キンジ・ア・ライブ   作:赤須

15 / 18
祝お気に入り数400件突破です!

あと緋弾のアリアAAアニメ化! あと数日でやるのか……(ドキドキッ


Ⅲ弾 レイニーガール(1)

朝のHRが始まる前の時間、十香とは一緒に住んでいることを皆には内緒にしておきたかったので登校時間を少しずらした俺はいつもより早い時間で教室に向かうと……

 

「いよーう、五河。朝早く珍しいじゃねえか―――……って、どうしたんだ? いつも目付き悪いお前がさらに悪くなっているぞ……」

 

俺が来たことに気付いた殿町は雑誌を手にしながら話しかけてくると、咄嗟に驚愕な声を口にする。だって仕方ないだろ、夜中にアイツらが時間を弁えずに襲ってくるし、琴里に事情を聴こうとしてもはぐらかしてくる……

しかも琴里はトイレの電球が切れたと言ってたから行ったものの、扉を開けたらパンツを下ろした状態の十香がいて、赤面になりながら「み、見るなぁああッ!」と思いっきり殴られる。その時にヒステリアモードの血流が疼きだして抑えるのにも一苦労だったし、これも琴里の仕業だろうと問い質しても訓練だからの理由で逃げられてしまう。ほんと朝から苦労に絶えないね。

 

「……聞かないでくれ。それよりも俺に何か用があるんじゃないのか?」

 

鞄を背にしながら自分の席まで歩く俺は、殿町のその表情を見て尋ねてみる。

それは何故かというと殿町が珍しく真剣な表情で、しかも深刻そうに雑誌か何かを見つめながら悩んでいるからだ。

聞かれた殿町は「そうだった、そうだった」と、両手をポンッと付く形で思い出す仕草をする。

 

「これを見るんだ、五河」

 

「ん、漫画雑誌か……それが何だと言うんだ?」

 

「五河は、ナースと巫女とメイド……どれがいいと思う」

 

「……聞いた俺がバカだったようだな」

 

面倒臭いと言うように片手で頭を抱えた俺は、ちょうど鳶一折紙の隣の席に着く。

どうやら折紙は読書中のようだ。表情1つ変えずにただひたすら分厚い参考書か小説を見つめている。その様子がまるで西洋の人形みたいだな。

対する殿町は予想外の反応を受けたのかビックリ仰天な顔をしているよ。そして焦るかのように俺のところへ迫ってきて漫画雑誌を突き出してきた。

 

「まてまて! 五河、これは重大な苦悶なんだぞ。この読者投票で次号のグラビアコスチュームが決まるんだからな……ほれっ、お前も見てみるんだ!」

 

「ちょ、殿町っ……わかったから、選ぶから雑誌を押し付けてくんなっ」

 

ヒステリア的にもああいった本などは別に問題ない。だが殿町を含め、周りの男子もこういった本を持ち込んでくる事が多いからな。前世でも武藤がよくグラビア雑誌を勧めてきたおかげで今は慣れているものの、あまり過激なモノを見せられても困る。

とはいえ、ナースと巫女、メイドぐらいだったらヒスらずに済むだろう。

それに殿町には香港映画のDVDを借りてた事もあって今つれなくすると、後々借してくれなくなる可能性がある。ここは適当に付き合ってやるか。

 

「……それで確かナースと巫女と……メイド、だっけか?」

 

いつになく真剣そうな殿町の表情に俺は圧され降参したように両手を上げた。

本物の巫女さんとメイドさんは前世で当たり前のようにいたし、ヒルダのアレは完全にコスプレだったが、俺には殿町の言うオタクな話をされても、どこが良いのかさっぱりわからん。そういうのは理子が打ってつけだ。

 

「その通りだ五河。お前はどれが好みだと思う?」

 

などと聞かれ改めて考えみるが、まず第一印象に頭に思い浮かんだのは巫女だった。

主に白雪や粉雪を連想してしまうが、やはり見慣れているからなんだろうな。

 

「……巫女。とりあえず、これで良いか?」

 

投げやり巫女と応えた俺は机に肘を突き立てて頭を支える。

すると殿町は蔑んだ目付きでこちらを見つめてきた。

これは言うなれば地雷を踏んだって感じか……?

