デクvsマジアベーゼ   作:nell_grace

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すいません、遅くなりましたが日曜日の分……投稿間隔の改善を目指しています。

【もくじ】
01.(とどろき)焦凍(しょうと)
02.1年B組の猛追(前)
03.うてなと尋問

※1に轟家のギスギスがあります。



(12)第一種目(中)

 

01.(とどろき)焦凍(しょうと)  

 

────────

 

(とどろき)焦凍(しょうと)にとってその場所は、視覚的に極めて不快だった。

 

焦げついた何かの残骸に、炎が粘るように(まと)わりついて揺れている。

その熱は周囲の空気を()き回し、空間が細かく波打っていた。

 

その光景は、彼が物心ついた直後から繰り返されている、恐怖と苦痛、そして怒りのの光景そのものだった。

 

炎が吐き出す黒煙の向こうで、背の高い何かと小さい何かが争っているのが見え隠れしている。

轟自身も抜けられなかった障害に、同級生たちが今まさに挑戦しているのだろう。

 

(この学校はいかれてる。さすがクソ親父の母校だ)

 

体育祭第一種目、『障害物競走』と呼ばれた競技は、第一関門からどん詰まりだった。

それもまた、彼の行く末を暗示しているようで腹立たしい。

 

そんな現実から目を逸して見上げれば、空だけは高く、あまりにも高く広がり、己の逼塞(ひっそく)を笑うようだった。

彼はそこに逃げていくための翼も持ち合わせていたのだが、それこそが今の彼にとって、もっとも忌まわしいものだった。

 

 

──そんな不愉快なコースを、わざわざ引き返した甲斐はあった。

轟は想定より早く目的の人物を見つけ出すことができた。

 

「……!」

 

目の前の光景に、思わず呼吸が詰まる。

 

そこには無数の機能停止したロボットが横たわっていた。

その数が数えられないのは、その機械の身体が分解されているからではない。

 

そこには輪郭がなく、鋼鉄のタイルが敷き詰められているようだった。

ロボットは半径十数メートルの地面をぎっしりと埋め尽くし、すべてがひれ伏すような姿勢で沈黙している。

それらはある一点を向いて、放射状の模様を成していた。

 

(どうやったら、こんな倒し方ができるんだ?)

 

ロボットたちの胴体から白い煙が噴き出してその先の視界を覆っている。

その煙の向こうから、ぬっと大きな影が現れた。

 

金属の(きし)むような音を交えて、蹄鉄(ていてつ)が地面を打つような、少し気の抜けた足音が響く。

全高2メートル近い、機械でできた四本足の、馬のようなシルエットをしたロボットだった。

その長い足で地面のロボットを踏み抜きながら、安定した足取りで歩を進めている。

 

そして、そのロボットの背にはひとりの少女が横座りの姿勢で乗っていた。

轟から見て、彼に背を向ける形ですれ違おうとするその女生徒は、轟のクラスメイト、(ひいらぎ)うてなだった。

 

肩まで伸びた紫色の髪の後頭部が見える。

その下の体操服はところどころが焦げつき、背中は真ん中から大きく縦に裂け、その下のシャツも同じく裂け、そのさらに下の白い肌が(あらわ)になっていた。

裂けた部分が前に流れていかないよう、ふたつに分かれた両裾を応急処置的に後ろで結んでいる。

その分裾は捲りあがり、前から見ても腹が見えているかもしれない。

 

柊は膝の上に一台の小さなロボットを抱いていた。

まだ轟に気づかないその少女は、腕の中のロボットを観察しながら、ひとりごとをつぶやいている。

 

「はぁ……このロボットさんたちには『反乱を起こす権利』が設定(キッティング)されてるんですねぇ……」

『ガガ……ピー……』

「そこにわたしが乗っかってしまったから……すごいなぁ、こういう対策の仕方もあるんだ」

 

轟は柊の大きくはだけた背中を見てしまい、声をかけるのを少し躊躇(ためら)ったが、競技の途中だと思い直して声をかけた。

 

「ロボットを『使い魔』にしちまったのか。すげぇな」

 

柊は振り向いて、轟を見下ろしながら少し微笑んだ。

 

「あれ、轟くん。道に迷いましたか?」

「救けに来たんだ」

「ええ!? 私を?」

「お前が空で撃ち落とされたのを見たから」

 

柊が口を空けたままにした。彼女にとって、轟の行動は意外だったようだ。

 

「わざわざ戻ってきちゃったんですか?」

「必要なかったみてぇだが」

「ふふ……どうしてです?」

 

そう尋ねてくる柊の表情は少し嬉しそうだった。

いつもの(あお)りかと、轟はそれを怪訝(けげん)に思いながらも、彼にとって当然の回答を返す。

 

