1年Dクラス、比企谷HACHIMAN   作:いろはす@

11 / 13
第11話:舞台裏(後編)

「こちらイーグルワン。ブラボーワン、応答願います、どうぞ」

 

 

私物のスマホを取り出した私は、コードネームで作戦本部(平塚先生)を呼び出した。この連絡手段は、他作品(俺ガイル)関係者の私たちだけに与えられた、いわば奥の手だ。スマホで無線用語を使う意味はよくわからないけれど、たぶん単なる雰囲気作りなのでしょう。

 

 

「こちらブラボーワン、どうした?緊急事態か?」

 

 

きゃ?本当に繋がったわ。

 

 

「ガハマ中尉機が大破、行動不能。作戦の続行は不可能と思われます、どうぞ」

 

 

平塚先生なら、きっとわかってくれるはず・・・

 

 

「状況は進行中だ。いまさらあとには引けん。第二次攻撃を開始せよ、どうぞ」

 

 

「そんなっ・・・平塚せ・・・じゃなくてブラボーワン、彼女はすでに限界です。撤退の許可を!」

 

 

「ゆきのん、それ、わざわざブラボーなんちゃらって言い直す必要ある?」

 

 

少しだけ元気を取り戻した由比ヶ浜さんからの、鋭いツッコミ。良かった。彼女はもう、大丈夫だろう。

 

 

僅かに笑みを浮かべた私の耳に、ブラボーワンの怒声が響く。

 

 

「甘ったれるな!雪ノ・・・じゃなくてイーグルワン!HACHIMAN好きの読者が、君たちの活躍(爆散)を心待ちにしているんだぞ?!頑張って最後までやり遂げてみせたまえ!」

 

 

・・・頑張りすぎて爆散してしまうのは、確かヅダ、だったかしら・・・

 

 

こんな時に限って、彼から教えて貰ったガンダムネタを思い出す。私たちはきっと、ザクにはなれない。でも・・・

 

 

「わかりました。では頑張って、今日中に決めてみせます。入学式当日に退学処分なんて、おそらく『よう実』史上最速RTAでしょうね」

 

 

「あぁ、期待しているぞ・・・ん?待て雪ノ下!それはどういう意味だ?あ!こら・・・!」

 

 

「これより作戦を開始します。オール・オーヴァー」

 

 

顔を上げると、覚悟を決めたふたりが私を見つめていた。まだ入学式までは、多少時間が残っている。いまから行けば、充分間に合うだろう。

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

Dクラスに戻ると、彼は椎名さん、坂柳さん、一之瀬さんの三大美少女に囲まれ、デレていた。これ以上はこちらが耐えられそうにないから、迷いが生じないうちにさっさと終わらせてしまいましょう。全砲門、ファイエル!

 

 

「あら?まだ居たの?ゴミ谷君」

 

 

「早く消えろと言ったはずだぞ、ヒキタニ!」

 

 

「女子と無理やり手なんか繋いでキモい!謝ってよ!」

 

 

帰ってきた3人組。我ながら、痛いわね・・・

 

 

「おや、あなた方は?」

 

 

対して、静かに尋ねてくる坂柳有栖女史。あ、あれ絶対激おこぷんぷん丸だわ。ならば、火に油を注ぐまでよっ!ごめんなさいっ!

 

 

「あなたこそ誰かしら?ここは小学校ではないわよ」

 

 

「そうだよ!子供はお家に帰るし!」

 

 

「そこにいるヒキタニから、無理やり何か恥ずかしいことをされたんだね?お嬢ちゃん?」

 

 

心の痛みに蓋をして、次々と地雷を踏み抜く私たち。でも葉山君、あなたはちょっと言い過ぎよ。

 

 

「ふふふ・・・ハチ君、この方々はお知り合いですか?」

 

 

「いや、今日初めて会ったが・・・」

 

 

「わかりました」

 

 

あ、いま有栖さんの殺る気スイッチが入ったわ。

 

 

「そこの御三方、あまり調子に乗っていると・・・」

 

 

いったん言葉を切り、殺気を込めてとどめを刺す坂柳さん。

 

 

「潰しますよ?」

 

 

「ひゃっ?!」

 

 

「ひぃっ?!」

 

 

「ひゅうっ?!」

 

 

そして、冷たい微笑と共に去ってゆく坂柳さん・・・これでいい。今度こそ、ただでは済まないでしょうけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

役目を終えた充実感を味わいながらも、すぐそばを歩み去る比企谷君からそっと目を逸らす。なぜだか彼には、この辛い胸の内を読み取られてしまいそうな気がしたから・・・




次回最終話『ゆえに奉仕部は本物である』

ミッションコンプリート・・・?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。