 

「殿町?」

 

あまりにも殿町が形相な顔をしてるので俺は訝しく眉間に皺を寄せながら伺うと、殿町は深い溜息を付きながらガックリと項垂れた。

 

「…………そうか、巫女派だったのか、俺はナース派だっていうのに……残念だ。五河、悪いがお前との友情もここまでだったようだな!」

 

いや知らないし、何故そうなる。

そう思っていると殿町は俺に有無を言わさず、バッと身を投げ出すように教室から走り去っていく。

一瞬追いかけようとも思ったのだが、今日の件で気分が優れない俺は追いかけてもムダだと悟り、片手で後頭部に弄りながら机に顔を埋めると、途端に殿町が帰ってきた。

泣きべその振りをしながら走り去った割には早く帰ってきたな……

 

「おい五河! ここは追いかけてくるもんだろっ!!」

 

「……知るか、それに友情はどうしたんだ」

 

などと踵を返すと、殿町は「わかってないなぁ」と口にしながら両手を広げて欧米風にヤレヤレと仕草する。怪訝そうにした俺は口をへの字に変えて殿町に尋ねてみると、

 

「よく聞けよ、五河士道。お前と俺、好みは違えど分かり合うことが出来るのだよ。そして巫女好きとナース好きでどちらが良いかという対話の始まり! ……そんな世界観、実に奥ゆかしいではないか!」

 

「……いや、そんな話をして何の得になるんだよ」

 

第一、そんなにナース派だって言うのならナースに投票すればいいじゃねえか。

わざわざ悩む必要がないような気がする……

などと思いながら俺と殿町で駄弁っていると、後から気付いたんだが俺の隣に座る学園一の優等生さんが視線をじぃー、とこちらに向けてくる……気にしないでおこう。

 

「…………」

 

うーん、これはどうすればいいんだ?

気にしないようにと俺はなるべく折紙の方から逸らしているのだが、限度があるぞ。

すると折紙は自分の視線に俺が察したのを感じたのか、スッと本に目線を戻す。

だがそれでも探るようにチラ、チラと見つめてくるところ、まさか俺に気付かれた事を折紙はまだ気付いていないのか。

まあ、俺が折紙の正体を明かさないかどうかを監視しているのかもしれんし、ここは敢えて黙っておくべきだろう。

 

「………………巫女?」

 

さっきまで読書してた折紙が首を傾げたまま、ソッと呟く。

今の話、聞いてたのかよ。

無表情で何を考えているのかわからんが、とりあえず俺は誤解を説くためにさっきからずっと語り続けている殿町をスルーして折紙に話しかけてみる。

 

「い、今のは気にしなくていいからな、折紙。……忘れてくれ」

 

「……そう」

 

折紙はそれだけ言うと、再び本に視線を移した。

どういう訳か、不思議と俺の話をよく聞いてくれるよな……折紙は。

クラスでも他人には興味がないどころか、クラスメイトと話している姿なんて見たことがない。それにいつも読書に集中しているところから他のヤツらは話しかけづらくて孤立しがち。もしくは、孤立しようとしているのか……

 

おそらくASTとか精霊とかで人との関わりを控えているのかな。

それだったら合点が付く。軍に所属している折紙にとって機密情報や任務は重大な責務だ。ASTなら尚更で、精霊を駆除すべく人類、世界の命運を預けられた唯一の軍事組織だし、折紙は……あの時、復讐とか言ってたのも何か関係があるのかもしれん。

 

「でな、ナースってのは俺たちのような健全な者ではお目に掛かれない稀類な代物なんだ! 確かに病院に行けば会えるものの、それは単なる一時の時間に過ぎん。やはり入院にかぎる……ナースの本領発揮するのは正にそこだからな、母性を擽るその存在は怪我や病気の時でしか満足に拝むことすらできない鉄壁な存在だ。が、それ故に俺たちへ向けられる天使のようなナースのお姉さんの笑顔は正に女神、怪我や病気なんて吹っ飛ぶもんさ。いや女神だからこそ触れられないのかもしれないな。他にもナースというのは色々なパターンがあってだなぁ……ドジっ子、清楚系、セクシィな女王さん、天然ゆるふわお姉さんなどとナースはどの属性とも相性がいい。髪型もだぞ? 最も髪型とナースキャップに合うのは定番のロングストレート、三つ編み、おさげ、アホ毛などと多くある……しかしだな、五河よ。ナースキャップに合う髪型はやはりくせっ毛のあるウェーブの掛かったナースだと俺は思うんだ。あれに寝不足な感じの雰囲気とクールな印象がある……そんな女性に介抱されたのなら俺は悔いもなく昇天できるぜぇ?……って聞いているのか五河!」