「お前ももうわかってんだろ」

「?」

「この障害、協力しねぇと先に進めねぇやつだ」

「ええっ!?」

「俺もロボットはともかく、後半のアレは無理だった」

 

(できなくはねぇが、消耗しすぎて一日ダメにしちまう)

 

轟の見解を聞いた柊は、納得がいかない様子で首を傾げた。

 

「んんー? そこまでの難易度にしたつもりは……」

「なんだ?」

「いえ、こっちの話です」

「そうか」

 

轟は(きびす)を返しながら柊に尋ねかけた。

顔に近づいてきた白い煙を手を振って振り払う。

 

「で、どうする? 協力したくねぇならそれでもいい」

「いえ、一緒に行きます」

「ん」

 

柊を乗せたロボットも、轟の横を並ぶようにして歩行を再開する。

轟はそのロボットを見上げて、少し思うところがあったが、何も言わずに前を向いた。

 

「でも、控え室であれだけの啖呵(たんか)を切ったくせに……」

「ふん」

 

予想通りの反応だと思いながら、轟は鼻を鳴らした。

 

「自分から歩み寄れる人なんですね」

「?」

「それ()、才能だと思いますよ?」

「バカにしてんのか」

「うぇっ!?」

 

轟は険を強めて柊をにらみ上げる。

柊はそれに驚いてびくりと背筋を伸ばした。

轟は苛立たしげに歩調を強めて早歩きになり、柊を置いていこうとする。

 

「あっ、あれ? 怒らせちゃった……?」

 

ぽかんとしている柊に構わず、彼女を乗せたロボットは(ひづめ)のリズムを上げてその後に続いた。

 

 

──「才能」などと褒められるのは腹立たしかった。

 

努力なしで身につけられたものなど、何ひとつないのだ。

基礎の訓練と実践の練習を繰り返し、炎と氷、両方の『個性』の扱いを磨く日々。

 

そう、身体で思い知らされている。

No.2(ナンバーツー)ヒーロー・エンデヴァーの息子とは、そういう生き物なのだと。

自分に本当に恵まれていたものがあったとすれば、それはただ、ひたすらに、時間をかけることができただけなのだ。

 

しかも、その父親ですら、焦凍を特別な、恵まれた存在とみなして接してきた。

 

『お前は特別だ。すべてを持って生まれたのだ。頂点へ立つために』

 

それで励ましてくれているつもりなのか。

何かあればすぐに、そんなお決まりのフレーズを言って、焦凍を熱心に鍛えるその男は。

それは、どこか自分の手が届かない場所に焦凍を押し上げ、追いやってしまおうとしているかのようだった。

 

中学に上がり、焦凍の努力が実りはじめ、父親との模擬戦でまれに一本を取れるようになると、父親は家を空ける時間がさらに増えた。

エンデヴァーは、焦凍に対してはマメに指導の連絡を入れつつも、その家からは逃げるようにしてヒーローの仕事に徹しはじめた。

 

(俺たちの親父をやるのは、そんなにしんどいか?)

 

焦凍の感情が大きく(くすぶ)り始めたのもその頃からだった。

 

 

──轟焦凍の最初の挫折となったのは、USJ事件の翌々日に行われた、救助訓練補習だった。

 

『ハァァァ!? ()めプかよテメェッ!』

(ひだり)は使わないか……私はいいと思うぜ?』

『チィッ!』

 

クラスメイトの爆豪(ばくごう)勝己(かつき)と共に、オールマイト先生に選抜されての実戦訓練。

父親には「くだらん反抗期」と一蹴された自分の意向を、オールマイトには肯定してもらえて、その時の焦凍は少し浮かれていた。

 

『両方使えるからって、両方極める必要なんてないもんな。でもなぁ、轟少年』

 

だが、ずっとあこがれていたNo.1(ナンバーワン)がくれたのは、父親よりも厳しい言葉だった。

 

『そんな使い方じゃあ、半分じゃなくて4分の1だぜ? 頑張ってるのに勿体ない! もっと違う練習をしないとダメだ!』

『……どういうことですか』

 

オールマイトは具体的な答えをくれなかった。

 

HAHAHA(ハァーハッハッ)! 先生が手本を見せてやる! 爆豪少年もさっさと起きろ! ふたり同時にかかってこい!』

 

そう言って、オールマイトは身体に桜色の光を(まと)って宙に浮いた。

それに負けじと爆豪も手から爆発を起こして飛び上がっていく。

 

『チッキショウがぁーっ! 絶対に追いついてその傷跡から真っ赤なハラワタぶちまけてやるアァァーッ!』

『そんな怖いこと言わないで!? 顔がUSJで会った(ヴィラン)そっくりだぞ!?』

 

(そうか……理解はしてくれても、認めてはくれないってのは……こんなにもしんどいのかよ)

 

