1年Dクラス、比企谷HACHIMAN   作:いろはす@

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第8話:やはり俺がチェスをするのはまちがっている

「ふふふっ・・・ではチェスなどいかがでしょうか」

 

 

なぜか俺はいま、とある空き教室に居る。目の前には満面の(悪い)笑みを浮かべた坂柳。

 

 

コンビニを出たところで捕まり、連れてこられた先がここだったのだ。因みに綾小路は巧みに逃げた。ひょっとしてアイツ、俺よりステルス能力が上なのか?しかし有栖さん、本来ならあなた、もっとヤツに執着してませんでした?行き過ぎた原作改変は、俺の望むところではないんだが・・・おっと、いまのはオフレコで。

 

 

しかし、チェスか・・・ルールからして全然分からん。確か胡椒のミルみたいなの取り合うやつだよね。(半分正解)いまなら、例のペッパーミルパフォーマンスで誤魔化せないかな?うん、まぁ俺のフィールドはラノベとアニメだから。ていうか、俺に突き抜けた才能なんてものは無いんだよ。変な期待はしないでくれ。敢えて言うなら、読書量と隠密性の高さ・・・とか?(疑問形)

 

 

「構わないぜ。何なら罰ゲームでも付けとくか?」

 

 

またお前(ハチ)、いらんことを・・・たぶんこいつ(坂柳)、絶対チェス強そうだし。負けたら黒歴史更新の未来しか見えない。

 

 

「ふふふ・・・いいでしょう。なら、勝った方はなんでもひとつ、相手に命令できるというのはどうです?」

 

 

それ絶対ダメなヤツだ。むしろお約束すぎて、先の展開が読めちゃうまである。

 

 

「分かった。あとで後悔しても知らないぞ?」

 

 

だからそれ以前に俺、チェスのやり方知らないんだって!

 

 

「ふふふっ・・・その言葉、くれぐれもお忘れ無きよう。あとそれ、意味が重複していますよ?」

 

 

ん?なにが・・?

 

 

「"あとで後悔する"とは、"ウマ娘から落ちて落馬する"と同じで、意味が重なっています」

 

 

「ぐはっ?!」

 

 

ま、まさかこの俺が国語でしくじるとは・・・ってそれより、ウマ娘に乗って騎乗位しちゃダメだろ。(意味が重複)

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

「では、これで・・・」

 

 

坂柳が必殺の一手を放つ。どうやら勝ちを確信したらしい。いまや俺のキングは包囲され、絶体絶命だ。しかし・・・

 

 

「なぁ、素朴な質問なんだが、そもそも今の俺は窮地なのか?」

 

 

「なっ?!」

 

 

そう言ってピースを動かしたハチは、静かに告げた。

 

 

「チェックメイト」

 

 

こうして坂柳との死闘は、俺の勝利に終わった。ふぅ・・・疲れた・・・

 

 

「まさかここまでの腕前とは・・・失礼ながら、大変驚きました」

 

 

うん、俺もびっくりだわ。何がどうなったのか、ちんぷんかんぷんだったけど・・・汗(;´Д`)とにかくハチはチェスが得意らしい。特に最後のひとこと(チェックメイト)、中二病なら、一度は言いたいセリフのトップ10に入るしな。(当社調べ)

 

 

「そうだな、そこそこ楽しめたぜ」

 

 

だからどうして、相手を煽るような口の利き方ばかりするんですか?あなた(ハチ)。対戦相手へのリスペクトが大事だって、この前のWBC優勝で習わなかった??

 

 

「ふふふっ・・・言ってくれますね。ところで罰ゲームがまだでした。どうぞ、なんなりとお申し付けください。お望みなら、これから夜のお相手をして差し上げても宜しいのですよ?」

 

 

なっ?!

 

 

挑戦的な眼差しで微笑む坂柳。おちょくられているのは分かっているのだが、速まる鼓動を抑えられない。中学生かよ?

 

 

「そうか、じゃあ早速、お前の部屋でどうだ?」

 

 

「なひっ?!」

 

 

さすがに真っ赤になって狼狽える坂柳。てかは一度、プリキュア・ハピネス・ハリケーンでも喰らって浄化してもらえ!