 

殿町の熱弁を途中から聞いた俺なのだが、何1つわからない……

いや、理解しなくていいか。とはいえ、殿町の話から出たウェーブの掛かった寝不足な感じのクールな女性って、ちょうど令音が当てはまるな。

良かったな、殿町。近くにお前の言う理想のナースがいるぞ。まあ、アイツはナースじゃなくて解析官だが、泣いて頼めば看病ぐらいはしてくれるかもしれん。

だがそれを口にしてしまうのも令音に悪い気がしたので、

 

「……すまん、殿町。俺には到底理解しかねる」

 

「なっ……? 今の語りでも伝わらなかったというのか……! 確かに巫女はナース以上にレアな存在。巫女と属性の組み合わせだって独特な印象があるし、巫女の服といえば何たって着物と同じ脱がしやすく、見える首筋の肌には露骨さが尋常ではないというのが特徴だが……ってアレ? 何だかナースよりも巫女の方が良く感じるぞ?」

 

あれぇ? と再び考え込む殿町を放っておいて、俺は廊下の方へ視線を向けた。

時間帯を考えればそろそろ十香が来る頃なんだが……

と、俺は思っていたら、ちょうどいい感じに十香が教室の扉をガラッと音を立てながら入ってきた。

クラスのみんなは十香に挨拶するのを、十香は「おはようだ!」と無邪気に返す。人間に関して無知なくせして案外愛嬌とかあるからなアイツは。非社交的な俺とはえらい違いだ。

まあ何にせよ、アイツがクラスに溶け込んでいるのなら、ひとまずは安心ってところか。

すると十香はこちらにやってきて俺の隣……左席に座る折紙とは正反対の右席に沈黙に帯びながら座り込む。

少しの間、無言でいた十香だったのだが、決心したのか俺の方へ向いておずおずと口が開いた。

 

「し、シドー……さっきは、その……すまなかった。身体は大丈夫か……?」

 

おそらく今朝のことに十香は気にしているのだろうか。

必死に忘れようとしてたのに、あの時の十香を思い出してしまう。

……うっ、まずい。

今思い出してしまったのか、また血流が……っ。

俺は慌てて自分の血の流れを確かめる。

どうやらヒステリアモードにはなっていないようだな。

血の流れはさっきまで疼いていたのが次第に穏やかになっていくのが分かる。

このままソッとしておけば時期に収まるだろう。

助かったのか内心ホッとする俺はひとまず血流の事は置いといて、心配そうに見つめてくる十香を落ち着かせようと、

 

「……別に、お前が気にするほど大したことじゃない。あれは俺の不注意だったし、謝るのは俺の方だ。さっきは言えなかったが……その、だな……悪かった、本当にすまない」

 

「シドー……!」

 

十香は髪の毛を縛っているリボンをぴこっぴこっと動かしながら歓喜の声を口にする。

その表情がどことなく可愛いと思うのも気のせいではないだろう。

見れば見るほど十香はやっぱり美人だし、小動物みたいな雰囲気があって人に好かれやすい。精霊であることを除けばほんとに良い子なんだ。

 

「うむ、では仲直りだ」

 

「あ、ああ……そうだな」

 

十香は嬉しそうに両手を俺の手に添えてきた。

白くてすべすべの肌に加えて柔らかい。

そして何故だろうか……俺の左側の席に座る優等生さんから、きろっ、と『オルレアンの氷花』の如く冷たい視線が物凄く突き刺さっている気がする……

 

「な、なんだよ」

 

「『さっき』とはどういうこと? あなたと夜刀神十香とは登校時間が(たが)えていたはず」

 

無表情・無感情・無口な折紙からとてもとは言い難い雰囲気に驚いていた俺は、咄嗟に折紙に尋ねてみると、折紙は少し声に力を込めた感じで喋りだす。

こ、(こえ)ぇ……。効果音で表すならゴゴゴッ、と鳴ってもおかしくないぐらいだ。

 

「ち、違う。これは」

 

「これは?」

 

「…………ッ」

 

十香と同棲しています、だなんて言えない。言った時点で真っ先に殺されそうだ。

ていうか、なんで折紙はそんなに怒った口調なんだよ。十香が元精霊だからか?