あのクソ親父がオールマイトに執着する理由が少しだけわかった気がした。

結局その場では、オールマイト先生が自分に何を教えたかったのか、焦凍には理解できなかった。

 

 

──焦凍の中で生まれた疑念は、彼のきょうだいが押し拡げていった。

 

焦凍の姉は、入院する母親の代わりにその役割をやりながら、大学を卒業して小学校の教師になった。

うるさいくらいに家族の結束を訴え、家庭を切り盛りしていた姉は、就職しても変わらず家のことを最優先に行動している。

だが、焦凍とふたりきりの食卓で、どこか寂しそうな顔をしながら黙り込むことが多くなった。

 

焦凍の兄は、生活態度こそ奔放だったが、家にいるときは姉を手伝って家事に勤しみつつ、賑やかに過ごしていた。

しかし、大学生になると外泊が多くなり、そのうち一人暮らしを始めてしまった。

たまに家で会っても、兄はあまり多くを語らず、焦凍の頭を()でるだけだった。

 

そして、この家の一番奥にある、少し広い和室には仏壇(ぶつだん)が据えられている。

そこに立てられた遺影は、自分が物心つくかつかないかの頃に亡くなった、一番上の兄のもの。

その写真もまた、心に何かを押し込めたような微笑みをこちらに向けていた。

 

その家の中では、誰もが、何かの言葉を隠して黙り込んでいた。

なぜ言わないのか。

言えないことがあるのか。それは誰に言えないのか。

 

(この家の中には──が、いないんだ)

 

焦凍はその無言と沈黙に、己の中に生まれた疑念を重ねるようにして、自分で自分を追い込みはじめていた。

 

 

──だから、黙々と自分の後を追う柊が気になって、轟は振り返った。

 

「なんで何も言わないんだ?」

「え?」

「急に黙り込んじまったじゃねぇか。いつもの(あお)りはどうした?」

「ええ? あー、あの、えっと……」

 

柊は慌てて曖昧な返事をした後、少し考え込み、やがておずおずと話しはじめた。

 

「さっきの話ですけど……」

「もう気にしてねぇけど」

「轟くんを怒らせたくて言ったんじゃないんです……でも、言いづらくて」

 

言いづらいってなんだ。

轟は少しカッとなって言い返そうとしたが、相手が家族ではなくクラスメイトだと思い出した。

よく見れば、柊はしょんぼりと、申し訳なさそうな顔をしている。

 

「……普通に言えばいいじゃねぇか」

「轟くんが怒っちゃったから、どうお伝えしたらいいかわからなくなって……ごめんなさい」

「だから気にしてねぇ……そうか」

 

(相手のことを考えているようで、実は自分のことなんだ)

 

内に抱えていた懊悩(おうのう)と重なったせいか、それは轟の中ですんなり腹に落ちた。

 

「傷つけたく無ぇと思ったら……言葉は詰まってしまうのか」

「轟くん?」

「みんな、傷つけたくねぇのか──誰を?」

「?」

「……」

 

柊が四足歩行のロボットの背から身を乗り出すようにして、自分の顔をのぞき込もうとしている。それに気がついた轟は、柊に対する率直な印象を口走った。

 

「思ったんだが」

「は、はい!?」

「お前、けっこう独り言多いよな」

「はぁ!? なんですか急に! ……あっ、この人って、もしかして……?」

 

柊は、ぐるりと表情を回した後、何かを察したのか、おそるおそる声をかけた。

 

「轟くんも、ロボット乗りますか?」

「……乗ってみてぇ」

「やっぱり……子どもっぽい」

「なんだと」

 

柊が手を差し出すと、轟はその手を取りつつも引っぱりはせず、自分の脚力だけでロボットの背に跨った。

背中が安定すると、ロボットは機械の足なりの努力で速足(はやあし)をはじめ、小走りくらいの速度になった。

 

葉隠(はがくれ)さんが『無自覚系天然ジゴロだ』って言ってたから警戒してました」

「なんだそれ」

 

そうしてふたりがロボットに乗って移動していくと、分も経たず少しひらけた場所に出て、その一角に人が集まっているのが見えた。

そこには体操服が汚れてボロボロになった1年A組の生徒たちが、見たこともないような形相でふたりを……おそらく柊の方を、待ち構えていた。

 

「ひえっ……」

「おお」

 

特に女子たちの刺す様な視線を受けて、柊の顔がものすごい勢いで青くなっていく様を、焦凍は興味深く観察していた。

 

 

 

02.1年B組の猛追(前)  

 

────────

 

障害物競走がスタートする直前、1年B組の生徒達はそれとなく固まって動いており、物間(ものま)寧人(ねいと)はその中心にいた。

 

「何をしてもいいということは、協力し合ってもいいということさ」

 

物間はこの体育祭に向けて、1年B組の生徒達を集めて作戦会議を繰り返し企画していた。

 

