キンジ・ア・ライブ   作:赤須

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四糸乃パペット
0弾 出会いと再会


 

 

 

天宮市―――雨降る街灯の上に立つ1人の男性らしき人物が左手で傘を差ながら、雨雲に覆われた空の下でヤツは俺を見ている。

この、ひれ伏せざるを得ないという圧倒的なカリスマ性に秘めた存在感……俺の記憶から辿っていくと……その感覚には身に覚えがあった、というよりも体に染みついたこの感覚は、たとえ何年経とうと忘れるはずがないのだ。

 

何故ならヤツは―――

 

「そろそろ逢える頃だと推理していたよ……遠山キンジ君」

 

「お前は……っ」

 

「キンジ君……いや、今は五河士道君と呼んだほうが都合がいいのかな……君の場合は。僕はそう推理している」

 

かつて―――俺と死闘を繰り広げた強敵。天賦の才を持った者たちが集まり、それらをコピーしあう武装集団……その名を、イ・ウーと呼び……その親玉である彼は天賦の才を持つ者たちを遥かに超越し、それらの才を取り込む武人。

 

世界最高にして、世界最強の探偵……絶対的強者……

 

その名も……

 

 

 

「―――シャーロック……ホームズッ」

 

 

 

その彼が今、俺の目の前に再び現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの出来事が起きる少し前の物語……

 

雲が緩やかに流れる空を眺めていた遠山キンジこと今は五河士道の俺は、女子どもが何かの理由で少人数の調理実習を行うことになり、男子しかいない教室の中、HSS持ちにとってありがたいこの時間をゆっくりと堪能していた。

そこに―――

 

「五河、今日こそは死んでもらうぞっ」

 

明らかに殺気染みているクラスメートが俺を睨み付けていたのを、半ば呆れに溜息を1つ吐くと、クラスメート……殿町宏人が「フー、アチョォウ……!!」とジャッ○ー・チェンだかブ○ース・リーだか知らないが、明らかに中国拳法とは掛け離れていた構えで俺を威嚇していた。

 

「いや何でそうなるんだよ、殿町」

 

などと俺の言葉を聞いた殿町は「フッ」と笑みを浮かべ、構えをやめる。

というか、挑んだところで返り討ちにされるのが目に見えている、といった表情だな。

殿町はグッと堪えるかのような動作をしつつも、

 

「なに、最近の五河が色付いてきたなー、って思ったら少しムカっとしただけだ。とりあえず死ね」

 

「意味わからん。とりあえずお前が死ね」

 

「や、俺や皆は知っているんだぜ? あの絶壁マヒャデドスの鳶一折紙に飽き足らず、近々転入してきたあの娘に加え、五河があのタマちゃん先生を懐柔しているということを! お前、どんだけ手ぇ出してんだ? 1秒でも早く五河死ね!」

 

「懐柔って……んなわけあるか。コンマ1秒でも早く死ね」

 

……前世で強襲科(死ね死ね団)がよく言ってくる愛情表現をこの世界でも聞くことになるとはな。それもほぼ毎日なのだから、いい加減聞き飽きてくるというか前世でやってきた通り適当にあしらい、納まるのを待つのみだったのだが……ここ最近になって増えてきている気がする。

 

「いーや、そんなはずはない。殿町さんの第3の目を前にして嘘で誤魔化すのは不可能だ。白状しちまえよぉ」

 

「そんな大層な目……いつ目覚めたんだよ、俗に言う中二病ってヤツか……?」

 

タマちゃん先生にあんな事をしたのはアレ以降ないし、

あの場に誰かがいたとは思えないから殿町が言うアレは知られていないはず。

第一、あれは訓練できちんと断った。なのに何でだ……?