 

 

そして、おもむろに左手を差し出すハチに、一瞬、きょとんと小首を傾げる坂柳。やはりかわいい。

 

 

「寮に帰るんだから、エスコートするのは当たり前だろ?」

 

 

なるほど、こうした紳士な部分は嫌いじゃないぜ?ハチ君。

 

 

「ひょえっ・・・?!い、いきなりズルいですよ・・・こんなことされたら、本気で好きになってしまうじゃありませんか・・・」ボソッ

 

 

「ん?どうした?」

 

 

最後の方は声が小さくて、何を言ってるのかよく聞き取れなかったんだが・・・って毎回毎回、肝心のところだけ都合よくそんなわけないだろ!全部はっきり聞こえてるわ!(健聴系主人公)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わざわざ送って頂き、有り難うございました。では、あとでお邪魔しますね、ハチ君」

 

 

さて、それでも肝心な部分はスルーしたまま坂柳を送り届け、自室へと引き上げる。恋愛関係がポンコツなのは、俺もハチも変わらないのだ。(ドヤ顔)

 

 

 

 

 

ふぅ・・・

 

 

 

 

 

やっと辿り着いた、新たな生活の場。まだ私物を詰めた段ボールが山積み状態だが、見られちゃ困る本(男子高校生の夢)は厳重梱包してあるから心配ない。これから始まるひとり暮らしが、俺の家事能力をさらに磨いてくれることだろう。やだこれ実質、花婿修業じゃない?はい、将来の夢はお婿さんになって専業主夫の道を究めることです。(入試面接自己PR)

 

 

さっきは堀北に放置プレイを仕掛けたため、結局コンビニでは何も買えなかった。あ、決して忘れてたわけじゃないからね?しかし、これじゃ満足におもてなしなんて出来んぞ。そもそも、入学初日に俺の部屋へ女子が3人も来ること自体がおかしいのだ。

 

 

はぁ・・・飲み物だけでも、下の自販機で仕入れておくか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学生寮の1階にある自販機で、取り敢えずバンホーテンココアを買う。けど、マッカンがなくておでん缶があるとか、どういう品揃えなんだよ、ここ。

 

 

 

 

 

 

ん?あれは・・・堀北?

 

 

 

 

 

 

暮れ始めた中、さっきコンビニで撃破したはずのツンデレさんが、そそくさと外へ出てゆくのが見えた。その後ろには、またも綾小路。出たな、むっつりカップル!

 

 

効果のほどが疑問視され始めたステルスヒッキーを発動しつつ、俺はふたりの後を追う。奇妙な単縦陣は、そのまま寮の裏手へ・・・そして暗がりで向かい合う、若い男女。あれ?なんか色々とヤバい雰囲気?

 

 

「こんなところまで追って来るとはな、鈴音」

 

 

「私はもう、以前の私とは違います!」

 

 

「いや、お前は何も変わっていない。恥晒しになるだけだ。今すぐこの学校から去れ!」

 

 

「い、嫌です。出来ません・・・!」

 

 

ははぁ、これはどうやら別れ話が拗れたな?(誤答)てか鈴音さん、さっきまでのツンはどこへやら。完全に乙女プラグインが発動してデレデレなんですけど。いつもそうしてれば、オモテの櫛田といい勝負できるんじゃね?知らんけど。で、このあとさらに手厳しく拒絶された堀北がヤンデレ化するんですね最高です。(歓喜)

 

 

ラノベのテンプレ的な展開に狂喜していると、知的なイケメンメガネが堀北の両手首を掴み、彼女の身体の自由を奪った。ひゃ?!これってまさか、R-18まっしぐら?こらこらこら!小町は見ちゃダメ!絶対!お兄ちゃん許しませんよ!良い子は早く寝なさい!

 

 

ん?

 

 

すると、そのまま堀北を持ち上げ、地面へ叩きつけようとするイケメン。ひょ?!まさかエッチなラノベじゃなくてガチの火曜サスペンス劇場だったとか?!ハチマン、エロは好きなんだがグロはなぁ・・・

 

 

思わず目を瞑ろうとした瞬間、飛び出した綾小路がイケメンの腕を掴んだ。うむ、なかなか良い反応だよ、きみ。(謎の上から目線)

 

 

「なっ?!お前は!」

 

 

「彼女を離せ」

 

 

「あ、綾小路君?!」

 

 

前からずっと思ってたんだけど、これって要するに、色々拗らせたシスコン兄さんとブラコン妹が秘密のプロレスごっこしてる現場を、部外者(最高傑作)がお覗きしてただけだよね?つか、綾小路が余計な真似しなかったら、みなさんお待ちかねのヒャッハーなシーンが・・・俺たちはいま、なにを見せられているのです?

 

 

 

 

 

閑話休題(それはさておき)。(そんな日本語はないわよ、比企谷君。しっかりしなさい)

 

 

 

 

 

さて、そこからの攻防は、さすがに見応えのあるものだった。てか動きが速すぎてよく見えないんですけど。ナニアレ、天下一武道会なの・・・?