最終目的は1年B組全員がこの体育祭で目立つ活躍をすること。

そのためにクラスで団結すること、情報を共有してクラス全員が優位に立つことをしきり説いてきた。

 

第一種目の作戦は温存と生存。

競技内容が何であっても、「あまり目立たないこと」「全員が次の種目に進むこと」を優先する。

第一種目に脱落しないことで低評価を避け、参加者が減る第二種目以降で目立つ。

後で目立ったほうが印象に残り易いから。

 

つまりは談合であり、ルールによっては八百長になっていたかもしれない。

そのため、物間の言に反発するクラスメイトもいた。

 

「というわけで、協力してくれるよね? お二人さん?」

 

物間は反対派の中でも話をわかってくれそうな、庄田(しょうだ)(りん)にわざとらしく手を差し伸べて見せた。

もちろん、交渉の優位をアピールするための不遜(ふそん)な笑顔も忘れない。

 

「このルールならば(やぶさか)かではない」

一样(イーヤン)

 

ふたり共、自分の意見を固持するタイプだが、性格は穏健で、空気を読める人物でもある。

物間の期待通り、ふたりは差し出した手を取って見せてくれた。

ついでに二人の個性を『コピー』しておくことにする。

 

「ありがとう」

 

 

──物間の個性は『コピー』である。

触れた相手の『個性』を写し取り、自分のものとして使用できる能力だ。

 

これまでの彼にとって、あこがれのヒーローになるということは、選別の中を生き残ることと同義であった。

自分ひとりでは何もできない能力。

彼の評価は常に『不適格』と『不安定』。そこをスタートラインとして始まる。

 

 

「──僕は別に、君たちの実力がA組に劣るなんて思ってない。みんなそれぞれ、好き勝手やってもそれなりに目立てたはずさ」

 

繰り返し行われる選別を生き残るために、彼は自分の能力だけではなく、人間関係にも苦心しなければいけなかった。

良くも悪くも、認識してもらわなければ、印象を持たれなければ弾き出される。そういう立場だった。

 

しかも評価が元からマイナスなので、そこから印象を刻もうとするとどうしても逆張りに、マイナス方向に振り切れていくしかなかった。

決して不正をしたことなどないのだが、いわれなき理由で「卑怯者(ひきょうもの)」と認定されたこともあった。

 

「ただ、こっちの方が効率いいと思っただけ。僕はより多くを救けるために、効率を重視するのさ」

 

そうして苦心を重ねて、物間はヒーロー科最高峰と評される雄英高校に合格した。

 

彼はようやく、そうしなくてもいい場所に辿り着いたと思った。

ここまでくればプロヒーローになることはほぼ当確だからだ。

今度こそ生き残るためではなく、活かすための努力をしよう。

マイナスじゃなくプラスに振る舞おう。

入学式の日まではそういう意気込みでいた。

 

──しかし、雄英高校の授業が始ってすぐに、それは逆転した。

 

「だって、プロヒーローは『なんでもできなくても』、『なんでもやらないといけない』のだから。無駄は省かないとね」

 

1年B組の担任教師、ブラド先生は「ヒーロー社会の厳しさ」を言葉で伝えるのが上手かった。

その、あまり一般ウケしない『個性』と顔をした先生は、その世知辛さについて、体験談を添えて教えてくれる。

 

その内容に感銘を受けた物間は、再び裏返ることにした。

まさにいまこそ、自分が今日までやってきたものが必要なのだと。

彼は自分がそうやってきたからこそ、この雄英高校に選ばれたのだと思った。

 

「もちろん、人気っていうのは水物だ。僕の作戦がハマらない可能性は当然ある……」

 

この雄英体育祭で、1年B組をデビューに向けた好スタートを切らせる。

これが物間の設定した最初の目標だった。

 

1年A組を仮想敵としたのは、当初はクラスの団結を目的とした軽い意識合わせのつもりだった。

だが、USJと呼ばれる訓練場で起きた(ヴィラン)事件のせいでその意味合いが変わってしまった。

 

「A組に遅れを取ってしまった」という雰囲気を作ってしまった。

 

物間はこれが仕上げだと思った。

この作戦が失敗したときのことも当然考えている。

もしも体育祭が不首尾に終わってしまったならば、自分が無駄に育ててしまったヘイトの向き先を用意しておかなければならない。

 

「失敗したときの責任は僕が取っ……」

 

それを言おうとした物間に拳骨が、四方からボカボカと襲いかかった。

 

「勝手に背負いすぎだろバーカ」

「お前にそこまで期待してねぇんだよ」

「んだんだ」

「気に入らんという気分はあるけど、納得してないわけじゃないヨ」

 