などと考え込む俺に呆れたのか殿町は近くの席に座りこむ。

 

すると―――

 

「シドー! クッキィを作ってみたぞ! 食べてみてくれ!」

 

ガラッと教室の扉が開くとともに、1人の少女が勢いよく凛と共に飛び出してきた。

両手にはおそらく家庭科の授業で作ったであろうクッキーが詰められ、少女ははちきれんばかりの笑顔とともに俺のところにやってくる。

 

「……それって、授業で習ったヤツか?」

 

俺は目の前の少女―――十香に聞いてみる。

彼女は元々、特殊災害生命体……それを称して『精霊』と呼ばれていた女の子なんだが、今では見ての通り、ごく普通の一般人にしか見えない。これは俺の持つ封印の力によって十香の体内にある霊力が、俺の体内に流れ込む形で封じているからな。

よって、霊力が感じられない十香は精霊を殲滅するために存在する陸自部隊……ASTの霊力監査は認識されていないので一般人と判断されているようだ。

 

(……だからといって十香がウチの学校に通うことになるとは予想外だったがな)

 

あれもこれも、とある組織が仕組んだことなんだが……。

一応、十香も霊力が封じられて以降何も異常に帰した事態には至っていないし、十香自身も今の日常に満悦のようだ。苗字も夜刀神と……理子語で言う中二病っぽく感じるが、一般人に溶け込んでいるんだし、この際良しとしよう。

などと考えていた俺に、十香は満面な表情を浮かべながら俺の問いに答えた。

 

「うむ、亜衣たちに作り方を教わりながらだ。早速だが食べてみてくれ!」

 

「あ、ああ」

 

純粋で太陽のような笑顔と、ずいっと来るような勢いに少し驚くが、それを顔に出さないためにもワザとコホンっと小声で咳込みつつ、俺は十香の持つクッキーの箱に手を伸ばすと……

 

「ファックゥ! ファッキュウゥ! 五河デストロイィ……!!」

 

「おのれぇ、この学校のアイドル……鳶一折紙のみならず夜刀神十香ちゃんまで手ぇだしやがってぇ……仕事が早すぎるだろっ、コンチクショー!!」

 

「噂だと五河君は自分の妹にも手を出しているらしいよ」

 

「ヤツめ、何人の女子を攻略するつもりなんだ!?」

 

「淫獣ね」

 

「マジ引くわー」

 

「なぁなぁ、炭素と酸素と塩素を合成すれば簡単に有機化合物ができるって知ってっか?」

 

近くに座っていた殿町が、そしてクラスにおける男子生徒たちが、俺の席を集中的に殺気染みた目つきで睨んでくる。

さっきから死ね死ねコールうるさいぞ、殿町。あと俺は妹に手を出した覚えがないからな。攻略がなんだの意味が分からないからスルーとして……最後に呟いたヤツ、お前は何をしようとしてんだ。

 

……たくっ、その他もろもろと胸にグサグサ刺さる物言いがあるのだが、それら全部無視しておこう。これ以上構ってたら身が持たん。

 

「ぬ、さっきから何を騒いでおるのだ」

 

「そんなの俺が知るか」

 

「……?」

 

この騒動を俺が苦悩しているというのにも関わらず十香は今がどのような状況なのか理解していないのか、普段と変わらずキョトンとした表情でクラスの周囲を見渡している。まあ、十香らしいと言っちゃあなんだが、その純粋さには正直うらやましく思うぜ。

 

「それよりもクッキィだ、シドー!」

 

「ん……あ、ああ。そうだったな」

 

十香に指摘され、俺は改めてクッキーに手を差し伸べてから……それを摘まむと―――

―――ヒュンッ!

 

と、ある物体が劈く風切りの音を立てながら俺の持つクッキーを弾丸の如くの速さで射抜いた。

 

「うおっ!?」

 

驚愕の声を上げた俺は思わずガタンッと咄嗟に立ち上がり唖然と自分の足元にある砕け散ったクッキーの残骸を眺める。

不注意とはいえ、武偵の俺に一撃を入れるなんてな……

17年も戦場に立っていないんじゃあ、致し方ないか。

 

……それにしても、さっき飛んできたヤツは何だったんだ?