などと、どう言葉にするか躊躇う俺はチラッ、と十香の方へ目配せした。

 

(な、何か言い訳を考えないとこのままでは……!)

 

必死で脳裏に浮かぶ知識の中から策を講じてみるが、ダメだ。どれも納得してもらえるような話が1つも上がらない。

俺の視線に気付いた十香も今朝話した約束を思い出すなり「はぅ」と可愛らしい声を出して冷や汗を垂らした。咄嗟の事だろうか、何も言えない俺に代わって十香が弁解しようとあたふたと口走る。

 

「ちち、違うぞ、鳶一折紙! 私とシドーは共に住んでなどいないっ」

 

『『『……!?』』』

 

「お、おい……」

 

この言葉が甲高くクラス中に渡ったせいか、全員が全員して『!?』を頭上に浮かび上がる。思いの外、今の一声で皆が十香の言ったことを勘違いしてしまったらしい。たぶんこれは誤魔化しきれないだろう。表情から察するに、十香は考えなしに口に出したようだ。

……俺はあちゃー、と声に出しながら頭痛に額を抑える。

 

この後、折紙や殿町のみならず、クラスの全員から休みの時間の合間を使って問い詰められる始末になった。

 

(とはいえ、いつかバレると分かってたんだ。遅かれ速かれ、事が速く済んだと思えばいい……)

 

そうポジティブにいこうと決意した俺は周囲の生徒たちをあしらう事に専念することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シドー、昼餉だ!」

 

昼休みとなったこの時間、十香は弁当を取り出すなり自分の席を俺の席にガシャアーンッと音を立てて繋ぎ合わせてきた。

 

「……」

 

そしてもう1人、十香とは正反対から俺の席に合わせてきた折紙もまるで十香に敵意するかのように仕掛けてきた。というより、最初っから敵意を剥き出しているな……

十香も折紙の行動に不満を持っているらしく、怪訝そうに目付きを鋭くした十香は折紙と視線がぶつかり、電撃が奔る。正に一触即発な状態であった。

……お前ら、少しは仲良くしてくれよ。

呆れてぐうの音も出ない俺は弁当を取り出すなり、一息付く。

 

十香も折紙もそれぞれ持ってきた弁当を鞄から取り出し、机の上に載せる。

すると意表を突かれた、という表情の折紙は声を強張らせながら聞いてきた。

 

「……これは、どういうこと」

 

「?」

 

話しかけられたのに気付いた俺は折紙の目線をなぞってその先を見ると、そこには俺の弁当と十香の弁当があった。どうやら2人の弁当箱の中身が一緒だったことに折紙は疑問を抱いているらしい。

 

「……十香は料理が出来ないからな。お前には劣るかもしれんが、十香の分も作ってきたんだ」

 

料理をする身になってから、白雪とリサがどれだけ手を尽くして作ってきたか今ようやく分かった気がする。よくもあれだけの料理を作れたもんだよな。特に白雪なんか毎朝早く起き、下拵えして、料理して、そして持ってきてもらう事が日常のようにあったから。今思うと大変だったんだろうな。感謝しても仕切れないくらいだぜ。

 

「……そう」

 

すると、納得してくれたのか折紙から強張った雰囲気がスッ―――と消えていった。

ロボットレキの再来というべきか、レキから得た経験のおかげで折紙の事がだいぶ分かってきた気がする。顔には出ないが、声に感情を込めやすいと言ったところか……1つ発見だな。

とはいえ、折紙からまだ納得のいかないような空気があるんだが、

 

「こら、2人とも私を除け者にするな! 私も会話に混ぜるのだ!」

 

と、不満そうに頬を膨らませる十香が割って入ってくる。

その瞬間―――

 

 

 

―――ウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!