物間を小突いたのは泡瀬(あわせ)回原(かいばら)円場(つぶらば)、そして(りん)だった。

この四人の男子はクラス内でも特にモラリティが高く、早くもB組常識人四天王などと呼ばれていた。

 

ちなみに最後の(りん)飛竜(ひりゅう)は中国人だが日本での生活が長く、日本語はきわめて流暢である。

たまに母国語やステレオタイプな口調を混ぜてくるのは、性格的に地味になりがちなのでキャラ作りをしたいかららしい。

 

「痛いなぁ……」

 

1年B組における物間のアジテーションは、彼らのせいであまりうまくいっていなかった。

常識人四天王はこうやって、物間の悪巧みには付き合ってくれても、彼が悪者ぶろうとすればそれを制してくるのだった。

 

「ま、クラス委員長としてもね……」

 

さらに、物間をなにかにつけて面倒見てこようとするクラス委員長の姉御肌、拳藤(けんどう)が物間の頭に拳骨を乗せて威嚇してきた。

 

「うっ……」

「あんたの好きにさせてたのは、その理屈がそこそこいけてると思ったからだよ。そして、これは第一種目のルールにうまくハマりそうだね」

「ふん……」

 

他のクラスメイトたちもそれに同調する。

 

「むしろ、俺らがこういう話し合いをしてたから、それに合わせてきた可能性もあるぜぇ……」

「一応、お祭りだからね。盛り上げることを優先するんじゃないかな?」

鎌切(かまきり)凡戸(ぼんど)に賛成ノコ! 教師も生徒のプロモーションは意識してるはず!」

「ん」

「そうだね。もしかしたら毎年生徒に合わせて競技決めてるんじゃないかな?」

 

拳藤は彼らにグッドサインを出し、彼らもそれに同じサインで返事をした。

 

「その前提で私の見解を言わせてもらうとね。この種目、やっぱり私たちの目立ち所じゃない?」

 

拳藤の提案に、周りが少しどよめいた。

 

「柊うてな」

 

その一言にどよめきが絶たれる。

集団の端で目を閉じ、ひとり黙々祈りの姿勢を保っていた塩崎(しおざき)が、突如その名を発したのだった。

 

「……そっ。この競技って、たぶんあの子が『鬼』役だよね」

「ああ、ボク、ソレ飲み込めてきたぞ」

「柊……ウラメシい……」

 

戦闘訓練で柊にコスチュームを()がされる被害を受けていた吹出(ふきだし)(やなぎ)がじっとり湿ったような表情をした。

 

「A組サンがツンツンパニックなのはそれが理由デスカ?」

 

B組にいるもう一人の外国籍生徒、角取(つのとり)ポニーが自分の頭に伸びる角を触りながら拳藤に尋ねた。

 

「うん。こういう長丁場のフィールド競技だと、どうしてもあの子の有利になっちゃいそうなんだよね。ならもういっそ、最初からそういうもんにしちゃえっていう発想の転換」

 

拳藤が人差し指を立てて、自分の口元に寄せた。

それを見たクラスメイトたちぐぐっと顔を寄せ、円陣を組んだような内緒話のポーズになった。

 

「というわけで、みんな協力しよう。生き残るために助け合う、これはそのままね。でもB組に限らず、有望なトコとはみんな助け合っちゃおう。そんでもって全力疾走、トップを目指す!」

「「おおっ!?」」

「だって、『鬼ごっこ』なら逃げる人を増やして、早く逃げるほうが楽でしょう? もちろんコースを引き返してまで助けにいく必要はないし、ゴール間際はみんな恨みっこなしの全力ダッシュだよ」

 

それを拳藤の背中側で聞いていた銀髪の男が突然叫ぶ。

 

「わかったあーっ!!」

鉄哲(てつてつ)うっさい! 耳元で叫ぶな!」

 

拳藤が講義するが、彼の握り拳から金属の(きし)むような音がして、拳藤は再び耳を抑えた。

 

「競走はする! でも見てる所で誰かがこけたら、助ける! そういうことだな!」

「そうだよ! でも今大声で言うなバカァ!」

 

拳藤は周りの視線を(はばか)りつつも怒鳴りつけ、鉄哲の頭をチョップした。

 

「そういう柔軟な戦術は好きだな」

「……良いでしょう。分け隔てなく救け合うならば。それは正々堂々というものです」

 

骨抜(ほねぬき)と塩崎。

最後まで物間の意向に従わなかった二人も合流の意を示す。

その反応を引き出したかったのだろう。拳藤は会心の笑顔を見せた。

 

「おっけ。ふふん。これで全員一致かな?」

 

そう言いながら、拳藤は物間にドヤ顔をぶつけた。

 

「ハハ……」

 

これはやられた。物間は素直にそう思った。

拳藤のその場の調整能力には素直に頭が下がるのだ。

 