と、正体を確認してみると、フォークによる投擲物だった。しかも壁をダーツのように突き刺さったままなんだが、どれほど力を入れりゃあ、あんなに刺さるんだよ。フォークの歯が半ば埋め込まれているぞ。

 

「ぬ……貴様は!」

 

自分の作ったクッキーが粉々になったのを目にした十香は、憤慨しながらフォークを投げた主犯に視線を向けた。俺も続けて目線を変えてみると……1人の少女が十香の持ってきたクッキーの箱と同じものを持ってこちらにやってきていた。

 

「―――夜刀神十香。貴方のそれを口にさせるわけにはいかない」

 

「お、折紙……っ?」

 

鳶一折紙……その無表情なところはかつて前世にいたレキと同じロボットのような少女なのだが、レキと違って折紙にはどこか強い信念というものが感じられる雰囲気がみられる。

また、折紙は世界の災厄である精霊を殲滅、または撃退を主とした陸自の……対精霊部隊(アンチ・スピリット・チーム)―――通称・ASTと呼ばれている魔術師(ウィザード)の一員で、俺がいた世界でいう先端科学兵装(ノイエ・エンジェ)に似た武装を用いて戦場に立っている少女なんだが。

 

そんな彼女と元とはいえ、世界の災厄―――『精霊』だった夜刀神十香の2人が揃うとなると―――

 

「おのれ鳶一折紙……っ、シドーは今クッキィを食べるところだったんだぞ! 邪魔をするな!」

 

「邪魔立てしているのはあなた。五河士道から半径5キロ以内に入るべからず。……五河士道……私のクッキーを食べて?」

 

「シドーは私のクッキィを食べるのだ! シドー、早く私のを食べてくれ!」

 

と、このように事あるごとにケンカに持ち込むんだが、よくもまあ飽きないよな。

まるでアリアと白雪のパターンとそっくりだぜ。……まぁ、あっちだとすぐに拳銃と刀がでるからまだこっちの方がマシか……

などと懐かしむように眺めていた俺は2人の拳を載せたじゃれあいをし始めたのを見て、

 

「……はぁ」

 

と、溜息を付きつつ傍に置いてあった十香のクッキーと折紙のクッキーを取り出し、順に食べてみる。

十香のは歯応えとして若干カサカサしているが、それでも初めて作ったにしては美味しいと思わせるようなお味であった。それに対し、折紙のはまるで教科書通りって感じだな。形も良し、味も良し、完璧だ。

もし、どちらが良いかって聞かれると困るが、どっちもどっちだろう。

 

「うぬぬぬぬ……っ!」

 

「…………」

 

いまだに続いている十香と折紙のじゃれあいは、このまま先生がくるまで続くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局のところ2人の競り合いは終わらず、授業の合間に至ってはずっと懲りずに張り合っている。その様子を俺は度が過ぎれば止めに入るなりで収めてはいるが、体力よりも精神的にキツい。

 

「精霊とASTと仲良く……なんて無茶な話かもしれねえな……」

 

十香と折紙が日々何かしらと付けてケンカしているのは前世で何度か経験があるため、スルーしていれば問題はないのだが、ここまで仲が悪いとなるとこっちまで巻き込まれる可能性が高い。などと思っていたら何故だか知らんが背筋に寒気がするのは気のせいだろうか……

そう考えていた俺は一度溜息をしつつ眉を潜め、後頭部を掻いていると――――――

 

「ん……雨か?」

 

ポツリ、ポツリと微量の雨粒が降ってきた。

……おかしいな。確か今日の天気予報は晴れだったはずなんだが、外れたのか?

そして次第に強く……なってくる。

 

仕方ないな。どこか雨宿りでもして琴里に<フラクシナス>の転送装置で移動させてもらえるよう頼むべきか……

いや、わざわざ<ラタトスク機関>の母艦を帰宅のために使用しようだなんて琴里(アイツ)が許すわけがない。……こうなりゃあ、濡れてでも帰るべきだな。

 

溜息を吐きつつ、俺は滴る雨に当たりながら自宅へと帰ろうとしていた。

すると―――

 

 

 

ずるべってああぁぁぁぁんっっっ!!

