一、あなただけが魔物使いだからね。大事に使ってね」
アリシア「はい!」
アリシアはカミラから笛を受け取った。
アリシア「あ、そうだカミラさん」
カミラ「なんだい?」
アリシア「これって、相手にダメージを与える武器じゃないですよね?」
カミラ「そうよ。あくまでモンスターのための武器ね」
アリシア「えっと…護身用になにか武器が欲しいんですが…」
カミラ「あ、その点は大丈夫よ。その笛は単にプレゼントってだけだからこれからあなたのために作る武器とは別なのよ」
アリシア「ホントですか!?」
カミラ「ほんとよ。さ、あなたが使う武器を選びましょうか」
アリシア「はい!」
その後アリシアはカミラといっぱい相談して、貰った笛と新たに短剣を装備することにした。
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場所…はじまりの街 噴水の広場
ルシュ「いやぁ〜よかったねアリシアさん!」
アリシア「はい!こんなに良くしていただいて…」
ジン「でも防具はくれなかったんだな。ケチなやつ」
ルシュ「こらジン!そんなこと言ってるとまた怒られるわよ!」
アリシア「防具はまたの機会にお願いすることにします!でも今はこの短剣と笛のおかげで少し安心できますから!それにコハクもいるし!」
コハク「 (*´-`*) 」
コハクは照れた。
アリシア「あ、もうそろそろお昼ですね。私ここでゲーム終わりますね」
ルシュ「はーい!またね!」
ジン「次はもっと上のダンジョンに行くぞ」
アリシア「はい!」
ルシュ「アリシアさん!次もその次も私と一緒にダンジョン行こうね!」
アリシア「はい!分かりました!それでは!」
ピッ
アリシアはログアウトボタンを押した。
ブゥン…
するとアリシアの姿が消えた。
ルシュ「ふふっ、次にアリシアさんが来るのが楽しみになったわ」
ジン「俺もだ。もう少しだけ一緒にいようかな。面白そうだし」
コハク「 (´•ω•`) 」
コハクは何故かしょんぼりしていた。
〜物語メモ〜
コハクのコミュニケーション
コハクは基本、言葉を話しません。そのため、顔を覆っている布に出てくる顔や筆談でコミュニケーションを取ります。
筆談であれば『』←このようなカッコになります。
布に出てくる顔であれば「」←このようなカッコになります。
ダンジョン
この世界には様々なダンジョンがあり、その最下層にはボスキャラがいます。そのボスキャラを倒せば、各ダンジョンで設定されている報酬を得ることができます。その報酬は各職業専用のスキルや特性と全職業共通のスキルや特性になります。また、その際に宝箱に装備品が入っていれば、それを装備することも可能。
ちなみに、獲得したスキルや特性がいらなければ、捨てることもできる。
ドラゴン
アリシアがコハクに会ったダンジョンの最下層にいるボスキャラ。四足歩行で地を這うように移動する。炎の玉やブレスを吐く。
特性:弱点攻撃
ジンが所持している剣士専用のスキル。攻撃することで相手の弱点が分かり、それ以降の攻撃が全てその弱点属性の攻撃となる。
強いスキルだが、発揮するためには最初に一撃を与えなければならない。
特性:薬草学
アリシアが所持している全職業共通のスキル。薬草系の回復アイテムの効果が上昇する。(より回復する)
特性:連撃
最初のダンジョンの剣士専用スキルの報酬。攻撃を重ねるごとに攻撃力が上がる。ただし、攻撃が止めば元に戻る。
特性:魔力消費激減
最初のダンジョンの魔法使い専用スキルの報酬。消費する魔力を1/10に下げることができる。
スキル:解析
最初のダンジョンの魔法使い専用スキルの報酬。相手に効果がある属性魔法を知ることができる。
特性:応援
アリシアが所持している魔物使い専用のスキル。味方のモンスターを応援することで、モンスターのステータスを上昇させることができる。
スキル:呼び声
アリシアが所持している魔物使い専用のスキル。仲間になってないモンスター(野生のモンスター)が稀に力を貸して一緒に戦ってくれる。ただし、戦闘が終われば即座に元いた場所に帰る。
カミラの鍛冶屋
はじまりの街 噴水の広場から少ししたところにあるカミラが経営している鍛冶屋。ジンやルシュが武器を新調する時にいつも使っている。
カミラ
鍛冶屋を営んでいる女性。髪型はポニーテールで、身長はジンと同じ。身長差カップルに憧れがある。
特性:忠義
コハクが所持している特性。自分が持っているスキルや特性を自分の主に渡すことができる。
一度に渡すスキルや特性の数が多ければ多いほど、スキルや特性を渡す回数が増えれば増えるほど自身のステータスを上昇させることができる。
加えて、主から得られるバフの効果も上昇させることができる。
ただし、一度渡したスキルや特性は自分で使用することができなくなる。
武器:笛
アリシアがカミラから受け取った武器。笛を吹くことで、モンスターを引き寄せることができる。アリシアの「呼び声」というスキルと組み合わせると良い。