もちろん、本当に1年A組の怪人、柊うてなとの『鬼ごっこ』になるとは限らない。

だが柊という明確な仮想敵を設定し、それをあえて拡大解釈することで前提条件をゆるやかにし、結果、骨抜や塩崎まで合流させてしまった。

 

「……参りました」

 

物間が苦笑し、両肩をすぼめながらそう言うと、拳藤に「態度が悪い」と小突かれた。

 

 

──結果としてこの作戦は、1年B組にとって最高の成果を出した。

 

しかし、スタート直後に起きた惨劇においては、1年B組は翻弄される側となった。

スタートゲート直後の狭い通路の中で、飛び散る氷がみるみるムカデの形に変わり、生徒たちの身体に取り付いて這い回る。

 

「「「オギャアアァァンッ!!」」」

 

1年B組に、虫の苦手な生徒があまりにも多かったのである。

 

「助けてぇぇ、オレ普通かつ地味に敏感肌なんですぅー!」

「『個性』使うとムカデが砕けてドリルに食い込んじゃうのぉぉ……」

「俺、ムカデ人間がトラウマで……『個性』的な意味で……」

「アイヤー、中国のジイさんに飲まされたムカデ酒の匂いを思い出すアルゥゥ……」

 

特に常識人四天王の面々──円場(つぶらば)回原(かいばら)泡瀬(あわせ)(りん)──がものすごい醜態を晒していた。

 

「あんたら、普段は威勢良いのにさぁ!」

 

イメージ通りわんぱくな幼少期を過ごしていた拳藤は、ムカデ程度を恐れることなく彼らの身体にとりつくそれを()がしてやっていたが、体操服の下に潜り込み、蠢く(うごめ)それを捕まえるのになかなか手こずっていた。

 

そんなムカデに翻弄される生徒達の周りに、ざわざわと藁のこすれるような音を立てながら、イバラの(つる)が伸びていく。

蔓は氷でできたムカデに巻き付いて絡め取り、次々と奪い去っていった。

 

「おおっ、塩崎ナイ……」

 

拳藤は蔓の主に向かって歓声をあげようとしたが、その光景を見て絶句した。

 

そこにはいつのまにか蔓と氷で出来たアイスツリーが通路の照明を反射してきらきらとそびえ立ち、その中心に塩崎が、目を閉じ両手を組んで胸に置いたまま拘束されていた。

 

蔓で氷ムカデを回収しすぎて蔓ごと凍りついてしまったのだった。

だが塩崎は、自分がそうなっても構わず、せっせとムカデを取り込み続けていた。

 

「はあっ……こっ、これが凍結地獄(コサイタス)っ……その罪を永遠に見つめ直すため、肉体の時間を止める魂の牢獄(ろうごく)……」

「こいつもおぉぉっ!」

 

拳藤は怒りに任せて拳でそのツリーをぶん殴ったが、ギチギチに凍りついたそれはびくともしなかった。

 

「自己犠牲もいいかげんにしてよね! 鎌切ィ!」

(オウ)よ」

 

拳藤の呼びかけに応えて、ほっそりと背の高い男が飛び出した。

男の腕からは体操服を切り裂いて刃が生まれ、男は横に回転しながらそれを振り回す。

すると、塩崎の身体を拘束していた氷と蔓だけがバラバラに切り裂かれた。

器用なことに、塩崎の身体に服も、一切傷はついていなかった。

 

そうして崩れ落ちていく蔓と氷を背景にした男、鎌切(かまきり)(とがる)は、斜め立ちでポーズを決めながら刃を納めた。

 

「良い『刃応(はごた)え』だったぜぇ……」

「今度こそナイス!」

 

拳藤と鎌切はハイタッチした。

 

「どうする? 声がけとかする? 私、イケてる子に心当たりあるけど」

 

この通路の寒さが堪えるらしく、取蔭(とかげ)が自分の身体を抱くようにして震えながら、拳藤に尋ねた。

小森(こもり)小大(こだい)も揃って挙手をする。

 

「私もある! めっちゃおっぱい大きな子! 私あの子とユニット組みたいノコ!」

「ん」

「アイドルの勧誘は競技の後にしな」

 

拳藤はほんの少し迷ったが、ムカデの脅威から立ち直りつつあるクラスメイト達を見て決断した。

 

「まずは進もう。A組を追い越さないとね!」

「「おーっ!」」

 

一斉に声をあげた1年B組の生徒たちはそのまま一丸となって通路を駆け出していった。

 

 

 

 

03.うてなと尋問  

 

────────

 

青山(あおやま)優雅(ゆうが)はひとり、マイペースに景色を楽しみながら障害物競走のコースを走っていたのだが、第一関門で飯田(いいだ)に追いついてしまった。

 

「あれ? ムッシュ……どうして?」

「おっ、青山君も追いついたか」

 