 

 

 

「……」

 

なんだ、あれは……

ちょうど俺は丁字路の交差点をずぶ濡れで歩いていたところ、何やら滑り込むような勢いでコケている少女を目にしてしまった。

雨によって視界が薄らでよく見えないのだが、あれは確かに女の子だ。

濁り1つない雲のような青い髪、アクアマリンと呼ばれる宝石のような瞳……

そして何よりもあの幼げな表情と、その顔を覆いかぶさるほどのフードが付いた外套。

印象として今雨降る中ではそれに似合う……そんな子なのだが。

 

(派手にコケてるなぁ……見ただけでも痛そうだ)

 

特に障害物もなく、平らな地面で滑っていたのだ。

雨だって降ってきたのは今さっきのことだし、足元に泥濘が出来ていたわけでもない。

それをあそこで転ぶって……

 

「……」

 

とりあえず俺は見なかったことにしておこう。

ああいうのは経験上、厄介なことが起こるパターンだからな……

転んだのもアイツが無意識だったから悪いし、幸い転んだ姿を見られたというのに気づいていない様子……姿を見られて何かしでかされたら災難だ。ヒス的にもな。

 

などと考えている間に少女は泥に塗れた状態で上体を起こす。

その姿に俺はチラッと視線を横に流すと、少女は手元を確認したあと何か焦っているかのようにキョロキョロしているのを目にした。

 

(何か探しているのか……?)

 

あの様子からしてかなり焦っているような感じだな。

っていうか、今にも泣きだしそうだぞ……!?

もしあそこで泣かれてて、それを見過ごすってのは後味が悪すぎるだろ。

 

「……仕方ないな」

 

気づけば、俺はあの子の元へと駈け出していた。

 

昔、リサのこともあったから、分かるんだが……

たぶんこれは体が勝手に動くというか、あの困った少女の姿を見て、放ってはおけないって感じがジンジンと強く伝わってくる。

そこらへんは正義の味方を純粋に遂行してった遠山家の義の意思なのか、この厄介なHSSと共に継いじゃっているって感じだな。理子にも散々言われてきたことだが、ほんと俺ってヤツはお人好しという類なのかもしれん。

 

「おい、大丈夫か」

 

「……!!??」

 

少女はビクゥッ―――と体を小刻みに震い、恐る恐る俺の方へと振り返る。

 

「!?」

 

さらに驚きの表情を見せ、少女は怯えるように俺から離れていった。

いや、そこまで驚かなくてもいいだろ。

流石に傷つくぞ。

……とまあ、大丈夫そうなのでここは敢えて聞かないおくべきだな。

そう思った俺は次に周辺を見渡し、あるモノを見つけたのでそれを拾いに行く。

 

「……っ?」

 

少女も俺の意図に気づいたらしく悶えているようだが、

それに構わず取りに行っている俺は、地床に這いずっているウサギの人形―――

 

「これか……?」

 

そう言葉にしながら拾い上げる。この人形は腕に填め込む類のようだな。

汚れはあるものの、手で払えばキレイになるだろう。

そして差し出すようにウサギの人形を少女に向けて見せるように伸ばし、

 

「これはお前のか」

 

「……!」

 

……その表情から確かのようだ。で、どうするかだな。この女の子は俺を完全に怯えきっているようだし、近づこうにも逃げられてしまう。……弱ったな。

困ったかのように俺は片手間で人形を見つめていると――――――

 

「あの……そ、の……かえ、し……て、くだ、さい……っ」

 

精一杯振り絞った感じだな……

まぁ、俺がこれを持ってたって意味ないし。

 

「ああ、返してやるよ」

 

「……!」

 

ゆっくりとだが、俺はできるだけ彼女に近づき人形を差し伸べると……

バッ―――と少女もまた体だけ遠ざけつつ、手を伸ばす感覚で俺が持っていた人形を奪取していってしまった。

少し俺は黙ってると、少女はウサギの人形を左手に填める。

 

『うっはーッ、助かったー! 危うく泥まみれになるところだったよー。おにーさんには感謝だねぇ』

 

「……!」

 

ふ、腹話術か……ビックリしたな。しかも上手い……!

少女の見た目以上にウサギの人形があまりにもフランクな口調に驚いた俺なのだが、

対する人形はそんな俺に構わずケラケラ笑うかのような動作を送ってくる。

 

『それにしてもおにーさん、よしのんを起こしてくれた時に色々と体を触っちゃってくれたねぇ? ねぇ、今どんな気持ちー? どんな気持ちー? くふふふっ』

 

「いや、そう言われても困るんだが……」

 

この人形……今よしのんって名乗ってたからよしのんにしておくが、

どっかの誰かさんと少し口調が似ている気がするなぁ……

などと俺は黙考していると、よしのんは再びカラカラと笑う表現を取ってくる。

 