 

 

 

街の中心から空間震警報が全体を覆って鳴り響く。

クラスはこの警報にざわつきだす。久方ぶりの空間震警報だ。

全員して不意を突かれたような表情をしていた。

急いで駆け付けてきてくれた教師の岡峰が生徒たちを廊下へ誘導させる。

 

(空間震か……という事は精霊が現れたのか)

 

そうなれば<ラタトスク機関>も動くことになる。もちろん、ASTもな。

折紙は、……いない。警報が鳴ったのと同時にクラスから出ていったか……

などと俺はすぐに教室から出ようとしたが、袖に何か引っ掛かったのか振り返ってみると、そこには十香が俺の袖を掴んでいた。

 

「シドーは、どこにいくのだ……?」

 

「……俺は令音に用がある。シェルターは訓練したことがあるから分かるな?」

 

念を押して「俺もそれが終わったらシェルターに行くから」と言うと、十香は「むぅ」と納得のいかない顔で頷く。

その直後、廊下から1人の女性―――村雨令音が姿を現した。

 

「令音」

 

「……ああ、シンジ。急ごうか」

 

令音が言ったことに俺は同意し、教室から出てシェルターとは違う方向へと走ろうとした瞬間、ちょうど岡峰が慌てた様子で立っていた。

 

「ふえっ、ちょっと五河くん!? 村雨先生までどこ行くのですかっ!? シェルターは……!」

 

岡峰と擦れ違う俺と令音はきゃんきゃん喚くその耳に、

 

「すまん、岡峰先生!」

 

「……すまない、岡峰先生。先を急いでいるのでね」

 

「えっ? えっ? あのっ……シェルターに行かないと……って、いないです、ね」

 

口添えした俺と令音は岡峰が気付くころにはすでに走り去っているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全身に纏いし機械の鎧は自らの常人である肉体を超人へと化す着用型接続装置(ワイヤリングスーツ)に、人類に滅びを与えんとする精霊を殲滅……または撃退するための重武装をしたアウトレンジ装備の魔術師(ウィザード)

それが何十人とデパートの上空を浮遊する中で、1人の女性―――日下部燎子が隣に立つ同じ装備をした少年に視線を向けた。

 

端正の顔付きをした少年で、前髪が少し長く、目付きは悪いが野心に溢れた……そういった目をしている。さらに見たことのないマントらしきものを羽織っており、そこからジジジッ……ジッ、と音を立たせながら彼は浮遊しているのにも拘らず、仁王立ちしていた。

 

(……まったく、あの子といい。この少年といい。着装型接続装置を付けずに私たちと張り合うなんて……最近はそういうのが流行りなのかしら)

 

『で、言われた通りに<ハーミット>ってヤツを追い詰めたはいいが、建物の中に入って行ったぞ……行かないのなら俺が()る』

 

通信機から少年の低い声が伝わってくる。

彼とは前の<ハーミット>戦で倒れていたのを偶然見つけ、保護した少年なのだが、倒れていた理由が精霊の仕業ではなく、また斬新であったのを未だ記憶に残っていた。

他にも色々と変わったことを聞いてきたりしてくるのも覚えがあったものの、今はそんなときではない。

 

「ええ、確かに随分と粘るわね。これだけの人数を相手に易々と逃げ延びるのは<ハーミット>の十八番、と言ったところかしら。……じゃあ、ここは―――

 

 

 

 

 

―――ジーサード(・・・・・)くん、貴方の実力……試させてもらうわ」

 




お久しぶり、1ヵ月ぶりですね。
前の話ではお気に入り数が300だったのに、この1ヵ月の間で400になっていたのは驚きな自分がいる。……本当に感謝でいっぱいです!



話が変わりますが、今回の話ではあの弟が出ましたねー。イ・ウーの大将シャーロックが出ている以上、他の原作キャラも出るはず、という事を前提に不意を突いたつもりで書いたので驚いてくれると嬉しいですw

前話で言ってた戦闘(兄弟喧嘩)も激しくなりそう……
デパート……崩壊しないといいな(遠い目

それでは感想・批評・誤字脱字などがありましたらよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。