青山の声に飯田が振り向く。よく整えられていた飯田の髪は、グシャグシャになっていた。

 

「人ごとじゃないという自覚はあるけども……だいぶ遅くない?」

「ああ……実は俺もちょっと焦っている」

 

飯田だけでなく、その周りには1年A組の生徒がたむろしていた。

 

「うわ、A組勢揃いだね☆」

「先に行った爆豪君を除けばな」

「これどういう状況なの?」

 

青山が尋ねると、葉隠と尾白(おじろ)がそれに答えてくれた。

 

「触手対策本部だよー」

「みんなこの先を突破できなかったんだ……それで、ちょっと()()()()()、柊さんを尋問中」

「あー……さすがにそうなるよね」

 

尾白が指差す先では、柊が地面に正座をさせられ、その周りを1年A組の生徒達が取り囲んでいた。

 

「『酸』があんまり効かなくて、ムキになっちゃったけど。ちょっと冷静になって考えてみたらさぁ……」

 

芦戸(あしど)が正座する柊の後ろで仁王立ちをしながら言った。

その体操服には数箇所に焦げたような穴が空き、破れほつれてうっすらとではあるがその下のピンク色の肌が露出していた。

 

「うちのクラスにいるじゃん? 私の酸を対策できて、ああいうの好きそうで、しかも量産しそうなヤツが」

「……」

 

柊は目をつむり反応を殺し、とにかく知らんぷりをしているが、顔からは滝のような汗を流していた。

そんな彼女の前に峰田(みねた)が詰め寄っていく。

こちらも謎の粘液まみれで、何か念入りにボロボロにされたようだ。

 

「オイラはすぐにピンときたぜ! あのエロ触手、絶対お前の『使い魔』だろ!」

「……」

 

峰田は目を細めながらさらに追求していく。

 

「わかるぜぇ……USJでオイラと梅雨(つゆ)ちゃんが酷い目に遭ったのを聞いて、自分でもやってみたくなったんだろ? オイラがお前の『個性』持ってたら絶対そうするからな! ありがとう!」

「おい」

「……」

 

柊が黙って横に目を逸らすと、その右側には蛙吹(あすい)が座り、無表情で柊の顔をじっと見ていた。

 

「何か言ったら?」

「うぅ……」

 

その冷たい言葉にひるんだ柊が、逆方向に顔を逸らすと、彼女の左側には八百万(やおよろず)がいた。その長身をかがめて膝を抱え込むようにしてしゃがみ込み、目の高さを柊にぴったりと合わせている。

彼女は体操服の前のファスナーが閉じられなくなったようで、その下につけている黒いスポーツブラが見えてしまっていた。

 

「白状なさいませ」

「ヒンッ!」

 

普段めったに見られない鋼鉄の無表情をする八百万に、さすがの柊もちょっと悲鳴が漏れる。

追求の手は緩むことなく、今度は耳郎(じろう)が、怖気をふるう様に自分の身を抱きながら問い詰めた。

 

「ウチもわかったんだからね! あいつらの懐のまさぐり方、アンタの手つきとそっくりだったんだよ!」

「せやせや!」

「そ、そんなところからバレたりするんですかぁ!?」

「やっぱりお前かぁーっ!」

「しまったぁー!」

 

結局自爆した柊を最後に締め上げたのが葉隠だった。

女子達は総出でぺたぺたと柊の顔に張り手を入れていく。

そこに体操服が無事な女子はひとりもいなかった。

 

「このドスケベ! 変態!」

「みんな大変な目に遭いましたのよ!」

「お色気シーンの大盤ぶる舞いだよ!」

「あんなの趣味が悪すぎるわ」

「もはや怪人サド女やん!」

「ああーっ!」

 

その様子を見ながら峰田がひとりごちた。

 

「へっ、柊め、女子のヘイト買いまくってんなぁ、自業自得だぜ……でも、オイラちょっとお前が羨ましいよ……」

「お前なぁ……」

 

生まれてこのかた、周りからこのような集中砲火的に詰められたことのなかった柊は、未知の動揺から込み上げてくるものを(こら)えきれずに泣きだしてしまった。

 

「うわぁぁん! わだじがやりましたぁぁ!」

 

「動機はなんだ?」『吐ケ!』

 

常闇(とこやみ)黒影(ダークシャドウ)が同時に尋ねる。

常闇は体操服の上着を失っていた。

 

「ひっく、ひっく……」

 

柊はしゃくりあげながら自白をした。

 

「むかし飼ってたメダカのぉ……餌を育ててた溜め池にぃ……酸っぱいお水をたくさん流したらぁ……なんか埋め尽くす勢いで集まってきてぇ……ぐすん」

「不法投棄に大量発生……」

「オチが見えちゃったわ」

「試しに『使い魔』にしてみたら……ひっく……意外と賢くて可愛いかったのでぇ……芸を仕込みましたぁ!」

「「「仕込むなぁっ!!」」」

「えーん!」

 