『んもぅ、誤魔化さなくたって良いんだよー? まぁ、ネクラそうな顔だけどカッコィからおにーさんには特別に許してア ゲ ルよん。よしのんを起こしてくれたしー』

 

「……ネクラは余計なお世話だ。それとよしのん……あー……なんて言うか、そっちの子は大丈夫なのか? さっき転んだろ、怪我とかしてねえだろうな?」

 

どうやらこの少女は俺と喋ってくれる気配が感じられないので、今一瞬だけ戸惑ったがよしのんに聞いてみることにした。極稀に見るケースだが、人形で腹話術をする時にある一種の人格……キャラ個性というものを付け加え、腹話術師と人形の劇やコメディーショーなど一人二役を演じることがあり、中には人形を用いなければ話せない子や、人形による二重人格の持ち主とか存在するらしい。

ずっと前に読んだ探偵科の副読本に載っていたことなんだが、こういった事態になった時にはそれに合わせることが重要だそうだ。特に小さい子とか二重人格の子とか刺激しないようにな。きっとこの少女もソレと同じ類なのだろう。

極稀というだけあって思い出すのにも少し掛かったがな。

 

『あらあらぁ、もしかして心配してくれちゃってるかい? でも大丈夫だよー、この子には掠り傷すら付いていないからぁん』

 

パクパクと口を動かしながらよしのんは少女の体中を弄り、怪我1つしていないことを示すジェスチャーをしている。

それに対し俺はフンッと鼻息を1つ鳴らしながら、

 

「そうかよ、なら良かったな」

 

『くふふ、おにーさんとはまた会える気がするよー。んじゃ、そゆことでバイバイするねぇ』

 

それを最後によしのん……と少女は俺に背を向けて立ち去ってしまった。

……不思議な少女だったな。初めて十香と会った時を思い出すよ。

 

しばらくしてから俺はそろそろ帰ろうと自宅の方向に足を延ばした、その瞬間……!

 

 

 

―――ビリッ

 

 

 

「……ッ……!」

 

魔が差したかのように表情を青ざめ、俺は背後の重っ苦しい気配の方向へと振り返る。

雨降る中、俺の視界には通行路の街灯の明かりと家並……そして、1人の男――――――

この気配、この雰囲気、全て……俺の記憶の中に残っていた。

 

(こ、この感じ……この危機感……ま、まさか……!?)

 

 

 

「―――そろそろ逢える頃だと推理していたよ……遠山キンジ君」

 

 

 

痩せた長身な体格、鷲鼻で端正に整ったシャープな顎。

右手にパイプ、左手に雨傘を差しながら俺を見下ろしている。

男は久しぶりに再会する教師のような態度で長いコートの裾を広げながら舞い降りた。

前世で見たことがある……これは、緋弾……色金の力だ。

それを使いこなせるヤツは、世界中でヤツしかいない。

 

「お前は……っ」

 

「キンジ君……いや、今は五河士道君と呼んだほうが都合がいいのかな……君の場合は。僕はそう推理しているよ」

 

イギリスの英雄、全世界において最も有名で最強の探偵。武偵の基礎となった男。

卓越した推理力と行動力、そして何よりも直感力に優れた人物だ。

だが、その本質は無法者のイ・ウーを束ねる頭領。

カナ……兄さんを退け、俺と戦い、決着を付けた後……ICBMで消えたはず。

アリアの話しによると……ヤツは死んだのではなくて「消えた」らしい。

そして唐突にどこかに現れるという癖があると。

いやだからって、この世界にいるなんて……! なぜ、ヤツがここに―――

 

「―――シャーロック……ホームズッ」

 




毎回のことながら更新が遅れてしまい申し訳ないです。
PCのハードディスクが損傷したり、ネットワーク通信が繋がらなかったり、
熱が出たり、期末試験があったりと、色々ありまして……

あとポケモンやスマブラといったゲームに、最近のアニメ……アカメが斬る!、結城友奈は勇者である、とか……テラフォ、作画崩壊の激しいツインテールなどにはまってしまったことが理由ですね。

そんなわけでようやく落ち着いてきた頃なので少しずつ更新ペースを速めたらいいな、って思います。
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