 

 

あ。

 

 

し、しまった!証拠映像撮るの忘れてた!このシーンもすっかり見飽きてたから、気が緩んでたよ・・・って、いまのもオフレコでっ!

 

 

「出てこい。そこに居るのはわかっているぞ」

 

 

つか、見つかっちゃいました。テヘペロ。(*´ω`*)モキュ

 

 

綾小路とやり合った生徒会長に言われ、仕方なく進み出る。目をつけられたら後々面倒だし、ここはおとなしく・・・

 

 

「まさか現役生徒会長が女子生徒を乱暴とはな。やっぱお前ら、兄妹揃ってむっつりなのか?」

 

 

ぶはぁ?!ハチのヤツ、またまた余計なひとことを!現時点じゃまだ、俺が堀北兄妹の関係を知ってるはずないだろ!

 

 

「お前は・・・比企谷だな?思い出したぞ。確か、入試結果が文系科目は満点、理系科目は赤点レベルだったヤツがひとり居たはずだ」

 

 

あべしっ?!まさかのアドリブ?そんなセリフ、原作にあった?てかここでそれ言う意味ある?

 

 

「あなた・・・見た目通りに学力バランスも()()()()なのね・・・」

 

 

いつの間にかツンデレに戻っていた堀北が呟く。ほぅ・・・この短時間で俺の本質を見抜いたか。さすがは未来のクラスリーダーさん、と言って差し上げますわ・・・

 

 

「まあいい・・・比企谷、端末を貸せ」

 

 

これは口止め料の振り込みですねわかります。ヽ(=´▽`=)ノ ワーイ

 

 

「あっぶな・・・?!」

 

 

だがしかし。お約束通り、スマホを差し出した俺に不意打ちを仕掛ける会長さん。上半身を反らせて躱すと、続く攻撃も軽快なフットワークで避けまくる。あ、もちろん戦ってるのはハチの方ね。俺は完全に、ジェットコースターのお客さん状態だから。

 

 

「ほぅ・・・いい動きだ。何か習っていたのか?」

 

 

「ピアニカと戦車道を少々・・・全国中学生戦車道大会で優勝したこともあるぜ」

 

 

「・・・それはあり得んな。戦車道は乙女の嗜みだ」

 

 

ぷっ!堀北会長、あなたまさか、その雰囲気でガルパンお兄さんとか?

 

 

「しかし、お前にこんな友人が居たとはな、鈴音」

 

 

シスコン兄さんの言葉に、即答するデレデレブラコン妹。

 

 

「友人ではありません。綾小路君は単なる隣人、比企谷君は・・・ただの通行人です」

 

 

 

 

 

 

 

やっぱ泣ける・・・

 

 

 

 

 

 

 

堀北兄は去り、気まずい3人がその場に残された。て言うか、早く行かないと坂柳たちが怖い。遅刻でもしようものなら、またもや俺の高校生活が終わる。それに、ここからは綾小路と堀北のターンだしな・・・

 

 

「あっぶな・・・?!」

 

 

へ?

 

 

飛んできた凄まじい速さの裏拳を、危うく躱した最高傑作。What?ちょっとちょっとちょっと!?いきなり何してんのよ、あなた(ハチ)

 

 

突然、綾小路へと襲いかかったハチの行動に理解が追いつかず、俺は間抜けな声を漏らした。そして、そんな俺にはお構いなしに攻撃を続ける、ハチことHACHIMAN。

 

 

「オイオイ、お前の全力は、こんなものか?」

 

 

わざと煽りながら、さらに攻撃のペースを上げるハチの前に、防戦一方の綾小路。そしてとうとう、作られた天才に最期の瞬間(とき)が訪れる・・・ちょっと待って!さっきも言ったけど、俺はアインクラッド屈指の攻略組でも、四葉一族に連なる戦略級魔法師でもないからね?単なる文科系のヘタレが、ホワイトルームの最高傑作に勝てるわけないでしょ!ふざけるのもいい加減にしてくれ!(これぞHACHIMAN)

 

 

「歯を食いしばれよ最高傑作。敗北ってのは、ちっとばっか響くぞ」

 

 

ほぼどっかで聞いたような丸パクリの決めゼリフで、やつ(綾小路)に引導を渡そうとした(ハチ)だったのだが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぇっ?!」

 

 

文字通りヒキガエルみたいな断末魔とともに、意識を刈り取られた俺、比企谷八幡。最期に見たのは、ハイキックを決めた堀北妹のドヤ顔だった・・・

 

 

てか、ツンデレ黒髪ロングさんにやられちゃうなんて、わが生涯に一片の悔いなし!!(ただ言ってみたかっただけ)




次回第9話『ようこそ入学式の朝へ』

戦い済んで、日が暮れて・・・?

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