やや離れて様子を見ていた瀬呂(せろ)上鳴(かみなり)が顔を見合わせる。

 

「つまりあれ、元はイトミミズかよ……うぇぇ」

「そんな気してたけど、柊の『個性』ってわりと底なしだよな」

 

障子が背中から生やした『触腕』を一本、柊の眼前へと伸ばし、そこに口を生やして柊に尋ねた。

 

「生き物も使い魔にできるのか?」

「はいぃ……人間と、えっと、AI以外はわりと簡単なんです……」

「どのくらいの数を変化させられるんだ?」

「ちゃんと数えたことないですけど……千体くらい?」

 

(((あっ……こいつこのまま世に解き放ったらダメだわ)))

 

泣きじゃくる柊を見て、そこにいた生徒達の何人かはそう確信した。

 

「ダメだぞ柊くん! 責任もって最後まで飼うべきだ!」

「飯田君そういう問題ちゃう」

「麗日の言うとおりだぜ。イトメは野生ではタフだけど飼うのはなかなか難しいんだ。まず土が……」

「砂藤君もやで」

 

飯田と砂藤にツッコミを繰り返す麗日(うららか)の様子を眺めつつ、ようやく落ち着いたらしい八百万と蛙吹は、自分の体操服を整えながら話し合っていた。

 

「ということは、ここって本当はロボットのナワバリだったのかしら」

「それはロボットさんもお怒りになりますわね」

「うてなちゃん、ロボットにごめんなさいは?」

「ごめんなさぁぁい!」

 

そうしてしばらくA組の生徒たちは柊のルール無用にも程がある妨害行為を責めながらざわついていたが、やがて飯田がとりまとめはじめた。

 

「さあ皆、もうそのくらいにしておこう!」

「そうだな。怒るなとは言わんが……それだけでは何も進まない」

(コクコク)

「そうだよ! ネタは割れたんだし先に進もうよ!」

 

葉隠が焦りの感情が含まれた声で、見えない身体を身振り手振りした。

 

「もうB組に追い越されちゃったんだから! このままだと全員勝ち残れないよ!」

 

それに気づいていなかった一部の生徒達がどよめく。

 

「ええーっ!?」

「いつの間に!」

「私たちが触手にてこずってる間にね」

「あっという間だった!」

 

飯田が手を振りながらその場の全員に号令をかけた。

 

「そういうわけだ。みんな集まれ! さっさとあれにリベンジを決めて先に進むぞ!」

 

その背後では、芦戸が柊の前にしゃがみ、柊から詳しい情報を聞き出していた。

 

「じゃあ、アレ、うてなちゃんの言うことは聞くのね?」

「はい……でもあの子達、ほとんど触覚と味覚だけなので、あんまり複雑な命令は……伝わりさえすれば、飲み込みは良いんですけど」

「うーん、どうしようかなぁ……」

 

考え込む芦戸の肩に、障子が触腕で作った手を伸ばした。

 

「それならばどうにかなるだろう」

「「えっ?」」

「そうだな! なにせこちらには『音』と『声』の専門家がいる!」

 

飯田の言葉に、クラスメイト達の視線がひとところに集まる。

そこに並んで立っていたのは口田(こうだ)と耳郎。

 

(コクリ)

「ふふん、ミキサーにアンプ役。どちらもお安いご用だよ」

 

口田は自信のありそうな表情でうなずき、耳郎は自分の長く伸びた耳たぶを軽く持ち上げながら、両手でメロイック・サインをしてみせた。

 

「よし、皆、競争中ではあるが、B組を見習って一時協力体制だ! あの触手を今度こそ突破する!」

「「「うぇーい!」」」

 

 

──飯田の掛け声にばらばらと返事をしながら、クラスメイト達は先へ進もうと同じ方向を向いていく。

 

青山は誰もこちらを見ていないと確認したあと、柊の肩に手を置いた。

 

「?」

 

そして、柊だけにわかるように、わずかな動作で地面を指差す。

柊が視線を移すと、その地面にはうっすらと砂が舞いはじめていた。

それは青山の個性『ネビルレーザー』によるものだった。

不可視の光線が地面を浅く削り、文字を描いていく。

 

それはやがて、短いふたつの文を成した。

 

『よんだらすぐけして。1-Cにブラックがいる』

 

「!?」

 

柊はわずかに唇を震わせたが、黙って立ち上がり、足でその文字を踏み消した。

 

 






【あとがき】  トップにもどる

※死のロード、轟家エピソード開始。本作ではそこまで重たいテーマにしないよう改変を入れるつもりです……
※次回、心操くんTSの原因が半分くらい判明します。
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